◆2uq.bf8CiUによる作品
「私が先よ!」
今私の目の前にいるこの女の名前は涼宮ハルヒ。自己中で暴力的で騒がしい女
一度言った事は絶対に曲げない。それがどんなに理不尽な事でも・・
でもね、私は黙ってないわよ。正々堂々あなたと戦ってやるわ!
「あたしが先に決まってるじゃない!」
今あたしの目の前にいるこいつの名前は柊かがみ。生意気で理屈っぽくてうるさい女
何でもかんでもあたしのやることにたてついてきて、喧嘩売ってんの?
ともかく、あんたの言う事なんてぜーんぜん耳に入んないわ!
「やれやれ、それぐらいにしとけ」
それで俺の名前は言わずもがなキョンだ。本名で言えないこの悲しさ・・
自分で自分を紹介するのもなんだが、一応何の変哲もない一般人男子
だと信じている。まぁどんな男子であれ、女の子二人が目の前で喧嘩
してるのであれば、それを止めるのが義務であろう。だがこの二人は
中々止められないな・・何故こんな事になったか!それは数分前に遡る。
かがみ「キョン君!よ、よかったら一緒にお弁当食べない?」
言えた!よし言えたわ!遂にキョン君にこのフレーズを・・長かった。
毎回あの女に邪魔されて言えなかったけど、今日こそは・・よくやった私!
それで答えは?キョン君!
キョン「あ、ああ俺なら構わないぞ!」
急にどうしたんだかがみ。お弁当一緒に食べないか?だって?別に構わないが
何か裏があるような気がしてならない・・いや、ダメだ!かがみに限ってそんな事は
ないはずだ。全くあいつらといるとこういう事を考えるようになっちまうからダメなんだな
ハルヒ「待ちなさい!キョンはあたしと学食に行くのよ!」
危ないわ!あのもち女。あたしがいない隙を狙ってキョンを誑かそうとしてたのね?
そうわさせないわ!キョンはSOS団、いえあたしのものなのよ!誰にも渡さないわ
かがみ「な、何言ってるのよ!キョン君は今私と食べるっていったのよ」
いきなり現れて何て非常識な女なの?今完全に私がキョン君と食べる事になったじゃない
おかしいわ、その理屈はおかしいわ!
ハルヒ「ふん、キョンは今日の朝から、いえ昨日から私と学食で食べる事になってたのよ!」
キョン「待て、そんな約束した覚えはない」
かがみ「ほらキョン君だってそう言ってるじゃない。私が先に言ったんだから邪魔しないでよ」
ハルヒ「あたしは昨日から言ってるの!」
かがみ「私が先よ!」
ハルヒ「あたしが先に決まってるじゃない!」
キョン「やれやれ、それぐらいにしとけ」
かがみ・ハルヒ「キョン(君)は黙ってて!」
とういうわけんなんだが・・あれ?俺の昼飯の話じゃなかったのかこれ?
ハルヒ「いいわ!じゃあこうしましょ!明日あたしとあんたが弁当を作ってくるの!」
かがみ「弁当を作る?」
ハルヒ「そ!それでキョンに食べてもらって、おいしかった方と一緒にお弁当を食べるの?どう?」
ま、まさかそんな展開になるとは・・私はあまり料理得意じゃないのよー!
でもここで下がったら何か負けのような気がするわね・・私だって女よ!女の意地よ!
かがみ「いいわ!その勝負乗ったわ!」
ハルヒ「ふん、いい度胸ね。じゃあわかった?明日よ!忘れたら不戦敗だからね!」
キョン「やれやれ・・なんでこんな事になるんだ・・」
まんまと引っかかったわねもち女!あんたの料理の出来は耳に入ってるのよ
それであたしに勝とうなんて百年早いのよ!情報提供感謝するわつかさちゃん!
~かがみ家~
つかさ「お姉ちゃんーこんな遅くまで何やってるの?」
かがみ「わわ!べ、別につかさには関係ないわよ!早く寝なさい」
危ない危ない。こんな真剣にお弁当作ってる所見られたら何言われるかわかんないわ
特にこなたなんかに言いふらそうものなら、根堀はほり聞いてくるにちがいない
そんな事だけはあってはならないわね・・って
かがみ「キャア!何でこんなに汁が・・ちょ、ちょっと、こっち焦げてるじゃないの!
何でいつもこうなのよー。でも待っててねキョン君!絶対おいしいの作るから!」
~ハルヒ家~
ふふふ、待ってなさいキョン!あたしが今まで食べた事ないくらいおいしいお弁当を作ってやるわ!
かがみなんて目じゃないの。あたしが作ったお弁当をまずいなんて言った日には死刑だからね
それよりも団長がわざわざ作ってあげてるんだから、もうそれだけであたしの勝ちよ
ハルヒ「見てなさい!絶対おいしいって言わせてみせるわ!」
次の日~放課後~
かがみ「キョン君!私のお弁当食べて!」
ハルヒ「キョン!あたしのお弁当を食べなさい!」
キョン「わ、わかったからお前ら・・顔が近い!」
本当に作って来たようだな・・それよりも二人ともこれをお弁当というのか?
入ってる物がもはや高級料亭のディナーじゃないか・・しかし頑張って作ってきてくれたんだ
食べんわけにはいかんな・・こっちから食べようか
ハルヒ「あ、何でかがみの方から食べんのよ」
キョン「別に順番は関係ないだろ」
かがみ「そうよ!何自分の方が先じゃないとダメなの?」
ハルヒ「そんな事あるわけじゃない!まぁいいわ」
見栄えは、和風の高級料亭って感じだな。何となくかがみっぽいな・・いざ!
