日下部みさおの恋心

◆2uq.bf8CiUによる作品

 サンタさんの存在をいつまで信じてたかってのはたわいもない世間話にもならないくらい・・
ってあれサンタっていねぇの? なぁ柊!

かがみ「何の話をしてんのよ! 誰がサンタの話なんかした?」
みさお「いやーすまんすまん、そうだった今は超重要な話をしてたんだよな!」
かがみ「べ、別にそんな重要な事でもないわよ」
みさお「いやいや重要な話だよ。で、誰に恋したって? ほら言ってごらん」
かがみ「だから、うちのクラスの・・キョン君・・」
みさお「マジか!? お前あんなのが好きなの? 何で? めっちゃ普通じゃん!」
かがみ「バカ! 大声出さないでよ! それに好きとか、まだ・・ただ気になるってだけで」
あやの「それを好きって言うんだよ柊ちゃん」
かがみ「み、峰岸・・やっぱりそうなのかな?」
あやの「うん。気になるって言うのはほぼ100%好きってことだよ」
かがみ「でも私こういうの初めてだし・・どうしよう? しかも彼っていつも涼宮さんと一緒にいるし・・」
みさお「よし、私に任せな柊!」
かがみ「え? ちょっと何する気? こら、まて日下部!」

 そういうのは直接聞くのが一番に決まってんじゃん! そのキョンとやらにさ!

みさお「おーっすキョン!」
キョン「はい? あ、えっと日下部さん? 俺に何か用ですか?」
みさお「うん、ねぇお前好きな人いんの?」
キョン「は?」

 ゴンッ

みさお「痛っってー! 何すんだ柊!」
かがみ「いいから黙って来なさい! あ、キョン君、何でもないからね。じゃあね」
キョン「な、なんなんだ・・」

 痛ってー襟! 襟! 首折れるって柊! 引っ張るなー

かがみ「何て事してくれたのよ!」
みさお「何だよーあたしはただあいつの好きな人を聞いてやろうと・・痛っ!」
かがみ「それがダメって言ってんのよ! 全く・・峰岸だけに言ってあんたに言うんじゃなかった」
みさお「ううーあやのー」
あやの「うーん・・確かにいまのはちょっとダメかなぁ・・」
みさお「マジか!」
かがみ「あんたは私よりも恋に縁がない人間なのね」
みさお「二人してバカにしやがって! わかったよあたしが柊とキョンのキューピットになってやるよ」
かがみ「何も分かってないー!」

 痛ってーまた殴りやがったよー本当に凶暴なやつだ。見てろよー絶対二人をくっつけて見返してやる

 こういうのでまず最初にするべき事は情報収集! でも他の人に聞いて回るのはめんどくさいし
やっぱ本人に聞くのが一番早いじゃん?

みさお「よーキョン」
キョン「日下部さん、今度は何ですか?」
みさお「お前好きな人いんの? それと敬語気持ち悪いからため口でいいぜ」
キョン「・・同じ質問なんだな。今日も殴られるんじゃないのか?」
みさお「大丈夫。あいつ今ちびっこの所いってるから。で、どうなんだ?」
キョン「何でそんな質問をするんだ?」
みさお「それはひい・・じゃなくていいじゃねえか! 減るもんじゃないし」
キョン「・・はぁ、俺の周りには自己中心的なやつしか集まらないのか・・」
みさお「ぶつぶつ言ってないで答えろよ」
キョン「はいはい、答えはいないだよ」
みさお「ふーん。涼宮は違うのか?」
キョン「な、別にハルヒは好きではない。ただ振り回されてるだけだ」
みさお「そうかーそれならいいやーありがとなー」
キョン「ホントなんなんだ・・」

 見ろ柊! あたしだってやるときはやるんだよ。上手く聞き出せたぜ! でもまだまだ柊に伝えるには早いなー

かがみ「何にやにやしてんのよ?」
みさお「別にー?」

 でもまだまだ情報が足りないぜ! 何たって二人のキューピットだからなー
もっとキョンの事をよく知る必要があるな

みさお「おっすキョン」
キョン「日下部さん、また何か?」
みさお「もう堅いなーみさおでいいぜ」
キョン「そうか、で、みさお。何のようだ?」
みさお「お前好きなタイプどんなんだ?」
キョン「・・それはポケモンとかで?」
みさお「お前頭悪いのか? 好きな女子のタイプに決まってるじゃん」
キョン「何故一度も話した事のないお前に好きな人だの好きなタイプを言わなくちゃならんのだ」
みさお「いいじゃねえかそれぐらいー」
キョン「それぐらいってお前・・何だ、誰に言われてるんだ。ハルヒか? 谷口か?」
みさお「涼宮もそいつも関係ねぇよ。これはほら、あたし自身が聞きたいだけだ」
キョン「・・お前自身か、そうか・・好きなタイプはまぁ今は普通の子だな」
みさお「普通の子? 何だ夢がねぇなーもっとツンデレな女とか暴力的な女とかねぇの?」
キョン「・・何だその選択肢は。ともかく今の俺には何の変哲もない普通の子が一番タイプだ」
みさお「何かお前って変なやつだな」
キョン「そういうお前も変なやつだと思うぞ」
みさお「そうか?」

