第三話
~ファーストコンタクト?(前編)~
俺は高校一年の初めの頃はこのようなSOS団とかいう変な団に入るとか夢にも思っていなかった
そして、そこで巻き起こる非日常的な出来事も…
しかしこの非日常が現実ということも分かっている
何故かって?
それは、現実にいたからな
宇宙人も未来人も超能力者もな
…まぁ、それを探している本人は気付いてないがな
え?何を言ってるか意味わからん?…気にするな
まぁ、そんなことはどうでもいい
ここは一応現実…ノーフィクションだからな
この非日常だらけの二年間も一応楽しかったからな
まぁ、やなこともあったがな
というかやなことの方が多かったがこれも気にする必要はない
俺も一応心は広いからな
しかし、どんな人にも許容範囲がある
もちろん、俺にもだ。俺は普通の人だからな。反論はさせん
だから、心が広い俺にも許せないことがある
たとえばハルヒの理不尽な行動とかな
まぁ、あいつの奇行を許せる奴がいるのか知りたいが
もし、いるなら名乗り上げろ。俺が殴って目を覚まさせてやるから
ん?何でこんなモノローグやってんのかって?
正直、その広い許容範囲を超えることが今起こったので、現実逃避したいためだ
教室を入ってきた三人を見て俺は驚いた
しかしこの動揺を顔に出さなかったのは俺の今までの経験の賜物だと思う
ちなみに前で谷口がまた変なランクをつけている声が聞こえるが、ここはスルーしておく
今入ってきた三人。そのうちの一人は今日の朝、見た顔でもあり俺の感じた違和感の一つでもあった。
入ってきたのは顔だけで判断すると、まぎれもなく泉こなた、柊つかさ、高良みゆきの三人だった。
いわずと知れた「らき☆すた」の登場人物であった
そしてそれと同時に今までの違和感の正体がわかった
登校中、ぶつかった女子は今何故か俺を見ている柊つかさの姉である柊かがみであると思う
そしてこの陵桜学園も「らき☆すた」に出てくる高校だった気がする
そして、アホの谷口に似ている白石とかいう奴も「らき☆すた」に出てくる奴の一人であることも思い出した
この違和感の正体がわかったとたん俺は現実逃避したくなったのだ
何故、ここにマンガやアニメの架空人物がここにいるんだ?
いや、正確には、なぜ俺たちがマンガやアニメの世界にいるんだ?
あの三人は何か会話をしているが遠くて聞こえない
なぜか俺を見ていた気がするが気にしないでおく
ハルヒよ。おまえは何を望んでいるんだ?
確かに自己紹介で一年の時の自己紹介で異世界人とか言ったが、異次元人と異世界人は大きく違うぞ
しかし、この考えも教室に入ってきた岡部と(恐らく)「らき☆すた」の黒井先生によって止まった
そして、泉こなた(らしき人物)が俺の後ろの席、そして柊つかさ(これも仮定)が隣に座った
やれやれ…後で古泉あたりに一応言っとくか
とりあえずめんどい事になったな
教室に入ってつかさが「あっ」て言ってあるところを見た
「どうしたの?」
「あの人…朝、お姉ちゃんとぶつかった人だ」
ほぉ~~。姉妹フラグを立てた人がここにいるのか…
私はその人を見た…ってええ!?
あの人ってもしかして…
「つかさ、みゆきさん」
「何?」「何でしょうか?」
「あの人ってキョンに似てない?」
「キョンと言うのはシカの仲間の…」
「ちがーう!「涼宮ハルヒシリーズ」のキョンだよ」
そう言うと二人はあの人を見て、
「そういえばよく見るとそうですね…」
「う~ん…確かに似てるかも」
制服さえ違っていれば間違いなくSOS団のキョンに間違えられても不思議じゃない
うわ~。世の中にはこんなに似ている人もいるもんだネ…
そう思うとつかさが、
「こなちゃん。あの人…」
つかさが別の人を見て私に言った
「あの人?…ってええ!?」
私はまた驚いた
今私が見たのは制服は違っていても顔を見るとまぎれもなく涼宮ハルヒだった
さらによく教室を見渡すと、キョンの友人である谷口と国木田に似てる人もいた
「どうなってんの~?」
「これって…何か楽しそうな予感がするネ」
「とりあえず席につきましょう」
なんかホントに面白そうだな~
とりあえず始業式が終わったら話しかけてみよう
私はそう思いながら席(キョンの後ろ)に座った
俺はさっきから校長の長い話をスルーして考えている
考えていることは、現実と信じたくない現実のことである
谷口に聞いたところ「らき☆すた」について聞いたことがないと言った
そして、俺のバッグに昨日まで入っていた「らき☆すた」が入っていないので余計にわからない
やれやれ…どうなってんだこりゃ
夢なら今すぐ覚めてほしい
俺が考え事をしていると、
「北高出身、涼宮ハルヒ」
と、ハルヒの声が聞こえた。どうやら自己紹介の最中だった
「我々、SOS団は不思議を探しています。何か知っているならば私の所に来なさい。以上」
ハルヒの一年の演説とは違うセリフが聞こえた
どうしてあいつは今ここでこんな不思議が起こっているのに気付かないんだ…
そう考えていると俺の出番が来た
「俺の名前は」
そう言いかけたらいきなり
「こいつの名前はキョンだ!」
と、谷口が大声で言った
「そっか。よろしくなキョン」
と、黒井先生が言い俺の弁解許さず自己紹介終了
こいつ…後で抹殺しなくては
俺はそう考えながら席に座った
「泉こなたです。ヨロシク」
そう言いながら後ろの泉こなたと名乗る少女が座った
やはりそうですか…
もはや考える気力も失いぼーっとしていると
「ねえねえ。前の席の人」
後ろから何か聞こえた気がする
だが、思考回路が機能してない俺は反応せずただ前を見ていた
そしたら
「とうっ」
後ろから結構な勢いで叩かれた
もちろん突然叩かれたので俺の頭は机(しかも角)に衝突
俺は頭と怒りを押さ(抑)えながら
「何だ」
そう言いながら後ろの席の人、もとい泉こなたを見た
泉こなたは俺と目を合わせながら一言
「チョココロネの先ってどっちだと思う?」
俺の時間が止まった