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第三章 決戦初日 ゆいとななこの大人の陰謀 其の壱

「それにしても・・・ねぇ・・・」
「ななこ先生、物分りがいいと感謝すべきなのか、あれでも教育者なのかと心配するべきか、判断に迷うところだネ、かがみん」
「ゆきちゃ~ん、さっき黒井先生が言っていた、らんこう、とか、あおかん、って何なの?」
「前者は私も知っているのですが、あまり口に出して言って良い性質のものとも思えませんし、後者はお恥ずかしながら私も知らないのですが、話の流れからして、前者の類義語だと推測されます。勘弁してください~」
「みwikipediaにはちゃんと、アダルトフィルタがかかってるみたいだね。代わりに妹に説明してあげたまえ。アダルトなかがみさま~ん♪」
「誰がアダルトだっ・・・エロゲとかやるアンタの方が詳しいだろ・・・あと、つかさに変な事教えたらぶっ殺すからね! じゃ私、先に出て待ってるから」
一風呂浴びて、お約束のビン牛乳・・・は流石にないだろうから、自動販売機でジュースを買おうと、脱衣所を出ると、一足早く出ていたのか、キョン君が自販の横の休憩スペースに座ってジュースを飲んでいた。
「よ、かがみ。他のヤツらはまだ中か?」
「黒井先生とゆいさんは、まだ入ってるみたい。こなたたちはもう出てるよ。今着替えてる」
ヤバい、あんな話をしてたもんだから、なんか恥ずかしくてキョン君の顔が見られないよ。
「かがみ、お湯につかりすぎて少しのぼせたか? ま、こういうところに来ると、ついつい長湯になるよな」
私の気もしらずに、のんびりとした顔で笑うキョン君。普段どちらかというと、印象的にぶっきらぼうな感じがするのから、笑顔を見せられるとドキッとしちゃうのよね。ギャップの効果ってやつかしら。
硬貨を入れて、グレープフルーツ20%のジュースを買うと、キョン君の横に腰を下ろす。缶を傾けると、冷たい流れが喉を通り抜けていく。
「・・・浴衣、よく似合うなかがみ。なんか色っぽいし」
いきなり乙女心を打ち抜くクリティカルヒット。いきなり何言うのよキョン君。恥ずかしいじゃない!

「お~、お2人さん、仲良くやってますナ。若いってのは羨ましいネ」
「おまたせ~、キョン君」
「お待たせ致しました」
お、つかさたちも出てきたみたい。あとこなた、あんた年幾つだよ。おまえだって若い人だろうが。
「ビン牛乳がないのがなんとも残念だヨ。風呂上りは足を肩幅に開いて、腰に手当ててビン牛乳ってのが日本の伝統なのにネ」
こなた、それは銭湯の「お約束」ではあっても、日本の伝統なんてレベルにまでは達してないぞ。
「フルーツ牛乳とか美味しいよね。でもビンの飲み物って、銭湯くらいでしかあまり見ないけど」
「昔ながらの銭湯というのは、いまはもう、随分少なくなっていますからね」
埒もないお喋りをしながら、めいめい飲み物を買って、休憩スペースに腰を落ち着ける。なんかいい雰囲気。
「ねえねえ、キョン君は浴衣は着ないの?」
「あ~、俺はどうもああいうの苦手でな」
「でもさキョン、おにゃのこの浴衣姿は好きでしょ♪」
「そうだな。見るのは好きだ」
「みんな~、エロキョンは浴衣フェチですヨ~。パンチラとか気をつけなきゃね」
ふ~ん、お前のパンツなんかみたって、キョン君が興奮するかどうか。妹さんので見慣れてるでしょ。
「なんだヨ! 私は小学生と一緒だとかいいたいのかよ。つかさと違ってちゃんと下は生え揃ってるぞ!」
「ちょ・・・ちょっとこなちゃんっ。私だってツルツルじゃないよ、薄いだけだよ、酷いよ!」
「身体の成長には個人差というものがありますから・・・」
「ふ~ん、みゆきさんみたいに、出るトコ出て引っ込むところ引っこんてで、きっちり生え揃っている恵まれたヒトは余裕ですなぁ」
お~いおまえら、風呂場での黒井先生の話と、旅気分で高揚しているのは分かるけど、今回は女だけじゃないんだからさ。キョン君がちょっと困ってるぞ~
「・・・かがみの言うように一応俺も男なんで、反応に困るから、自重してくれると助かるのだが」


