泉かなたの反逆

ジャッカル ◆JACKALz.7M氏の作品。

泉かなたの反逆


そうじろう「もう、この時期なんだな
私の遺影ヲ見据エル、ヒトリノオトコ。
わたシの記憶にハ、残っテいなイ。
そもそもわたしハ何故、ここに居ル?
こなた「おとーさん、準備出来た?
そうじろう「・・・ん、あぁ。今、行く」
わたしに似た少女。
だんだんと記憶が黄泉帰る。
そうだ、お盆だ―――――

私はそう君の運転する車に憑いていき、私のお墓まで着いた。
毎度ながら慣れない光景だ、何故神様はお盆にだけ記憶を黄泉帰らせるのだろう?
お墓参りは慎ましく終了した。今年もここで終わりか、などと後ろ髪を引かれていると―――

キョン「あ・・・泉さん」
誰だろう?この普通な男子は。
こなた「ありゃ、キョンさん。奇遇ですなぁ」
そうじろう「嫌な奇遇かもね、はっは」
こなた「違うよ、全然違うよ。おかーさんが引き合わせてくれたんだヨ」
ん?私、何もしてないけど?え?
・・・なるほど、このキョンとかいう男が私の娘を誑かしたのね?
許さないわッ!月に代わってなんとやら!!
キョン「なんだか悪寒がする
キョンのオカン「なんだいこの子は
こなた「夏風邪は馬鹿が引くんだヨ
そうじろう「じゃあこなたは年中風邪じゃないか」
キョン「・・・笑えませんね」
キョンのオカン「だから公文式をやっとけとあれほど(ry」
・・・と怒ってみたものの、何にも出来ない自分が恨めしい。鳴呼、恨めしや。
そうじろう「はっは、墓地なんかで痴話喧嘩なんてされたらかなたも跳び起きるだろうな。なぁ?」
いやいや、跳び起きる腹筋も無いから。元の体ならヘッドスプリングくらい余裕なんだけどね。
キョン「ゲホッ・・・ではまた」
こなた「バイビー」
キョンのオカン「バイビー」

という訳で私こと泉かなたはキョン君の家まで憑いていきました。うん。普通・・・彼は普通なんだけどね?
長門「・・・あれ?こなちゃんでないの?」
キョン「泉になら会ったぞ・・・ゲホッ」
みくる「夏風邪ですか?」
キョン「そうですかね・・・ブボッ」
ハルヒ「夏風邪は馬鹿が引くのよ!ねぇ古泉君」
古泉「え・・・ええ・・・」
この長門ちゃんと古泉ちゃんは私が見えているみたいね。
これぞ科学の不思議。見えるのに見えない。 って哲学かよ。
長門「ブッwwwwwwwwww」
あ、ウケた。 それにしてもかわいいわね、古泉ちゃんは。私が男だったら放って置かないのに。
キョン「古泉、顔が青いぞ顔色悪い」
古泉「これはちょっとでもなんでもなくホラーですよ・・・」
ハルヒ「夏だし怪談大会インキョン家、と洒落込みますか!」
だが断る。
私、怖いのキラーイ。
古泉(あなたがその怪談でしょうに・・・あ~、帰りてぇ)
キョン「だが断る。俺は怖いのはキライだ。」
みくるハルヒ長門「キョン君かぁいい~~☆」
・・・ってモテモテですやん。四股?
キョン君にうちの娘とどういう関係なのかを小一時間問い詰めたい。が、憂き世の身には叶わぬ夢なのねぇぇぇ・・・。
長門「問題ない。生前の生体データを再構築した。許可?なにそれ美味しいの?」
長門ちゃん。グッジョビ!
古泉(もう帰っていいかな、僕)

ピンポォォォォォン
キョン「ん?誰か来たぞ・・・」
ハルヒ「鮫島じk」
みくる「それ以上は駄目!!禁じられたワードですよ!!?」
キョン「はい・・・?」
こうして私は『蘇った』。
日本よ!私は帰って来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
かなた「あの・・・キョン君ですか?」
キョン「そう呼ばれてはいますけど、どちら様?」
私はその場で12回転半ジャンプし、腰に手を当て左足と右足を交互にキックターンさせ、華麗なステップを踏みたかった。
が、ここは冷静に。KOOLになれかなた!
「泉、かなたと申しましゅ」

噛んだ。

キョン「泉・・・ええと、泉こなたさんのお姉さんでしょうか」
ハルヒ(あれ誰?えらい美人がそこにいるんだけど)
谷口(美人と聞いてWAWAWA忘れ物)
古泉(谷口、お前はいい。喋ってろ)
長門(静粛に。今から読唇術で実況する。)
ハルヒ(・・・有希ってこんな子だっけ)
かなた「いえ、母です」
キョン「失礼ですが・・・お亡くなりになったと聞いていますが」
かなた「じょーほーとーごーしねん・・・ガフッ・・・情報統合思念体とやらの協力を得たんですヨ」
キョン「ゲホッ・・・長門・・・そうか・・・」
かなた「という訳でうちの娘とどういう関係なのカナ?カナ?」
キョン「友人です」
・・・友人、ねぇ。
男の『友達だよ』は信用できない。某金融団体よりもね。
かなた「じゃあキョン君、好きな人は?」
キョン「言えません。」
ハルヒみくる(ガッカリ)
谷口(ナンパしようぜナンパ)
古泉(どてらいのう
かなた「そう。じゃあ、今後一切!!私の!!娘に!!近寄らないで!!!」
谷口(ひよりとは違うタイプの怖さだねぃ)
古泉(森さんには敵わない。)
キョン「・・・ゲホッ、ゲホッ、その約束も守れません。」
かなた「どうして?あなたはとても愚かで臆病。おまけに卑怯ね。」
キョン「俺はまだ・・・そういうのがわからないんです・・・ゲホッ」
かなた「そうやって延ばし延ばしで結局はなあなあにやればいいって思ってるだけでしょ」
キョン「ゲホッ・・・違う!!!」
かなた「あら?じゃあ約束出来る筈よ。会わない事で傷つかない愛だってあるもの。娘の為に、ね?」
キョン「でも・・・出来ません・・・」
かなた「まだ言うか・・・」
キョン「あそこで読唇術によってこの会話を聞いている奴らも・・・泉こなたさんも・・・誰かでも欠けたら成り立たない。そんな仲間達なんです・・・」
かなた「はぁ・・・」

