柊かがみの崩壊・後編

胸が苦しい、息も上手くできない、頭がボーッとする。違う。いつもとは違う
 ・・今日もSOS団とこなた達がきていた。毎日ありがとう

こなた「かがみん、苦しいの?」
かがみ「だ、大丈夫よこなた。またいつものことだから・・うっ」

私の口からどす黒く紅い液体がはき出された。意識が遠のく

「かがみ!」

誰かが私の名前を呼ぶ。周りが慌ただしい。少しだけ目を開けることができた

かがみ「こなた・・そんな顔しないで。ダメよ、あんたに泣き顔は似合わないよ・・」
こなた「だ・・だって・・かがみん・・やだよ、やだよ、やだよー!」
かがみ「みゆき。あなたやっぱりメガネない方がかわいいよ・・だから目を開けて?」
みゆき「あ・・うう・・だめです。そんな事言わないでください・・」

胸がしめつけられる。ダメ。まだ、まだ伝えないきゃいけないの

かがみ「つかさ・・ごめんね・・ごめんね。みんな、つかさを・・お願い。」
つかさ「お姉ちゃん!いや!私お姉ちゃんがいないとダメなの!お願い!お姉ちゃん」
かがみ「・・ハルヒ・・」
ハルヒ「許さないわあたしが絶対許さない。あんたは治るの!あたしが言うんだから間違いないの!
    ねぇ・・そうだって言ってよ!このヤブ医者ー!」

ハルヒが泣いてる。見たくなかった。そんな弱いハルヒを見たくなかった。

キョン「かがみ、ダメだ。お前が死んだら俺はどうすりゃいいんだ!まだお前に・・」

かがみ「キョン君・・大好きだよ」

キョン「・・!?かがみ、俺も・・」
かがみ「ねぇキョン君、お願いがあるの」
キョン「・・何だ」
かがみ「最後に、キスしてほしいの」

キョン「ああ、いいぞ」

やっと言えた。ハルヒとキョン君と異次元に行ってからずっと言えなかったことを
現実の。あなたの前で言えた。
キョン君の顔が近づく。あの時と同じ。キョン君の唇が私の唇と重なる・・
優しくて暖かい。ダメ、今まで我慢してたけど涙が溢れてくる・・

キョン「・・・」
かがみ「・・ありがとう」

キョン君の顔が離れていく。その時ハルヒの顔が目に入った。
横を向いて、下唇を噛みしめている。ごめんねハルヒ・・・ありがとう。

ピーピーピー

甲高い音で電子音が鳴り響く。白い服を着た人たちが私の周りにあつまる。
そうか、遂にきちゃったんだ。私は・・死ぬんだ。・・いや

怖い!

かがみ「いや、いや!死にたくない・・私・・まだ死にたくないの!まだやることいっぱい・・
    うわあああああ!いやだー!いやだよーー!」

「かがみん死なないで!かがみん死んだらあたし・・もう笑えないよ!
「だめ、お姉ちゃんダメ!お姉ちゃんがいなかったら私生きていけないよ!」
「お願い!死なないでください!」
「かがみちゃんダメですぅ」
「かがみ!死ぬな絶対死ぬんじゃない!頼む死ぬな!」

「大丈夫よ、かがみ。あたしがついてる。あんたは絶対死なないの!」

み・・んな。ありがとう・・ありがとう。ごめんね、本当にごめんね
キョン君・・私ダメみたい。キョン君との約束。私が破っちゃったね・・
意識が無くなっていく。目が開けられない・・息ができない・・真っ白に・・

そこで目が覚めた。この展開何回目?・・って、え?嘘。今回だけは
そんなことありえない。私は体を持ち上げて周りを見渡した
ベッドの上にいた。でも病院じゃなくて家のベッドに寝ていた。何で?
私は死んだんじゃ・・もしかして死語の世界?

