第4章 演出の代償 ― 萌え要素の生誕祭とその顛末

1

「親しい相手……それも異性へのプレゼントで洒落た演出をするとなると、やはりこれか」
みゆきの誕生会を来週に控えた土曜日の夜、俺は自室にて試案に耽っていた。
しかし、まだ高校生であることを差し引いても、我ながらこういう演出は似合わんというか、
らしくないな、とつくづく思う。古泉あたりがやれば、絵になりそうだがな。
……が、ここで怯んでいては、これまでのしょーもない俺と同じだ。
あの4人との関係を機に、俺も少しずつ自分を変えていかなければ……あいつらだって意識して
俺のために色々、努力してくれているんだからな。
思い立つ日が吉日。さっそく明日、プレゼントを買いに出かけよう。
と決まれば、後顧の憂いなきよう、今日までのノルマをきちんと終わらせておこう。


2

「……それではまあ改めて、不肖、泉こなたが乾杯の音頭を取らせていただきます。
みゆきさん、お誕生日おめでとう! かんぱーい」
「乾杯! おめでとう、みゆき」
「ゆきちゃんおめでとー、かんぱーい」
「みゆき、おめでとう」
「……おめでとうございます、みゆき……さん」
「今日はお招きいただきありがとうございます。高良先輩、お誕生日おめでとうございます」
こなたさん、かがみさん、つかささん、キョン君、それにみなみちゃんに小早川さん、ありがとう
ございます。とても嬉しいです。
「……私も来て良かったのかなあ、お姉ちゃん」
こなたさんの袖を掴みながら、小早川さんがちょっと、いたたまれなさそうな表情をしています。
ふふっ、心配しなくても大歓迎ですよ。知らない仲ではありませんし……それにみなみちゃんも先輩に
囲まれていては、気後れしてしまうでしょうし。
「……祝い事は大勢の方が楽しいし、それを言うなら周囲が女子ばかりで、俺の方が気後れしそうだ。
だからまあ気にするな、ゆたか」
「キョン先輩の……言う通りだと思う。ゆたか」
「みなみちゃん……キョン先輩、ありがとうございます」
「こらっ! ゆーちゃんにまでフラグ立てるなヨ。このハーレム王!」
「……おまえは何を言っているんだ」
ふふっ、みなさん相変わらずですね。楽しんでくださっているようでなによりです。
去年の鶴屋さんの差し入れのお料理ほど豪華ではありませんが、皆さん、どうぞ召し上がって下さい。
「いや……みゆき、これは十分に豪華に値すると思うぞ」
そんなことありませんよ、キョン君。
「鶴屋さんといいみゆきさんといい、お金持ちってのはやっぱり凄いもんだネ」
「それはまったく同感だ。羨ましい限りだ」
「それではキョンさん、みゆきをあげますから、うちに婿入りしますか? うふふ。
キョンさんみたいな男性になら、みゆきを安心して任せられますし」
ちょ……ちょっとお母さん。いきなり何を言ってるんですか、もう……キョン君、口をぽかんと
空けたまま固まっちゃってるじゃないですか。
「さすがみゆきさんのお母さんだ……流石のニブチンキョンもイチコロだネ」
こなたさんのこの一言で、みんな大笑い。キョン君も照れ隠しなのか苦笑してます。
でも……やっぱり私、お婿さんをとらなくてはいけないのでしょうか。
キョン君はご長男ですし……高良家に婿養子に来てくれるでしょうか。
はっ……私、何を考えているのでしょう。
まだ結婚どころか、男の人とお付き合いしたこともないのに。


