ep07 雨空の下で・・・


学校へ行かなくてはいけない。正直だるい。
何よりも雨が降っている・・・そりゃ6月だからな・・・。正直俺としては鬱陶しい。
でも行かなくてはいけない。これが学生の性。忌々しい。

自転車で傘さし運転をし、自転車を自転車庫に止め、そこから歩いて学校まで目指す。
これが晴れてたらいい気分なのにな。

そして教室に入る。いつものようにわいわい会話したりしているどこのでもある普通の教室だ。
そんなことより今日なぜ俺が語り手なのか?それは・・・

キョン「・・・来たか。」
つかさ「キョン君おはよ~」
こなた「ヤフー。」
かがみの双子の妹のつかさと泉だ。
キョン「よっ。つかさと泉。やっぱり今日もなのか?」
つかさ「うん。そうなの。今日も体調悪いから休むって。」
かがみは3日連続で学校を休んでいる。風邪らしいんだが・・・。
こなた「う~。かがみんにしては珍しいよね。風邪なんて1日、2日あれば直しちゃうのに。」
キョン「そうなのか?」
つかさ「うん。ほとんどは・・・」
キョン「結構強いんだな・・・」
こなた「ま。性格があれだからね。」

ハルヒ「あーもう!雨は鬱陶しいわね!ちょっと濡れちゃったじゃない!」
でかい声で教室に入ってくるのは・・・ハルヒしかいない。
ハルヒ「あれ?つかさがここにいるってことは、またかがみは休みなの?」
つかさ「うん。そうなんだ。」
ハルヒ「なーんだ。復帰したら何か罰ゲームでもやらせようかしら?」
キョン(それでSOS団をやめたがらなければいいのだがな。)
ハルヒ「何か言った?キョン。」
キョン「い、いや・・・。(心を読まれたっ!)」

つかさ「じゃ、私たちはもう行くね。」
こなた「バイニ~」

ハルヒ「ね?ね?」
キョン「なんだ?」
ハルヒ「SOS団のみんなでかがみのお見舞いにでもいかない?」
キョン「ただの風邪だろ?それにその人数で家に押しかけたら迷惑なんじゃないのか?」
ハルヒ「SOS団の部員が一人欠けてるのよ!これは緊急事態なのよ!わかってんのキョン!」
キョン「わかったわかった。だが放課後につかさにでも言って許可を得てからだな。」
熱心に語るから困る。
ハルヒ「じゃ、今からつかさのとこに行ってくる。」
キョン「待て、授業がもうすぐ始まるぞ。」
ガラッ
黒井「ほーい。席につけー。授業始めるで」
キョン「ほら先生来たぞ。後で言えばいいだろ」
ハルヒ「・・・ちぇ」


柊家
かがみ「・・・・・・」
なんだったんだろう・・・。あの人は・・・。早く元気になってキョン君や有希に話さないといけない。
かがみ「・・・・・・ハァ。」


学校
昼飯だ。学生生活の幸せのひとつ。昼飯だ。
いつものメンバーで・・・いや、かがみがいないんだったな。
谷口「いやー。一人いないとどうも空気が違うなぁ。」
キョン「奇遇だな。俺もそう思ってたところだ。」
あやの「柊ちゃん大丈夫かな・・・。」


時間はアッー!という間に過ぎて放課後。
今はSOS団の部室に皆が揃っている。加えて特別に泉もいるわけだが・・・
ハルヒ「・・・というわけだから。家にお見舞いに行ってもいいわよね?」
つかさ「いいと思うよ。お姉ちゃんも喜ぶと思うし。」
ハルヒ「決まりね。じゃあみんなでいくわよ!」
行くのは構わないんだが・・・。雨降ってるんだよなぁ・・・。

雨の中、学校から歩いて駅まで目指して電車に乗り、次の駅から歩いてかがみの家に向かう。

つかさ「着いたよ。ここが私たちの家だよ。」
キョン「でも・・・今更だが6人も家に入って大丈夫なのか?」
こなた「だいじょぶだいじょぶ。ささはいろはいろ。」
キョン「なぜお前がいうんだ?泉」

かがみ「スーッ・・・・・・・」
お姉ちゃん寝てるね・・・。
叩き起こすわよ。
お、起こしたら悪いだろ。
もう元気になたかなー?
気持ちよさそうに寝てますね。
かがみ「・・・・・・んっ・・・?」
おや?起きそうですよ
かがみ「・・・・・?」
こなた「へえー。かがみてば意外と可愛い寝顔してるんだー?」
かがみ「!!!何だよ何しにきたんだよ帰れよ///」
古泉「おや。起きましたね」