さて、お子様たちは出て行ったみたいやな。そなら、ゆいさんよ。さっそく今夜の計画確認しよか。
「一応聞きますけど、ななこさん・・・本当にやるんですか?」
なんや、怖気づいたのかいな。みなも先輩にも協力してもらったんや、いまさら作戦の変更や、戦線離脱は認めへんで。
根回しが無駄になるやんか。敵前逃亡は銃殺刑やで、警官でも容赦はせんよ。
「いえ、一応聞いてみただけですよー。私もバカ正直に、あの子達の引率係だけやる気はないですし~(この人怖いな)」
そやそや。うちら貴重な休みを割いて、あいつらの思い出作りのために骨折ってるんや。なんも楽しみがなかったら、こんなことやってられんやろ。昼の時間はあいつらにくれてやるけど、夜の時間はうちら大人のモンやで。
「とりあえず今夜ですね。睡眠薬の準備はしてあります。問題は入れるタイミングですね。宴会中にいきなり4人が同時に落ちたら、キョン君も怪しむでしょうし、タイムラグをきちんと計算して、自然とあの4人がバタンキューで脱落していかないと」
そうやな、あとくれぐれも、間違ってキョンのヤツに飲ませたりしたらあかん。眠らせるのは小娘4人だけやで。
「で、順番はどうしましょうかななこさん。夜が弱そうなのは、みゆきちゃんとつかさちゃんですよね」
弱そうなんやなくて、あの2人はホントに夜弱いで。もしかしたら薬なんて必要ないかもしれん。よっしゃ、まずはその2人をぶっ潰すかい。柊姉と泉のヤツは最後でええか。
「投入の時、キョン君の目に触れないように気をつけないと。投入時は必ずキョン君に話しかけて、ターゲットから注意を逸らすように心がけてくださいね」
なんやゆいさん、アンタも悪よのう。こんなのが警察官やってるようじゃ、この国もおしまいやで。アハハ・・・
「いやいや、ななこさんみたいな人が高校の教員やっているようだと、日本の将来お先真っ暗ですよ~」
お互い様やな。しかしまあ、なんか犯罪の相談してるみたい・・・いや、厳密には犯罪になるのか?
「・・・今日持ってきた睡眠薬って、睡眠薬強盗や睡眠薬レイプの常習アイテムなんですよね」
ウチらは、奴らに危害加えるために使うんやないで。文字通り、よく寝てもらうために飲ませるんや。一緒にしたらあかん。
「・・・とりあえず、今夜は今話した手順でいいでしょう。問題は2日目ですね。夜中にキョン君とつかさちゃん、2人だけをどう連れ出すのか」
事前に柊のヤツには、話しておいた方がええか・・・でもあいつ真面目やからな。自分だけ出し抜いてキョンと・・・なんて、嫌がるかもしれんな。もしどうしても、柊が決心できへんなら、別の形でのご褒美を考えよか。
「そろそろ私たちも上がりません? これ以上は湯あたりしそうで・・・」
そやな。そろそろ出ようか。あいつらも待ってるしな。