3

キョンさんみたいな男性になら、みゆきを安心して任せられる……か。
俺が夏休み、温泉旅行でみゆきと何をしたのか知ったら、とてもこんな言葉は出ないだろうな。
生来の性格や家庭環境を考えたら、みゆきは、かなり頑張って自分を変えようとしているのだろう。
ついついこんなことを考えてしまった。まあ、祝いの席で考えるようなことじゃねえな。
思考を打ち切って、目の前のチキンに手を伸ばそうとすると……
「キョン君、さっきは母が変なこと言って……ごめんなさい。迷惑ですよね」
顔を少し赤くしたみゆきが話しかけてきた。
いやいや、気にするな。ゆかりさんのお眼鏡に適ったようで光栄だ。娘に付いた悪い虫だなんて
思われてたら悲しいものがあるからな。
……悪い虫ってのを自分で否定できないのが何だがね、とこれは心の中だけで言葉にしておく。
「こらー、お母さんの許可が出たら、さっそくみゆきさんを口説いているのかいキョン」
さっそく茶化しに来やがったかこなた。悪いがその挑発には乗らんぞ。
「満更でもなさそうな顔してたじゃない……キ・ョ・ン・君・っ!」
こらかがみ。人の二の腕をそんな馬鹿力でつねるんじゃありません。いてててててて。
「キョン君はゆきちゃんがいいの?」
つかさもそんなうるうるした泣きそうな目で、人を見るんじゃありません。
ていうか、ゆたかやみなみも居るんだから、後輩の手前自重しろよお前ら。教育に良くないぞ。

「……お姉ちゃんたち、なんか妙な雰囲気だね。みなみちゃん」
「…………」
……おーいみなみ、ゆたかが話しかけてるんだから、何か答えてやれ。
なんかお前から向けられる視線が冷たいのは、俺の気のせいか。頼むからなにか言って下さい。
「……この状況で……私に……何を言えと?」
困惑顔のみなみの言葉。そこに……

「みなみちゃんは、男女の痴情のもつれには関わりたくないようです」
こなたの絶妙な合いの手が加わって、思わずまた笑いが起きた。助かった、ありがとうなこなた。

気を取り直して、トランプやらUNOやら、みんなでカードゲームなんぞに興じてみる。
「おまえって、こういう類のゲームも強いのな」
「ふふん、ゲームで鍛えた勝負勘は、伊達ではないのだよキョン。好きこそ物の上手なれってね」
悪いが俺はその諺は信じてないぞ。俺の知り人に、そのテーゼを見事に覆した男がいるからな。
「古泉くんのアレはまあ、ホントに下手の横好きよね。負けても何度も同じ事を繰り返してるし。
あんなに頭良いのに不思議よね」
かがみが会話にすっと入り込んできた。まあそれはいいのだが、胸が腕に当たってるぞ。
「しかしまあ、この私をもってしても、みゆきさんは手ごわいネ」
確かにそうだ。みゆきってあまり勝負事が強そうには見えないのにな。
「萌えるベビーフェイスアサシンってとこだね」
「ゆきちゃん燃えちゃうの?」
「確かに萌えるね」
こなた、つかさ、発言がかみ合ってないぞ。


4

「さて、それではそろそろ本日のメインイベント、プレゼント贈呈と行きますか。ほい、みゆきさん」
ゲームも一段落、まったりと飲み物片手にめいめいお喋りに興じていたけど、こなたが先陣を
切ったのを機に、みんなが次々とみゆきにプレゼントを手渡す。1人1人に律儀に頭を下げてお礼を
言っているみゆきの顔、とても嬉しそう。
「おー、かがみんはネックレスですか」
やっぱり普段、身につけられるものがいいでしょ。そういうアンタもアクセサリーなのね……って!
「どしたのかがみん、ふつーのチョーカーだよ」
いや、どうもアンタの属性を考えると、なぜか良からぬ事を想像してしまうというか……
「別にみゆきさんに首輪付けて飼いたいとかないヨ。みゆきさんにならむしろ飼われたい!」
はいはい。
「つかさは手編みのマフラーかい。いやー、女の子だネ」
「これから寒くなるし、こういうのもいいかなーって」
「このピンクのマグカップは?」
「……ゆたかと2人で選びました」
「みなさん、本当にありがとうございます。嬉しいです」
さて……で、気になるのがキョン君のプレゼントよね。
「お……キョンは時計ですか? やるねえ、さすがキョン!」
「キョンさん……嬉しいですけど、これってけっこう値段の張るものでは……」
カジュアルウオッチってヤツだ。見た目いい値段に見えるが、実はそんなに高いもんじゃないんで
気にしないでくれ。
「色はシルバーか。シックでいいわね」
ピンクのもあったんだけどな。おそらく誰かがピンクのなにかをプレゼントすると思ったんで、敢えて
外してみた。ま、時間を見るだけなら携帯で十分だろうが、良かったら使ってくれ。
「ありがとうございます。大切にします」
喜んでくれて何よりだ。まずはこれで一安心ってとこか。問題はこの後なのだが。