 何となくだけどこいつとは気があいそうだ。スゲー話しやすいぜ

 それからちょくちょくキョンとは喋るようになった。もちろん情報収集のため!
とは言うけど実際はただ喋りたいだけなんだよな。何かあいつと喋ってると楽しいんだ
あやのや柊といるときとはまた別の楽しさがあってさ

みさお「よ! お前の弁当は質素だなー」
キョン「な、お前は昼食の時までくるのか」
みさお「何だ来ちゃダメなのか?」
キョン「別にいいけどな。男くさい連中と食べるよりは華があるってもんだ」
みさお「へ? 華? ・・・もしかして、あたしの事言ってんの?」
キョン「・・お前以外に誰がいる」
みさお「な、何いってんだよ! あたしに言ってどうすんだよ!」
キョン「じゃあ誰に言えばいいんだよ・・何だ照れてるのか」
みさお「そんなんじゃねえよ! でもそんなん言われた事ないから・・」
キョン「みさおって彼氏とか出来たことないのか」
みさお「当たり前じゃん! 誰もあたしなんて相手にしないよ。男っぽいし頭わるいし、魅力ないし・・」
キョン「そうか? 充分お前はお前の魅力があると思うんだがな」
みさお「な、何いってんだよ! 変なこというなよ・・」
キョン「変だったか? なぁみさお。一つ聞きたい事があるんだ」
みさお「な、なんだよ」

 ガシッ

みさお「へ? 柊?」
かがみ「ちょっと来なさい!」
かがみ「あ、キョン君ほんと何でもないからね・・じゃあね」
キョン「あ、ちょっと・・」

 待て柊、 落ち着けって! いきなり何だよ?

かがみ「何だはこっちのセリフよ! どういうこと? 何であんたがキョン君と一緒にお弁当食べてるのよ」
みさお「・・あたしがキョンと一緒に弁当食べちゃだめなのかよ」
かがみ「あんた私がキョン君の事好きだって知ってるでしょ? なのに・・何よ、あんたも好きなの?」
みさお「ち、違うに決まってんじゃん!」
あやの「本当にそうなの? 最近ずっとキョン君の所に行ってたから私はってきり・・」
みさお「違うって、あたしは柊のために・・」
かがみ「私のため?」
みさお「・・・」

 そうじゃん、あたしは柊とキョンをくっつけるためにキョンに近づいたんだぜ
そうだよあたしはキューピットじゃん。なのに何考えてんだあたしは・・バカだな

みさお「うりゃー!」

 やっぱりスポーツだよな! うん、そうだスポーツだ! 部活やってるこの時間は何も考えなくていい
ただ走る事だけに集中すればいいんだもんな。いつもそうだったじゃん、勉強とか恋とか考えず
部活やったりあやの達とバカ話してる方が楽しいじゃん。あいつと喋るよりも・・
部活も終わって、いつも通り帰って飯食って風呂入って寝る。はずだったんだけど・・何でか知らないけど
そいつは校門に立ってて、変な事をいいやがった

キョン「おーっすみさお。良かったら一緒に帰らないか?」

 な、何で? 何であたしを待ってんだよ・・

キョン「ダメ・・か?」
みさお「・・別にダメじゃないけど」
キョン「そうか。じゃあ行こうぜ、日が暮れちまう」

 あたしとキョンは二人で帰った、夕日の暮れる坂道を二人で・・
こんなの初めてだからどうしていいかわかんないし・・無口になるなんてあたしらしくないぜ

みさお「な、なぁずっと待ってたのか? あたしを・・」
キョン「まぁ俺も部活があったからそうは待たなかったがな、ただ聞きたい事がさっき聞けなかったから」
みさお「・・なんだよ」
キョン「お前、好きな人いるか?」
みさお「は? な、何で?」
キョン「はは、お前俺と同じ反応してるぞ! な、いきなり聞かれると困るだろ」
みさお「な、な、何だと! こんな時にからかうなよ」
キョン「で、答えは?」
みさお「へ?」
キョン「へ? じゃないよ答えだって。教えてくれ、もちろん俺自身が聞きたいだけだ」
みさお「あたしは・・」

みさお「あたしは・・いない。好きな人はいない」
キョン「・・・そうか、ありがとう」

 あたしはキューピットだよ? だからあたしは二人をくっつけなきゃいけないんだ・・
柊だって何度もキョンに話しかけてたみたいだし、柊の事気になってるかもしれないじゃん

みさお「お前はやっぱり今もいないのか?」
キョン「・・・ああいないよ」
みさお「そっか・・お前って鈍感だよな」
キョン「何だ藪から棒に! ・・・お前だって鈍感だよ」
みさお「は? 何でだよ!」
キョン「さぁ何ででしょうね」
みさお「おい、言えよ!」
キョン「さぁねー」
みさお「おいー!」

 次の日、柊はキョンに告白をした。結果はNOだった。そのあとずっと柊は泣いてた

かがみ「えぇーん! キョン君のバカー!」
みさお「まぁまぁ元気だせって」
かがみ「うぐぅ・・」

 あたしはキューピット失格だな。だって・・結果がNOで嬉しかったから

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最終更新:2007年09月10日 22:29
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