つかさ「お姉ちゃ~ん、ご飯だよ~」
かがみ「いい、今食べたくないの!」
・・・今日はいろんな事があって疲れちゃった。
あんな事言っちゃって、明日から涼宮さんに顔あわせ辛いな~
それに・・やっぱり私はキョン君の事が好きだって気づいちゃったし
あ~キョン君にも顔あわせ辛いよ~。今日は眠れそうにないな~・・
でもしばらく本を読んでたら睡魔が襲ってきた。私は知らない間に寝ていた。
そしていつものように夢をみる・・はずだったんだけど、
今日の夢はちょっと違っていた。
何かね、夢っていつも曖昧じゃない?自分が誰だかわかんなくて
ここがどこだかわかんなくて。ストーリーもぐちゅぐちゃでホント曖昧
でも、今日のは違う。私が誰だかわかる。ここもどこだかわかる。
それにこんなに意識がはっきりしてる・・一体なんなの?
ここは学校・・ちょっと灰色がかってていつもと雰囲気違うけどわかる。
そして私は私、柊かがみ。こんな夢初めて。
しばらく歩いてると・・。人がいる。誰か倒れてる。
急いで側に寄ってみると、その人が誰だか一目でわかった。見間違うはずがない
キョン君!
かがみ「キョン君!起きてよ!」
起きない・・でも可愛い寝顔。ちょっとだけなら・・って何考えてるの私は!
お、起こさなきゃダメよね!そうよ。叩くだけなら・・
かがみ「キョン君起きてー!」
キョン「ん、んあ?何だもう朝か?」
かがみ「キョン君起きて!私、かがみよ!」
キョン「かがみ!?何でこんな所に・・ってここは・・」
かがみ「これ夢かな?いつの間にかこんなとこにいて、キョン君が倒れてたの。
どういうこと?どうして私達はこんなとこにいるの?」
キョン「まさかまたこんな所にくるとはな・・」
かがみ「え、キョン君何か知ってるの?」
キョン「いや、似たような夢を前に見たことがあってな。それより古泉を見なかったか?」
かがみ「見なかったけど、どうして?」
キョン「いや、何となくだ。」
それから私達は校舎に入ることにした。夜の校舎ってやっぱり不気味ね
でもキョン君の腕につかまることができてラッキー・・じゃないわよね
おかしい。電気はつくけど、ひと気がまったくないし電話もつながらない
しばらく歩いてもずっとただ静寂があるだけ。なんか怖い・・
キョン君はそれでも何故か怖がらずにまっすぐ進んでいく
キョン君についていくとある部屋にたどり着いた。
そこは確か文芸部室だったはずだけど、そこにはこう書かれていた。
SOS団。いつも涼宮さんが言ってた言葉。私はちょっと嫌いかなこの言葉。
キョン君はドアを開けて部室に入ると、一目散に窓に駆け寄っていった。
かがみ「キョン君、ここに何かあるのかな?」
キョン「ああ、恐らく俺の予想が正しければ、もう少しであいつが現れる。」
かがみ「あいつって?」
しばらくキョン君の見る方をぼんやり眺めてたらそこに信じられないものが現れた。
小さい紅い玉・・まるで人魂みたいな。しかもそれがどんどん変形して人型になったの。
かがみ「キャッ!な、何なのこれ?」
キョン「古泉か?」
古泉「やぁ、どうも」
え、これがこ、古泉くん?私は何を言ってるのかわからなかった
それはどうみても紅い人の形をした何かだったから・・
キョン「よう、遅かったな。お前がその姿で現れるということは、あの時と同じなんだな?」
古泉「ええ、お察しの通り。しかしあの時と状況はいささか違うようですがね。」
キョン「見りゃわかる。なんでかがみがここにいるんだ」
古泉「・・・柊かがみとあなたがここにいる理由。それはいたって単純です。」
かがみ「ど、どういうことなのよ?」
古泉「この前の時、涼宮さんは元の世界を排除し、新しい世界を作ろうとした。今回も大体同じですよ。
涼宮さんはあるものを排除し、新しい世界を作り出そうとしているんです。」
キョン「・・あるものってのは何だ」
古泉「それは、柊かがみとあなたですよ。」
キョン「・・・」
かがみ「どういうこと?涼宮さんが私達を排除しようとしてるって・・一体なんなのこれ?」
古泉「あなたは何も知らなくていい、知る必要がないんです。しかし知らなすぎる故に
あなたは大変な事をしてしまったんです。」
キョン「古泉・・もういい」
古泉「あなたは涼宮さんの前で言ってはならないことを言ってしまった。それは
涼宮さんが言いたかったことであり、言えなかった事だった。しかし涼宮さんは
常識のある人です。それだけではこんな事にはならなかったはず、でもキョン君、
あなたの心の変化にも涼宮さんは気づいて・・」
キョン「もういいって言ってるだろ古泉!」
かがみ「・・・」
キョン「お前の言ってる事はわかった。しかしだったらどうしたらいいんだ?
ハルヒの思惑通りこのまま消えちまえってのか?」
古泉「先ほども言いましたが涼宮さんは常識のある人です。あなた達にチャンスを与えているんですよ?
