彼女がこなたと名づけた理由

「お前が振り向いてくれないから俺はこんなギャルゲー好きな男になったんだ」
これがそう君から私への愛の告白だった

こんにちは、泉かなたです
今はもう天国にいて、そう君とお話をすることもないけれど、天国からいつでもそう君とこなたの成長を見ることが出来て、十分幸せな生活を送ってます
……って生活とは言わないか。死活?それもおかしいわね


産まれたときから恵まれた体ではなく、小中高とまさに成長期と縁がなかった私
もちろんそんな体のため、結婚とか、ましてや子供が出来るなんて毛頭思っていなかった

そう君とは幼馴染でいつも一緒にいた
喧嘩もしたし、一緒に海に行ったりもした
そう君はゲームが好き、それも男の人が好きそうなゲームばかりをやっていた
私と一緒にいるときも、いつもゲームの話とかばかり
内容が分からなくても、それでも私はそう君と一緒にいるだけで楽しかった

「お前が振り向いてくれないから、俺はこんなギャルゲー好きな男になったんだ」
そう君がそういったときは驚いた
そして、それが告白だと理解し、返事をするのに時間はかからなかった
それはなぜかって?決まってるでしょ?
私も、そう君が好きだから

だけど、振り向いてくれなかったのはそう君の方
私がどんなにアピールしても構わずにゲームのこととか、仕事である作家活動とかの話ばかり
そう考えたら、なんだかんだでそう君は女の子が好きなのに鈍感だったのかもしれない
それとも、私のアピールが足りなかったのかな?

お互いの想いが通じ合って、結婚をして、やがて子供も出来た
まさか自分が子供を生むことが出来るなんて、思ってなかったから、とても嬉しかった
顔は私に似ていて、そう君と同じように泣き黒子がある。2人の子って感じがした

「名前、どうする?」
そう君が私に聞いてきた
「私、もう決めてるの」
私はその子を抱きながら言った
「なんていう名前だ?」
「こなた。泉こなたよ。かなたの子ってことでこなたって思ったんだけど、どう?」
「理由が気に入らないが……良いんじゃないか?将来はかなたに似てかわいくなりそうだな~」
「もうちょっと体は大きくなって欲しいけどね」
「いや、俺はかなたぐらいでも別に良いと思うがな」
「……そう君の変態」

本当はかなたの子っていう理由でこなたにしたのではない
自分の体のことは自分が一番分かっている。モチロン、自分があとどれぐらい生きられるのかも
そう君には私が亡くなっても悲しい思いはして欲しくない。だから、私はこなたという名前を付けた
「ここにあるかなた」として――

この前お盆で下に降りたとき、そう君とこなたの会話が聞こえた
「絶対自信を持って言えることがある」
「絶対自信を持っていえること?」
「俺が、世界中で一番かなたを愛してる事だ」
その言葉を聞いて、私は本当に嬉しかった
私がなくなってからもう10年以上経つのに、それでも私を愛してくれている
私の中に、そう君やこなたがいるように、そう君やこなたの中に、私はいる。それだけで、私は幸せ者だと思えた
私も、世界中で一番そう君を愛してるよ。そう君


こなたは見た目は私に似て、性格はそう君に似て、彼氏とかちゃんとできるのか不安だった。そう君は出来ないで欲しいとかいっていたけど
けどその考えは杞憂だったみたい
今、こなたには彼氏がいる
名前は……確かキョン君?だったかな。珍しい名前ね
そう君みたいな人かと思ったけど、上から見てる限り、普通の人みたい
彼なら、こなたを幸せに出来ると思うな
今度、是非会ってみたいわね


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最終更新:2008年08月12日 19:05
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