「お~、待たせたなおまえら」
「おまたせ~」
お、大人2人もようやく出てきた。黒井先生はさっそく、ビールの自販機に向かっている。
「風呂上りはこれに限るワ・・・ゆいさん、生ビールでええか」
「お、お金なら私が・・・すみませ~ん、ご馳走様ですななこさん」
あ、いつの間にかこの2人、下の名前で呼び合ってるよ。去年の旅行のときは、なんか微妙な感じだったけど、年も近いしキャラクターもぶっ飛んでるし、いわば類友だからねぇ。結構仲良くなったんだ。
「ぷは~・・・いやいや、ベタやけどホント、こういう時って生きてて良かったって気がするわな」
「そうですね~、いや、真っ昼間から大っぴらに飲めるのって、こんなときくらいですからねぇ」
引率者2名、一番温泉を満喫しているかもね。ま、引率者然として、きっちりされるのもアレだけど。この2人が付いてきてくれのは、実は良かったのかもね。
「さて、まだ飯までは時間があるし、それまでは各自自由にしててや。あ、あとキョン」
「なんですか?」
「私とゆいさんはこれから、夜の宴会の買出しに行くから、お前付いてきてくれ。荷物持ちや」
「ななこ先生~、荷物持ちならかがみん連れてってヨ。この中で一番力あるし」
なんだとこの野郎。か弱い乙女に向かって・・・いやいや、やめよう。毎度の事ながら、すぐにカッとするのは良くないね。
「どこまでお買い物に行かれるんですか?」
「ちいっと山道降りたところにある雑貨店や。20分くらい歩かないかん」
「ななこ先生はこのあたり、よく知ってるんだネ?」
「大学生の時、夏休みにここでバイトさせて貰ってたんや。だからこの周辺のことは、大体分かるで」
へ~、それは知らなかったわ。でも、だからこそ顔が利いたわけか。でも黒井先生みたいな人に、接客業がつとまるのだろうか。
「あ、あとここな、温泉お約束の卓球台がちゃんとあるで。誰でもええから従業員の人に聞いてみ」
「よっしゃ~、それじゃ温泉名物、卓球大会だ~!」
はいはい・・・あまりにお約束だけど、ここはいっちょ、気合入れて遊びますか!
「お恥ずかしながら、私、卓球はあんまり得意ではないのですが・・・」
いいのいいの、上手い下手なんて。こういうのは雰囲気よ雰囲気。気にしないのみゆき。
「あのね、私もお恥ずかしながら、卓球って下手なんだ」
「え? つかさって何か、人並み以上に出来るスポーツがあったっけ?」
「こなちゃん・・・突っ込みキツイよ!」
はいはい、こなた、あんまりつかさを苛めない! つかさも変なボケかまして、外してしょぼくれないの。
じゃ先生たちが戻ってくるまで卓球ね。


      • キョンを奴らから引き離したのは、ま、単純に荷物持ちが欲しかったというのもあるけど、ちょいと話をしておかなあかんと思ってな。なにせ今回のプロジェクトの目玉やしな。
な、買い物につき合わせて悪かったなキョン。あいつらと遊びたかったやろ。
「いや、今回の旅行では、先生やゆいさんにお世話になるんですから、この程度のことは構いませんよ」
普段は不機嫌そうに斜に構えてて、ちょいととっつきにくそうやけど、キョンはええヤツやな。
こいつに惚れたあの4人は、意外と男を見る目があるかもしれん。ただカッコええだけなら、キョンが入っとるエスなんたら団ちゅう、わけわからん集団の、もう1人の男の方がずっとモテそうなもんやしな。確か特進クラスにいた・・・名前なんていったっけ?
「古泉一樹、でしょ。確かにあいつ、顔はいいし、女子生徒にも人気ありますよ。別に張り合う気はないですけど」
いやいや、お前もなかなか捨てたモンやないと思うで。顔もまあ、美男子って柄やないけど、よう見ると精悍で男らしい顔しとるしな。いつも不機嫌そうで、とっつきにくそうなのがネックやけど、笑顔とのギャップを考慮すれば、それも悪くないと思うで。古泉とどちらがええ男かなんて、完全に好みの問題や。
「ま~、お姉さんが思うに、キミみたいなタイプは、好きな人はとことん好きだと思うよ。少なくとも今日の4人は、そのイケメンの・・・古泉君、だっけ? その人より、キョン君の方が絶対タイプでしょ」
「いや、あいつらは俺のこと、男として好きとか嫌いとか、そういうレベルでは評価していないと思うけど・・・」
あちゃ~・・・聞きしに勝るニブさやな。道理で今回の旅行でも同世代の女4人、それもなかなか見てくれ悪くないあの面子に囲まれても、平然としておれるはずや。だいたい、よほど女慣れしているか、谷口みたいなヤツでない限り、このメンバーで男1人だけ誘われたら断わるやろうし、来ても居心地悪くて、いたたまれなくなると思うで。
「キョン君って大物かもしれないね。お姉さん心配だー」
「いや、他の女子生徒なら分かりませんけど、あいつらとても付き合いやすいし、いいヤツらだし」
      • なんかウチ、泉たちがちょいと気の毒になってきたわ。こういうタイプって、根が真面目で悪意がない分、タチが悪いんや。友達は友達と信じて疑わん。結局男女間の友情なんて、お互いがお互いを友だちやと思い込んでおる限りでしか、
成り立たへんのにな。あの4人はもう、キョンを男として意識しとるから、このままやと悲劇になるで・・


