リレー作品4

341:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/13(日) 13:15:25 ID:OSsKurtd0(17)
     燦々と輝く太陽、なんて言えば耳心地もそれはいいだろうが
    しかし現実はずいぶんと薄くなったオゾン層を超えてやってくる種々様々な光線が
    俺達の皮膚を焼いて、目を焼いてくれちゃったりするわけである
    俺自身はそれほどでもないが、髪の毛がその太陽光線を存分に吸収し
    頭が非常に熱を持って、まるでファンの壊れたPC内部である

     30度を超えて真夏日となるというが、そんな基準をいい感じに超過してる外気温
    俺達はカーテンを閉め切って冷風機によって外気との温度差が10度を超えそうな
    SOS団部室内で調子に乗って地球の未来を憂いてみる
    まったく対岸の火事の思考である

    「昼間から遮光カーテンを閉め切って、冷風機とパソコンとテレビとゲームを同時に起動してるこの部屋は
     多分最近のエコと呼ばれる偽善からかけ離れた悪行ともいえるわね」

     肩肘ついてマウスのクリック音を不定期にさせながらハルヒは脱力した発言をする
    この中で現在本を黙って読んでる長門以外は全員何らかの形で未来のオゾン層に攻撃を仕掛けている
    かく言う俺もこなたと肩を並べて神龍退治に精を出しているが

    「お前にその発言をする権利は無い」

     俺にも

    「うっさいわね、私はパソコンを怠惰に使ってるわけじゃないの。今はこの環境を改善するために奮起してたの」
    「ほぅ、それはそれは、今度は冷風機じゃなくてエアコンの設置でもするのか? 最近のエコなエアコンでもさ」
    「あんた、私に喧嘩売ってる?」
    「自分の過去の行いを鑑みて見ろ、俺の発言はどこまでも正当だ……やべっ」

     地面を這いつくばって歩いてるのに巻き込まれると体力フルでも死ねる

    「まぁいいわ、一秒後にはあんたは私の考えに賛同せざるを得ないわ」
    「1、賛同しません」
    「殺す!」

     殺されるようだった



342:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/13(日) 13:15:55 ID:OSsKurtd0(17)
    「で、具体的にはなにをどうするつもりなのよ?」

     見るに見かねてかがみが横から口を出す
    横目で確認するとテレビ画面にはGAME OVERの文字
    どうやら単にタイミングがよかっただけのようだ

    「プールよ、プール」

     聞かれてハルヒが得意げに指を立ててパソコンの画面を示す
    …が、当然こちらからは見えない。のでパソコン画面は無視してゲームに集中しながら会話を続ける

    「プール? ロングビーチか?」
    「そ、流れる奴とか波のある奴とか、飛び込み、競泳、温水、室内と色々あるわよ!」
    「俺は金欠だ」
    「タダ券があるわ」

     ポケットからしわしわのチケットを複数出して机に叩きつけるハルヒ
    パソコンを見て思いついたというよりただ単にプールの詳細を調べてただけか?
    だとするならやはりパソコンを使って状況改善方法を探してたわけじゃないじゃないか

    「だからいまから行くわよ!」
    「―いまから!?」

     チケットの有効期限が今日までというなんともありがちで嫌なパターンに遭遇したらしい

    1.仕方が無いのでゲームを切って色々仕度をするために一旦解散
    2.ゲームをここで止めるわけにはいかないと会話を続けて時間稼ぎ



347:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/13(日) 13:55:46 ID:6TDTYzLF0(10)
    1.仕方が無いのでゲームを切って色々仕度をするために一旦解散

    俺としてはもうしばらくインドアに浸っていたかったのであるが、そんなことをしているとプールで遊ぶ時間がなくなっちまうだろう。
    そしてそもそもハルヒが俺の意見なんぞ聞くはずもないのだ。
    よってSOS団一同は一旦解散の後帰宅、水着を用意して再集合ということになった。

    「じゃあいつものところに集合ね。キョン、遅れたら死刑だから!」

    死刑は俺限定なのかと質問しようとしたときには、既にハルヒは部室の扉から外に飛び出していた。
    相変わらず無駄にアグレッシブな野郎だ。付き合わされる俺たちの身にもなれってんだ。



    その後かがみや他の連中ともわかれ、俺は足早に帰宅した。
    あんまりのんびりしてると、ハルヒのことだ、本当に死刑にされかねんからな
    妹の「キョンくん今日ははやいねー」という発言も聞き流し、急いで用意を始めた。
    下手に妹の相手をしてるとまたぞろ付いてこようとするだろう、そうなったら面倒だ。
    水着を箪笥から取り出しつつ考える。――はて、自転車は必要だろうか。
    以前行ったときは俺と古泉が自転車でハルヒや長門、朝比奈さんを後ろに乗せて行ったわけだが
    何分今回は人数が多いからな。どうなんだろう。
    そこまで考えが到った時、俺の携帯がけたたましく悲鳴を上げた。
    液晶画面には「涼宮ハルヒ」、そう描かれていた。
    計ったようなタイミングだが、あいつめ、盗聴器でもつけてるんじゃないだろうな

    「自転車? 今回はいいわ。皆で歩いてくから」

    件の事を聞いてみるとこのような返事が返ってきた。
    ちなみに用件はなんだったかを聞くと、

    「あれ、何だったかしら? まぁいいわ、それじゃね」

    あいつは一体何がしたかったんだ……?
    と自問しても分かるはずもなく、時間が過ぎてゆくだけだ。急ごう。
    そして準備を終え、いざ出発というところで思わぬ――いや、分かってはいたつもりだったが――妹に出くわした。
    妹はどうやら俺の荷物を見て感づいてしまったらしく連れて行けと俺を中心に回りつつ自作ソングを歌って訴える。
    さて、どうしようか。

    1.言い聞かせてる時間は無い、強行突破だ。
    2.しょうがない、こいつならハルヒも何も言わないだろうし連れて行ってやるか。
    3.そこに丁度お袋が帰ってきた。しめた、お袋に説得してもらおう。



351:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/13(日) 15:56:47 ID:OSsKurtd0(17)
    3.そこに丁度お袋が帰ってきた。しめた、お袋に説得してもらおう。

    「お袋、俺は友人とプールに行く。後は任せた!」

     言って、反応を見ずに靴を履いて玄関の外に身を躍らす
    速攻で妹もあとを追おうとしたものの靴を履いてない妹は玄関でたちどまる
    今日は自転車の鍵を開けて担いで外の出して乗るというタイムラグが無いため
    そのまま全力でダッシュを決め込んだ

    「ずるーい!」

     そう絶叫に程近い抗議を俺の背中に向けて発する妹から逃げるように俺は駅に向かった

    ―

    「おそーい!」

     妹と同じ音程でハルヒに怒鳴られた
    最初にペースを考えず全力疾走したおかげで、逆にしばらく息を整えるために立ち止まり
    結果として始終歩いたほうが早かったという結果に終わった

    「悪い、妹の懐柔に手間取って」

     実際はお袋が説得してくれたのだろう、でなければ立ち止まってる間に自転車で追跡してくるような
    ハルヒと共通する悪いベクトルでの行動力があるのだ

    「なによ連れてきてもよかったのに」
    「身内がいると、それだけで楽しめなくなるんだよ」

     年が離れてると特に楽しみ切れない、やることなすことが目に付き耳につくのだ

    「まぁいいわ、電車に乗ってGO!」
    「了解」

    1.俺はこなたと肩を並べて先ほど中断したゲーム論に興じながら駅に向かう
    2.朝比奈さんが持つ大きなお弁当と思わしきものが入ってるバックを持って差し上げる
    3.かがみとハルヒの愚痴を言いながら駅に向かう



360:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/13(日) 19:07:56 ID:yT+fvFDK0(6)
    1.俺はこなたと肩を並べて先ほど中断したゲーム論に興じながら駅に向かう

    俺達は合計で9人という結構な大所帯で駅へ移動を始めた
    まだ先ほどの疲れが抜けきってない俺は堂々と先頭を行くハルヒと違い最後尾を行く事とした
    「キョンキョン~」
    俺のただでさえ忌々しいあだ名を2回呼ぶ人物は一人しかいない
    泉こなたである
    「なんだ?」
    「いや、ちょっと話がしたくってサ」
    「構わんが……」
    といったわけで俺は泉と会話をしながら駅へと向う事となった

    「やっぱしあの場所ではアレを使うしかないんだと思うんだヨ」
    「いや、アレに限らずアッチも有効なんじゃないか?」
    「むー。そっちもあったか……」
    といった具合で会話の内容は専らハルヒのせいで中断となってしまった先ほどのゲームのことであり
    2人の若い男女が肩を並べて話すようなそんなあまーい会話なんぞ俺は一切していない
    それにしても、俺よりもゲームのことに関しては優れている泉が俺にゲームのことを聞いてくるのは珍しいな

    駅に着いた俺達は切符を買うため切符売場へ向った

    すると後ろから
    「おーい、キョンくーん」
    声がしたので振り向いた
    そこにいたのは

    1.お袋に説得してもらったはずの妹がお袋と一緒に駅にいた
    2.お金持ちのお嬢様である鶴屋さんが何故駅に……?
    3.確か一度会った事がある……泉の従姉の成実さんだったか?



365:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/13(日) 19:48:41 ID:R/pmCpxN0(16)
    2.お金持ちのお嬢様である鶴屋さんが何故駅に……

    俺が何だと思い、振り向いたら朝比奈さんの友人で、お金持ちの鶴屋さんがいた
    「こんな大人数でどうしたのさ」
    俺は今までの経緯を鶴屋さんに説明した
    すると鶴屋さんは
    「なるほど。そこは私ん家が経営してるプールだよ。だから行こうかなと思ったのさ」
    鶴屋さん。あなたは何者なんですか?
    そう思っていると鶴屋さんは
    「行く場所同じだから案内してやるっさ!」
    と言い、ついてくることになった
    ついに二桁突破。まさに大所帯だ
    しかも男女比率悪いし。1:4だ
    そう思いながら切符を買い、電車を待つホームに来た
    そしたらホームには既に先客がいた
    あれは…

    1.泉の従妹の小早川ゆたかちゃん。そしてよく見ると他の三人もいるな
    2.かがみの友人の日下部みさおと峰岸あやのだな
    3.谷口…よし、気付かれる前に気絶させよう



379:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 08:23:18 ID:Ebq2TEN80(7)
    俺が代理で投下しておこう

    3.谷口…よし、気付かれる前に気絶させよう

    三つほど連なったベンチの傍に見覚えのある後姿が二つ
    一人は中学時代からの友人、もう一人は…まぁただのアホだ

    我がSOS団団員のうち、俺と古泉以外は女性である。
    その為俺達二人は、こなたの言うところのハーレム状態にある。
    今だってそう、言うなれば“両手に花”ならぬ“両手に花束”といったところだ。
    そんな状況で谷口に見つかると色々と厄介なことになりかねん。
    ここは一つ、気付かれる前に――

    「気付かれる前に気絶させようなんて考えてんじゃねーよな、キョン?」
    「も、もちろんだ」

    今日は珍しく勘が鋭いな
    そういうのは隣に立つ国木田の役割だとばかり思っていたが

    「でもこれからプールに行くだろうってとこまで見抜いていないみたいだね」
    「よくわかったな」
    「その荷物を見れば誰でもわかるよ、この人を除いてね」

    俺と国木田の冷たい目線を受けながらも、それに気付かない谷口はさっそく女性陣の私服チェックに入っている。
    流石の谷口も今回(勝手に)エントリーされている女性が多く、さらに甲乙付けがたい者ばかりだということで
    ランク付けにかなり悩んでいるようだったが、傍から見ればただの不審者だ。
    いち早く怪しくいやらしい視線に気付いたみゆきさんは顔を赤らめ下を向いてしまった。

    「もしかしてそっちもプールか?」
    「まさか……今日は」

    『2番乗り場に電車が参ります』

    国木田の言葉を遮ってアナウンスが流れ、しばらくして遠くのほうから電車が迫ってきていた。
    やがて俺達の立つホームに近づくにつれスピードを緩めていき
    完全に停止したところで「プン」という電子音と共に扉が開かれた。

    「これ? じゃないわね」

    一昔前の女子高生が履いていた靴下のようにルーズな俺とは違って、電車というのは時間に正確だ。
    ハルヒの言葉に、俺も腕に付けた時計を見てみると、
    俺達が乗らなくてはならない電車の到着までまだ余裕があった。

    「あ、これだよ」
    「え? あぁ」

    国木田が依然として間抜け面で女子を見続ける谷口に声を掛けると
    呼びかけに答えた間抜け面は女子達に名残惜しそうな
    そしてすれ違いざま、俺に恨めしそうな視線を送り
    手をヒラヒラ振りながら、国木田に続いて電車内に入っていった。
    二人を見送り、もう一度腕時計に視線を落としていた矢先

    「つかさ!」



380:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 08:23:59 ID:Ebq2TEN80(7)
    かがみが妹の名を叫んだため、全員がつかさを見た。
    すると当のつかさは姉の声も聞こえていないのか、谷口に続いて電車に乗り込もうとしていた。
    国木田の声を聞いたつかさは自分の乗る電車が来たと勘違いをし、
    さらに乗り込んでいく谷口を俺だと見間違えたのだろう。
    つかさらしいといえばつかさらしいが、このまま谷口達と何処へ行くつもりだ?

    「お、おい!」

    俺が慌ててつかさの腕を掴もうと走った時、既に片足が電車内に入った状態だった。

    「プン」

    俺はまだつかさの腕を掴んではいない。
    だが再度鳴らされた電子音が、扉が閉まるということを教えている。
    つまり簡単に言うと、このままだと間に合わないということだ。
    誰か事態に気付いた人物が中から押してくれないかぎり……。

    「きゃ!」

    ようやくつかさの腕を掴もうかというところで、短い悲鳴と共に俺目掛けてつかさが迫ってきた。
    見ると車内から伸びた手が引っ込んですぐに扉が閉じられた。
    間一髪、寸でのところで谷口がつかさの身体を軽く押してくれたようだ。
    そっと受け止めてあげると、黄色いリボンが顔に当たってくすぐったかった。

    「ふぅ……珍しく谷口が役に立ったな」
    「まったく人騒がせな妹ね」
    「えへへ、ごめんごめん」

    ありがとう谷口、お前の功績と挟まれた鞄を、俺達はけっして忘れはしないだろう
    せいぜいあと一駅、他の乗客達から向けられる哀れみの目に耐えてくれ。

    鞄を靡かせながらスピードを上げる電車を見送ってから数分
    やっと俺達の乗る電車がホームへ到着し、みんなゾロゾロと乗り込んでいった。
    今の一件でつかさはすっかり緊張しきっており、不安そうな顔でかがみの手を握っていた。
    言ってくれれば俺が手を…ゴホンゴホン……なんでもない


    快適な電車の旅を終えた俺たちは無事プールに到着し、
    更衣室でそそくさと水着に着替えた後、皆が来るまでの間、簡単にプール内を見回してみた。
    鶴屋家が経営しているとあって、予想を遥かに超越した広さだ。
    ロングスライダーや流れるプールで遊ぶ人達を見ていると、
    あまり表立ってはしゃいだりしない俺でも、心の中ではドキドキワクワクしていた。
    それにしても女性陣は時間が掛かるな……適当に海パンだけ履けばいい男とは違って
    まぁ色々と俺の知らないようなことで手間を取られるのかもしれないな。

    遠くのほうからハルヒやこなたの声が聞こえ、そちらの方へ振り返る
    俺が真っ先に目を奪われたのは……

    1.胸に大きく泉と書かれた紺色の水着
    2.胸が大きく花が描かれたみゆきさんの白い水着
    3.腕に大きなビニールのボールを抱えて怪しい笑みを浮かべるハルヒ
    4.胸を叩き「どうだい、すんっごい広いでしょ!?」と嬉しそうに語る鶴屋さん



385:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 17:14:01 ID:Ebq2TEN80(7)
    少し長くなったので2つに分割

    1.胸に大きく泉と書かれた紺色の水着

    更衣場から出てきた女子軍団を見て俺は思いっきり吹いてしまった
    ……小学生がいたからである
    実際は小学生ではなく、胸に大きく泉こなたと書かれた紺色の水着
    つまり、スクール水着を着ていた泉がいたからである
    「お、おい。ちょっと待て。何でお前は学校の水着なんだ」
    俺は少し動揺を隠せないまま泉に尋ねた
    「いやさ~急いできたからこんなのしかなかったんだよネ」
    だからってその水着はどうかと思うが
    「どう?キョンキョン似合ってる?」
    似合いすぎて怖いぐらいだ
    それにしても本当に泉はスクール水着やランドセルを背負わせると小……これ以上は機嫌を損ねそうなので言わないでおこう

    泉のあまりのインパクトに周りに目がいってなかった俺だが、少し冷静さを取り戻し他の女子を見ると皆それぞれ綺麗な水着を着ている
    ハルヒや長門、朝比奈さんの水着は以前見たことがあるのでさほど驚きはないのだが、鶴屋さんや柊姉妹、高良の水着もとても似合っている
    谷口がいたら鼻血を出して倒れてしまいそうなぐらいである
    辺りを見回すと男性からの視線が集中砲火の如く俺に浴びせられる
    「ここではなんですので、日陰の方にシートを敷きに行きましょうか」
    古泉も俺と同じく視線に耐えられなかったのかこの場から逃れようと移動を薦めた



386:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 17:14:30 ID:Ebq2TEN80(7)
    日陰にシートを敷くとハルヒとこなた、鶴屋さんは一目散にプールへと駆けていった。朝比奈さんもハルヒに引っ張られている
    こらハルヒ。朝比奈さんの水着を引っ張るな。いろいろと危ない
    俺含むそれ以外の人物はシートに座りゆっくりと休んでいる
    長門は読書を、つかさは持ってきていたらしいビーチボールを一生懸命膨らましている
    ……それにしてもなかなか膨らまないな
    「ええい、見ててイライラするわね。貸しなさいよ」
    つかさのマイペースな膨らまし方に痺れを切らしたのか、かがみがつかさからビーチボールを取り上げ膨らましだした
    かがみだとすぐに膨らんだのは何でだろうか

    ビーチボールを膨らましたあとかがみとつかさ、それに高良もプールの方へと出て行った
    「全く、女子ってのは何でこういったところが好きなんだろうね」
    俺は古泉に愚痴をこぼした
    「おや、女性だけには限らないとは思いますが」
    「お前も楽しみたいなら行って来て良いぞ。俺と長門で荷物番してるから」
    「泳ぐ、というのは疲れるものですよ。無いとは思いますが閉鎖空間が出たときに影響したら困りますので、今は遠慮しておきます」
    これだけ楽しめばハルヒも閉鎖空間は出さないと思うがな
    「ええ。ですから念の為、です」
    そんな会話をしていると俺を呼ぶ声が聞こえた
    呼ばれたほうをむくと……

    1.泉が25mクロールの勝負をやろうと言って来た
    2.つかさがビーチボールを持って遊ぼうと言って来た
    3.朝比奈さんが昼食を買いに行こうと言って来た
    4.かがみがウォータースライダーをしようと言って来た



388:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 17:50:26 ID:LRPxXkQf0(7)
    4.かがみがウォータースライダーをしようと言って来た

    「おい、おっさん!」

     …やっぱり俺は呼ばれてなかった
    俺は上げかけた腰をシートに戻して、側頭部にボールがヒットして体制を崩す
    ぶつかってテンテンとプールサイドを転がるボールを拾い
    それを投擲してきた当人、かがみに投げ返す

    「なにしやがる」
    「返事しなさいよ」
    「まともな呼びかけ方をしろ」

     ボールを突然奪われてつかさがかがみのやや後ろで戸惑ってるじゃないか
    …つかさに投げ返してやればよかった

    「プールにきてまでシートの上でだれてるようなあんたはおっさんで十分よ」
    「お前…」
    「まぁいいわ、私は若者らしくウォータースライダーしようと思う訳よ」
    「オーケイ、付き合おう」

     俺がそう言うとかがみは少々予想外だったのかポケッとしていたが
    すぐに笑って俺の肩を叩いてから、無理やり頭下げさせて肩を組まれた

    1.俺は長門に行ってくると声をかけてからウォータースライダーに向かった
    2.古泉に荷物を頼んでおく
    3.かがみに付き合って俺もかがみの肩に腕をかける



394:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 21:12:18 ID:xWkioK2n0(5)
    3.かがみに付き合って俺もかがみの肩に腕をかける

    何でかがみがこんなことをするのかは分からんがこうなりゃヤケだ。
    俺もかがみの肩へと腕を回し――素肌に触るのは少し気が引けたが――肩に手を乗せた。
    恋人同士っぽくいきたいところだが……。うむ、どうみても2人3脚にしか見えんな。

    「きゃ!? ちょ、キョン君!? や、やぁ……っ」

    何だ、先にお前のやったことだろう?

