柊かがみの消失エピソードⅢ

私は学校の校庭に倒れていた。とにかく今が何時か確かめないと
この暑さは尋常じゃないわ。冬服なんて脱ぎたい!
 ・・こういう時男子って便利よね。ってそんな事考えてる場合じゃないわ
私は学校を出て近くのコンビニに入った。新聞をみるとその日付は・・

かがみ「嘘・・3年前の七夕だわ」

何で?プログラム脱出したんじゃないの?何で3年前に来てんのよ
どうしろっていうの?・・そういえばハルヒが変な事いってたわね

「大人に会いなさい!」

それってもしかして・・うん間違いない。行くべき所はあそこ

半年前、七夕の日に私は夢みたいな出来事に巻き込まれた。3年前の七夕に行ったの
夢だと思ってたけど夢じゃなかった。私はあの時部室に行って・・気づいたら
この公園にいた。そこで私は現実世界ではありえないような人にあったの
それは未来人。SOS団の一員の朝比奈みくるさんの大人バージョン
この状況で頼れる大人っていったらあの人しかいない。

かがみ「どこのRPGよ」

私の声がする。今私は公園の影から過去に来た私達の様子を見ている。
朝比奈さん(大)が去っていった・・追いかけるしかないわ
私は裏に回り込んで、朝比奈さん(大)が出て行った辺りを探した
いた。セミロングの髪がなびいてる

かがみ「朝比奈さん!」

朝比奈さん(大)は振り返ると私に笑顔を向けた。

朝比奈さん(大)「久しぶりね」
かがみ「え?驚かないんですか?」
朝比奈さん(大)「ふふ、あなたが来ることは知ってたもの」
かがみ「じゃあ、私の身に起こった事も?」
朝比奈さん(大)「ええ、そしてあなたを導くのが私の役目」
かがみ「何で、何でこんなことになったんですか?私はどうすればいいんですか?」
朝比奈さん(大)「私は導くだけ、そこから先はあなた次第よ。今から私達は長門さんの所にいきます」
かがみ「長門さんの所?」
朝比奈さん(大)「ええ、前の時も未来に返してくれたのは長門さんなのよ?」
かがみ「そうだったんですか・・」
朝比奈さん(大)「ここからは私より本人に聞いた方がいいけど、今から3年後の12月18日に世界が改変された」
かがみ「そう、その日からおかしくなっちゃったの」
朝比奈さん(大)「すごい時空震だったのよ。」
かがみ「それをやったのは、やっぱりハルヒ?」
朝比奈さん(大)「いえ違います。あなたも知ってる女性ですよ?」

朝比奈さん(大)「そろそろ行かないと」
かがみ「はい」
朝比奈さん(大)「どこかわかってる?あなたは先にしないと行けないことがあるでしょ?」

あ、そうだ!私は伝えなきゃいけないんだ。このメッセージを。今の私を助けるために・・
走ってあの中学校の側にいくと、ひょこひょこと帰って行く少女の後ろ姿が見えた
私はその少女に向かって叫んだ

かがみ「ねぇ!私いつかあなたに会いに行くから!その時にこの言葉を言って!」
かがみ「大人に会いなさい!!」

少女は振り返って私の声を聞くと、すぐに踵を返して帰っていった。覚えていてねハルヒ。

それを伝えると私達は長門さんの所に向かった
朝比奈さん(大)がインターホンを押して中に入れてもらった。この殺風景な部屋に。

朝比奈さん(大)「さぁかがみちゃん。長門さんに話して下さい。」
かがみ「え?ああ、はい」

私はここに至る経緯を全て話した。そういえばこの長門さんは私が立て続けに来たって
ことになるのよね。で、一体どうしたらいいの?

長門「確認する・・同期不能・・しかし状況は把握した。再修復可能」
かがみ「一体何があったの?」
長門「その人物は涼宮ハルヒの力を使って世界を改変させた。しかしその効果は365日以内」
かがみ「そうか・・だから3年前のハルヒの記憶があったのね。で元にもどすには?」
長門「その人物が世界を改変後、再修正プログラムをを起動すればいい」

言いたい事はなんとなくわかるわ。要は今から3年後の12月18日に行って
その人が世界を改変させるのを待つ。それで世界が変わったあと、その人に
再修正プログラムを・・ってそれなに?