っと僕がいられるのはここまでのようです。あとは、そちらの方に任せます。」
キョン「え?」
何回目だろうこの感じ・・怖くて、ちょっぴり切ない思いが後ろから押し寄せてくる
振り向くとやっぱりそこにいた、涼宮ハルヒが。
キョン「・・・」
かがみ「・・・」
ハルヒ「・・・ふう、どういう事キョン?またこんなとこに来ちゃったんだけど」
そういうと涼宮さんは私に目もくれずキョン君の前に歩いていった。
キョン「俺が知るか!お前こそ何かしってるんじゃないのか?」
ハルヒ「知らないわよ!また何かあるんじゃないかと思って部室にきてみたら
キョンはかがみとイチャイチャしてるし。ホント考えられないわ」
かがみ「い、いちゃいちゃなんかしてないわよ!」
ハルヒ「へぇーどうだか?どうせこんな状況でも構わずキョンに色目使ってたんでしょ」
かがみ「そ、そんなことしてない!仮にしてたとして涼宮さんには関係ないじゃない」
ハルヒ「な・・そうよ、別に関係ないわよ!あんたとキョンがどうなろうが!知ったことか!」
キョン「おい、やめろ二人とも」
ドッゴーン!
かがみ「な、何あれ?」
キョン「またか・・・」
振り向いて窓の外をみるとなにかわかんないけど、巨大な人?青白い物体が
校舎を破壊していた・・ホントに何なのこの世界。
ハルヒ「ふふふ、現れたわね!いいわ!こんな世界ぶっ潰しちゃいなさい!」
キョン「おいハルヒやめろ!そんな事言うな!」
ハルヒ「何よ!触んないで!こんな世界、こんな世界いらないの!
キョンは・・キョンだけは私から離れていかないって、そう思ってたのに・・」
キョン「ハルヒ・・」
かがみ「・・・」
ドッゴーン!!!
かがみ「キャアッ!!」
ハルヒ「キャッ!」
キョン「危ない二人とも」
かがみ「あ、キョン君・・ありがとう」
ハルヒ「・・ありがと」
キョン「ここは危ないようだ、校庭に出るぞ!」
そう言うとキョン君は私と涼宮さんの手を握って走り出した。
校庭につくと周りにはあの巨人が何体もいて、校舎を破壊していた。
何か怒ってるみたい・・私達これからどうなるの?
あの青白い巨人はどうどん数がふえてって、もう数えられない。
でもこっちには・・よってこない
かがみ「ねえキョン君、これからどうなるの?」
キョン「俺にもわからん!(いややることはわかっているんだが・・)」
ハルヒ「・・・フン、とっとと前に私にしたことをかがみにすればいいじゃない」
キョン「おい、ハルヒ・・」
ハルヒ「どうせキョンもかがみの事好きなんでしょ?それくらわかるわ」
かがみ「・・・涼宮さん、あなたはホントにキョン君の事好きじゃないの?
自分の気持ちに嘘ついてるだけじゃないの?」
ハルヒ「な・・・そうよ好きよ、大好きよ!じゃなきゃこんなこと言うはずないじゃない!」
キョン「ハルヒ・・?」
なんだか安心した。私が涼宮さんに抱いていた・・劣等感?みたいなのが無くなった気がした
だって、私と涼宮さんの気持ちが同じだったから。同じだってわかったから。
これでもう、堂々と言える。
かがみ「キョン君!私もあなたの事が好き。大好き!ずっと気づかなかった
ううん気づかないふりをしてたの、涼宮さんと同じで、でもようやく言えた。」
キョン「かがみ・・」
かがみ「ねぇキョン君。選んで!私と涼宮さん、どっちをとるか。」
キョン「なんですと!?」
ハルヒ「そうよ!選びなさい!それで・・早く帰りましょ」
キョン(おいおいまじですかー。なんだこのシチュエーションは!誰が仕組んだんだ
俺にはこんなもの選べんぞ。一体どっちをとりゃいいんだ!)
私は正直涼宮さんには負けてしょうがないと思ってた。
この気持ちを伝えられただけで十分だって・・きっとキョン君は
涼宮さんの方へ・・あれ?
かがみ「キョ、キョン君?」
キョン「かがみ、俺実はポニーテール萌えなんだ?」
かがみ「え?」
キョン「お前のツインテールは似合ってる、だがポニーテールも見てみたいな」
かがみ「え、ちょ、ん・・」
キョン君の唇が私の唇と重なる。暖かい・・私は目をつぶってキョン君を抱きしめた
離さないように、ギュッと。その時地面が反転して、左半身に衝撃がはしった。
私はベットから落ちていた。・・夢?やっぱりあれは全部夢だったの?
夢の中でキョン君と・・・あ、あたしなんて不純な夢を見てるの?最低だわ・・・
結局その日は目を閉じるとキョン君の顔が近づいてきて眠れなかった。そんな状態で
学校に行き、教室に入ると、また似合わないツインテールの涼宮ハルヒが近寄ってきた
ハルヒ「ちょっと!かがみ!あんた夢を信じる?夢で起こった事を現実のものとして受け止める?
普通の人はそんなことしないわよね?そうよ、夢は夢だもの!まぁそういうことだから
何か変な勘違いしないでちょうだいね!じゃね」
そういうとずかずかと席に戻っていった・・涼宮さんも同じ夢を見たの?
キョン「やれやれ、どういうことだ?」
かがみ「キ、キョン君!と、古泉君?」
古泉「おはようございます。ふふ、どうやら僕の予想は外れたようです。最初から
涼宮さんは世界を変えるつもりなんかなかった。ただ、あなたの気持ちを知りたかっただけでしょうね
しかし、諦める気はないようです。これから忙しくなりますね。」
キョン「いいようにまとめやがって!ま、夢は夢ってこった。
まぁ全て夢にしちまうのはおしいがな・・」
かがみ「あの、どういうこと?」
キョン「お前は何にもしらなくていいんだ!それよりもかがみ」
かがみ「な、何?」
キョン「ポニーテール、似合ってるぞ」
それからいつもと何も変わらない日常が始まった。涼宮さんは相変わらず
キョン君を連れ回して、話しかける暇を与えてくれない・・
でもそんなんじゃへこたれないわよ!この気持ちは変わらないから・・
ずっとキョン君を好きでいるわ!
最終更新:2007年11月04日 23:51