    「そ、そりゃそうだけど……その、あの……」

    顔を真っ赤に染めながら何やら言い澱むかがみ。
    怒ってるんだろうか?
    そんなに腹を立てるぐらいなら自分がまずやらなけりゃいいのに。
    しかしそんなことをいっててもしょうがないだろう。
    俺は若干の気恥ずかしさと名残惜しさを感じつつ、腕を肩から離し、かがみと距離をとる。

    「あっ……」

    はて、かがみも少し残念そうに見えたのは俺の気のせいだろうか。気のせいだな。


    そんなこんなでウォータースライダーに到着だ。
    流石鶴屋家のものだけあって……、というかなんだこれは。
    100m超はあるだろうチューブスライダーを初めとして、数十の大小様々なスライダーが見える。
    いくらなんでもこれは……どこのギネス級だ?

    「うわ、すっごいわね。何よこれ」

    隣のかがみも大いに驚いているようだ。
    というかそれが当たり前の反応だろう。
    こんなとんでもないところに我々平々凡々たる一般人はそうはこれないからな。ここは素直にハルヒに感謝するとしよう。
    さて手始めにどれに乗るかな。
    俺がそういうとかがみは、なんだかんだいって楽しみらしく目を輝かせ、

    「そうね……。それじゃあアレにしましょっ!」

    そういってかがみが指差したのは……

    1.最も見栄えのする100m級のスライダー
    2.ゴムボートに乗り複数人で同時にすべるらしいスライダー
    3.まるでジェットコースターのようにコースがとぐろを巻いているスライダー



398:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 22:31:12 ID:AdmTFWNb0(5)
    3.まるでジェットコースターのようにコースがとぐろを巻いているスライダー

    かがみはほとんどジェットコースターにしか見えないようなスライダーを差した
    「ああ、いいぞ」
    正直、俺もこれにしたいと思った
    やっぱり、やるなら平凡な直線じゃなくて少しスリルがあった方がいい
    …俺もハルヒの影響受けたな
    まぁ、そんなことはどうでもいいとしてスタート地点についた
    「どっちが先にやる?」
    かがみがこんな事を聞いてきた
    普通はレディーファーストとしてかがみにさきにやらせるべきだが、
    女子であるかがみに先にやらせると何か俺が臆病者みたいで男が廃る
    そのため俺が先にやることにした
    こうしてスタート

    感想を言おう
    ひどく目が回った
    小学生とかにやらせたら間違いなく吐くぞ
    そのくらい目が回ったのだ…ああ、世界が回る
    俺がフラフラしてると肩を叩かれた
    振り向いたら…

    1.泉とつかさが見ていた
    2.朝比奈さんと高良が見ていた
    3.古泉と長門が見ていた



406:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/15(日) 00:50:14 ID:+B7rTs+gO(6)
    2.朝比奈さんと高良が見ていた

    まだ覚醒しきっていない頭で後ろを振り向いてみたところ、
    1つ2つ……全部で5つのボールが目の前にあった。
    しかし1つはちゃんとしたビーチボールで間違いないようだが、
    他の4つは何だかやけに柔らかそうで、つい手を伸ばして触りたくなる。
    いや、触らなくてはならないという使命感を感じたと言うほうが……

    「あ、あのキョンさん?」
    「……キョンくん?」

    なんと? ボールが喋ったではないか!?
    しかも何故俺の名を知っている?

    「それは私達がボールじゃないからですよキョンさん」
    「……あぁなんだ、高良に朝比奈さんだったのか」

    どおりでビーチボールと見間違うはずだ。
    水の上に並んで立つ2人の姿はまるで人魚のように美しく
    その身体に実った2つの果実はとても大きかった。
    ……などと官能的とも言えそうな2人の水着姿を堪能していた俺なのだが、
    戸愚呂(スライダー)の本当の恐怖を味わうのは
    滑っている最中ではなく、こうして下まで辿り着いてからだった。

    「あっ!」

    何かに気付き声を上げたのは朝比奈さんのほうだった。
    一体何を見たのか気になり顔を伺おうとしたが、
    その時には朝比奈さんも、そして高良でさえも俺に背中を向けていた。

    「お、おい高良、どうしたん――」
    「どけぇぇぇぇ!」

    女のそれとは思えないほどドスのきいた叫びが聞こえ
    声のした方向……たった今滑り降りてきたスライダーを見た。
    俺の目に映ったのは、慌てた様子で目を見開いて口を動かし
    左右から水しぶきを上げ猛スピードで迫ってくるかがみの姿だった。

    人生諦めが肝心
    胸くらいまである水の中を移動するのは結構時間が掛かるもので、
    今逃げようとしたところで、絶対に間に合わないことくらい俺でもわかる。

    どうすることも出来ず目を瞑った次の瞬間!
    恐らくかがみであろう物体が俺の体に衝撃を与え
    俺達は2人仲良く水しぶきの中へ飲み込まれてしまった。

    「ぷはっ! イタタタタ……ん?」

    水から顔を出し、犬のように首を振った俺は、何か布のような物を掴んでいることに気が付いた。
    その両端を持って目の前に広げてみると、それは……

    1.髪を結ぶリボンか?
    2.なにやら逆三角形の布切れに紐が付いていた。
    3.この丸みを帯びた布が2つ繋がっているのは何だ?



433:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/15(日) 21:14:27 ID:Xn4wr2WP0(11)
    リレーはみなみをうっかりさんにさせた責任をとって俺が繋げる……ッ

    >>406
    1.髪を結ぶリボンか?


     色、長さから見て間違いない。かがみがつけていたはずのリボンだ。
     それがここにあるということは、
    「ぷはっ!」
     その先を思いつく前に、髪を振り乱したかがみが飛沫と共に飛び出して来た。
     普段のツインテールは見る影もなく、水面に長い髪が広がるように浮いている。
    「やだ、リボンなくしちゃった……あ」
     俺の持っているものに気づいたらしいかがみ。ざぶざぶと音を立てて寄ってきて、
    「ありがと」
     しゅっと俺の手から引き抜くと、その場で髪を結い始めた。
     もちろん、その意味に気づかない俺ではない。
     リボンは一本、片方は捜索を諦めている、その状況で結おうとしている。即ち――
    「こんなもんかな」
     ポニーテールエンジェル、ここに降臨。
    「……なによ」
    「あ、いや」
    「そりゃ……悪かったとは思ってるけど、避けないアンタだって、ちょっとは」
     視線の意味を勘違いしてくれたらしい。これ幸いとばかりに、それに話を合わせる。
     性癖を暴かれるってのはあまり気分のいいものでないし、俺は自分から話すほど吹っ切れていない。
    「いや、今のは予測できたのに避けなかった俺のミスだ」
    「……そう思うんならさ、リボン探してくれる?」
     お安い御用だ、と安請け合いする俺。良質ポニテの持ち主の頼みを断るはずないじゃないか。
     が、リボンを見つけたら、それがスーパーポニテタイム終焉の合図となる。どうしたらいいんだ。
    「じゃあ一緒に行きましょ」
    「二手に分かれた方が合理的じゃないか?」
     そりゃ、近くで拝んでいられるというのなら願ったり叶ったりなんだが、かがみらしからぬ提案だ。
    「そ、それは……」
    「それは?」
     しばらく、世界が止まったかと思われるほどの長い沈黙を要して、
    「もうっ」
     という鳴き声ともつかぬ捨て台詞を残し、かがみは水中に消えていった。
     ちょ、待てよ、と俺も勢いをつけて水に潜る。が、勢いが強すぎて思ったり深く潜ってしまい、
     鼻があの「つーん」とする痛みに襲われた。
     たまらず水から顔を出すと、そのまま「何か」に直撃。その「何か」とは……


    1.ハルヒと泉のライダーダブルキック
    2.鶴屋さんとつかさが投げたビーチボール
    3.戻ってきた朝比奈さんとみゆきの自前の浮き
    4.古泉「残念、それは僕のおいなりさんです」


    これでいいのか?



443:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/15(日) 22:15:24 ID:EbP/c63L0(15)
    3.戻ってきた朝比奈さんとみゆきの自前の浮き

     ぽこんとあたって、またその反動で水の上を反対に流れていく浮き輪
    咄嗟にそれをつかんで立ち上がると

    「あっ、すみませんキョンさん」

     ばしゃばしゃと水を掻き分けてこっちに向かってくる
    みゆきと向こうで両手をパタパタさせている朝比奈さんを発見した
    べつにどうと言うわけじゃないのに顔が緩むのは何故なのだろうか

    「キョン君、大丈夫でしたか?」
    「平気ですよ、ただのビニール浮き輪……?」

     過剰な心配を遣してくれる朝比奈さんにこちらが申し訳なくなりながら
    浮き輪に目を落とすと、どうにも一般販売されてるものとは思えない奇抜なデザインであった

    「みゆき、これは…なんだ?」
    「私と先輩で作った自前の浮き輪です」

     嬉々として宣言されてしまった、と同時に足元から泡が大量にでてきて
    俺とみゆきの間にかがみが勢いよく顔を出す
    その勢いに体勢を崩した俺は…

    1.浮き輪を持ってたため突き出た肘がかがみの頭部に直撃
    2.前のめりになってみゆきを押し倒してしまった
    3.後ろに倒れながら咄嗟にかがみの肩をつかむ



449:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/15(日) 23:05:52 ID:6MJfp0fH0(8)
    1.浮き輪を持ってたため突き出た肘がかがみの頭部に直撃

    俺は体制を崩しかがみの頭部に俗に言うエルボーをくらわせてしまった
    しかも俺の体重なども加えてダメージは三倍だろう
    …別に赤くて角はついてない
    それはそうとしてかがみはいきなり衝撃を加えられたので反撃の態勢に入った
    攻撃内容は恐らく右のストレート
    狙いはさっき、かがみに当たった場所と同じ所
    回避成功率はほぼゼロパーセント
    …俺は人気ゲーム、スマッシュ兄弟達のアイテム、バットのフルパワーの攻撃を喰らったが如く、吹っ飛んだ
    さらば地球よ…

    俺は長い旅の末、何とか現実と言う地球に帰ることに成功した
    ふと、目をあけると…

    1.泉が膝枕をしていた
    2.つかさが俺の顔を見ていた
    3.長門が隣で読書していた



458:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/16(日) 00:24:37 ID:YPBnpKj8O(6)
    1.泉が膝枕をしていた