「前からちょっと疑問だったんだけど、もしかしてキョン君ってさー」
突如、ゆいさんが声を上げた。何を聞く気やろ、この人。頼むから変な地雷を踏まんでくれや。
「女の子には興味ない人なの?」
おい、いきなり何てことを・・・もしキョンがそっちの人やったら、今回の計画パーになるやろが!
「え・・・それってどういう意味ですか?」
「う~ん、だから具体的には、男の子の方が好きなのかな、って。もしそうなら、薔薇系なのかサムソン系なのかもちょっと気に・・・」
おいこら、待てい。キョンのヤツも( ゚д゚)ポカーン とした後、苦笑いしとるやないか。
「いや、人並みには可愛い女の子好きですよ。俺も男だから・・・」
今日の泉たちを見て、ドキッとしたことなんてあるかキョン? 正直にお姉さんに言いや・・・
「・・・いや、夏だし、薄着だし、浴衣着てるし、ちょっとは・・・あいつらに言うのは勘弁してくださいよ」
「そうかそうか、良かった。お姉さん安心したよー」
ま、世の男子高校生並みに、頭の中はあっち仕様ってことやな。よしよし、それならええ。さて、あの4人のためにもう一押ししとくか。
あのなキョン。ウチみたいな第三者がわざわざ、当事者のお前に言うのも妙な話やけど、あの4人、みんなお前のこと好きやで。
さっき風呂の中で話していて確信したわ。今回の旅行、あいつらはあいつらで、それぞれ心に期すモノがあるみたいやしな。
「・・・本当ですか? もし本当だとして、それをここで、俺にはなしちまっていいんですか」
本当は、おまえたちが付き合っていく上で、自然に気づくのが一番や。でもなキョン、おまえ、あの連中と3年付き合っていても、未だにその有様やからな。ウチも3年、おまえらを見てきたけど、今のままじゃ生殺しや、泉たちが可哀想やで。余計なお節介もしたくなる。
「あの・・・済みません」
謝らんでええよ。お前やっぱりええヤツやな。普通なら要らん世話や、お前なんぞに言われる筋合いはないって思うモンやけどな。
「ね・・・キョン君って、誰か女の子を好きになったことってある? 中学のときとか、好きな人いなかったの?」
お、ウチもそれを聞きたかった。女なんて好きになったことないっちゅうなら万事休すやけど、もしそういう経験があるなら、
是非聞いてみたいもんや。お前の恋愛感や女性観、謹んで拝聴したいの。それにな、キョン・・・
ウチ、前からお前の泉たちへの接し方を見て、薄々思ってたんやけど、もしかしてお前、過去に恋愛がらみで何かトラウマがあるんとちゃうか?


