記念日、美男子、海パン、冷やし中華、心霊スポットにて

「キョン!アンタもうすぐ何の日かもちろん覚えてるわよね」
いきなり何の脈絡もない質問をするな
「学生のほとんどが発狂する通知表の受け渡しとその後に待ち受ける至福の夏休み以外に何かあるのか?」
少なくとも俺には特別な日には感じられんな
「アンタ馬鹿なの?何でこんな大事なこと忘れてんのよ!それでもSOS団員なの!?」
だから一番大事なところが抜けているだろ
大事なことってなんだ
「もうすぐこなた達がSOS団に入ってからちょうど一年じゃない!」
そうかもう一年も経つのか
「それじゃ何かお祝いでもするのか?」
「よくわかってるじゃない、さっき忘れてたことはチャラにしてあげるわ」
別に怒られるようなことじゃない気がするが…いや、やっぱり今回は俺が悪いか
「具体的に何をするかは決まってるのか?」
まあ今回は俺も精一杯協力するとしよう
珍しくハルヒが意味のあることを提案してきたんだからな
「昼間は海で遊びまくって夜は心霊スポットで肝試しよ!」
ハルヒは百万ボルトの笑顔を向けて言ってくる
やることは賛成だから本物の幽霊が出たりするのはごめんだからな
「まぁそういうのも楽しそうでいいかもな」
「あらアンタ珍しく反抗しないのね」
俺だって何でもかんでも反対する訳じゃないさ
「ふーん、まぁいいわとにかく今日は部活の時に詳しいことを決めるから絶対来なさいよ!」
そういうとハルヒは何処かへ行ってしまった
まったく落ち着かん奴だ

しばらくするとハルヒは戻ってきた
どうやら皆に連絡を回していたみたいだった

さて、本日も睡眠が七割を占めていた授業を終え部室に向かおうとするがハルヒがいない
まさかあいつもう部室に行ったのか
毎回あいつの行動力には驚かされるね
「俺もそろそろ行くとするか」
そうつぶやきながら部室に足を向ける

コンコン

紳士な俺は部室に入る時はきちんとノックをするようにしている
SOS団ができたころにノックをしなかったせいでうれし…ゲフンゲフン大変な目にあったからな
「遅いじゃないキョン、みんなもうそろってるわよ」
そう言われてあたりを見回すとすでに全員揃っていた
「言っとくが俺も結構急いだんだがな」
「じゃあ次からは限界までいそぎなさい」
こんなことのために毎回体を酷使してたまるか
「まぁいいわこれで全員揃ったから」
「それじゃあ今からSOS団緊急ミーティングを始めます」
ハルヒが声高らかに宣言した
「今日皆に言ったようにもうすぐこなた達がSOS団に入団してから一年が経つわ」
「だから今年は合宿とは別に海に行きたいとおもいます、もちろん夏休み恒例の肝試しするわよ」
「おお楽しそうだねハルにゃん」
「楽しいに決まってるじゃないこのあたしが企画するんだから」
「肝試しか~怖そうだねゆきちゃん」
「そうですね私お化けなどの怖いものは苦手で」
ほんとにこの二人は見てて和ましいな
「大丈夫よみゆきお化けなんていないから」
意外とリアリストなんだなかがみは
そんな話をしているうちに長門の本が閉じられたので今日は解散になった
「詳しいことを決めたらまた連絡するからそれまで皆楽しみにまってなさい、以上」
こう言ってハルヒ真っ先に部室を出て行った
だから落ち着きをもてと何度…いや無理か

ヴーヴー

家に帰りシャミセンと戯れているとハルヒからメールがやってきた
「意外とはやかったな」

from ハルヒ
title 今週末は両方とも開けておきなさい
text 土曜日はみんなで新しい水着を買いに行くから余分にお金持ってくるのよ
本番は日曜日なんだから浮かれちゃだめよ
いつもの場所に9時だからね
遅刻したら死刑なんだから

都合により顔文字は省かせていただく
というよりまた俺が奢ることになるんだろうな
我が母君に小遣いの前借りか古泉から借金の徴収するとしよう

週末-土曜日-

集合時間より二時間も早く妹のボディプレスをうけ目を覚ました俺は妹を無視して二度寝を…なんてことは我が妹が許すはずもなく結局いつもと同じ時間に起こされてしまった
しかしあれやこれやとしている間に結構な時間がたってしまい結局集合時間ギリギリになってしまった
いや、二度寝なんかしてないぞ決して
「遅い!罰金」
なぜ皆もういるんだ…
こなたまでいるじゃねえか
「んふふー私は結構時間にうるさいのだよキョンキョン♪」
へえ意外だったなそれは
「あんた達いつまで喋ってんの早く行くわよ!」
ちょ待てよ
「ああ~ハルにゃんおいてかないで~」