・・・どうしようも無いわね。
このまま複数の子とズルズルと行く恋愛パターン・・・フラグクラッシャーね。
フラクラ相手じゃどうしようも無いわね・・・うーむ。
ハルヒ「キョン、痛み(喉)に耐えてよく頑張った!感動した!!」
キョン「ゲホッ・・・古いぞ・・・ゲホッ・・・ゲホッ」
みくる「病院行きましょう?」
古泉「行き着けのヘアーサロン」
谷口「それ美容院だから!それ違う院だから!」
長門「なんて言ってる場合じゃないよ!!彼が倒れたみたい!!」
ハルヒ「逆八の字眉毛の有希・・・萌え」
キョン「ゲホッ・・・う」
かなた「!?ちょっと!?」
古泉「あぁ俺だ。古泉一等陸佐だ。救急ヘリを頼む。発熱及び咳が酷く昏倒している。場所は――――」
ハルヒ「古泉君・・・あんた警察だったの?」
谷口「WWSパロはいいから!キョンが!!キョンが!!?」
やれやれ。
彼と娘を引き離すどころか仲間意識を再確認させちゃったみたいね。
風邪で倒れちゃったけど。 私の体ももう終わりかしら?
長門「彼の保全に傾倒しているため余分な生体エネルギーをそちらに回せない。ごめんなさい。」
・・・もう、いいのよ。
長門「でも」
でももヘチマもありゃしませんって。言いたい事はあらかた言ったし。そう君とは改めるまでも無いからネ。
長門「・・・そう」
キョン君が救急ヘリによって運搬されていく。あの子はどんな結論を出すのだろう?
まぁ冷静になって考えたら、本人達が幸せならそれでいいじゃない?
そうじろう「そうだよな。楽しんだ者が勝ちだ。」
・・・そう君、気付いてたの?
そうじろう「まぁな」
・・・やっぱり、泣く子とレ・・・いやそう君には敵わないわね。
そうじろう「そうでもない。じゃあまた、来年な」
・・・ええ、またね。
バタム

そして一年が過ぎた。
今じゃ俺とあの子は公然のカップルである。
照れ臭さはあるが、それすら嬉しさが上回るね。
大事な人と一日中居られる幸せ。

ハルヒ「何言ってんのよ?」
谷口「青春回顧録だ」
ひより「なんてわかりやすい青春なんでしょう」
谷口「いいこともあった。それはひよりに会えた事だ。だが悪い事もあった・・・」
ハルヒ「・・・・・・。」
谷口「嫌な、事件だったね」
――――そう。キョンが急性器官支炎とやらで急逝したのだ。
そしてそれを追うように、泉こなたも自殺した。
それを皮切りに次々と怪死事件が起きている。 生徒達は「ノマネコ様のタタリ」だとか、「噂を具現化する死徒二十七祖」だとかでざわめいている。
真相は彼と「彼女」の父のみが知る。
泉かなたは最初にキョンに対して願った。
――――――――許さない――――――――
そう。 それは。 生きる事を許さない。
そんな意味で実行された。 呪い。 マジナイでなく。
本当の意味でのノロイ。
ただ彼女が惜しむらくは最愛の娘をすら自らのノロイに伝播させた事だろう。
全ては彼女が連れ去ったのだ。
そこに在った、いや、かつて在った日常と共に。

~~~~~霊界~~~~~
タンバテツロ「ダイサッカァァァイ!」
キョン「はっはっは!さすがタンバさん」
こなた「いやあ、本当にタンバさんは凄いネ」
かなた「そうでしょ?霊界1番の腕前なのよ。」
霊体長門「たのしそー」
霊体古泉「まだ早いよゆきりん」
霊体ハルヒ「私達が天国に行ければの話よね。あぁ、タンバさんをスカウトしたいわ!」
ガチ霊体キョン「またお前ら・・・勝手に」
ハルヒ長門古泉「イッケネ、見つかった」
かなた「いいじゃない、楽しいんだし」
神「ん~、じゃアリで。はいこれ天国優待券」
結局、SOS団とこなた達はやっぱり変わらなかったとさ。
めがっさにょろにょろ~~~

~~~~地獄~~~~
国木田「セルもフリーザもブロリーもたいした事ねぇなぁ!」
オニ「ヒィィィィ」
国木田「もっと泣け!喚け!!」
キョン「あれはあれで極楽なんだろうな・・・」
こなた「極楽・・・?やまさん!!?」
キョン「まだ触れてやるな」
こなた「じゃあ私の口唇に触れてヨ・・・」
キョン「・・・・・・・ん」




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最終更新:2007年08月15日 19:49
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