かがみ「へっ・・・みんな私のためにお見舞いに来てくれたの?///」
つかさ「そうだよ~。提案者はハルちゃんだけど。」
かがみ「そ、そうなの?」
ハルヒ「べ、別にあんたのために来てあげたんじゃないんだからねっ!悪魔でSOS団の活動としてここに来たんだから!」
かがみ「・・・ありがとう。」
キョン「で、具合はどうなんだ?」
かがみ「うん。もうマシにはなってきたかな?明日にはいけると思うけど。」サラサラ
キョン「そうか。」
古泉「元気になってきてよかったです。」
朝比奈「はい。お茶を水筒に入れてきたからこれ飲んで暖まってね。」
かがみ「ありがとう。みんな。」
キョン「・・・ん?」
こなた「じゃあ私はいい寝顔見れたことだし、かがみのやった宿題見せてー?」
かがみ「お前帰れ」

そんなこんなで1時間くらい話をしていた。
古泉「では、これ以上ここにいては柊さんの体に障るので、失礼しましょうか。」
ハルヒ「そうね。じゃかがみ!明日は来なさいよ!来なきゃ罰ゲームさせるから。」
かがみ「ば、罰ゲームって何よ!」
ハルヒ「フフフ・・・」
朝比奈「では、ゆっくり休んでくださいね~。」
キョン「・・・これ。」
長門「・・・・・・」
こなた「あ~あ。みゆきさんも来ればよかったのに。」
つかさ「しょうがないよ。ゆきちゃん用事があるって言ってたから。」
古泉「では、元気になってくださいね。柊さん。」
かがみ「うん。みんなありがとう。」
キョン「じゃあな。かがみ。また明日。」
長門「・・・・・」コクッ
かがみ「うん・・・。」


キョン「アッー!かがみの家に忘れ物をしてきてしまったー。」
長門「・・・・・私も・・・・・」
ハルヒ「え~っ。じゃあ取ってきなさいよ。」
古泉「僕たちはここで待ってますんで。」
キョン「いやいい。先に帰っててくれ。」
こなた「ん~?なんで?」
キョン「そ、それは・・・・」
長門「電車。」
朝比奈「電車?」
長門「電車の時刻があと10分くらいで到着する。それを逃したら次にくるのは・・・1時間以上。」
ハルヒ・古泉・朝比奈・こなた「な、なんだってー!」
こなた「そ、それはだめだよー!もうじき見たいアニメが始まっちゃう!」
ハルヒ「1時間も待てるわけないわ!行きましょ!」
古泉「これはまずいですね・・・。では申し訳ございませんが先に行かせて頂きます。」
朝比奈「さ、さよなら~。」

みんな、駆け足で駅に向かって行った。
キョン「それにしてもうまいな。長門。電車が1時間かかるなんて嘘をよく思いついたな。」
長門「・・・嘘じゃない。本当。」
キョン「ぐ・・・・。」
長門「でも。彼女が貴方と私を呼び出すくらいだから1時間くらいはかかる。」
キョン「これか・・・」

『帰るときもう一度私の部屋に戻って。
 そしてこの紙を有希にも渡して』

ピンポーン
ガチャ
つかさ「あ、あれ?キョン君とユッキー?どうしたの?」
長門「・・・・・ユッキー?」
キョン「あ、いや。かがみの部屋に忘れ物をしてしまって。取りに入っても構わないか?」
長門「・・・・・ユッキー?」
つかさ「そうなの?。それならいいよ~。どうぞ。」
キョン「じゃあ、お邪魔します。」
長門「・・・・・ユッキー?」


ガチャ
かがみ「あっ・・・」
キョン「俺と長門を連れてきたぞ。」
長門「・・・・・・」
かがみ「うん。わざわざごめんね。重大かどうかよくわからないけど・・・話しておかなきゃいけないことがあって・・・。」
キョン「なんだ?」
かがみ「結構前に『朝倉さん』って人の話をしたよね・・・?」
キョン「ん?いつだったか?」
長門「私の紹介のとき、あなたが朝倉涼子に殺されかけた・・・。この事。」
かがみ「そう。それ。それで転校って形にしたのよね?」
キョン「あ・・・ああ。カナダ・・・だったよな?」
長門「・・・・・」コクッ
キョン「まあ1年前の話だからな。で、それがどうしたんだ?」
かがみ「わ、私よくわからないんだけど、ど、同姓同名かもしれないけど、その人に会ったの・・・。」
キョン「!!!」
長門「・・・・」
キョン「い、いつ会ったんだ!」
かがみ「えと、4日前に・・・。雨が降ってたわ。」
キョン「・・・・・」
長門「・・・・・」
キョン「ま、待て。同姓同名かもしれんぞ。何か話しとかしたのか?」
かがみ「えと・・・」