さて、所変わっていつもの喫茶店だ
「それじゃいつもどおりくじ引きやるわよ」
「別に今回は不思議探索でもないんだから別に分ける必要はないんじゃないの?」
そういわれてみるとそうかもな
「あんたねぇちょっと来なさい」
かがみが連れて行かれてしまった
なにやら話しているみたいだか
なんでみんなそんなにニヤニヤしてるんだ?
あ、帰ってきた
どうかしたのかかがみ顔が真っ赤だぞ
それにちらちら俺の顔を見てなんかついてるか?
「べっ別になんでもないわよ」
何故か怒られてしまった
「それじゃあみんな引いて」
俺は……色なしか
「おや、今回はあなたとですか」
なんだ古泉か
まあ水着を買う訳だしお前との方が良さそうだな
「あなたの趣味も気になりますしね」
気色悪いことをいうな
お前が俺の趣味を知ってどうする
なんで皆俺を見るんだ
「あなたもつくづく鈍感ですね」
何の話だ
それにお前も結構鈍感だと思うぞ
「何のことでしょう」
全くつかさがかわいそうだ
「それじゃあそろそろ行くわよキョンさっさと会計済ませてきなさい」
結局俺かよ!

しかし古泉はよくモテるようで
二十分に一度女性に声をかけられるなんてことはザラだ
何故か二人で歩いていてもこいつばかり
俺が女ならこんなニヤケ顔をした男なんざ信用できんぞ
と、強がりを言ってみたもののここまでくると俺でも少し凹むぞ
しかし古泉曰わく「自分が好意を抱いていない女性以外に好かれても意味はないでしょう、それに見た目だけで人を判断するような方たちは苦手なので」だそうだ
さすが美男子は言うことが違うね
「あなたに言われるととても理不尽な気がするのですが」
俺はバレンタインも妹と母親からしかもらったことしかないようなどこにでもいる普遍的な男子だぞ
「昨年は皆さんから貰ったじゃないですか」
あれはみんな義理だって言ってただろ
ん、なんだその目は
「いえ、さすがに彼女たちが可哀相になってきましてね」
何故あいつらが可哀相なんだ
「それはとても僕の口からはお伝えできません」
そう言われると余計気になるが

♪~♪~

ん?お前の携帯じゃないのか
古泉は「失礼します」と断りを入れてから電話に出る
「ハイ、ハイ、わかりました彼にもそのように伝えておきます」
誰だったんだ
「涼宮さんからでした、今日はこのまま解散だからあとは各自自由、なお明日もいつもの場所に今日と同じ時間に集合だそうです」
まったく勝手なやつだな
「そこが涼宮さんの魅力でもあるじゃないですか」
あれはただわがままなだけだろう
それより今からどうする
もう水着も買っちまったしやることもないぞ
「たまには僕たちだけでふらふらしてみますか」
そうだな、たまにはお前と二人でもいいか

週末-日曜日-

「キョーンくーん起きてー…ってあれ?キョン君が自分で起きてる~」
残念だったな我が妹よ
俺も日々進化しているんだ
「変なキョン君、じゃあシャミあっちいってよーか」
兄にむかって変とか言うもんじゃありません

「それじゃあ行ってきます」
「行ってらっしゃーい
キョンくーんおみやげよろしくねー」
「わかったから今日はきちんと留守番してるんだぞ」
「はーい」
ふぅ、今日は余裕を持って行動できそうだな

「遅い!罰金!」
結局俺が最後かよ!
お前ら実は俺に集合時間遅めに知らせてないか
「邪推はするもんじゃないわよ」
とは言ってもだなかがみ
「あんたの行動に余裕がなさすぎるだけよ」
「あたしが来た時なんか有希とみくるちゃんと古泉君なんてもういたんだから
あんたにも団員だってことをこれくらい自覚してほしいもんよ」
まあ朝比奈さんたちはお前の監視が仕事だからな
というより何故俺がそこまで言われればならん
と、言い返したかったが言うと更に面倒なことになりそうなのでやめておいた

「さあとことん遊ぶわよ!」
砂浜からハルヒの声が聞こえてきた
あいつもう着替えたのか
まさか服の下に着てたのか
「さて僕たちも行きますか」
そうするとしよう
これ以上あいつを待たせるとまた怒られそうだしな
「キョン!古泉くん!早くしなさい」
そう焦るなよ時間はあるんだから
砂浜にいくと女子組がすでに待機していた
「なにニヤニヤしてんのよこのエロキョン!」
まて俺がいつニヤニヤした
「鼻の下デレデレ伸ばして」
断じてそんなことはない
まあ似合っているとは思うがな
「っこのエロキョン///」
なんなんだいったい
だが何故お前だけスクール水着なんだこなた
「へん?」
いや変だろう
それに高校生にもなってスクール水着を着るのはどうかと思うぞ
他に水着はなかったのか?
「ううん、持ってきたけどこっちの方がキョンキョンの好みかなって」
俺はそんな大きなお友達好みそうな趣味もってない
さっさと着替えてこい
「ちぇ絶対喜ぶと思ったんだけどな」

