彼のあだ名を二度言う理由

キョン「なあ、前から気になってたんだけどよ、なんで『キョンキョン』って呼ぶんだ?」
こなた「いやあ、それを気にするなら名前を呼ばれないことを気にしたほうがいいと思うヨ?」
キョン「それはもう諦めたな」
こなた「だからおしえないヨ」
キョン「て、話がかみ合ってねえし」

私も昔は彼を『キョン』と呼んでいた、それが『キョンキョン』に変わったのは二年生になり、彼の隣の席になってからだ。


こなた「キョンくんや、チョココロネの頭ってどっちかナ?」
キョン「なんだ泉、やぶからぼうに、俺的には太いほうが頭だと思うが…」
こなた「ふ~ん、太いほうかぁ…」
キョン「で、その質問の意図はなんだ?」
こなた「特に意味はないヨ、ちょっとした疑問だネ」
キョン「まあ、たしかにどっちが頭か気になるけどな」
こなた「つかさは細いほうって言ってたナ」

昼休みはこんな会話を彼としていた。そっけない言葉で彼は返していたが、私にとって彼の返事さえ聞ければそれでよかった。でもそれと同時に、どことなく寂しくも思っていた。


まるで興味のないように返してくるのは胸が痛んだ。もっと私に興味を持ってほしい。 そう思っていたが、仕方のないことだとわかっていた。彼はSOS団の団員の一人だ、雑用で団長の命令に嫌々ながら従っているがそれでも彼は団活を楽しんでいる。 だから、SOS団のこと以外は彼にとってどうでもいいのだとわかっていた。

でも、やっぱりそれじゃあ寂しいから…

「キョンキョン」

興味を持ってもらうためにそう呼んだ。



こなた「ねえ、キョンキョン」
キョン「なんだ?キョンが一つ多いぞ」
こなた「な~に?キョンキョンは小さいことを気にするタイプなの?」
キョン「いや、べつに細かいことはあまり気にしないが…」
こなた「そう、じゃあ明日お弁当作ってきてあげるヨ」
キョン「まて、どっからどういう流れでそうなった、俺にもわかるように答えろ」
こなた「あ、コロネ買ってこないといけないから売店に行ってくるヨ」
キョン「人の話を聞け!」

キョンキョンと呼び始めてから彼の返事は私に対する興味をもっていた。それが私はうれしかった、少しでも私に興味を持ってくれればよかったのだ。私にとってはそれで十分。



だから私は今日も彼のあだ名を二度言う

興味をもってほしいから

それ以上に、彼と親しくなりたいから

今日も彼のあだ名を二度言うのだ

―キョンキョン―

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最終更新:2007年08月11日 17:23
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