    「…う~ん」

    どの位の間宇宙空間を漂っていたのかわからない。
    俺が地球に帰還した頃、空はオレンジ色に染まっていた。
    そしてその空には、何故か青い暖簾が掛かっている。
    手で触れそっと撫でてみると、髪の毛のように細くサラサラとして気持ちが良い。
    それもそのはず、その暖簾は正真正銘髪の毛で
    何やら柔らかい物の上に頭を乗せていると思っていたが、それは膝だった。

    「こ…なた?」
    「あっもう醒めちゃったのぉ?」

    こなたは俺の頭に手を置いたままで、残念そうに口を尖らせている。
    低反発枕も裸足で逃げ出すほど寝心地のいい膝枕から身体を起こし、あたりを見てみると
    シートの上には俺とこなた以外誰も居なかった。

    「みんなはどうした?」
    「あっち」

    こなたの指差すその先には、楽しそうにボールで遊ぶ団員の姿があった。
    が、長門だけは本を片手に持ち、楽しいのかそうでないのかわからない顔で
    自分の元へ飛んできたボールを機械的な無駄のない動きと正確な力で弾き返していた。
    無理やりさせられている感がしないでもないが、こなたにはそうは見えないようだった。

    「みんなはしゃいでるね」

    そう呟いたこなたは、少しシンミリとした表情をしていた。
    夕日に照らされた顔をジッと眺めていると、視線に気付いたこなたは
    俺の顔を見てニヒヒと恥ずかしそうに笑った。
    その笑顔に向かって俺はある提案をすることにした。
    ある提案とは……

    1.「俺たちも中に入ろうぜ」
    2.「ここにあるボールも膨らまそう」
    3.「ジュースでも買いに行かないか?」
    4.「まだちょっと眩暈が……」



466:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/16(日) 10:10:55 ID:+XCkrwNn0(6)
    4.「まだちょっと眩暈が……」

    「まだ、ちょっと眩暈が……」
    「大丈夫?なんなら、まだ膝枕してもいいヨ?」
    「ああ、そうしてくれ」
    まだ少し、ほんの少し眩暈がする俺は再び泉に膝枕をされながらみんなが遊んでいる様子を見ていた

    暫くして、眩暈が完全に無くなり俺もある程度活力がわいてきた
    「もう良いぞ泉。ありがとうな」
    そういって頭を泉の膝枕からどけようとするが泉が上から押さえつけて逃れる事ができない
    「お、おい……もういいって」
    「いいのいいの。私がこうしておきたいんだから、もうちょっとだけこのままで、ネ?」
    泉がそう言うのなら、お言葉に甘えてそうさせてもらうとするか

    膝枕をしてもらってからどれぐらい経ったろうか
    ハルヒたちは一向に遊びをやめる気配も無く、俺の心配なんか一切していない
    泉がいるから、という安心感なのだろうか
    泉の顔を見ると泉は心なしか嬉しそうに寝息を立てていた
    やれやれ、膝枕してる側が寝てるんじゃ話にならんな
    そう思い、泉を起こさないように横に倒してやった
    ふと思いつき、俺は泉の頭を俺の膝枕の上に置いた
    膝枕をしてもらったんだ、これぐらいのことはしておかないとな

    暫く経ってから気がつくと……

    1.ハルヒがビーチボールを投げてきた。まだ遊び足りないようだ
    2.かがみが膝枕をされている泉を黙って見つめていた。少し怒ってそうだ
    3.起きた泉が今の状況に気づき顔を紅潮させていた。恥ずかしそうだが、なんとなく嬉しそうでもある



477:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/16(日) 12:18:12 ID:L8ILpt2o0(19)
    2.かがみが膝枕をされている泉を黙って見つめていた。少し怒ってそうだ
    3.起きた泉が今の状況に気づき顔を紅潮させていた。恥ずかしそうだが、なんとなく嬉しそうでもある

    …何か視線を感じた
    俺が視線の先を見ると、かがみが泉の事を見ていた
    かがみの視線は少し殺気もある気がするな
    よく見ると他の奴も見てる
    つかさや高良は笑ってるように見えるが少し怒ってる気がするし、
    長門はさっきからボール打ちなおかつ、本を読みながら俺をずっと見ているという凄い技をやっていた
    みんな何で泉を見てるんだ?疑問に思う

    「うーん…」
    その視線を感じてか泉が起きた
    「あれ?何か…って、キョンキョン?」
    泉は今の状況を把握した途端、何故か顔を赤くして
    「えっ!?キョンキョンの膝枕!?わわわわわ…」
    いきなりパニックになった
    「落ち着け」
    「でも、キョンキョンが膝枕なんて…」
    泉は顔を真っ赤にしながらも嬉しそうに見えた
    さて、これからどうするか…

    1.泉と再び話す
    2.かがみと話す
    3.つかさと話す
    4.高良と話す



498:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/16(日) 20:51:48 ID:N8TegmoN0(10)
    4.高良と話す

     視線ならぬ死線をいくつも身体に浴び、蜂の巣になってる俺
    こなたは暴走、かがみは殺る気満々と言った所
    頬を両の手で包みごろごろとシートの上を転がり始めたこなたから離れて立ち上がるものの
    やはりその恐怖の視線は俺に付き纏う
    俺は明らかにミスチョイスだとわかるかがみと離れた場所にいるつかさを除いた結果残った
    みゆきに話しかけこの場の空気転換を図ろうとしてみる

    「キョンさん」

     が、俺が何か口にするよりも早くみゆきに先手を打たれた

    「な、なんだ?」
    「うふふふふ…」

     非常に魅力的で可愛らしい柔和な笑みなのだが
    なぜだろうか、かがみのさらに強さを増した殺気の含まれた放射よりも恐ろしく感じられる

    「お…怒ってるのか?」
    「いえ全然、私は別にキョンさんの女たらしな所とか、その癖鈍感な所とか、釣った魚に餌をあげないところとかに
     怒ってるなんてことは、全然っ、これっぽっちも! ありませんよ」
    「…」

    1.つかさにフォローしてもらう
    2.ここはあえて色々と収まりつけるためにかがみにヘルプを頼む
    3.いや、やっぱりこれは俺が悪いんじゃね? 謝る


341:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/13(日) 13:15:25 ID:OSsKurtd0(17)
     燦々と輝く太陽、なんて言えば耳心地もそれはいいだろうが
    しかし現実はずいぶんと薄くなったオゾン層を超えてやってくる種々様々な光線が
    俺達の皮膚を焼いて、目を焼いてくれちゃったりするわけである
    俺自身はそれほどでもないが、髪の毛がその太陽光線を存分に吸収し
    頭が非常に熱を持って、まるでファンの壊れたPC内部である

     30度を超えて真夏日となるというが、そんな基準をいい感じに超過してる外気温
    俺達はカーテンを閉め切って冷風機によって外気との温度差が10度を超えそうな
    SOS団部室内で調子に乗って地球の未来を憂いてみる
    まったく対岸の火事の思考である

    「昼間から遮光カーテンを閉め切って、冷風機とパソコンとテレビとゲームを同時に起動してるこの部屋は
     多分最近のエコと呼ばれる偽善からかけ離れた悪行ともいえるわね」

     肩肘ついてマウスのクリック音を不定期にさせながらハルヒは脱力した発言をする
    この中で現在本を黙って読んでる長門以外は全員何らかの形で未来のオゾン層に攻撃を仕掛けている
    かく言う俺もこなたと肩を並べて神龍退治に精を出しているが

    「お前にその発言をする権利は無い」

     俺にも

    「うっさいわね、私はパソコンを怠惰に使ってるわけじゃないの。今はこの環境を改善するために奮起してたの」
    「ほぅ、それはそれは、今度は冷風機じゃなくてエアコンの設置でもするのか? 最近のエコなエアコンでもさ」
    「あんた、私に喧嘩売ってる?」
    「自分の過去の行いを鑑みて見ろ、俺の発言はどこまでも正当だ……やべっ」

     地面を這いつくばって歩いてるのに巻き込まれると体力フルでも死ねる

    「まぁいいわ、一秒後にはあんたは私の考えに賛同せざるを得ないわ」
    「1、賛同しません」
    「殺す!」

     殺されるようだった



342:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/13(日) 13:15:55 ID:OSsKurtd0(17)
    「で、具体的にはなにをどうするつもりなのよ?」

     見るに見かねてかがみが横から口を出す
    横目で確認するとテレビ画面にはGAME OVERの文字
    どうやら単にタイミングがよかっただけのようだ

    「プールよ、プール」

     聞かれてハルヒが得意げに指を立ててパソコンの画面を示す
    …が、当然こちらからは見えない。のでパソコン画面は無視してゲームに集中しながら会話を続ける

    「プール? ロングビーチか?」
    「そ、流れる奴とか波のある奴とか、飛び込み、競泳、温水、室内と色々あるわよ!」
    「俺は金欠だ」
    「タダ券があるわ」

     ポケットからしわしわのチケットを複数出して机に叩きつけるハルヒ
    パソコンを見て思いついたというよりただ単にプールの詳細を調べてただけか?
    だとするならやはりパソコンを使って状況改善方法を探してたわけじゃないじゃないか

    「だからいまから行くわよ!」
    「―いまから!?」

     チケットの有効期限が今日までというなんともありがちで嫌なパターンに遭遇したらしい

    1.仕方が無いのでゲームを切って色々仕度をするために一旦解散
    2.ゲームをここで止めるわけにはいかないと会話を続けて時間稼ぎ



347:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/13(日) 13:55:46 ID:6TDTYzLF0(10)
    1.仕方が無いのでゲームを切って色々仕度をするために一旦解散

    俺としてはもうしばらくインドアに浸っていたかったのであるが、そんなことをしているとプールで遊ぶ時間がなくなっちまうだろう。
    そしてそもそもハルヒが俺の意見なんぞ聞くはずもないのだ。
    よってSOS団一同は一旦解散の後帰宅、水着を用意して再集合ということになった。

    「じゃあいつものところに集合ね。キョン、遅れたら死刑だから!」

    死刑は俺限定なのかと質問しようとしたときには、既にハルヒは部室の扉から外に飛び出していた。
    相変わらず無駄にアグレッシブな野郎だ。付き合わされる俺たちの身にもなれってんだ。