過去の恋愛・・・トラウマ・・・ですか。トラウマになっているのかどうかは自分でも分からないけど、中学の時、好きな女はいましたよ。男女としては付き合えませんでしたし、告白も出来ませんでしたけどね。
「・・・なんか重そうな話やな。キョン、もし辛いなら、無理して話さなくてええよ。いらん事詮索して悪かった」
黒井先生にそんな顔をさせるほど、今、俺はそんなに辛そうな顔をしてますか。自分ではそんな気、ないんてすけどね。もう昔の話ですし、そいつとは中3の時の1年間だけの友達付き合いでしたし、中学を出てからは会ってないし、連絡も取ってません。先生たちにはなんか、俺のせいで要らん心配をかけちまったみたいですし・・・侘び代わりと思って聞いてください。
そいつと会ったのは、中3になって塾に通い出したときでした。妙に理屈っぽいとこが、なんとなく波長があった感じで。
ルックスは、はっきりいってかなりの美少女でした。で、男と話すときは、絶対に女言葉を使わない変なヤツでした。
変なのは言葉使いだけじゃなくて価値観もひどく変わったヤツで、男女間の恋愛になんか興味はないし、モテるモテないなんてことに何の価値もない、と放言してましたよ。実際、中学のときにこいつにアタックしたヤツは、みんなまともに相手にされませんでした。
本人も色目使ってくるヤツが煩わしいみたいで、あんまり男子とは話をしなかったけど、俺にだけは妙に絡んできて・・・色々と話をするうちに、俺はそいつのことが好きになっていました。
「・・・キョン、お前もえらく難儀な女に惚れたモンやな。見てくれはエエにしても、そりゃあんまりやで」
そうですね。今考えると俺もそう思います。でもなにせ相手がそんな感じですから、嫌われたくないし、せっかくいい関係なのを壊したくなかったこともあって、結局俺、最後までそいつに、自分の気持ちを伝えられませんでした。
「何が『トラウマになっているのかどうかは自分でも分からないけど』やキョン。お前それ、めっちゃトラウマになっとるやないか!今の話を聞いて、お前がなぜ、3年間もあいつらとあんな感じで接してきたのか、分かった気がするわ」
「キョン君可哀想・・・お姉さん涙が出ちゃうよ」
いや今、先生たちに、中学時代に好きな人がいなかったのかと言われるまで、そいつのことなんか思い出しもしなかったし、1人でいるときにあいつ、今どうしてるかなという程度のことすら、考えることもなかったのですけど・・・トラウマなんて、そんな大層なもんじゃないと。
「お前の4人への接し方は、あまりに自然すぎるから、かえって不自然なんや。お前が女慣れしたヤリチン君なら、理解できんことはないけど、女と付き合ったことがない男が、周りをあれだけ女に囲まれても、男の友達と接するみたいに微動だにもせんなんて、やっばり不自然や」
「その子とのことがあるから、キョン君は女性に対して、男性として好意を寄せることを、無意識のうちに避けているのかもね」
      • そんなこと、考えもしなかった。佐々木との事は、よくある失恋の1つとして吹っ切ったつもりだったのだが・・・
「トラウマから女に興味のないフリをするヤツってのは大抵、無理して、女の方を見ずに女嫌いを公言するもんや。おまえは違う。意識して女を遠ざけんし、相手が女だと意識して気を使うことも出来るし、薄着の女を見て興奮する、男として普通のスケベ心もある。
お前、女との接し方において、自分の中の何がおかしくなってるのか、それすら分からんやろ。重症やで」
やれやれ・・・確かに人から鈍感だの鈍いだの言われ慣れているから、いまさら言葉を重ねられても正直、ピンと来ないのだが、
そういわれると、自分がどうしようもないヤツだと思えてくるよ、やれやれ・・・


ま、キョンにも不幸な歴史があったのは分かるけどな。あの4人はその・・・お前が中3の時惚れた、その女とは違うで。
恋愛には揃って奥手やけど、自分の中の女を否定するような、屈折したヤツは1人もおらん。みんな素直にお前に、人間として、男として好意持っとるんやで。
ま、お前があの4人のうちの誰かとそういう仲になるのか、お友達のまま終わるのかは、ウチは知らん。干渉する気もない。
でもな、あの4人が女として、お前に自分の気持ちをぶつけてきたら、お前も男として誠実に答えてやり。
それだけ屈折していても、あの4人を惚れさせるほどやさしく接することが出来るのは、お前が本質的に優しい男だからやで。
昔のことは水に流して、旅行中は素直に、美少女に囲まれたハーレムの王になった気持ちで過ごしてみ。楽しいで。
あの4人にも風呂ん中で言ったけど、度を過ぎなきゃ、ウチもゆいさんもうるさく言う気はないで、多少のことは大目に見たるわ。
      • なんやゆいさん、なに泣いてるん?
「ごめんなさい。ななこさんって正直、とても教員には向いていない人だって思っていたんですけど、今のお話を聞いて感動しました
こんな人でも教育者なんだなって・・・うう・・・」
おいこら、褒めてるのか貶してるのか、分からんこと言うなや。自分でも、模範的な教育者じゃないことくらい自覚してるわ。それにアンタみたいな警官に言われとうない!
「で、具体的に、度を過ぎなけりゃってのは、どの程度ですか?」
そんなことは自分の頭で考えや、常識で考えれば分かることやで。とりあえず中に出したらあかん。
「あ・・・あのお店ですね」
そうや。さ、辛気臭い話はこれで終わりや。今夜は飲んで食って乱れるで。キョン、覚悟しとき!

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最終更新:2007年07月31日 00:45
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