回想

かがみ「もーっ!なんで傘持ってないときに限って雨が降ってくるのよ!」
4日前に私は学校の帰る途中。突然雨が降ってきた。朝の天気予報では一日ハレバレっていってたのに。
走ってるときにちょうど雨宿りできる店を見つけたからそこに急ぐ。
かがみ「ハァハァ・・・。もうずぶ濡れじゃないの~。」
「・・・・・」
かがみ(雨止みそうにないし、つかさに傘持ってきてもらおうかな。この辺だと10分くらいでこれそうだし。)
「随分ずぶ濡れね。傘を忘れたのかしら?」
かがみ「えっ・・・。」
「タオルはある?なかったら貸してあげるけど?」
だ、誰だろ・・・?この女の人は?といっても私と同い年くらいに見えるわね。
青いロングヘアーの優しそうな顔・・・。実際初対面の私に気を使ってくれてるけど。
「はい。」
彼女はそう言ってタオルを渡してきた。
かがみ「あ、ありがとう。」
「・・・その制服。北高の?」
かがみ「へ?そ、そうだけど・・・」
「やっぱり。実は私も北高にいたの。」
かがみ「そ、そうなの?」
「うん。でもお父さんの転勤があって急に転校することになったの。」
かがみ「そ、そうなんだ・・・どこへ?」
「・・・カナダ。」
かがみ(あ、あれ。何か聞いたことあるような・・・?)
朝倉「・・・あ。申し遅れちゃったわね。私は、朝倉。朝倉涼子。」
かがみ「えっ・・・」
朝倉「あなたは?」
かがみ「わ、私は・・・柊かがみ。」
朝倉「そう。・・・あ、もう行かなきゃ。じゃね。私たちまた会えるといいわね。」
かがみ「・・・って、え、傘は!?」
朝倉「あなたに貸してあげる。今度会ったら返してね。」
かがみ「・・・・・」
彼女は満面の笑顔で走り去っていった。雨の中、傘もささずに・・・。


回想終了


かがみ「・・・というわけなのよ。」
キョン「な、長門・・・これは。」
長門「間違いない。彼女は朝倉涼子そのもの。」
キョン「な、なんで戻ってきたんだ?」
長門「・・・・その点は私も不明。恐らくこの今の世界の何かに興味を持った。それがこの周辺に存在する。」
キョン「・・・・・俺、また殺されかけるのか・・・。」
かがみ「そ、そんなっ!」
長門「そうはさせない。やはり今度は消滅させるしかないみたい。」
かがみ「・・・・・」
もう正直理解できなかった。このこと考えて頭がパンクしそうになって頭痛になり、風邪引いちゃったんだけどね。


かがみ「・・・2人とも。今日はありがとう。2人に話してスッキリしたわ。」
キョン「あ、ああ・・・」
長門「また何かあったらいつでも言って。」
かがみ「うん。そうするね。」


キョン「やれやれ。雨が降っている。」
長門「・・・・・」
キョン「・・・お前傘持ってないんだろ?一緒に入れてやるよ。」
長門「・・・・・」コクッ

俺と長門はきつーい雨の中何とか駅まで来られ、電車に乗り、目的の駅に着いた。
キョン「じゃ、俺自転車あるから。」
長門「・・・・・そう。」
キョン「傘はどうするんだ。」
長門「なんとかする。」
キョン「そ、そうか・・・。じゃあな・・・・」


キョン「ふ~っ。やれやれ。」
後はこの雨の中、自転車に乗って帰るだけだ。しかしこの後この雨の中で予想外のことが起きた。

ドスッ
キョン「あ、すいません。」
「いえいえ。・・・あら、あなたは・・・久しぶりね。」
キョン「へっ・・・!!!あ、あ・・」
「あら?1年も前だから忘れちゃったかしら?」
キョン「朝倉っ!!!」
朝倉「よかった。覚えててくれたのね。忘れられてるのかと思っちゃった。」
キョン「な、なんで・・・ここに・・・」
朝倉「フフッ・・・」

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最終更新:2007年08月05日 14:43
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