らきすたとあずまんが

4-613氏の作品

613:2007/07/15(日) 23:11:11.81 ID:xLgYerop0  
それはある朝のことでした。  私の名前はつかさ。柊つかさ。  
いまから、この前であった、不思議な人のことを話したいと思います。  
四月のある朝のことでした。  その日、私は諸事情でいつもより早く家を出ていたのです。それも一人で。  
いつも朝は寝坊気味でしたのでその日も殆ど夢うつつの状態での登校でした。それでも、いつもより少し早い朝の空気はとても澄んでいて、少し涼しくとても気持ちよく感じられました。  と、私の前に影が飛び出してきました。
小さくて、まるっこい黒猫でした。
「ネコさんだ~」  
程なくしてそのネコは走り去ろうとしました。  
そのとき、何を思ったのか私はそのネコを追いかけ出したのです。  何しろ意識がはっきりしていないときのことですから、そのときの私にはその黒猫が時計を持って女王の城に走るウサギに見えたのかもしれません。
「待て~」  
暫く私は塀の上を駆けるネコの後をついていっておりました。ふと、ネコはとても人間の入れぬような路地裏に入っていってしまったのです。

628 :613:2007/07/15(日) 23:12:28.70 ID:xLgYerop0  
私は流石にそこでネコをあきらめました。そして、私は学校に行こうとしていたことを思い出したのです。  そこで私は気付いたのです。
自分のいる場所に見覚えが無いことに。  流石に焦りました。今は頼りになる姉も、飄々とした友人もいないのです。  
急に酔いが覚め、意識がはっきりしていくとともに、私の絶望は深くなっていきました。そして私は遂に泣き出してしまったのです。
「どうしたの?」  
ふと、声が聞こえました。その声はとても大人びていて、どこか抑揚のあまり無いような印象を受けました。  その方向を向くと、一人の女性が立っていました。背が高く、私の学校とは違う制服で、黒い髪を長く伸ばし、胸の突起は綿信徒は比べられないほど大きく、その顔はとても綺麗で格好よく、整っていました。
「み、道に迷ってしまったんです」
「……かわいい……」
「ふえ?」
「なんでもない。君は何処の中学?」
「りょ、綾星学園高等部の一年生です」
「ごめん。高校生だったのか」

629 :613:2007/07/15(日) 23:13:46.63 ID:xLgYerop0  
そういうとその女性は私を学校の前まで連れて行ってくれました。その顔はどこか赤かったようでした。  
途中で少しばかりお話をしました。
女性はネコが好きで、毎日触ろうとするけど逃げていくと言っていました。
私の姉と一緒ですね、といったら私以外にもそういう人がいるのか。と言いました。  そうこうしているうちに学校に着くと、私たちはお別れの挨拶をしなければなりません。 「ありがとうございます」
「いいんだ」
「最後にお名前を」  女性は少し驚いた様子で、また少し顔を赤くしながらこういいました。 「榊……」
「榊さんですか。私の名前は柊つかさです。またえるといいですね」
「うん……またあいたい」  そういうと、榊さんは少し逃げるように言ってしまいました。  
こんどはお姉ちゃんやこなちゃんをつれて会いに行こうかな、なんて思う今日この頃です。

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最終更新:2007年07月16日 22:38
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