長門「・・」

長門さんはメガネを外すとそれを手で包んだ。するとそれはみるみるうちに銃の姿になった

かがみ「こ、これを撃てっていうの?その人に」
長門「そう」
かがみ「朝比奈さん(大)やってくれませんか?」
朝比奈さん(大)「私はあなたをそこまで連れて行くだけなのよ。」

うう、銃なんて無理だって!ってひゃあ!・・長門さんが腕をかんでいた

かがみ「な、何を?」
長門「対情報遮線フィールド」

 ・・要約すると。このまま行くと時空改変に巻き込まれるから、それから守るそうなの

朝比奈さん(大)「では行きましょう」
かがみ「はい」
朝比奈さん(大)「時間酔いするといけませんから。目をつぶって」

目をつぶった瞬間あれがきた。立ちくらみの強烈なやつ・・
次に目を開けたとき、私は校門の側に立っていた。

ここは学校・・って寒い!ホントに12月に来てしまったのね・・

朝比奈さん(大)「今は12月18日の4時16分です。あと5分で世界が改変されます。」
かがみ「そうなんですか・・わわっ!あ、朝比奈さん」

急に朝比奈さん(大)が抱きついてきた。何?なにこれ?

朝比奈さん(大)「あたなはこれから何があっても自分の意志を貫いて。思うまま行動して。」
かがみ「へ?あ、はい」
朝比奈さん(大)「あなたにもう一度あえて良かった・・・」
かがみ「あの朝比奈さん?」
朝比奈さん(大)「ふふ、ごめんなさい。じゃあ私はこれで・・元気でね」

そういうと朝比奈さん(大)は去っていった・・最後のはなんだったの?

そろそろ来るかな・・来た!ゆっくり歩いてきたその人は校門に入っていくと
グラウンドのところで手を挙げた。今きっと世界の改変が行われているんだわ。
しばらくするとその人は手をさげ、振り返り、また歩いていく。今しかない

かがみ「待って!」
「・・・」
かがみ「教えて、なんでこんな事をしたの?」
「・・・」
かがみ「何であんな世界を作り出したの?」
「・・・」
かがみ「長門さん」

しばらく私と長門さんは見つめ合っていた。その液体ヘリウムみたいな目が私をみつめる

長門「・・・私は世界をあるがままの姿に戻した」
かがみ「あるがままの世界?キョン君もハルヒもあなたも学校にいないのに?」
長門「そう」
かがみ「な、なんでよ!何がそうなのよ」
長門「あなたと柊つかさ、泉こなた、高良みゆきはイレギュラーな存在」
かがみ「どういうこと?」
長門「この世界に通じる言葉を用いると・・あなたたちは」
かがみ「・・・」
長門「異世界人」

言ってる意味がわかんない。異世界人?私達が?

長門「3年前、巨大な時空震が起きた。涼宮ハルヒが起こしたもの。あなた達はその時に
   こちらの世界にとばされてきた存在。記憶も改変されて。」
かがみ「3年前?3年前に私たちはこの世界に生まれたっていうの?」
長門「そう、あまりに自然過ぎた変化に誰も気づかなかった。あなた達の存在に。
   しかし涼宮ハルヒとあなたが出会い、あなたに涼宮ハルヒの能力を相殺するような
   力があることが発見された。それが今回の改変に繋がる。」

つまり、私達は気づかれなかっただけで実は異世界人だった。その異世界人の
存在に気づいたから。私達を元の世界に戻そうとしたってことね

長門「そう、そしてあなた達がいた元の世界が今私が改変した世界」
かがみ「・・・」
長門「あなたは見知らぬ同級生に既視感を覚えていた。それは3年より前にその人物に会っていたから
   改変された記憶の中から、少しずつ元の記憶がよみがえっていた。恐らくそのままいけば
   あなたはこちらの世界を忘れ。元の世界と同化することになっていた・・でもできなかった」

そうか、そうだったんだ。日下部と峰岸にあんなに親しくできたのはそのせいなんだ
 ・・そっか私達元から友達だったんだね

かがみ「でも何で私だけ記憶が戻らなかったの?こなた達は戻ってたのに」
長門「・・あなたには涼宮ハルヒの力を相殺する力がある。この改変は涼宮ハルヒの
   力を借りたもの。だからあなただけは変わらなかった。」
かがみ「でも・・」

