4月10日
高校2年生・・・入学してから一年が経ち、『春』、桜咲く季節がやって来た。同時に私にとっては大事な日。
『クラス替え』
かがみ(同じでありますように・・・)
私は念入りに見た。クラス表とにらめっこする位に。しかし、
B 組
―――――
泉 こなた
白石 みのる
高良 みゆき
柊 つかさ
かがみ(な、ない・・・)
ガックリと肩を落とした。その後、こなた達がやって来た。
こなた「やほーかがみん♪クラス一緒だったかい?」
かがみ「この通りよ・・・」
そう言って私はクラス表を指差した。
こなた「ん・・・あっ・・・」
つかさ「お、お姉ちゃん・・・」
みゆき「き、気を落とさないで下さいね・・・」
かがみ「・・・あはは。大丈夫大丈夫よ私なら。それにさどうせこなたのことだからまた『宿題見せてー』とか言うに決まってるからちょうどいいんじゃない。」
こなた「・・・」
かがみ「ま、そういう訳だから私A組に行ってくるよ。じゃまた放課後に~」
こなた「かがみ・・・」
つかさ「お姉ちゃん凄く淋しそうだった」
みゆき「何とか元気付けられませんでしょうか?」
かがみ「ハァ~」
私はトボトボ廊下を歩いていた。そして私は廊下の角を曲がろうとしたとき思いがけないことが起きた。
ドンッ
かがみ「いたっ!」
勢いで私は尻餅をついた。
かがみ「いたた・・・」(もう!誰?)
「わ、悪い。ぼーっとしててよく見てなかった。大丈夫か?」
かがみ「う、うん・・・!」
顔を上げた。その見上げた先の人はどうも私のど真ん中に来たみたい。私は顔が赤くなっていた。そんな事考えてる間にその人は私に手をさしのべてきた。
キョン「立てるか?」
かがみ「う、うん。ありがとう・・・」
手をとり、起き上がった。まだ顔が熱い。どうしよ・・・
キョン「次からは気を付ける。じゃな」
そんな・・・私もぼーっとしてたからいけなかったのに・・・それにしてもこの感じ何だろ?何か興奮してるのかな?まさか人目惚れ!?
と、考え
みさお「おーす!柊!」
あやの「おはよう。柊ちゃん。」
日下部が私の肩に肘を乗せた。隣に峰岸がいる。その時、私は我に返った。
かがみ「え、あ、おはよう・・・」
みさお「いやーそれにしてもまたおんなじクラスだなー」
あやの「そうね。これで4年連続。よろしくー」
かがみ「・・・・・え?」
数秒間の沈黙。を割ったのは日下部だった。
みさお「はいはい。いるよなー。自分の第一目標以外目に入らない薄情くんてさー」
かがみ「あ、あれ?」
あやの「と、とりあえず教室に行こ♪」
みさお「全くあんたって奴は・・・」
かがみ「うー」
あやの「あ、みんな来るの早いね。」
峰岸が言ったように教室には半分以上の生徒がいた。
かがみ「ホント早いわね~・・・ん?」
あの人は・・・確か・・・
みさお「あれ?凉宮がいるじゃん?」
あやの「ホントだー。確か去年ある問題を起こしたらしいけど・・・」
そういえば聞いた事があったな。
確か去年自分達で部を・・・SOS団だっけ?を作り、バニースーツでその宣伝してたとか。
ん?その前の席にいる人は・・・えっ!?
みさお「あれは凉宮から『キョン』って呼ばれてる人だな?」
あやの「ええ。そうよ・・・ってどうしたの?柊ちゃん?」
あの人がいる。曲がり角でぶつかったあの優しい人が。偶然?偶然かな?かな?