    その後かがみや他の連中ともわかれ、俺は足早に帰宅した。
    あんまりのんびりしてると、ハルヒのことだ、本当に死刑にされかねんからな
    妹の「キョンくん今日ははやいねー」という発言も聞き流し、急いで用意を始めた。
    下手に妹の相手をしてるとまたぞろ付いてこようとするだろう、そうなったら面倒だ。
    水着を箪笥から取り出しつつ考える。――はて、自転車は必要だろうか。
    以前行ったときは俺と古泉が自転車でハルヒや長門、朝比奈さんを後ろに乗せて行ったわけだが
    何分今回は人数が多いからな。どうなんだろう。
    そこまで考えが到った時、俺の携帯がけたたましく悲鳴を上げた。
    液晶画面には「涼宮ハルヒ」、そう描かれていた。
    計ったようなタイミングだが、あいつめ、盗聴器でもつけてるんじゃないだろうな

    「自転車? 今回はいいわ。皆で歩いてくから」

    件の事を聞いてみるとこのような返事が返ってきた。
    ちなみに用件はなんだったかを聞くと、

    「あれ、何だったかしら? まぁいいわ、それじゃね」

    あいつは一体何がしたかったんだ……?
    と自問しても分かるはずもなく、時間が過ぎてゆくだけだ。急ごう。
    そして準備を終え、いざ出発というところで思わぬ――いや、分かってはいたつもりだったが――妹に出くわした。
    妹はどうやら俺の荷物を見て感づいてしまったらしく連れて行けと俺を中心に回りつつ自作ソングを歌って訴える。
    さて、どうしようか。

    1.言い聞かせてる時間は無い、強行突破だ。
    2.しょうがない、こいつならハルヒも何も言わないだろうし連れて行ってやるか。
    3.そこに丁度お袋が帰ってきた。しめた、お袋に説得してもらおう。



351:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/13(日) 15:56:47 ID:OSsKurtd0(17)
    3.そこに丁度お袋が帰ってきた。しめた、お袋に説得してもらおう。

    「お袋、俺は友人とプールに行く。後は任せた!」

     言って、反応を見ずに靴を履いて玄関の外に身を躍らす
    速攻で妹もあとを追おうとしたものの靴を履いてない妹は玄関でたちどまる
    今日は自転車の鍵を開けて担いで外の出して乗るというタイムラグが無いため
    そのまま全力でダッシュを決め込んだ

    「ずるーい!」

     そう絶叫に程近い抗議を俺の背中に向けて発する妹から逃げるように俺は駅に向かった

    ―

    「おそーい!」

     妹と同じ音程でハルヒに怒鳴られた
    最初にペースを考えず全力疾走したおかげで、逆にしばらく息を整えるために立ち止まり
    結果として始終歩いたほうが早かったという結果に終わった

    「悪い、妹の懐柔に手間取って」

     実際はお袋が説得してくれたのだろう、でなければ立ち止まってる間に自転車で追跡してくるような
    ハルヒと共通する悪いベクトルでの行動力があるのだ

    「なによ連れてきてもよかったのに」
    「身内がいると、それだけで楽しめなくなるんだよ」

     年が離れてると特に楽しみ切れない、やることなすことが目に付き耳につくのだ

    「まぁいいわ、電車に乗ってGO!」
    「了解」

    1.俺はこなたと肩を並べて先ほど中断したゲーム論に興じながら駅に向かう
    2.朝比奈さんが持つ大きなお弁当と思わしきものが入ってるバックを持って差し上げる
    3.かがみとハルヒの愚痴を言いながら駅に向かう



360:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/13(日) 19:07:56 ID:yT+fvFDK0(6)
    1.俺はこなたと肩を並べて先ほど中断したゲーム論に興じながら駅に向かう

    俺達は合計で9人という結構な大所帯で駅へ移動を始めた
    まだ先ほどの疲れが抜けきってない俺は堂々と先頭を行くハルヒと違い最後尾を行く事とした
    「キョンキョン~」
    俺のただでさえ忌々しいあだ名を2回呼ぶ人物は一人しかいない
    泉こなたである
    「なんだ?」
    「いや、ちょっと話がしたくってサ」
    「構わんが……」
    といったわけで俺は泉と会話をしながら駅へと向う事となった

    「やっぱしあの場所ではアレを使うしかないんだと思うんだヨ」
    「いや、アレに限らずアッチも有効なんじゃないか?」
    「むー。そっちもあったか……」
    といった具合で会話の内容は専らハルヒのせいで中断となってしまった先ほどのゲームのことであり
    2人の若い男女が肩を並べて話すようなそんなあまーい会話なんぞ俺は一切していない
    それにしても、俺よりもゲームのことに関しては優れている泉が俺にゲームのことを聞いてくるのは珍しいな

    駅に着いた俺達は切符を買うため切符売場へ向った

    すると後ろから
    「おーい、キョンくーん」
    声がしたので振り向いた
    そこにいたのは

    1.お袋に説得してもらったはずの妹がお袋と一緒に駅にいた
    2.お金持ちのお嬢様である鶴屋さんが何故駅に……?
    3.確か一度会った事がある……泉の従姉の成実さんだったか?



365:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/13(日) 19:48:41 ID:R/pmCpxN0(16)
    2.お金持ちのお嬢様である鶴屋さんが何故駅に……

    俺が何だと思い、振り向いたら朝比奈さんの友人で、お金持ちの鶴屋さんがいた
    「こんな大人数でどうしたのさ」
    俺は今までの経緯を鶴屋さんに説明した
    すると鶴屋さんは
    「なるほど。そこは私ん家が経営してるプールだよ。だから行こうかなと思ったのさ」
    鶴屋さん。あなたは何者なんですか?
    そう思っていると鶴屋さんは
    「行く場所同じだから案内してやるっさ!」
    と言い、ついてくることになった
    ついに二桁突破。まさに大所帯だ
    しかも男女比率悪いし。1:4だ
    そう思いながら切符を買い、電車を待つホームに来た
    そしたらホームには既に先客がいた
    あれは…

    1.泉の従妹の小早川ゆたかちゃん。そしてよく見ると他の三人もいるな
    2.かがみの友人の日下部みさおと峰岸あやのだな
    3.谷口…よし、気付かれる前に気絶させよう



379:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 08:23:18 ID:Ebq2TEN80(7)
    俺が代理で投下しておこう

    3.谷口…よし、気付かれる前に気絶させよう

    三つほど連なったベンチの傍に見覚えのある後姿が二つ
    一人は中学時代からの友人、もう一人は…まぁただのアホだ

    我がSOS団団員のうち、俺と古泉以外は女性である。
    その為俺達二人は、こなたの言うところのハーレム状態にある。
    今だってそう、言うなれば“両手に花”ならぬ“両手に花束”といったところだ。
    そんな状況で谷口に見つかると色々と厄介なことになりかねん。
    ここは一つ、気付かれる前に――

    「気付かれる前に気絶させようなんて考えてんじゃねーよな、キョン?」
    「も、もちろんだ」

    今日は珍しく勘が鋭いな
    そういうのは隣に立つ国木田の役割だとばかり思っていたが

    「でもこれからプールに行くだろうってとこまで見抜いていないみたいだね」
    「よくわかったな」
    「その荷物を見れば誰でもわかるよ、この人を除いてね」

    俺と国木田の冷たい目線を受けながらも、それに気付かない谷口はさっそく女性陣の私服チェックに入っている。
    流石の谷口も今回(勝手に)エントリーされている女性が多く、さらに甲乙付けがたい者ばかりだということで
    ランク付けにかなり悩んでいるようだったが、傍から見ればただの不審者だ。
    いち早く怪しくいやらしい視線に気付いたみゆきさんは顔を赤らめ下を向いてしまった。

    「もしかしてそっちもプールか?」
    「まさか……今日は」

    『2番乗り場に電車が参ります』

    国木田の言葉を遮ってアナウンスが流れ、しばらくして遠くのほうから電車が迫ってきていた。
    やがて俺達の立つホームに近づくにつれスピードを緩めていき
    完全に停止したところで「プン」という電子音と共に扉が開かれた。

    「これ? じゃないわね」

    一昔前の女子高生が履いていた靴下のようにルーズな俺とは違って、電車というのは時間に正確だ。
    ハルヒの言葉に、俺も腕に付けた時計を見てみると、
    俺達が乗らなくてはならない電車の到着までまだ余裕があった。

    「あ、これだよ」
    「え? あぁ」

    国木田が依然として間抜け面で女子を見続ける谷口に声を掛けると
    呼びかけに答えた間抜け面は女子達に名残惜しそうな
    そしてすれ違いざま、俺に恨めしそうな視線を送り
    手をヒラヒラ振りながら、国木田に続いて電車内に入っていった。
    二人を見送り、もう一度腕時計に視線を落としていた矢先

    「つかさ!」



380:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 08:23:59 ID:Ebq2TEN80(7)
    かがみが妹の名を叫んだため、全員がつかさを見た。
    すると当のつかさは姉の声も聞こえていないのか、谷口に続いて電車に乗り込もうとしていた。
    国木田の声を聞いたつかさは自分の乗る電車が来たと勘違いをし、
    さらに乗り込んでいく谷口を俺だと見間違えたのだろう。
    つかさらしいといえばつかさらしいが、このまま谷口達と何処へ行くつもりだ?

