俺たちは歩いてる
八人だからそれなりの団体で歩いていた
「ねえねえ、長門有希さんとやら」
「…なに?」
「これから「ながもん」ってよんでいい?」
「…構わない」
「やったー!あ、この本読んでみなよ。結構面白いよー」
「わかった」
「読んだら感想聞かせてネ」
早速泉が長門に喋っている
長門も無表情に見えるが少しうれしそうだ
長門に友達ができたのはとてもいいことだと思う
もしかしたらいつかはあの改編された世界で見た長門のように感情豊かになるかもしれない
「この本のアニメが結構面白いんだよー他にも…」
…だが泉のようなオタクにはなってほしくないな…
そう思いながら歩いていると古泉が
「随分と賑やかですね」
と言った
「そうだな」
「これからはもっと楽しそうな起こる予感がしますよ」
「俺はこれからもっと苦労しそうな予感がするんだが」
「何故ですか?」
「いや…なんとなくだ」
「そうですか。あとこのケガどうしたのですか?」
おっと…忘れてた。朝の事謝っておかないと
「おい、柊…かがみだっけ?」
「あ、そうだけど何?」
「朝のことだがすまない」
「え?あ、あのことは私が悪いから…って」
「?」
「何で「怪我はない」とか言ってたのに手にハンカチ巻いてるのかしら」
「いや、気付かなかった」
そう言うと柊(姉)が
「ごめんなさい。私のせいで怪我しちゃって」
「いや、大丈夫だ。それよりおまえの方こそ怪我は無いのか?」
「うん。大丈夫」
「ならばよかった。柊が無事ならばこの怪我なんてどうでもいいことだ」
「っ!」
そう言うと突然柊(姉)の顔が赤くなった
「どうした?」
「な、なんでもないわよ!」
そう話していると泉が
「ほうほう。キョンキョンは天然で女の子を口説くタイプですか」
「どういう意味だ。それにキョンキョンとは何だ」
「いやいや、ニックネームだヨ」
「キョンでいいだろうが」
「本名で呼ばれることは?」
「…それはもう諦めた」
俺はそう言いながら空を見た
空はオレンジに染まって綺麗だ。明日はきっと晴れるだろう
「キョ、キョンくん」
今度は柊(妹)が話しかけてきた
「どうした」
「こ、これから…よろしくね!」
そう言うとそれに続いて
「よろしくね、キョンキョン」
「よろしく、キョン君」
「よろしくおねがいします」
と、三人が言った
まぁ、出会いがどうであれこれからこの世界でやっていくんだ
…もしかしたらこれからもっと楽しくなるかもしれない
こう思ったことは秘密だ
まぁ人生ポジティブにやっていくべきだな
だから俺は軽く諦めたように笑い
「ああ、よろしく」
と言った
これからの事を考えつつ思う
『すばらしいかな?この世界』
「って、何で俺にだけよろしくって言ったんだ?他にも居るだろうが」
「キョンキョンは鈍感だネ♪」
「意味わからん」
「そしてキョンキョンの長いフラグとの格闘の始まりを告げるゴングが鳴った…」
「意味わからんナレーションを入れるな」
カーーーーーン!
「鳴らすな」
終わり