5

「みなさん、今日はありがとうございました」
「いや、こっちもすっかりご馳走になってしまって……」
パーティーも終わり、みな帰りの挨拶がてら、帰り支度を始めている。
なるべく目に付かないよう……みんなが玄関に集まったのを見計らって、みゆきにそっと声をかける。
「みゆき、ちょっといいかな」
なんでしょうか、と近づいてきたみゆきに、陰になるように回りこんで背を向け、バックから手早く
包装されたものを取り出して押し付けるようにみゆきに渡す。びっくりしているみゆきに早口で、
「……それもプレゼントだ。後で、部屋で誰もいない時に開けてくれ」と囁く。
キョンさん、これは……と言いかけたみゆきを目で制し、「今日はありがとうな、みゆき」と
声をかけると、俺はそそくさと、こなたたちの待つ玄関に向かった。
良かった、なんとか渡せたな。しかし緊張した。
最後にみゆきに渡したもの、それは……俺としては最大限の勇気を振り絞って買ったものだ。
なんでさっき渡さなかったか、だって? あそこで渡すとみんなの見ている前で開けちまうだろうが。
流石にそれはまずいからな。
え、なぜかって。大体見当はつくだろう。


6

「キョンさん……これって……」
みなさんが帰られ、一旦部屋に戻り、キョン君からいただいたプレゼントを机の中にしまって、
洗い物や後片付けを済ませたあと、私はそそくさと自室に戻り、ドキドキしながら包装を解きました。
ですけど……中に入っているものを見て、私はますますドキドキしてしまいました。
男性からこれをいただいたのは、生まれて初めてです。
そこには……淡いピンクのブラジャーとショーツ、下着のセットが入っていたのです。


7

みゆきは今頃、どんな顔をしているだろうか?
俺はもしかして、とんでもないことをしたのではないか?
あの場で勢いであれを渡し、帰り道、こなたたちに動揺を悟られないように大いに意識し、こうして
家に帰り、風呂に入って落ち着くと、一時感じていた緊張感は解け、代わりに「やっちまった」という
意識がムクムクと盛り上がってくる。
俺は断じて、こなたの「18歳の誕生日だから18禁解禁」なんてアホな台詞に浮かされたわけではない。
みゆきとはまあ(みゆきだけじゃないのが問題だが)、男女としてもそれなりに進んだ関係に
あるわけで、そんな関係を象徴するための演出として、こういうやり方も悪くないのではないかと
思ったのだ。
俺なりに、この関係を真剣に考えていることを示そうとしたのだが、果たしてみゆきがこれをなんと
思うのか。
……それにしてもまあ、これを買いに行った時の恥ずかしかったこと。今も鮮明に覚えている。
動揺を抑えるため、先週の日曜日の出来事を思い返してみる。

ヨーロッパではカップルで女性の下着を選ぶのはデフォルトらしいが、なにせここはジャポン、いや
ジャパンだ。
この店……すれ違った中に稀に男の姿を見ないことはなかったが、例外なく彼女連れだ。男1人って
いうのは俺だけみたいだ。
まあ、流石に変質者には見られないだろうが、正直こういう所に長居する勇気は俺にはない。
と言っても、人様にプレゼントするものを、店に居辛いという理由だけで適当に選ぶことは出来ん。
そう考えながらあれこれ見ていると、前方に制服の集団を発見。
見たところ……桜が丘の制服か。進学校のお嬢さん方も、こういう店に来たりするんだな。
……いや、どの高校に通っていようが、下着は付けるのだろうから当たり前か、馬鹿か俺は。
しかし同年代の人間、しかも異性にこういう場所で出くわすというのは……
俺はそそくさと進路を変更し、彼女たちとの遭遇を華麗に回避した。同年代の女性から不審な目で
見られるのはご免被りたい。
幸い彼女たちはお喋りに夢中で、前方から仏頂面の、いかにも場違いな野郎が迫ってきていたことには
気づかないようだった。