    「お、おい!」

    俺が慌ててつかさの腕を掴もうと走った時、既に片足が電車内に入った状態だった。

    「プン」

    俺はまだつかさの腕を掴んではいない。
    だが再度鳴らされた電子音が、扉が閉まるということを教えている。
    つまり簡単に言うと、このままだと間に合わないということだ。
    誰か事態に気付いた人物が中から押してくれないかぎり……。

    「きゃ!」

    ようやくつかさの腕を掴もうかというところで、短い悲鳴と共に俺目掛けてつかさが迫ってきた。
    見ると車内から伸びた手が引っ込んですぐに扉が閉じられた。
    間一髪、寸でのところで谷口がつかさの身体を軽く押してくれたようだ。
    そっと受け止めてあげると、黄色いリボンが顔に当たってくすぐったかった。

    「ふぅ……珍しく谷口が役に立ったな」
    「まったく人騒がせな妹ね」
    「えへへ、ごめんごめん」

    ありがとう谷口、お前の功績と挟まれた鞄を、俺達はけっして忘れはしないだろう
    せいぜいあと一駅、他の乗客達から向けられる哀れみの目に耐えてくれ。

    鞄を靡かせながらスピードを上げる電車を見送ってから数分
    やっと俺達の乗る電車がホームへ到着し、みんなゾロゾロと乗り込んでいった。
    今の一件でつかさはすっかり緊張しきっており、不安そうな顔でかがみの手を握っていた。
    言ってくれれば俺が手を…ゴホンゴホン……なんでもない


    快適な電車の旅を終えた俺たちは無事プールに到着し、
    更衣室でそそくさと水着に着替えた後、皆が来るまでの間、簡単にプール内を見回してみた。
    鶴屋家が経営しているとあって、予想を遥かに超越した広さだ。
    ロングスライダーや流れるプールで遊ぶ人達を見ていると、
    あまり表立ってはしゃいだりしない俺でも、心の中ではドキドキワクワクしていた。
    それにしても女性陣は時間が掛かるな……適当に海パンだけ履けばいい男とは違って
    まぁ色々と俺の知らないようなことで手間を取られるのかもしれないな。

    遠くのほうからハルヒやこなたの声が聞こえ、そちらの方へ振り返る
    俺が真っ先に目を奪われたのは……

    1.胸に大きく泉と書かれた紺色の水着
    2.胸が大きく花が描かれたみゆきさんの白い水着
    3.腕に大きなビニールのボールを抱えて怪しい笑みを浮かべるハルヒ
    4.胸を叩き「どうだい、すんっごい広いでしょ!?」と嬉しそうに語る鶴屋さん



385:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 17:14:01 ID:Ebq2TEN80(7)
    少し長くなったので2つに分割

    1.胸に大きく泉と書かれた紺色の水着

    更衣場から出てきた女子軍団を見て俺は思いっきり吹いてしまった
    ……小学生がいたからである
    実際は小学生ではなく、胸に大きく泉こなたと書かれた紺色の水着
    つまり、スクール水着を着ていた泉がいたからである
    「お、おい。ちょっと待て。何でお前は学校の水着なんだ」
    俺は少し動揺を隠せないまま泉に尋ねた
    「いやさ~急いできたからこんなのしかなかったんだよネ」
    だからってその水着はどうかと思うが
    「どう?キョンキョン似合ってる?」
    似合いすぎて怖いぐらいだ
    それにしても本当に泉はスクール水着やランドセルを背負わせると小……これ以上は機嫌を損ねそうなので言わないでおこう

    泉のあまりのインパクトに周りに目がいってなかった俺だが、少し冷静さを取り戻し他の女子を見ると皆それぞれ綺麗な水着を着ている
    ハルヒや長門、朝比奈さんの水着は以前見たことがあるのでさほど驚きはないのだが、鶴屋さんや柊姉妹、高良の水着もとても似合っている
    谷口がいたら鼻血を出して倒れてしまいそうなぐらいである
    辺りを見回すと男性からの視線が集中砲火の如く俺に浴びせられる
    「ここではなんですので、日陰の方にシートを敷きに行きましょうか」
    古泉も俺と同じく視線に耐えられなかったのかこの場から逃れようと移動を薦めた



386:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 17:14:30 ID:Ebq2TEN80(7)
    日陰にシートを敷くとハルヒとこなた、鶴屋さんは一目散にプールへと駆けていった。朝比奈さんもハルヒに引っ張られている
    こらハルヒ。朝比奈さんの水着を引っ張るな。いろいろと危ない
    俺含むそれ以外の人物はシートに座りゆっくりと休んでいる
    長門は読書を、つかさは持ってきていたらしいビーチボールを一生懸命膨らましている
    ……それにしてもなかなか膨らまないな
    「ええい、見ててイライラするわね。貸しなさいよ」
    つかさのマイペースな膨らまし方に痺れを切らしたのか、かがみがつかさからビーチボールを取り上げ膨らましだした
    かがみだとすぐに膨らんだのは何でだろうか

    ビーチボールを膨らましたあとかがみとつかさ、それに高良もプールの方へと出て行った
    「全く、女子ってのは何でこういったところが好きなんだろうね」
    俺は古泉に愚痴をこぼした
    「おや、女性だけには限らないとは思いますが」
    「お前も楽しみたいなら行って来て良いぞ。俺と長門で荷物番してるから」
    「泳ぐ、というのは疲れるものですよ。無いとは思いますが閉鎖空間が出たときに影響したら困りますので、今は遠慮しておきます」
    これだけ楽しめばハルヒも閉鎖空間は出さないと思うがな
    「ええ。ですから念の為、です」
    そんな会話をしていると俺を呼ぶ声が聞こえた
    呼ばれたほうをむくと……

    1.泉が25mクロールの勝負をやろうと言って来た
    2.つかさがビーチボールを持って遊ぼうと言って来た
    3.朝比奈さんが昼食を買いに行こうと言って来た
    4.かがみがウォータースライダーをしようと言って来た



388:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 17:50:26 ID:LRPxXkQf0(7)
    4.かがみがウォータースライダーをしようと言って来た

    「おい、おっさん!」

     …やっぱり俺は呼ばれてなかった
    俺は上げかけた腰をシートに戻して、側頭部にボールがヒットして体制を崩す
    ぶつかってテンテンとプールサイドを転がるボールを拾い
    それを投擲してきた当人、かがみに投げ返す

    「なにしやがる」
    「返事しなさいよ」
    「まともな呼びかけ方をしろ」

     ボールを突然奪われてつかさがかがみのやや後ろで戸惑ってるじゃないか
    …つかさに投げ返してやればよかった

    「プールにきてまでシートの上でだれてるようなあんたはおっさんで十分よ」
    「お前…」
    「まぁいいわ、私は若者らしくウォータースライダーしようと思う訳よ」
    「オーケイ、付き合おう」

     俺がそう言うとかがみは少々予想外だったのかポケッとしていたが
    すぐに笑って俺の肩を叩いてから、無理やり頭下げさせて肩を組まれた

    1.俺は長門に行ってくると声をかけてからウォータースライダーに向かった
    2.古泉に荷物を頼んでおく
    3.かがみに付き合って俺もかがみの肩に腕をかける



394:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 21:12:18 ID:xWkioK2n0(5)
    3.かがみに付き合って俺もかがみの肩に腕をかける

    何でかがみがこんなことをするのかは分からんがこうなりゃヤケだ。
    俺もかがみの肩へと腕を回し――素肌に触るのは少し気が引けたが――肩に手を乗せた。
    恋人同士っぽくいきたいところだが……。うむ、どうみても2人3脚にしか見えんな。

    「きゃ!? ちょ、キョン君!? や、やぁ……っ」

    何だ、先にお前のやったことだろう?

    「そ、そりゃそうだけど……その、あの……」

    顔を真っ赤に染めながら何やら言い澱むかがみ。
    怒ってるんだろうか?
    そんなに腹を立てるぐらいなら自分がまずやらなけりゃいいのに。
    しかしそんなことをいっててもしょうがないだろう。
    俺は若干の気恥ずかしさと名残惜しさを感じつつ、腕を肩から離し、かがみと距離をとる。

    「あっ……」

    はて、かがみも少し残念そうに見えたのは俺の気のせいだろうか。気のせいだな。


    そんなこんなでウォータースライダーに到着だ。
    流石鶴屋家のものだけあって……、というかなんだこれは。
    100m超はあるだろうチューブスライダーを初めとして、数十の大小様々なスライダーが見える。
    いくらなんでもこれは……どこのギネス級だ?

    「うわ、すっごいわね。何よこれ」

    隣のかがみも大いに驚いているようだ。
    というかそれが当たり前の反応だろう。
    こんなとんでもないところに我々平々凡々たる一般人はそうはこれないからな。ここは素直にハルヒに感謝するとしよう。
    さて手始めにどれに乗るかな。
    俺がそういうとかがみは、なんだかんだいって楽しみらしく目を輝かせ、

    「そうね……。それじゃあアレにしましょっ!」

    そういってかがみが指差したのは……

    1.最も見栄えのする100m級のスライダー
    2.ゴムボートに乗り複数人で同時にすべるらしいスライダー
    3.まるでジェットコースターのようにコースがとぐろを巻いているスライダー



398:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/14(日) 22:31:12 ID:AdmTFWNb0(5)
    3.まるでジェットコースターのようにコースがとぐろを巻いているスライダー

    かがみはほとんどジェットコースターにしか見えないようなスライダーを差した
    「ああ、いいぞ」
    正直、俺もこれにしたいと思った
    やっぱり、やるなら平凡な直線じゃなくて少しスリルがあった方がいい
    …俺もハルヒの影響受けたな
    まぁ、そんなことはどうでもいいとしてスタート地点についた
    「どっちが先にやる?」
    かがみがこんな事を聞いてきた
    普通はレディーファーストとしてかがみにさきにやらせるべきだが、
    女子であるかがみに先にやらせると何か俺が臆病者みたいで男が廃る
    そのため俺が先にやることにした
    こうしてスタート

    感想を言おう
    ひどく目が回った
    小学生とかにやらせたら間違いなく吐くぞ
    そのくらい目が回ったのだ…ああ、世界が回る
    俺がフラフラしてると肩を叩かれた
    振り向いたら…

    1.泉とつかさが見ていた
    2.朝比奈さんと高良が見ていた
    3.古泉と長門が見ていた



406:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/15(日) 00:50:14 ID:+B7rTs+gO(6)
    2.朝比奈さんと高良が見ていた

    まだ覚醒しきっていない頭で後ろを振り向いてみたところ、
    1つ2つ……全部で5つのボールが目の前にあった。
    しかし1つはちゃんとしたビーチボールで間違いないようだが、
    他の4つは何だかやけに柔らかそうで、つい手を伸ばして触りたくなる。
    いや、触らなくてはならないという使命感を感じたと言うほうが……

    「あ、あのキョンさん?」
    「……キョンくん?」

    なんと? ボールが喋ったではないか!?
    しかも何故俺の名を知っている?

    「それは私達がボールじゃないからですよキョンさん」
    「……あぁなんだ、高良に朝比奈さんだったのか」

    どおりでビーチボールと見間違うはずだ。
    水の上に並んで立つ2人の姿はまるで人魚のように美しく
    その身体に実った2つの果実はとても大きかった。
    ……などと官能的とも言えそうな2人の水着姿を堪能していた俺なのだが、
    戸愚呂(スライダー)の本当の恐怖を味わうのは
    滑っている最中ではなく、こうして下まで辿り着いてからだった。

    「あっ!」

    何かに気付き声を上げたのは朝比奈さんのほうだった。
    一体何を見たのか気になり顔を伺おうとしたが、
    その時には朝比奈さんも、そして高良でさえも俺に背中を向けていた。

    「お、おい高良、どうしたん――」
    「どけぇぇぇぇ!」

    女のそれとは思えないほどドスのきいた叫びが聞こえ
    声のした方向……たった今滑り降りてきたスライダーを見た。
    俺の目に映ったのは、慌てた様子で目を見開いて口を動かし
    左右から水しぶきを上げ猛スピードで迫ってくるかがみの姿だった。

    人生諦めが肝心
    胸くらいまである水の中を移動するのは結構時間が掛かるもので、
    今逃げようとしたところで、絶対に間に合わないことくらい俺でもわかる。

    どうすることも出来ず目を瞑った次の瞬間!
    恐らくかがみであろう物体が俺の体に衝撃を与え
    俺達は2人仲良く水しぶきの中へ飲み込まれてしまった。

    「ぷはっ! イタタタタ……ん?」

    水から顔を出し、犬のように首を振った俺は、何か布のような物を掴んでいることに気が付いた。
    その両端を持って目の前に広げてみると、それは……

    1.髪を結ぶリボンか?
    2.なにやら逆三角形の布切れに紐が付いていた。
    3.この丸みを帯びた布が2つ繋がっているのは何だ?



433:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/15(日) 21:14:27 ID:Xn4wr2WP0(11)
    リレーはみなみをうっかりさんにさせた責任をとって俺が繋げる……ッ

    >>406
    1.髪を結ぶリボンか?


     色、長さから見て間違いない。かがみがつけていたはずのリボンだ。
     それがここにあるということは、
    「ぷはっ!」
     その先を思いつく前に、髪を振り乱したかがみが飛沫と共に飛び出して来た。
     普段のツインテールは見る影もなく、水面に長い髪が広がるように浮いている。
    「やだ、リボンなくしちゃった……あ」
     俺の持っているものに気づいたらしいかがみ。ざぶざぶと音を立てて寄ってきて、
    「ありがと」
     しゅっと俺の手から引き抜くと、その場で髪を結い始めた。
     もちろん、その意味に気づかない俺ではない。
     リボンは一本、片方は捜索を諦めている、その状況で結おうとしている。即ち――
    「こんなもんかな」
     ポニーテールエンジェル、ここに降臨。
    「……なによ」
    「あ、いや」
    「そりゃ……悪かったとは思ってるけど、避けないアンタだって、ちょっとは」
     視線の意味を勘違いしてくれたらしい。これ幸いとばかりに、それに話を合わせる。
     性癖を暴かれるってのはあまり気分のいいものでないし、俺は自分から話すほど吹っ切れていない。
    「いや、今のは予測できたのに避けなかった俺のミスだ」
    「……そう思うんならさ、リボン探してくれる?」
     お安い御用だ、と安請け合いする俺。良質ポニテの持ち主の頼みを断るはずないじゃないか。
     が、リボンを見つけたら、それがスーパーポニテタイム終焉の合図となる。どうしたらいいんだ。
    「じゃあ一緒に行きましょ」
    「二手に分かれた方が合理的じゃないか?」
     そりゃ、近くで拝んでいられるというのなら願ったり叶ったりなんだが、かがみらしからぬ提案だ。
    「そ、それは……」
    「それは?」
     しばらく、世界が止まったかと思われるほどの長い沈黙を要して、
    「もうっ」
     という鳴き声ともつかぬ捨て台詞を残し、かがみは水中に消えていった。
     ちょ、待てよ、と俺も勢いをつけて水に潜る。が、勢いが強すぎて思ったり深く潜ってしまい、
     鼻があの「つーん」とする痛みに襲われた。
     たまらず水から顔を出すと、そのまま「何か」に直撃。その「何か」とは……


    1.ハルヒと泉のライダーダブルキック
    2.鶴屋さんとつかさが投げたビーチボール
    3.戻ってきた朝比奈さんとみゆきの自前の浮き
    4.古泉「残念、それは僕のおいなりさんです」


    これでいいのか?



443:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/15(日) 22:15:24 ID:EbP/c63L0(15)
    3.戻ってきた朝比奈さんとみゆきの自前の浮き

     ぽこんとあたって、またその反動で水の上を反対に流れていく浮き輪
    咄嗟にそれをつかんで立ち上がると

    「あっ、すみませんキョンさん」

     ばしゃばしゃと水を掻き分けてこっちに向かってくる
    みゆきと向こうで両手をパタパタさせている朝比奈さんを発見した
    べつにどうと言うわけじゃないのに顔が緩むのは何故なのだろうか

    「キョン君、大丈夫でしたか?」
    「平気ですよ、ただのビニール浮き輪……?」

     過剰な心配を遣してくれる朝比奈さんにこちらが申し訳なくなりながら
    浮き輪に目を落とすと、どうにも一般販売されてるものとは思えない奇抜なデザインであった

    「みゆき、これは…なんだ?」
    「私と先輩で作った自前の浮き輪です」

     嬉々として宣言されてしまった、と同時に足元から泡が大量にでてきて
    俺とみゆきの間にかがみが勢いよく顔を出す
    その勢いに体勢を崩した俺は…

    1.浮き輪を持ってたため突き出た肘がかがみの頭部に直撃
    2.前のめりになってみゆきを押し倒してしまった
    3.後ろに倒れながら咄嗟にかがみの肩をつかむ



449:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/15(日) 23:05:52 ID:6MJfp0fH0(8)
    1.浮き輪を持ってたため突き出た肘がかがみの頭部に直撃

    俺は体制を崩しかがみの頭部に俗に言うエルボーをくらわせてしまった
    しかも俺の体重なども加えてダメージは三倍だろう
    …別に赤くて角はついてない
    それはそうとしてかがみはいきなり衝撃を加えられたので反撃の態勢に入った
    攻撃内容は恐らく右のストレート
    狙いはさっき、かがみに当たった場所と同じ所
    回避成功率はほぼゼロパーセント
    …俺は人気ゲーム、スマッシュ兄弟達のアイテム、バットのフルパワーの攻撃を喰らったが如く、吹っ飛んだ
    さらば地球よ…

    俺は長い旅の末、何とか現実と言う地球に帰ることに成功した
    ふと、目をあけると…

    1.泉が膝枕をしていた
    2.つかさが俺の顔を見ていた
    3.長門が隣で読書していた



458:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/16(日) 00:24:37 ID:YPBnpKj8O(6)
    1.泉が膝枕をしていた

    「…う~ん」

    どの位の間宇宙空間を漂っていたのかわからない。
    俺が地球に帰還した頃、空はオレンジ色に染まっていた。
    そしてその空には、何故か青い暖簾が掛かっている。
    手で触れそっと撫でてみると、髪の毛のように細くサラサラとして気持ちが良い。
    それもそのはず、その暖簾は正真正銘髪の毛で
    何やら柔らかい物の上に頭を乗せていると思っていたが、それは膝だった。

    「こ…なた?」
    「あっもう醒めちゃったのぉ?」

    こなたは俺の頭に手を置いたままで、残念そうに口を尖らせている。
    低反発枕も裸足で逃げ出すほど寝心地のいい膝枕から身体を起こし、あたりを見てみると
    シートの上には俺とこなた以外誰も居なかった。

    「みんなはどうした?」
    「あっち」

    こなたの指差すその先には、楽しそうにボールで遊ぶ団員の姿があった。
    が、長門だけは本を片手に持ち、楽しいのかそうでないのかわからない顔で
    自分の元へ飛んできたボールを機械的な無駄のない動きと正確な力で弾き返していた。
    無理やりさせられている感がしないでもないが、こなたにはそうは見えないようだった。

    「みんなはしゃいでるね」

    そう呟いたこなたは、少しシンミリとした表情をしていた。
    夕日に照らされた顔をジッと眺めていると、視線に気付いたこなたは
    俺の顔を見てニヒヒと恥ずかしそうに笑った。
    その笑顔に向かって俺はある提案をすることにした。
    ある提案とは……

    1.「俺たちも中に入ろうぜ」
    2.「ここにあるボールも膨らまそう」
    3.「ジュースでも買いに行かないか?」
    4.「まだちょっと眩暈が……」



466:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/16(日) 10:10:55 ID:+XCkrwNn0(6)
    4.「まだちょっと眩暈が……」

    「まだ、ちょっと眩暈が……」
    「大丈夫?なんなら、まだ膝枕してもいいヨ?」
    「ああ、そうしてくれ」
    まだ少し、ほんの少し眩暈がする俺は再び泉に膝枕をされながらみんなが遊んでいる様子を見ていた

    暫くして、眩暈が完全に無くなり俺もある程度活力がわいてきた
    「もう良いぞ泉。ありがとうな」
    そういって頭を泉の膝枕からどけようとするが泉が上から押さえつけて逃れる事ができない
    「お、おい……もういいって」
    「いいのいいの。私がこうしておきたいんだから、もうちょっとだけこのままで、ネ?」
    泉がそう言うのなら、お言葉に甘えてそうさせてもらうとするか

    膝枕をしてもらってからどれぐらい経ったろうか
    ハルヒたちは一向に遊びをやめる気配も無く、俺の心配なんか一切していない
    泉がいるから、という安心感なのだろうか
    泉の顔を見ると泉は心なしか嬉しそうに寝息を立てていた
    やれやれ、膝枕してる側が寝てるんじゃ話にならんな
    そう思い、泉を起こさないように横に倒してやった
    ふと思いつき、俺は泉の頭を俺の膝枕の上に置いた
    膝枕をしてもらったんだ、これぐらいのことはしておかないとな

    暫く経ってから気がつくと……

    1.ハルヒがビーチボールを投げてきた。まだ遊び足りないようだ
    2.かがみが膝枕をされている泉を黙って見つめていた。少し怒ってそうだ
    3.起きた泉が今の状況に気づき顔を紅潮させていた。恥ずかしそうだが、なんとなく嬉しそうでもある



477:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/16(日) 12:18:12 ID:L8ILpt2o0(19)
    2.かがみが膝枕をされている泉を黙って見つめていた。少し怒ってそうだ
    3.起きた泉が今の状況に気づき顔を紅潮させていた。恥ずかしそうだが、なんとなく嬉しそうでもある

    …何か視線を感じた
    俺が視線の先を見ると、かがみが泉の事を見ていた
    かがみの視線は少し殺気もある気がするな
    よく見ると他の奴も見てる
    つかさや高良は笑ってるように見えるが少し怒ってる気がするし、
    長門はさっきからボール打ちなおかつ、本を読みながら俺をずっと見ているという凄い技をやっていた
    みんな何で泉を見てるんだ?疑問に思う

