夏である
今の時期世間では夏休みに入っていて、大抵の学生は沢山の課題を無視して遊びや部活に時間を費やしている
しかし今、俺はあの北高前の強制ハイキングコースを汗水たらして上っている
何故かって?
説明すると俺は低空飛行していた成績が遂に地面に墜落してしまったからだ
…まぁ、要は夏休み前のテストで赤点を取ってしまったのが原因である
そのため俺はこの夏の太陽が照りつける中、上っているのだ。忌々しい…自業自得だが
まぁ、谷口も補習を受けるのは当たり前だ
もし谷口が補習を受けなければ俺は屋上から飛び降りるね
そう思いながら歩いていると、
「あれ?キョンくん?」
そう話しかけてきたのは同じクラスの柊つかさであった
「どうしたんだ?」
「え?えーと…」
「もしかしてつかさも補習受けるのか?」
「う、うん。キョンくんも?」
「ああ」
「よかった~…」
「何がだ?」
「キョンくんも補習受けるから」
つまりつかさは補習受ける友人がいないから寂しかったんだな
「えっ!?ち、違うよー。キョンくんと一緒n」
「っと。もう時間がやばいな。つかさ、早く行こう」
そう言ってつかさの手を掴んで走った
「え?わ、わ」
つかさは顔を真っ赤にしながら遅れないようについてきた
教室に着いたらすでに谷口含む人たちがいた
「よぉ、キョン」
谷口が話しかけてきた
「ああ」
「おっ、柊つかさもいるのか」
「ああ」
「これは親密になるチャンスだな」
俺は谷口の妄想を流しながらつかさを見た
つかさはさっきから自分の手と俺を交互に見ていた
そして補習が始まった
補習の内容は略する
あったことはつかさがプリントの問題の事で聞いてきてその度に谷口が俺に殺気を向けてきただけだ
あまり見てると時間内に終わんないぞ
補習が終わった
谷口は妄想しすぎてまだ終わっておらず先生にサシで教えてもらってる
俺は溜息をつきながら荷物をまとめていると
「あ、あのキョンくん」
つかさが俺に話しかけてきた
「どうした」
つかさはトマトの様に真っ赤な顔をして
「キョ、キョンくんは今日の午後ひ、暇かな?」
「ああ。暇だがどうした?」
「買い物したいんだけど付き合ってほしいかな~なんて…ダメかな?」
なるほど。荷物持ちか。それならお安い御用だ
「分かった。いいぞ」
そう言うとつかさは
「ほ、本当に?よかった~」
満面の笑みで言った
内心かわいいと思っていると同時に谷口の殺気を感じたが無視しよう
場所は変わってデパートである
今、俺たちは洋服売り場に来ている
つかさは店員に聞きながら自分に合う服を探しているようだ
俺はその様子を眺めている
「キョンくん。これどうだと思う?」
「ああ。かなり似合ってるぞ」
こういうお約束な会話をしていると店員が
「お二人ってどういうご関係で?もしかて恋人同士で?」
と、お約束な質問を言ってきた
「え?あ、あ、え~」
つかさは顔を真っ赤にしながら何か言おうとしているが全く言葉になってない
まぁ誤解されると面倒なので俺は
「いや、違いますよ。ただのクラスメイトです」
そう言ったときつかさが少し残念そうな顔をした。何でだ?
「そうですか。でもお似合いですよ」
店員がそう言うとつかさはまた顔を真っ赤にした。熱でもあるのか?
…ん?なんか今殺気がしたな。しかも今度は複数の
周りを見渡したが人がたくさんいて何も分からなかった
まぁ気のせいだな
そう俺は思い会計を済ませたつかさと共に別のフロアに向かった
次は食品売り場である
つかさは今度は材料を探している
「凄いな…お菓子でも作るのか?」
「うん♪」
つかさは料理は得意だったからな。きっと良い嫁になるだろうな
「キョ、キョンくん!誉めすぎだよ~」
しまった。モノローグが口に出ていたようだ。これは恥ずかしい
仕方ない。ここは適当に色々言って流そう
「いや、本当だ。俺が貰いたい位だ」
「えっ!?」
やば。つい考えないで言葉を言ってしまった
「あ、あううううう…」
つかさはまた顔を真っ赤にさせ何か言おうとしてるが、「あうう」にしかなってなかった
「す、すまん。今のは失言だ」
俺がそう言うとつかさは軽くふくれた
ここでもかわいいと思ったのは内緒だ
「キョンキョンって自然と女の子を口説くのか…」
「というか、よくそんなこと言えるわね…」
「やっぱり鈍感だからネ…」
どこかで謎の会話が聞こえたが、気のせいだろうと1人納得した
帰り道
俺とつかさは2人で帰っていた
「キョンくん大丈夫?ごめんね。荷物持たせて…」
「いや、もとよりそのつもりで来たからな」
つかさはいつもの笑顔で
「今日はありがとう」
と言った
「いや。俺もつかさのいろんな所が分かって楽しかったさ」
「もぅ…」
と笑い合った瞬間、また背後から視線を感じた
そして咄嗟に考えた事を実行した
俺とつかさは完全に見えなくなるように曲った後、止まって今来たところを見て待った
つかさは突然の俺の行動に戸惑いながらも黙って俺に従った
俺の作戦が成功すれば多分これで今までの追跡者が分かるはずだ
「うわっ!」
「キャア!」
「えっ!?」
「なっ!?」
俺の予想に反して出てきたのは、泉こなたとつかさの姉である柊かがみだ
「とりあえず聞くが、何故尾行していた?」
「え?何言ってんの?私はただかがみんと帰ってただけだヨ?」
「かがみん言うな!」
やはりこの展開か…。ここは誘導尋問するか…
「いや、さっきデパートでお前のアホ毛が見えたからな」
「マジで!?しまったー」
「なるほど。マジで尾行してたか…」
「しまった!謀ったな、キョン!」
尾行してるお前らが悪い
「というか何で尾行してたんだ?泉はともかくかがみまで…」
「キョンキョンが浮気してるか見るためだヨ♪」
「俺はお前とそんな関係になった覚えはないんだが」
「キョンキョン鈍感…」
そう言い合いした後俺は3人と別れた
「まさかつかさが出し抜くとは…正直予想外だわ」
「うーん…私も次は補習受けようかなー」
「ごめんね…こなちゃんにお姉ちゃん」
「いいよいいよ。まぁ、明日からはこんなことさせないけど」
背後から何か会話が聞こえた気がするがうまく聞き取れなかった
次の日から補習後、必ず校門で泉とかがみに会うようになったが何故だ?
そして、4人で歩いている姿をハルヒが目撃して古泉が神人にボコられるのはまた、別の話である
「あの…私の出番は…」
完
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