その後の憂鬱2

粒の大きな雨が、俺の身体を濡らしていく
まだ家から出てきてすぐなのにもうビショビショだ
濡れたズボンが足にペタリと張り付いて歩きにくい・・・
俺は家の近くの公園にあるベンチに腰を下ろし
そんな不快感を覚える暇のないほど、
じっと一人で考えていた・・・

あの日、こなたが消失した日
あの時、こなたの感情が爆発した時

こなたは・・・どれほど怖かっただろう・・・

融合した二つの世界が元に戻るわけで
正確には消失した、というより
もといた世界に戻ったと言ったほうが正しいのだが

この「世界」から自分の存在が消えること
自分の身体がだんだんと光の粒になっていく感覚
そして、俺のもとから消えてしまうという事実

そのどれもが、とても恐ろしかったはずだ
最後は俺の自分勝手な解釈だが


そんな恐ろしいことを、そんな思い出したくもないことを
一番聞きたくない人の口から、聞いてしまったんだ・・・

なぁ雨雲よ・・・
できればもっと雨を降らせてくれないか・・・
そうしないと、こなたにバレちまうだろ
俺の目から流れる、大粒の雨に混じった
えらくしょっぱい謎の液体が・・・



もちろんキョンキョンがあんなこと本気で言ったなんて思うわけ無い
でも、本気でそう思っていないってわかってても・・・
キョンキョンにそんなこと言われたら、
とっても悲しくなる とっても寂しくなる

キョンキョンの頬を叩いた手がジンジンと、脈を打つたびに疼く
そうなんだよね・・・人を傷つけると、自分も傷つくんだよね
この手の痛みは、キョンキョンの頬の痛みと同じなんだ・・・
この私の心の痛みは、キョンキョンの心の痛みと同じなんだ・・・

キョンキョンが私の傍から消えるということは
私がキョンキョンの傍から消えるということと同じこと・・・?
あれ??・・・なんだか自分で何が言いたいのかわかんなくなっちゃったけど

あの時私がとても怖かったように
キョンキョンも、とても怖かったんだ・・

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最終更新:2007年07月27日 23:20
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