泉こなたの憂鬱Ⅱ-2

今日は休日、一日中ネトゲでもしようと思ったけど
結局ネトゲしてる時でもキョンキョンのことを考えてしまって、手に付かないし
別に目的があるわけじゃないけど、今日はデパートの本屋にでも行こう

お?これは欲しかったラノベの新刊じゃないか。出てたんだっけ?
いやーたまには普段行かないところにも来てみるもんだねぇ
おおぉ?これはまたまた欲しかったものだ、今日はツイてるねぇ
結局今日は一日中その本屋で過ごした

今日は来てよかった。たまの息抜きにもなったし
一日中ネトゲするのもいいけどたまにはこんなのもいいね

そう思っていた矢先、私は見てしまった・・・
まるで仲睦まじいカップルがデートをしているかのように
腕を組んで歩くハルにゃんとキョンキョンの姿を・・・

そっか、そうだよね・・・私なんかハルにゃんに敵うわけが無いよ

それから私はただボーっとデパート内をブラブラしていた
帰る頃には、外は雨が降っていた
傘なんてもってきてないけど、そんなのもう関係ない
私は雨に濡れながら、何も考えずに、トボトボと家へ向かった
家に帰り、お父さんが私の姿を見て、心配してくれたけど
お父さんの声なんて、聞こえちゃいなかった
ずっとなにか言ってたみたいだけど、そのうち気を遣ってなにも言ってこなくなった
今日買った本は全て雨に濡れてビショビショだ
私はそれを濡れたままゴミ箱に捨てた、また買わないといけないな・・・
その日はご飯も食べずにお風呂に入り、そのままベッドへ倒れこんだ

その瞬間に涙があふれてきた・・・
それからずっと声を押し殺しながら、疲れて眠るまでずっと泣いていた
この泣き黒子は飾りじゃなかったんだね


次の日、雨に濡れたからだろう、私は風邪を引いて学校を休んだ
学校に電話すると、いつもは半信半疑の黒井先生もあたしの声の口調で
本当だと信じたみたいで、「ゆっくり休んどきぃ」とだけ言ってすぐに電話を切った
お粥を食べて薬を飲んで、少しは熱も引いてきた
でもなんだかとてもキツイ、多分熱のせいだけじゃないんだろう
外は昨日の雨とはうってかわって、まさにハレ晴レユカイといった天気だ
そんな天気にも関わらず、私の心はどんよりと曇っている・・・
私の心も一緒に晴れてくれないかなぁ・・・
そんな事を考えているとまた涙が出そうになったから、目を強く瞑りグッと我慢する・・・
そしてそのまま眠ってしまった



昨日はすぐに帰ってよかった、あの後雨も本降りになったしな
今日は昨日の雨がウソみたいに、雲ひとつ無い大空が広がっている
アーアー、本日ハ晴天ナリ・・・
ってなわけで今日も学校にやってきた
眠たい眠たい午前の授業を解消し、昼休み
弁当を忘れた俺は学食に行こうと教室を出た
「キョン君!!」
ん?俺を呼ぶのは誰だ?

かがみ「キョン君」
キョン「かがみじゃないか、どうしたんだ?」
かがみ「今日、こなたが風邪ひいて休んでるの・・・
     キョン君がどうするかはキョン君しだいだけど、一応伝えとくわ」
そう言ってから、かがみは去っていった・・・


放課後、俺はSOS団の部室へとやってきた
だが今日は部活に参加する気は無い
そのことを伝える為だけにやってきただけだ
部室のドアを開けるとハルヒが団長席に座っていた
他の団員もそろっており、みんなの視線が一斉に俺に集まる

ハルヒ「キョン!!遅かったじゃない」
キョン「スマン、ハルヒ。今日はちょっと用事があるから帰るぞ」
俺は中には入らずにそれだけ言ってまたドアを閉め、部室を後にした

ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン!!待ちなさい!!」
部室の中からそんな声が聞こえたが、まぁ一日行かないくらい別にいいだろ



俺の用事は決まってる、こなたのお見舞いだ
かがみから家の場所は聞いてる
俺はそれを頼りに、こなたの家までやってきた

玄関のインターホンを押し、待っていると
中から甚平?・・・を着た男の人が出てきた 親父さんか?
そうじろう「誰だい?君は 娘はわたさーん!!!」
キョン「なっ!!」
何を言うかと思えば、いきなり尋ねて来た男に「娘はわたさーん!!」ときたか
こりゃホントにそのつもりで来た時はすごい事になりそうだ
…そのときは、来るのか?
寝不足なのか目は充血し、こなたと同じ泣き黒子のある目元には薄っすらくまができてる
もしかして、娘が心配で、眠れなかったのか
キョン「あ、あの・・・こなたさんの友人です。今日風邪で欠席されてたので、お見舞いに」
そうじろう「そうか、昨日こなたの様子がおかしかったのは君だな?」
キョン「へ?(様子がおかしかった・・・?)」
そうじろう「友人だね友人、ただの ゆ・う・じ・ん だね!!」
キョン「は・・・はい(こだわるなぁ)」

なんとか部屋に通され、こなたが起きないように静かに中に入った
案外きれいなんだな、もっとごちゃごちゃしてるかと思っていたが・・・
ふと隅のゴミ箱を見ると包装してあるまんまの本が捨ててあった
一度濡れたのだろう・・・少し湿っているようだ
とすると、昨日本屋にでも行ったのか?昨日は雨が降ったし・・・
そうか傘を忘れて本屋に行って、それで濡れて帰ったから今日風邪をひいたんだな
まったく、なにやってんだか・・・
こなたはちょっと苦しそうに若干眉をひそめて眠っている
汗をかいたのだろうか、枕が濡れて染みのようになっていた

「昨日こなたの様子がおかしかったのは君だな?」
親父さんはそう言っていた・・・


これ・・・汗、だよな?

 

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最終更新:2007年08月23日 20:57
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