青い空
白い雲
きれいな海
揺れる朝比奈さんとみゆきのむnゲフンゲフン
俺はいったい何を口走っていたんだ
「キョンキョン今ギャルゲーやってるときのお父さんの顔してたよ」
何!?それはどんな顔だ
「んふふー秘密」
「あんた達そろそろお昼にするってハルヒが呼んでたわよー」
もう昼飯の時間か
さっき来たばかりのような気がしたがな
「作者の文才がないからカットだって」
まあそんなことだろうと思っていたさ

「あんたたちがあんまり遅いからもう先に食べてるわよ」
ああ悪かったな
「こなたお前何食べる?」
「あたし焼きそばでいいや」
「じゃあ焼きそばと冷やし中華一つずつで」と注文をとりに来た店員に告げる
「何でこういうところで食べると普段よりおいしく感じるんだろうね」
なんでって…海で泳いできて腹が減ってるからじゃないか?
「確かにそれもあるかもしれないけどなんか特別おいしく感じない?」
そう言われてみれそんな気がしなくもないな
ここで注文していた焼きそばが届けられたので会話は一時中断となった

「なあハルヒこれからどうするんだ」
「とりあえず日が暮れるぐらいまではここで遊んでいくわ、それでその後は肝試しよ場所はもう私が決めてるから十分すぎるほど覚悟しておきなさい」
元気だなお前は、さっきまであんなに遊んでいただろう
「何言ってんのよまだまだこれから遊ぶに決まってるじゃない」
じゃあ俺は木陰で昼寝でもしてるかな
「おっさんね~あんたは」
こなたにも似たようなことを言われたがもしかして俺って結構老けてるのか
「でもキョン君ってお父さんみたいなところがあるよね~」
なに?俺はまだピチピチの高校生だぞ
「今時の高校生はピチピチなんて言わないわよ」
じゃあ何か俺は「ちょ~だりぃ」とか「パネェwww」とか言ってたほうがいいのか?
「それはキモイわ」
「さすがのあたしでもそれはひくよキョンキョン」
「キモイわね」
「……変」
「そんなキョン君は嫌かも…」
ハルヒたちならまだしもつかさや長門までっ!
さすがに結構きたぞいまのは
「まあまあ皆さん彼も反省しているようなのでこれくらいにしておきましょう」
すまん、古泉ありがとう

…ョ……ョン…キョ…
「起きろって言ってんでしょーがこのバカキョン」
うごわっ!?一体何事だ!
「いつまで寝ぼけてんのよ
早く着替えてきなさい」
ん、もう帰る時間か
結局殆ど寝て過ごしちまったな
それにしてもだなハルヒ持って優しく起こせんのかお前は
おかげで一瞬綺麗な花畑が見えたぞ
「起こしてもらっておいてわがままばっかり言ってんじゃないわよ」
というか古泉お前が起こしてくれてもよかったんじゃないのか
「すみません、あまりに気持ちよさそうに寝ていたものですから」
そういえば俺が寝てる間何かなかったか?
「特にありませんでしたけどしいて言うなら泉さんがあなたの寝顔を撮っていたということぐらいでしょうか」
そうか、あとで懲らしめてやらんとな
「それでは行きましょうか」
また叫ばれるのもごめんだしな

さて、帰ってきたわけだが
これからどうするんだハルヒ
「肝試しといえばやっぱり廃病院よね」
いや知らんが
「そうやって決まってるもんなの」
だがこの町にそんなところあるのか?
「その点は抜かりないわ」
じゃあ早速向かうとするか
「あんたが仕切ってんじゃないわよ」
はいはいじゃあ改めてどうぞ
「さあ行くわよみんな!」