「なあ律。今日は機材を見にいくだけじゃなかったのか。なんでこんな所に……」
「まあまあ澪ちゃん。たまにはみんなでこういうお店に来るのもいいじゃない」
「だって恥ずかしいし……制服じゃないか私たち!」
「制服でこういう店に入っちゃいけないって校則はないよー」
「そういう問題じゃ……」
「おー、これなんか澪に似合いそうだな」
「ちょ……こ……こんなモン、はははは穿けるかーっ」
「でもかわいいじゃないですか。澪ちゃんなら似合うと思いますよ」
「だって……ここ、透けてるじゃないか! それにこんな……」
「ちゃんと剃れば大丈夫だよ澪ちゃん……って、なにこれー、こんな所に穴開いてるよー」

……かしましいお嬢さん方だ。
どこにもいじるヤツと、いじられるヤツがいるんだな。これも世の真理なのかね。
それにしても商品の数が多すぎる。あんまり見回っていると、何が良いのか分からなくなりそうだ。
妙な感覚に悪酔いしながら半ばフラフラしていた時、見つけたのが、今日みゆきに送った
あのプレゼントだ。

初めてエロ本を買った中学生のように、緊張しながら会計を済ませ、「プレゼント用の包装で」と
店員にお願いをしていると、さきほど遭遇しかけた、桜が丘のかしまし4人娘(命名:不肖俺)と
本遭遇してしまった。

「あー、あの男の人、プレゼント用の包装してもらってるよー」
「彼女にプレゼントすんだろ。けっ、色男め!」
「律っ!唯っ!止めなよ。聞こえるぞ……」
はい、よく聞こえていますよお嬢さん。出来ればあまり当方に構わないでいただければと。
「わたしらも、下着をプレゼントしてくれる彼氏とか欲しいよな。澪」
「わわわ……私は自分で買うからいいっ!」
「私はお菓子プレゼントしてくれる彼氏でいいや」
「ふふっ、お菓子なら私がプレゼントしてあげますよ、唯さん」
「ムギちゃん……私の彼氏になってー」

……そんな女子高生コントを背に、俺はプレゼント用の包装に包まれたモノを手に、そそくさと
魔窟を後にしたのだった。


8

「キョンさん……私……」
動悸がおさまりません。と言っても、嫌なわけじゃありません。むしろその逆です。
とても嬉しいです。
キョン君の性格からして、きっとこれを購入される時、とても恥ずかしい思いをされたはずです。
そんなキョン君の勇気と思いやりに、応えるやり方といえば……これしかありませんね。
こなたさんは既にキョン君に対して、度々されているようですし、私がやっても問題はないですよね。


9

「ん……携帯か」
寝転がっている枕元に置いた携帯が震えている。マナーモードにしたままだった。
メール、送信者は……みゆき。さっそく来たか。
なに手を震わせてんだ俺。しっかりしろ。

「キョン君、今日はどうもありがとうございました。とても嬉しかったです。
時計、大事に使わせていただきますね。
あと、もう1つのプレゼントの方も、ありがとうございました。
男の人から下着を送られたのは生まれて初めてです。
ちょっとびっくりしちゃいました。
これを買うとき、とても恥ずかしかったんじゃないですか、キョン君。
キョン君だけに恥ずかしい思いをさせるのは忍びないですので、私もちょっと頑張ってみました」

そして添付されている画像ファイルを見て、俺はあまりの衝撃に卒倒しそうになった。
そこには……俺が送った下着だけを着け、前進が映る鏡に向かって携帯をかざすみゆきの姿と、
そしてもう1枚。
ブラとパンツをちょっとずらし、恥ずかしそうな顔をしているみゆきの姿が…って、ミルクリングが、
禁断の輪っかが、すなわちいわゆる乳輪が見えてるぞみゆき。