言いかけて私はやめた。それは今言わなくていいこと。

長門「あなたには元の世界に戻る事を勧める。この世界はあなたのいるべき世界ではない」

私はずっと握りしめていた銃を、長門さんに向けた。

かがみ「これをあなたに撃てば世界は元通りになるのよね?」
長門「・・なぜ」
かがみ「元の世界がいいってのは誰が決めることなのかな?それは多分自分だと思うの」
長門「・・・」
かがみ「確かに元々いた世界ってのは大事だと思うの。でもね、それはあくまで形だけなの
    どんなひどい世界に行ったって、そこで楽しめればそこが住むべき世界なの
    私はあの世界がすき。その世界に懐かしい級友はいないけど、私の好きな人がいて
    あなたの事が大好きな私の友人がいるの」
長門「・・・」
かがみ「私はそんな世界が好き。だから・・あなたを撃つ。」
長門「・・・そう」

少しだけ長門さんは悲しい顔をしたように思えた。私は銃を撃った。目の前が真っ暗になる・・

白い天井が見える・・ここはどこ?誰かの声が聞こえる・・

「かがみん!起きた?」
かがみ「・・こなた?」
「お姉ちゃん!」
かがみ「つかさ?」
「かがみ!」
かがみ「え、ハルヒ?」

私はばっと起きた。そこは病院の個室のベッドの上だった。周りにはSOS団の面々+あの3人がいた

かがみ「え?何?みんななんでいるの?」
こなた「かがみん覚えてないの?かがみん階段から落ちたんだよ!」
かがみ「え?」
つかさ「そうそう私ビックリしちゃった」
ハルヒ「まぁ命に別状ないっていってたから心配はしてなかったわよ」
キョン「嘘つけ!わめいてたくせに」
ハルヒ「な、違うわよ!!」

階段・・覚えてないっていうかたぶん落ちてないわ。でもそんな事どうでもいい
あぁ戻ってこれたんだ。みんなここにいる。いつも通りのみんながいる・・

ハルヒ「はぁ?あんた何泣いてんの?」
かがみ「え、な、ないてなんか・・いな・・ぐすっ・・わあああああん」
こなた「え、ええ?かがみん何?どうしたの?」
つかさ「お、おねえちゃん?」


私はしばらく泣いていた。よくよく考えるとだいぶ恥ずかしいわね・・
みんな呆然と見てたから。私の無事を確認するとみんなぞろぞろ帰っていった
大分みんなを心配させたみたいね・・今度謝んなきゃ

ギイッ

みんなが帰って誰も私いがい誰もいない病室の扉があいた。

そこにはキョン君と長門さんが立っていた

かがみ「キョン君・・」
キョン「かがみ、お前にいっておかなきゃってうわっ!」

私は夢中でキョン君の元に走って、抱きついていた

キョン「かがみ?」
かがみ「会いたかった!ずっと会いたかったの・・」
キョン「・・・すまない、今回の事を俺は全部知っていたんだ」
かがみ「え?」
キョン「俺は必死に止めたんだ、だけど長門、いやこいつの親玉はそれを許さなかった」
かがみ「・・・」
キョン「お前一人こんな目に遭わせて、本当にすまない。でも戻ってきてくれてよかった。」
かがみ「・・長門さんにお礼を言わなきゃね」
キョン「え、長門に?」

長門「・・・」
かがみ「ありがとう長門さん。私を助けてくれて」
キョン「助けた?」
かがみ「うん、長門さんは私を異世界に送り込んだ、でもちゃんと脱出道を作ってくれた」
キョン「そうなのか?」
かがみ「だから帰って来られたの。だってそうでしょ?本当に世界を元通りにするなら
    絶対脱出不可能にすればいいんだもの」
長門「・・・」
かがみ「ありがとう長門さん」
キョン「俺からもありがとな長門」
長門「別に・・・いい」

そういって長門さんは帰っていった。

かがみ「ねえキョン君」
キョン「なんだ?」
かがみ「私あなたやハルヒに出会って色々不思議な体験をしたの」
キョン「ああ、そうだな」
かがみ「もうね、多少の事でも驚かなくなっちゃった・・でもねキョン君」
キョン「何だ?」
かがみ「約束して、何があってももうどっかいかないって!」
キョン「かがみ・・」
かがみ「私不安だったの、すごい不安だったの。もう会えなくなるんじゃないかと思って・・」
キョン「わかった。約束するよかがみ」
かがみ「キョン君・・・絶対だよ」

お願いねキョン君。これから何があってもどっかいかないで、ずっと側にいてね
約束だよ。

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最終更新:2007年11月04日 23:53
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