さて、ついたわけだが
まさかこのところに病院があったとは知らなかったぞ
「まあ結構前に潰れちゃったみたいだし知らなくて当然よね」
なんだかがみは知ってみたいな言い方だな
「私の家ここから結構近いのよ」
そうなのか
つかさも知ってたのか?
「私も一応知ってたけど一回お姉ちゃんたちにつれてこられれて」
「そのときつかさったら泣きだしちゃってね腰も抜かしちゃうし大変だったわよ」
はははまあ、つかさらしいっちゃらしいけどな
「そんなに笑わないでよ~」
古泉おまえもそう思うだろ
しかし古泉からの返事はない
「古泉?」
やはり返事は帰ってこない
「ちょっとみんな止まってくれ」
俺の言葉に反応して皆が足を止める
人数を確認する
1、2、3……8人
ここには俺、ハルヒ、長門、朝比奈さん、古泉、こなた、かがみ、つかさ、みゆきの9人がいるはずだ
だが何度数えても8人しかいない
つまり古泉がどこかへ消えてしまったのだ
「古泉がいない」
その言葉に全員の顔が強張る
つかさやみゆきなんか泣き出しそうになっている
「とりあえず一通り回って古泉を探そう」
そのとき近くの部屋で何か大きなものが倒れたような大きな音がした
「ちょっと見てくる」
下手に動くなよ
そう伝えると俺は恐る恐る音のした部屋の中を覗き込む
そこでは明らかに自然には倒れないであろう棚が横たわっていた
音の出どころがわかった俺は皆のところへ戻ろうと
ん、今なにか聞こえなかったか?
…気のせいか
気味が悪いし早くもどるとするか
「何かあったの?」
いや棚が倒れてただけだ
それよりさっき変な声が聞こえなかったか
「ちょっと気味悪いこと言わないでよ」
ということは何も聞こえなかったのか
「それじゃあ古泉君を探しに行くわよ」


一通り回ってみたが古泉を見つけることはできなかった
携帯に何度連絡しても繋がりすらしないし
それにあちこちから聞こえてくるラップ音も気になるし
まさかほんとにハルヒが幽霊にいてほしいなんて願って古泉がそれに連れ去られたなんてことは……いや、古泉が連れ去られる理由がわからん
「なあハルヒどうする
まだ捜すか」
「うーん今日はもう帰って明日また捜しましょう」
嫌にあっさり引き下がるんだな
「今日はこなた達もいるんだししょうがないわよ」
そうか
そうして俺たちは出入り口にむかった

「そろそろ出てこいよ古泉
どうせその辺にいるんだろ」
俺がそう言うとほぼ全員が不思議そうな顔を向けてきた
なんだこなたその可哀相な人を見る目は
「だってキョンキョンがいきなり変なこと言い出すから」
言っとくが俺はいたって正常だ
古泉もはやくでてこい
「おや、ばれていましたか」
茂みから古泉がひょっこり出てきた
「まさかこんなに早くバレてしまうとは思いませんでしたよ、しかし何故僕が犯人だとお思いになったのですか」
お前がいなくなってから始まったあのラップ音だ
あまりにもタイミングがよすぎだ
それに俺たちの周りだけで鳴ってたしな
「けれどそれだけでは僕が犯人だと思う理由にはならないでしょう」
確かにな
だが俺がハルヒにもう帰るかと聞いた時のハルヒの反応が気にかかってな
「なんであたしの反応で古泉くんだってわかるのよ」
お前はあの時いやにあっさり引き下がっただろ
そこでピンときたのさ
もしかしたらハルヒと古泉はグルなんじゃないかってな
ハルヒがSOS団の仲間を簡単に見捨てるはずがないからな
もし本当にいなくなったら一人ででも捜していただろうな
「どうやら今回は完全に僕たちの負けのようですね涼宮さん」
肩をすくめる古泉
全く女の悲鳴まで用意して手間のかかることをしたもんだ
「悲鳴?何の話でしょう」
何の話でしょうって…
お前が声真似にしろ録音にしろ何かしてたんだろ?
「いえ僕は特に何もしていませんが
涼宮さんは何かしましたか?」
「いや私は全部古泉君に任せてたからなんにもやってないわよ」
じゃあいったいどうゆうことなんだ
あの声はみんな聞こえてたよな?
「変な音はしてたけどそれは古泉君なんでしょ?
それ以外には何も聞こえなかったわよ」
こなたは?
「あたしもなんにも聞こえなかったヨ」
「もしかしてほんとの幽霊かも」
つかさの言葉を耳にするとハルヒの目がみるみるうちに輝きだした
「みんな行くわよー!必ず幽霊のやつをとっちめてやるのよ、それでもう嫌って言うまで遊び倒してやるわ!」
ちょ待てハルヒ
っておい皆なんでそんな乗り気なんだ
「まあこうゆうのもいいじゃないですか」
結局俺はハルヒに振り回されるの
「はぁ、やれやれ」

その後再び病院内を三週もさせられた俺たちは結局なんの収穫もなし解散した
ハルヒはふてくされていたがこなた達が楽しそうだったのでまあいいとしよう
もともとそのために企画されたんだしな
終わりよければなんとやらだ





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最終更新:2008年07月08日 23:16
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