その後日下部に叩かれて我に返ったのは言うまでもない。
自己紹介も終わり、重要な連絡、時間割等の説明が終わった。今日は午前で帰れる。
帰ろうとしたとき隣の人から声を掛けられた。
キョン「よっ。こんな偶然があるんだな。」
は、話し掛けてくれた。憧れのあの人が。そして私も話そうとした時後ろから声がした。
ハルヒ「何?あんたら知り合いなの?」
凉宮さんが話しかけてきた。うわぁ、思ってた以上に何か威圧感があるよ。この人は。
キョン「いや。廊下の曲がり角でぶつかったんだ。それだけなんだが。」
私にはそのそれだけの事が凄く大きいんですけど。
ハルヒ「ふぅ~ん。ま、どうでもいいわ。とりあえず後で部室に来なさいよ。来なきゃ死刑!」
そう言って凉宮はサッと教室を出ていった。
キョン「あいつは・・・自分から聞いといて」
かがみ「アハハ・・・」
キョン「ま、なにはともあれこれから一年間よろしくな。」
かがみ「うん///よろしく。」
みさお「私らもよろしくだぞ」
あやの「よろしくね。えと、キョンちゃん。」
あんたらいきなり出てくるなよ!しかもキョンちゃん!?峰岸、マジでそうやって呼ぶのか?一年間!?。
キョン「キョンちゃんか・・・悪くないな。」
いやいやいや。
どういう頭してんのよ。あなたは。って私さっきから突っ込んでばっかり。
谷口「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!!!」
キョン「誰もお前を呼んどらん。」
国木田「何楽しそうに話してるの?キョン。」
えと、この人達は確か・・・谷口君と国木田君ね。
あやの「面白い人ね。」
いきなりな展開だけど、この6人で少し会話をした。何か凄く楽しかった。このクラスなら一年間明るく楽しく行けそう。そんな気がした。
とりあえず本人達からの了承を得て、こう呼ぶようにした。
キョン→キョン君
谷口→谷口君
国木田→国木田君
いきなり呼び捨てもヤバそうだしね。
そして10分後、キョン君は思い出したかのように教室を出ていった。
キョン「部室に行かなきゃいけないんだった。」
何というか・・・お疲れ様よね。
そういやこなた達はもう終わったのかな?教室に行ってみよう。
みんなと別れを済ませ、B組へ向かう。着いた頃にはちょうど終ろうとしているところだった。
かがみ「おーす。」
こなた「あ、かがみ」
つかさ「?」
かがみ「さ、そろそろ帰ろか。」
こなた「うん・・・」
つかさ「お姉ちゃんどうしたの?何か嬉しそうだけど?」
かがみ「えっ///そ、そうかな?」
こなた「ん~さては廊下の曲がり角で男とぶつかって惚れてしまい、偶然にもその男と同じクラスになっていてさっきちょっと会話してきたとか言うギャルゲー展開が訪れたの?」
こいつの頭はそんなことしか考えとらんのか。と言うかほとんどあってるし!
みゆき「何はともあれ元気になってよかったですね。」
かがみ「うん。ありがとう。」
つかさ「じゃそろそろ帰ろ~」
家に着いた。午後からつかさ、こなた、みゆきと共に遊ぶ事になった。
まぁすることは特に何もないから街をぶらぶらするだけだけどね。
つかさ「それにしてもホントにお姉ちゃんの事心配したよ~。3月」
かがみ「うん。ごめんな。でももう大丈夫だし。それに来年もあるからさ」
つかさ「そうだね。私もそうなるようにお祈りするよ。」
かがみ(つ、つかさ~)
つかさ「あ、そろそろ時間だよ。お姉ちゃん。」
かがみ「あ、うん」
街を4人でぶらぶらして、こなたの『お菓子食べよー』という提案に賛同し、近くのファミレスへ向かった。
こなた「いやー久しぶりだね。4人でファミレス来るの。」
つかさ「そうだね。」
みゆき「すみません。私のせいで。」
かがみ「みゆきが謝ることないよ。家の場所が違うから・・・」
その時、私は止まった。ある光景を見たから。
つかさ「どうしたの?お姉ちゃん?ザ・ワールド?」
こなた「んー?視線の先は・・・」
キョン君や凉宮さんといったSOS団の面々が街を歩いていた。
何処に向かってるんだろ・・・何て考えているとこなたが話しかけてきた。
こなた「かがみんはもしかしてSOS団に入りたいのかなー?」
かがみ「え///馬鹿!そんな訳ないでしょが!」
こなた「じゃあ何でSOS団の方を見てたのさ」
かがみ「そ、それは・・・」
私は今日ありのままに起きたことを話した。ぶつかってキョン君と出会った事。偶然クラスが同じになったこと。