キョン「う・・」
かがみ「え?」
ハルヒ「・・ニヤ」
キョン「上手い!これは上手いぞかがみ!」
かがみ「ほ、本当?」
キョン「ああ、まさにどこかの料亭にいるようだ。お前料理上手いんだな」
かがみ「え・・そんなことないよ!///」
ハルヒ「チ・・」
キョン「ただな・・」
かがみ「ただ?」
キョン「何というかお婆ちゃんが作ってくれた感じもするな。そうだそれだな
ははは、まさか本当にお婆ちゃんが作ってたりな!」
パンッ!
キョン「痛ッ!な、何するんだかがみ!」
かがみ「ひどい・・私が・・私が寝ないで作ったのに・・バカー!」
あんまりよ!確かに美味しいって言ってくれたのはうれしいけど、何?お婆ちゃんが作ったって
私頑張って一人で作ったのに・・何でそんな事いうのよー!
キョン「あ、待てかがみ!どこ行く!?」
ハルヒ「ふふ・・いいのよあんなのほっとけば!さ、キョン次は私のを食べなさい!」
キョン「でも・・」
ハルヒ「いいから!」
キョン「・・わかったよ」
これはうってかわって洋風だな。しかしこれ本当にハルヒが作ったのか・・いやいや
そう言うことをいってはダメなんだな。にしても綺麗すぎる。あいつの性格からは
想像がつかないような・・いざ!
キョン「う・・」
ハルヒ「へ?」
キョン「上手い!これも上手いぞ。このハンバーグ。肉汁がこうしみでてきてだな」
ハルヒ「ふふふ、そうでしょ!おいしいでしょ」
キョン「ああ、本当に上手いぞ・・ただ」
ハルヒ「な・・ただ?」
キョン「そうだな少し塩辛いかもな。ああそうだハンバーグにはこんな塩分いらん
ははは、まさにお前の性格みたいに辛いハンバーグだな!」
ドゴッ!
キョン「ぐは!な、なひひやはる!おま、鼻にグーパンチて!」
ハルヒ「・・もう、もうあんたなんかに弁当つくってやるかバカー!」
ふざけんじゃないわ!何がお前の性格みたいに辛いハンバーグなのよ!
どうやったらわざわざ弁当作ってあげた人に対してそんな言葉がでるのよ!
階段を走ってかけあがった。屋上に出てみると・・一人でお弁当食べてるかがみがいた
ハルヒ「何やってんのよ」
かがみ「ふぇ?わ、わわ何よ!勝利宣言でもしにきたの?」
ヤバイ。泣いてるとこ見られた?この人にだけは弱いとこみられたくないのに・・
ハルヒ「そのお弁当、ちょっとちょうだい。」
かがみ「え?」
ハルヒ「お弁当ちょうだいっていってるの。あたしのあげるから」
かがみ「・・いいわよ」
私とハルヒは無言でお互いのお弁当を食べてた
おいしい。すごくおいしい。ハルヒってこんなお弁当作れるんだ・・
ハンバーグは少し辛いけどデミグラスソースがこれ手作りだわ。
パスタも・・ハルヒすごい頑張ったんだ・・
何よこれ、おいしいじゃない!誰よかがみは料理下手なんて言った奴は
確かにお婆ちゃんが作ったってのわかるけど、すごい味があっていいじゃない
そういえば寝ないで作ったって言ったわね。へぇやるじゃない・・
かがみ・ハルヒ「あのさ・・」
ハルヒ「何よ、先に言いなさいよ」
かがみ「うん、これ・・すごいおいしかったよ」
ハルヒ「あんたのも、文句のつけようがないわ」
かがみ「・・ゴメンねハルヒ。昨日はあんなにつっかかっちゃって」
ハルヒ「べ、別に気にしてないわよ。それよりあたしも、その・・ごめん」
かがみ「別にいいのよ!」
キョン「こんな所にいたのか・・」
かがみ・ハルヒ「キョン(君)」
キョン「二人ともスマン!いやあのあと影に隠れてたこなたに言われて気づいたよ
余計な一言が多かった。本当にすまなかった。弁当は二人ともめっちゃおいしかった
本当にどちらが上かって言われるとわからないぐらい・・」
かがみ「もういいの」
キョン「へ?」
ハルヒ「そう、お弁当食べておなかいっぱいになったらどうでもよくなっちゃった」
かがみ「そう言うことだから、行こう!ハルヒ」
ハルヒ「そうね、こんなバカほっときましょう」
キョン「え、ええちょっとお二人さん?」
こなた「いや~青春だね~」*友情出演
~次の日~
かがみ「キョン君!一緒にお弁当食べよ!」
ハルヒ「キョン!一緒に学食いくわよ!」
キョン「へ?ええ?」
かがみ「な、何よ!どうでもよくなったんじゃないの?」
ハルヒ「そ、それはこっちのセリフよ!何あんた抜け駆けしようとしてたの?」
かがみ「あんただってしようとしてたじゃない」
ハルヒ「何よ!」
かがみ「何なのよ!」
キョン「やれやれ・・そこまでにしとけ」
かがみ・ハルヒ「キョン(君)は黙ってて!」
どうやらこれからも私達のキョン君争奪作戦は続くようです・・完
最終更新:2007年08月11日 22:32