なんでもない日常1

だらだらと放課後にSOS団で暇をつぶす訳でもなく。
ハルヒのわがままに振り回されることもなく。
一直線に我が家へと帰るとそこには珍客が居た。
「やほー」
俺は別段調子が悪いわけでもないのに頭が痛むのを感じて額に手をあてがった。
やれやれ…といつもの調子を吐いて。



「とりあえず布団の上からどけ」
「えぇー?」
不満そうな声をあげてしぶしぶ、といった風な態度を見せながらベッドから降りる。
ベッドに花のように放射状に広がっていた髪もその持ち主に引かれて一つにまとまりベッドから姿を消した。
ちょこん、といった擬音が似合いそうな感じでベッドから立ち上がった"それ"は頭一つ分ほど低い所に頭を持っていた。
その正体は何を隠そうか、泉こなたであった。
「そして部屋からでなさい」
「どんだけー……どれだけ、私を使えば気が済むのっ!?キョンキョン!!私はあなたにとってのなんなの!?便利なだけの女!?」
「服を着替えるから出てけ」
「スルーってひどいよね」
泉の背中を押して部屋の外に出す。
ネクタイをぐいぐいと引っ張りながら外して、泉がドアの向こうに消えたのを確認するとズボンのベルトに手をかけた。
ベルトを引き抜いてチャックを下ろしt
「そしてお約束ぅ!!!!!」
バッターン!!と部屋のドアが開け放たれた。
「む、十秒早かったか……」
バタン!と多少荒っぽくドアを閉めると再び覗かれることのないようカギを掛ける。
カリカリカリカリカリ…とドアをひっかく音がするが無視だ。
制服を脱ぎ、私服へと着替えてからドアをまた再び開ける。
「キョンキョンKY」
「K協力して Yやる理由は無い」
泉を改めて向かいいれた。
そこで初めて気づいたのだが、泉はその手になにやらでかい本を持っていた。
装丁はなにやら丁寧な…
「って、お前なんで俺の卒業アルバムを持ってるんだ!?」
「中学生のキョンキョンは新鮮だったよ♪」
「勝手に人の過去を探るな!」
「この佐々木さんってキョンキョンと一緒にいるのが多いよね」
「邪推するな」
にこにこと笑いながら(しかしどこか怒気を感じさせる笑顔だった)手の中の卒業アルバムの一ページを俺に見せつける。
しかし本当になにも無かったのだからこれ以上の説明のしようもない。
もう俺の部屋にいる理由を尋ねようとする気すら起きなくなってきたところに何度目か、俺の部屋のドアが勝手に開いた。
もちろん、俺も泉も触れてはいない。
「キョンくーん?お義姉ちゃーん?御飯だよー」
「うん、わかったもうすぐ行くヨー」
扉を開けたのは我が妹であった。
そして今ちょっと聞き逃せない事を言ってなかったか?
「ちょっとまて今"義”が付かなかったか?」
「気のせい気のせい」
「こなちゃん、いつキョン君と結婚するの?」
「オイ泉?なにを人の妹に吹き込んでいるんだ」
「将来の予定を少し…」
「今すぐ誤解を解け!!」
「今日はカレーよ」
「はーい、お義母さーん」
「少しは人の話を聞け!!」


誤解を解くのに俺は多大な労力を掛けることになったのだが……泉め、なにが面白くて俺にちょっかいをかけるのだろうか。

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最終更新:2008年06月24日 19:07
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