    「うーん…」
    その視線を感じてか泉が起きた
    「あれ?何か…って、キョンキョン?」
    泉は今の状況を把握した途端、何故か顔を赤くして
    「えっ!?キョンキョンの膝枕!?わわわわわ…」
    いきなりパニックになった
    「落ち着け」
    「でも、キョンキョンが膝枕なんて…」
    泉は顔を真っ赤にしながらも嬉しそうに見えた
    さて、これからどうするか…

    1.泉と再び話す
    2.かがみと話す
    3.つかさと話す
    4.高良と話す



498:抜いたら負けかなと思っている sage 2008/08/16(日) 20:51:48 ID:N8TegmoN0(10)
    4.高良と話す

     視線ならぬ死線をいくつも身体に浴び、蜂の巣になってる俺
    こなたは暴走、かがみは殺る気満々と言った所
    頬を両の手で包みごろごろとシートの上を転がり始めたこなたから離れて立ち上がるものの
    やはりその恐怖の視線は俺に付き纏う
    俺は明らかにミスチョイスだとわかるかがみと離れた場所にいるつかさを除いた結果残った
    みゆきに話しかけこの場の空気転換を図ろうとしてみる

    「キョンさん」

     が、俺が何か口にするよりも早くみゆきに先手を打たれた

    「な、なんだ?」
    「うふふふふ…」

     非常に魅力的で可愛らしい柔和な笑みなのだが
    なぜだろうか、かがみのさらに強さを増した殺気の含まれた放射よりも恐ろしく感じられる

    「お…怒ってるのか?」
    「いえ全然、私は別にキョンさんの女たらしな所とか、その癖鈍感な所とか、釣った魚に餌をあげないところとかに
     怒ってるなんてことは、全然っ、これっぽっちも! ありませんよ」
    「…」

    1.つかさにフォローしてもらう
    2.ここはあえて色々と収まりつけるためにかがみにヘルプを頼む
    3.いや、やっぱりこれは俺が悪いんじゃね? 謝る

528 :抜いたら負けかなと思っている:2008/08/17(日) 17:17:56 ID:u6Fe/kOxO

 

3.いや、やっぱりこれは俺が悪いんじゃね? 謝る

俺が悪いことをしたなんて、全然っ、これっぽっちも! 心当たりがない訳だが
みゆきの引き攣った笑顔はもう臨海寸前だ。
その顔を見ているとなんだか俺が悪いような気がしてきた。
ここはとりあえず落ち着かせるために謝っておこう

「えっとなんだ……その、スマン」
「どうして謝るんですか? 怒っていないと言ったでしょう?」
「……」

どうやらミスチョイスはこのみゆきだったようだ。
今になってかがみかつかさに話しかければよかったと思う。
シートからはみ出てなお転げまわるこなたは放っておくとして、
この凍りついた空気をどうにかしようと、残る二人に救済を求める視線を送った。
ところがどうだろう……

「つ、つかさ」
「……べ~だ!」

「かがみ」
「ふんっ!」

俺の視線に気付いた柊姉妹は、お互い離れたところに居たのに
つかさは俺にアッカンベーをし、かがみはグッと眉をひそめた後、
まったく同じタイミングで明後日の方向に顔を背けてしまった。
つまり、自分でどうにかしなさいということらしい。
そう言われても……本人はあくまで否定しているが、明らかに怒っているみゆき
その原因が不明である以上、俺にはわけもわからず謝るしか方法がないのだ。
かといって俺が謝罪すると、みゆきは「怒っていない」の一点張りで
かえって逆効果になってしまうのは目に見えている。 

実際のところ俺が何をしたというのだ?
俺は眠ってしまったこなたに膝枕をしてあげただけ。
それは意識が飛んでいた俺を介抱してくれたお礼で、お返しに同じことをやったまでだ
そこにみゆきが怒る要素も、つかさやかがみ…さらには長門まで
俺や、俺の膝の上で眠るこなたに意味深な視線を送る理由も、どこにもないと思うが……。

「どうしても…」

もう一度謝るべきか、このままみゆきの気が収まるまで黙っておくべきか
冷や汗をかきながら葛藤に苦しんでいた俺に、みゆきは冷たい笑顔と
怖いくらい優しいトーンで語りかけてきた。

「どうしても私に謝罪したいのなら、一つだけ言うことを聞いてください」

なんだかとんでもないことを要求されそうだが、
それで許してもらえるのなら、俺にその提案を断る理由は無い。

「よし、聞かせてくれ」
「では……ちょっとこちらへ」

シートから立ち上がり、プールサイドへ歩いていくと
みゆきはプールに浸かったまま俺に握手を求めるように手を差し伸べてきた。
それに応えるように手を握ると、俺は……

1.そのままプールの中へ引きずり込まれた
2.ズカズカと人気のないところまで連行された
3.無理やりシートの上に座らされた
4.別の人にもう片方の手を掴まれた…一体誰だ? 

535 :抜いたら負けかなと思っている:2008/08/17(日) 20:44:06 ID:DA+Tpo+p0

.別の人にもう片方の手を掴まれた…一体誰だ?

俺が高良の手を掴んだその時、もう片方の手が誰かに掴まれた
誰だ?と思い、その手を見たら…つかさがいた
ちょっと待て。何故あっちにいたのにいつの間にここにいるんだ?
その前に何をするんだ?
そう考えた瞬間、いきなり視点が狂った
別に世界がおかしくなったわけではない
俺はつかさと高良にプールに引きずり落とされたのだ
俺はいきなり落ちたので水が鼻に入った
「ガハッ!ゲホゲホ…」
俺が息を整えてたら…

1.つかさが背中に乗った
2.高良が水をかけてきた
3.つかさと高良が両腕に抱きついてきた 

562 :抜いたら負けかなと思っている:2008/08/17(日) 23:33:35 ID:ZgnAiPZ80


1.つかさが背中に乗った

「えいっ」
 つかさの声に気が付いた時には既に遅し、つかさが俺の背中に飛び乗ってきた
その衝撃で再び俺は顔を水面下に入れてしまった
結果、俺は再び息を整える時間を要してしまった
「お、おい。いきなりなんだ」
 水の中にいるのでそれほど重さは感じられないのだが
高良、かがみたちに限らず先程までシートの上でゴロゴロしていた泉までもが俺を睨みつけてきた
四面楚歌、とはまさにこのことを言うのかもしれない
俺のそんな気分は知らずに、さっきまで不機嫌そうだったつかさは俺の背中に乗った途端猫じゃらしを得た猫のように嬉しそうにしている
「おい、そろそろどいてくれ」
「やだ~。まだこのままでいる」
 どことなく妹に構っている気分だ。仕方が無いがこのままで高良の要望を聞こうとしよう

「高良、お前の要求はなんだ?このまま聞けることなら、なんでもする」
 高良はこっちを見てニッコリと笑顔の中にとてつもない怒りを秘めながら言った
「とりあえずは、つかささんを降ろしてください。話はそれからです」
「だ、そうだ。つかさ、もういいだろ降りてくれ」
「いやだよ~」
「いい加減に離れてくれ。そうじゃないと高良と話が出来ないだろ」
 少し強く言ってしまった気がする
するとつかさは暫く沈黙した後、怒り口調で俺に言った
「怒ってるのはゆきちゃんだけじゃないんだよ?それなのに、なんでゆきちゃんばっかり気にするの?」
 言葉が返せなかった
俺としては1人1人順番に怒りを収めてもらおうと思っていたのだが、それが逆効果となってしまったらしい
「それはだな……」
「ああもう、言葉を濁らせないでよ。じれったいわね」
 俺が口篭っていると、痺れを切らしたかがみが俺にいった
「大体ね。あんたは鈍感すぎるのよ。まだ気づいてないかもしれないから質問するわ。なんで私たちが怒ってるのか分かってるの?」

かがみたちが怒っている理由。それは……

1.一人ずつ機嫌を直そうとしたからか?それは仕方が無い事だと思うんだが……
2.みんなに優しく接したからか?いや、それはないか。優しく接して何が悪いんだ
3.さっぱり分からん

578 :抜いたら負けかなと思っている:2008/08/18(日) 19:33:29 ID:9BW5aCkX0


3.さっぱり分からん

鈍感すぎるなどといわれても、そもそも何に対して鈍感なのかすら分からない。
よって俺はその胸中を素直に告白したのだが、

「はぁ……」

4人はさも呆れたといわんばかりにため息をついた。何なんだ一体。
対してかがみは、

「それはこっちのセリフよまったく……。あんたそのうち刺されるわよ」

それは勘弁願いたいな。1度の人生で2度も刺されちゃたまったもんじゃない。
いや、未遂も入れると既に2回に達してるか。
だがそもそも刺される理由は何だ? 誰が俺を殺そうってんだ?
朝倉の時は1度目は俺を殺してハルヒの様子を見るだとかで、2度目はあの世界の長門を守るために再構成されてたんだから、長門に銃を突きつけてた俺を殺そうとするのもまだ分からなくもない。分かりたくはないが。
ともかくこれはひとまず置いておこう。
それよりも今考えるべきはこいつらの怒ってる理由だ。
さっきも言ったがさっぱり分からん。そういや高良が、俺が女たらしだとか釣った魚に餌をやらないだとか言ってたがそれと関係あるのか?
誰か分かる奴がいたらここに来て教えてくれ。この際古泉でも構わん。

「…………あなたが鈍感だから」

どうやら灰色ではないらしい脳みそをフル回転させて考えていると、いつの間にか隣に長門が来ており、またも俺は鈍感などと呼ばれることとなった。
言葉の意味はよく分からんがとにかくすごい殺気だ。
しかし長門よ、お前いつからそこにいた? というか人のモノローグを読むんじゃありません

「さっきから」

……シャレ?
いやいやまさかな、長門がこんな低俗な駄洒落を言うはずもない。
こんなしょうもないことを言うのは落第し続ける忍者の子供たちだけで十分だ。あくまで偶然だろう。
さてともかく俺はこの窮地をどう乗り切ろうか。
はっきりいって逃げ出してしまいたいところだが、回り込まれてしまうどころか既に周りを囲まれてしまっているのでそれもできそうにない。
プールの方に目をやるとこちらの様子には気付かず広いプールを満喫しているハルヒたちが見える。
あそこの誰かに助け舟を頼むか、古泉もそこらの日陰で涼んでるはずだな
それともこの場で土下座でもしてみようか。男の土下座は安くはないが、命には代えられん。
さぁ、どうする? どうする俺!

1.ハルヒを呼ぶ
2.古泉にフォローを入れさせる
3.鶴屋さんに助けを求める
4.土下座による説得を試みる
5.とりあえず長門に抱きつく 


(つづく)

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最終更新:2008年08月19日 06:24
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