つかさ「お姉ちゃんおはよーまだ寝てるの?先いっちゃうよー」
かがみ「つかさ!あんた私が見えるの?」
つかさ「えへへ何言ってるのお姉ちゃん?当たり前だよー」
かがみ「だって私は入院して・・死んだはずよ?」
つかさ「入院?死んだ?また昨日遅くまで本読んでたの?変なお姉ちゃん」

つかさにされるがまま私は制服に着替えて学校に向かっていた。どういうこと?
また異次元にとばされちゃったとか?でも私の病気は・・
つかさと分かれて教室に入ろうとしたときキョン君に会った。
キョン君は私をすごい驚いた目で見つめてきた。

キョン「かがみ!お前、お前生きてるのか?」
かがみ「キョン君は知ってるんだ。そうよね私死んだよね?何で生きてるの?」
古泉「これは・・やはりあなたがいましたか」
キョン「古泉・・どういうことだ」
古泉「ついてきてください」

古泉君について行くとそこはSOS団の部室だった。入ると長門さんと朝比奈さんがいた。

かがみ「どういう事なの?何で私は生きてて、つかさはその事知らなくて・・」
古泉「ええそうでしょうね。あの事実を知ってるのは恐らく僕達だけです」
キョン「何があったんだ」
古泉「そうですね・・わかりやすい言い方をすれば・・世界は昨日生まれました」

世界が昨日生まれた?言ってる意味がわかんない・・

古泉「世界は昨日、正確に言えばあなたが亡くなってから生まれました。いや生まれ変わった
   といった方がいいでしょうか。それ以前と以降では世界は全く別のものになりました」
キョン「信じられんな・・」
古泉「信じてもらいます。そのため柊かがみが病気にかかっていた世界はなくなり。健康に
   日々を過ごしている世界になったのです。」
キョン「それをやったのは・・」
古泉「もちろん、涼宮ハルヒです。彼女は3年前世界を造り変えたのと同じようにしました
   しかし今回は自分のためではなく。あなたのために。あなた自身には彼女の能力は
   通じなかった。だから世界を変えた。驚くべき事です。」
みくる「すごい時空震だったんですよ。私も何が起こったのかわからないくらい」
長門「自律進化の最終形体。進化の可能性を見た。」
かがみ「ハルヒが・・私を救ってくれたのね。ありがとう・・ありがとうハルヒ」
古泉「ただ・・」
キョン「ただ。なんだ」
古泉「涼宮さんが、見つからないのです」

キョン「どういうことだ」
古泉「世界が変わった後、僕たち機関の人間は涼宮さんを必死に探しました。しかし見つからないのです
   恐らくいくら彼女といえど、2回目の世界改変は相当な力を必要としたようで、その反動で・・」
かがみ「嘘、嘘よ・・そんなのって・・」
古泉「彼女は自分自身が消えたとしてもあなたが生き残る道を選んだのです。」
キョン「な・・なんてことだ。チクショーそんなのってありかよ。おい!ハルヒー!」

どうしてなのハルヒ?何で、あなただってまだやることがあるじゃない。
あなたはまだキョン君に気持ちを伝えてないじゃない。それなのに勝手に消えちゃうなんて
戻ってきてよハルヒ!ねぇ

かがみ「帰ってきてよ!ハルヒー!」

バンッ!

勢いよく部室の扉が開いた

ハルヒ「あんた達!団長のいないところで何してんのよ!」
キョン「ハルヒ!?」
古泉「な、涼宮さん!」
みくる「何で?」
長門「・・・」
かがみ「ハルヒ!」
ハルヒ「何よそんな驚いた顔して。それよりもキョン!かがみ!あんたらがいないから
    探しにいけって岡部に言われたから探しにきてみれば・・またいちゃついてたの?」
かがみ「違うわよ!それよりもなんでここがわかったの?」
ハルヒ「まぁそりゃあんた達が行くとこっていったら大体わかるわ。それにね、声が聞こえたの」
かがみ「声?」
ハルヒ「うん。誰かが、私を呼ぶ声がしたのよ」
かがみ「ハルヒ・・良かった・・みんな、みんな元通りになった」
ハルヒ「はぁ?うわっ何よあんた気持ち悪い」

私はハルヒに泣きながら抱きついていた。だって、だって嬉しいんだもん
ハルヒが私を助けてくれた事も、戻ってきてくれた事も。理由なんて別にいいの
みんなちゃんといるんだから。

ハルヒ「離れなさいよ!気持ち悪いわね」
かがみ「ごめん、ねぇハルヒ?これからどっかいっちゃわないよね」
ハルヒ「は?当たり前じゃない!SOS団は永久に不滅よ!」
かがみ「キョン君もだよね?」
キョン「当たり前だ!約束だろ?」
かがみ「うん。ずっと一緒だよ!」

それはある晴れた日の事だった。魔法以上の愉快が私達に降り注いだ。
それからも色々おかしな事件はあったけど、私達が離ればなれになることはなかった
これからも、ううん、きっと世界が終わるまでね!

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最終更新:2007年12月10日 00:34
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