呆然としているとまた携帯が震え出した。みゆきさん、メールとメッセージの二段攻撃ですか。
俺はもう逝きそうです。
「もしもし、キョン君」
はい、キョン君です。動揺していたのか、思わず自分の名前(not本名)に君を付けてしまった。
「あの……メールを送ったんですが、見てくれましたか? 写真の方も」
はい、見てました。凝視してました。アホみたいに口を開けて。
ちなみにびっくりし過ぎて、まだ勃ってません。
「あの……嬉しくて、見て欲しくて、思わずはしたない写真を送ってしまいまして申し訳ありません」
いや、はしたないなんてことはない。みゆきの身体はとても綺麗だぞ。すごく似合ってる。
「あの……キョン君……」
いや、正直、勢いで贈ったのはいいが、どう思われるのか心配だったが、喜んでもらえたようで
何よりだ。
こうして、俺の「らしくない」演出は、杞憂をよそに、なかなかの成功を収めたのだった。
みゆきと少々雑談し、その夜、俺は重荷を下ろしてすがすがしい気分で、眠りについたのだった。
そう、この時の俺は、この後にとんでもないオチが待っているとは、露ほども思わなかったのだ。


10

「悲劇」は翌日にやってきた。
俺は登校早々、下駄箱前で待ち構えていたこなた、かがみ、つかさの3人に拉致され、有無を言わさず
人気のない廊下の片隅に連行されてしまったのだ。
「……ねぇキョン君。昨日、私たちの携帯にとっても面白いメールが来たんだけど」
ほう、それはそれは。で、そりゃどんなメールだ。ハルヒあたりが喜びそうなネタか、かがみ?
「ま、ハルヒの奴が見たら、キョン君、間違いなくぶっ殺されるわね」
なんだそりゃ。思わず首をかしげると、こなたまで妙なことを言い出す。
「ふふん、実は私のところにも、かがみんとおそらく同じメールが来たんですヨ」
ますます訳が分からん。大体お前ら、なんか怖いというか異様に殺気立ってないか。
そんな妙な雰囲気の謎を、つかさの一言がはっきりと解き明かしてくれた。
「キョン君も見たでしょ、昨日の夜のゆきちゃんのメール」
……なんでおまえらがそれを。言葉に出せない俺に、かがみが氷の笑顔を向ける。
「みゆきね……間違って、メーリングリストのアドレスにあのメールを出したのよ」
なんだって……ということは……つまり昨日のあれ、こなたやかがみやつかさの所にも……

「とにかく、今日の放課後、みゆきも交えて事情聴取ね。逃げるんじゃないわよ」
「ま、みゆきさんのあれは、私は責めないヨ。えっちい画像は私もキョンに送ってるしね」
「キョン君、に、逃げたら死刑だから!」
……落とし穴は、思わぬところに口を開いていた。
あと、つかさ、悪いが全然似てないぞ。
みゆきをこいつらの矢面に立たせるわけにはいかんな。ここは俺が盾にならなきゃならんのか?
「ま……とりあえず私の希望としてはネ……」
かがみとつかさを引き寄せ、なにやらごにょごにょと囁くこなた。
そして、なにやら邪悪な笑みを浮かべた3人の天使は、振り向くとこんなことを口にしたのだ。

「あと2ヶ月でクリスマスよね、こなた、つかさ」
「今年のクリスマス、私としては、エッチなキョンサンタに下着をプレゼントして欲しいネ」
「そだねー。私もー」
「もちろん、適当に選ぶんじゃなくて、エッチのときに私たちにつけて欲しい下着を真剣に
選んでもらわないとね」
「そうそう。私やつかさ宛に、妹ちゃんの買い置きの下着なんか流用したら、全校にキョンの
ロリキョン伝説が伝播することに……」
「今年のクリスマス楽しみだね、こなちゃん、お姉ちゃん」

似合わぬ演出は、大きな「代償」を伴って、俺の下へと戻ってきたのだった。
やはり最後はこう言うべきなのだろう。
やれやれ。

「ふふっ……アドレスを間違えたのは、実はワザとじゃなかったらどうしますか、キョン君」

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最終更新:2010年04月25日 22:01
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