こなた「うーん。まぁギャルゲーでよくあるシチュだよね。フラグ立ちまくり。良かったじゃんかがみん。」
かがみ「お前はそればっかりだな。」
つかさ「で、お姉ちゃん。その人の事好きなの?」
かがみ「分かんない・・・。」
みゆき「アタックしてみてはどうでしょうか?」
かがみ「みゆき!大胆ね・・・」
こなた「じゃあさ~SOS団に入って見るとか。」
かがみ「・・・・・」
つかさ「流石にそれはちょっと・・・ねぇお姉ちゃん?」
かがみ「・・・その手があったか。」
こ・つ・み「え!?」
よくあるよね?スポーツの部活をしている先輩に惚れた後輩が近づくためにその部のマネージャーか何かになって徐々にアタックしていくって。
私もそんな感じで行こうかなと考えたわけ。
2年生になってから2週間くらい経ち、クラスにも溶け込めてきた感じ。と言ってもいつものメンバーだけなんだけど・・・。
そして昼
谷口「キョ~ン。飯食おうぜ。」
キョン「ん?もうそんな時間か・・・ファ~ア」
国木田「柊さんに日下部さんに峰岸さんも一緒に食べるでしょ?」
みさお「食う食う♪お腹すいたー。」
あやの「行こー。柊ちゃん。」
かがみ「うん。」
この6人で昼ご飯を食べるのは日課となった。そういえば凉宮昼休みはほとんどいないよね。どこに行ってるんだろ。
そんな中、私はあの事について話を出した。
かがみ「そういえばSOS団って・・・活動してるの?」
キョン「何だ?いきなり?まぁしているといえばしてるなぁ。とは言ってもほとんど遊んでるだけだ。それがどうかしたのか?」
かがみ「あいや、別に・・・」
谷口「何だ~?もしかしてSOS団に興味があるのか?柊は」
かがみ「そ、そんなんじゃないってば///谷口君!」
みさお「嘘ばっかり~この前『SOS団てどんな部なの?』って私らに聞いてきたじゃないか~」
かがみ「うっ・・・・・」
キョン「興味があるのか。今は人が少ないからいくらでも入れるぞ。まぁハルヒ次第だが・・・」
ハルヒ・・・キョン君が凉宮さんをハルヒと普通に呼んでいる事から、この二人はかなりの仲がいいということが理解出来た。
谷口「かがみ。そんなけったいな部活、悪いことは言わん。やめとけ。」
キョン「確かに変だがお前に言われると凄い腹が立つ。」
谷口「事実だろ・・・」
キョン「・・・・・」
やっぱり付き合ってるのかな?そう聞こうと思ったとき、峰岸が問掛けた。
あやの「凉宮ちゃんとキョンちゃんはやっぱり付き合ってるのー?」
峰岸~GJ!!!
キョン「残念ながら付き合ってはいないな。」
国木田「でも凉宮の事好きなんでしょ?」
キョン「どうしてそうなるんだ。」
みさお「だって二人とも結構一緒にいる時間多いじゃん。」
キョン「それはだな・・・」
話によると二人はまだ付き合ってないみたい。て事は私にもチャンスがあるのよね。
でもキョン君が凉宮さんを好きじゃないという事は聞けなかったけど・・・何とかなるよね!。
私はもう決意した。SOS団に入ろうと。入れるかどうかはわからないけど・・・
昼休みが終わる5分前。凉宮さんが帰ってきた。
キョン「言うのか?手伝ってもいいんだが。」
かがみ「うん・・・ありがとう。」
キョン「なぁ~ハルヒ?」
ハルヒ「何?」
キョン「お前が作ったSOS団に入りたいって人がいるんだが・・・柊なんだが。」
ハルヒ「・・・・・」
かがみ「何か面白そうだし、私興味を持っちゃったな~って思ってさ。・・・駄目かな?」
ハルヒ「・・・良いわよ。」
かがみ「えっ?」
ハルヒ「良いって言ってるの!」
かがみ「ホントに・・・」
ハルヒ「確かに今のSOS団は人数が少ないからね。何か物足りなかったのよね。つまらないし誰も入ってこないし。」
キョン(それはお前のせいでは?第一ただの人間に興味ないって言ったから誰も近づかないのでは?)
ハルヒ「何か言った?キョン」
キョン「別に」
ハルヒ「まっ。そういう訳だから早速今日から部室に来なさいよ!」
かがみ「あ、ありがとう。涼宮さん・・・」
ハルヒ「ハルヒでいいわよ。かがみ!」
かがみ「う、うん。」
キョン「良かったな。幸い我らの団長さんは機嫌がいいみたいだ。」
かがみ「うん。ありがとう。キョン君。」
ホントに1年間、楽しくなりそうな気がしてきた。こんなの生まれて初めてな気がするなぁ・・・
だけどこの出会いが様々な出来事と出くわしてしまうなんて私には当然知る由もなかった・・・
最終更新:2007年07月27日 02:23