高良みゆきの通院Ⅱ 1

キョンさんが付き添ってくれるおかげで、歯医者さんにもいけるようになりました
治療の方も進んでおりまして、あと数回で終わるそうです
でもそうなると、キョンさんとお話できるのも あと数回で・・・

キョン「すいません!待ちました?」
みゆき「いえ、お気になさらず」
キョン「今日も、今からすぐ診察ですか?」
みゆき「ええ」
キョン「でも、あと少しで完治するんでしょ?」
みゆき「はい・・・」
キョン「それじゃあと少しの辛抱ですよ、よかったですね」
みゆき「・・・」

それが・・・よくないんですよ、キョンさん・・・

今日も俺は遅刻して、いつもの待ち合わせ場所へとやってきた
それにしても、みゆきさん・・・なんだか元気が無いな・・・
せっかくあと少しで歯医者さんから開放されるというのに
なにか歯医者よりもイヤな事でもあったのだろうか?

いつものように早い時間に来たので、他に診察をする人はいない
またみゆきさんは受付を終えてすぐ診察に向かうそうだ
みゆき「カバン、預かっててくれますか?」
キョン「はい」
みゆき「・・・・・・あの」
キョン「??・・・あ!そうでしたね」

ギュッ

あの時以来みゆきさんが診察に行く前には必ず
みゆきさんの緊張をほぐすために
そっと抱きしめて背中を軽く叩いてあげている
これがあると落ち着くそうだ・・・
俺はこうやってみゆきさんを安心させるために
みゆきさんに付き添っているわけである

ガチャ

診察を終えたみゆきさんの顔は、いつもは安心感から
あのほんわかとした顔になっている・・・はずなんだが
今日はなんだか視線がずっと下の方を向いていて
とても暗ーい顔をしている
一体歯医者以外に何が彼女をあんなに暗くしているんだ?
みゆきさん、貴方を悲しませる奴なんて
この俺が叩っ斬ってやりますよ!!

診察は無事終わり、今日もみゆきさんの家へやってきた
キョン「おじゃましまーっす」
ゆかり「あら、いらっしゃ~いキョン君」
キョン「こんにちは」
ゆかり「会いたかったわぁ☆」
キョン「////」
ゆかり「うふふ、可愛い」
みゆき「もうっ!!」

どーもこの人は俺をタジタジにするのが趣味であり、また得意なようだ
勘弁してくれ・・・そりゃこんな綺麗な人に
「会いたかったわぁ」なんて☆付きで言われて嬉しくないわけが無い
ただ、これを見てる人の怒りに触れて、奴らに古泉の餌にされるのはごめんだ

そんな恐ろしいことはひとまず忘れて、
もはや自分の部屋へ向かうように、魅惑のみゆきROOMへと向かう
さぁ、またみゆきさんと彼女の淹れてくれた世界一おいしい紅茶を飲みながら
みゆきさんとの、まったりとした会話を楽しむとしよう

みゆき「どうぞ、紅茶です」
キョン「まってました」
ズズズー・・・
キョン「ンまぁーいっ!!」
みゆき「うふふ、ありがとうございます」

キョン「そういえば、この前・・・」
みゆき「へぇ、そうだったんですか」

キョン「困りますよね、大きすぎるのは」
みゆき「そうですね・・困りますよね、臭すぎるのも」

楽しい時間というのは速く過ぎていくもので、そろそろおいとましないといけないな
キョン「それじゃ、そろそろ帰ります」
みゆき「・・・」
キョン「どうしました??」
みゆき「・・・」

キョンさんとの会話はどんな話でも楽しいんです
話してるときのキョンさんの顔や仕草
そのすべてが、好きなんです
私、キョンさんのことが・・・

治療が終わってしまうと、もうキョンさんとこうやって
私の部屋で紅茶を飲みながら、お話できなくなってしまいます
それを考えると、とても・・・とても寂しくなるんです
だから、せっかく来てくださったキョンさんを
笑顔でお見送りしないといけないのに
こんな失礼な態度を取ってしまうんです・・・

ゆかり「またいらしてね☆キョン君」
キョン「はい、おじゃましました」
みゆき「・・・」
ゆかり「ほらみゆき、キョン君帰っちゃうわよ」
みゆき「・・・」
ゆかり「ごめんなさいね、最近いつもこうなの」
キョン「あと少しで治療も終わりますし、きっと元気になりますよ、ね?みゆきさん?」
みゆき「・・・」

違う、違うんです
終わっちゃうから、元気が無いんです
キョンさんとお出掛けできなくなるから・・・
私の部屋でキョンさんといろいろなお話ができなくなるから・・・
それにキョンさんに、抱きしめてもらえなくなるから・・・
だから、元気が無いんです

キョン「・・・では、また次の診察のときに・・・」
ゆかり「はぁーい、またねキョン君☆」

ゆかり「早くしないと、キョン君逃げてしまうわよ」
みゆき「・・・」
ゆかり「お母さん、取っちゃおうかしら☆」
みゆき「・・・」
ゆかり「・・・みゆきはなぁんでも知ってるのに、こういうのは苦手みたいね」
みゆき「もう、ほっといてください」
ゆかり「ほっとけないわ、早くキョン君に言っちゃいなさい」
みゆき「・・・」
ゆかり「キョン君は鈍感さんだから、きっと言われないと、みゆきの気持ちに気付かないわよ」

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最終更新:2007年08月05日 17:52
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