part29-195さんの作品です。
キョン「Zzz・・・」
黒井「ほ~ぅ、ウチの授業で寝るとは根性あるなぁ・・・」ボコッ!!
キョン「ハウァッ!!」
黒井「おはよーさん。お前は後で職員室に集合な。」
キョン「・・・」
~放課後~
黒井「はぁ・・・何か分からんけど最近妙に気になるなぁ・・・」
キョン「失礼します。おっ、いたいた。」
黒井「いや、でもここは一発ロッテのズレータのホームランみたいにガツンと言ったらなアカン!でも言い過ぎたらアカンしなぁ・・・ブツブツ」
キョン「黒井先生?さっきから何言ってるんですか?」
黒井「おわっ!!?何やお前か~脅かすなよ・・・」
キョン「いやいや、そんなにびっくりされても・・・」
黒井「あぁスマン、スマン。ところでちょっと考えとったんやが、これからお前をキョンと呼ぶことにする!」
キョン「先生まであだ名で呼ぶんですか・・・」
黒井「まあ聞け、最近ウチも色々と考えるようになったんや。そこでまずは生徒をあだ名で呼ぶようにしようと思い、手始めにお前からと思ってな。それにお前の名前がキョンじゃないと後から色々・・・」
キョン「分かりました。それ以上は言っちゃダメですよ。」
キョン「さて、では俺はこれで・・・」
黒井「おっと、待ちや~まだお説教は終わってないでぇ」
キョン「・・・すいませんでした。」
黒井「はぁ~(何であないなこと言ったんやろか・・・でも、あいつとはもっと話ししたかったな・・・って何考えてんねん!相手は自分の教え子やで!)・・・仕事仕事っと。あっ、お疲れさんで~す。はい、鍵は閉めときますんで~」
~次の日~
黒井「は~い、おはよーさん!今日の欠席はぁ~っと。」
かがみ「先生ーっキョン君がいませーん。」
こなた「ほんとダ、キョンキョンがいないヤ。」
黒井「そうか・・・OK~欠席1名っと。ほな、また終礼でな~」
ガラガラ・・・バタン
キョン「う~ん、よく寝たな・・・って15時!?一応、学校に顔くらいは出しておくか・・・」
黒井「お前、アホとちゃうか。いくら寝過ごした言うても限度があるやろ?」
黒井先生はデスクを指でコンコンしながらもう片方の手に持った閻魔帳でバシバシと俺の頭を叩いていた。
キョン「すいません。」
黒井「んで、熱は無いんか?」
すると黒井先生は自分と俺のおでこをくっつけてきた。
黒井「ん~熱は無さそうやな。」
キョン「~っ!!?・・・////」
黒井先生の顔は息がかかるほど近くにあった。
キョン「先生、近いですよ////」
黒井「おおっとス、スマン スマン////」
「「・・・・・」」
黒井「そ、そういやキョンお前、晩飯はどうすんねん?」
キョン「き、今日は家に親がいないのでどこかで食べて帰るつもりです。」
黒井「それやったら一緒に帰れへんか?ウチも今日は食べて帰るつもりやったから・・・ほらっ!1人よりも2人の方が美味しいやろ?」
キョン「黒井先生、顔がちょっと紅いですよ?」
黒井「そ、そうか?いや、何ともないで~」
キョン「・・・そうですか。まあ、行きましょう。」
~1時間30分後~
キョン「良いんですか?ほんとに奢ってもらって。」
黒井「ええねん、ええねん。年下に金を出させることも出来へんしな~」
キョン「じゃあ今度なにかで埋め合わせしますね。」
黒井「う~ん、じゃあ来週の日曜日の買いもんについてきてもらおかな~」
キョン「買い物ですか?・・・良いですよ。」
黒井「よっしゃ、じゃあ来週の日曜日の2時に駅前な。」
キョン「分かりました。約束ですよ。これ、電話番号とアドレスです。じゃあまた明日!」
キョンは黒井先生に小さな紙を渡した。
黒井「おう!また明日な~」
家に帰った黒井は珍しくネットもせずにクッションを抱きながら考え込んでいた。
黒井(キョンと買い物か・・・ちょっと教え子と買い物するだけやのに何でこんなにドキドキしてんのやろ・・・・デートか・・・ウチ、ホンマにキョンの事・・・)
一方、キョンも一人ベッドの上で考えていた。
キョン(黒井先生と買い物か・・・生徒が先生を好きになっていいものなのか・・・俺は・・・)
~デート当日~
キョンは駅前のベンチに座っていた。
キョン(俺も何してんだか・・・まだ20分もあるじゃないか。んっ?あれ・・・黒井先生っぽいけど・・・)
黒井「(ちょっと早よ来すぎてもうたな。・・・おっ、もう来てんやん。あっ、ちょっとドキドキしてきた。落ち着けよ、ウチ。)お~い、こっちこっち!」
キョン「こんにちは、ちょっと早く来すぎたとおもったんですけど、ちょうどだったみたいですね。」
黒井「せやな。ほな、行こか。昼飯は食ってきたか?」
キョン「はい。先生は?」
黒井「ウチも食べてきたから大丈夫や。それと、今日は『先生』はやめてくれへんか。周りが聞いたらおかしがるからな。」
するとキョンは少し考えて言った
キョン「じゃあ『ななこさん』って呼びますね」
黒井先生は顔を赤らめながらそれを承諾した。
黒井「まあ、それでええわ。じゃあ行こか。」
俺達は15分ほど電車に揺られて目的地に着いた。
黒井「あんまり近場やったら見つかった時に面倒やからな。」
キョン「なるほど。で、今日は何を買うんですか?」
黒井「たまには服でも買ってみようかな~っと思ってな。」
先生はそう言って1軒の店に入っていった。
黒井「キョ~ン~早よ来ぃや~」
キョン「は~い!」
キョン「ななこさん、結構似合ってますよ。」
先生はTシャツにジーンズを器用に着こなし、帽子をかぶって出てきた。
黒井「ありがとさん////なんか恥ずかしいなあ。」
店員「そちらの商品でよろしいでしょうか?」
黒井「ほな、コレにするわ。そのまま着て帰りたいねんけどタグ外してもらえる?」
店員「はい。少しお待ちくださいませ。」
俺は普段見れない黒井先生のキレイさに見とれていた。
黒井「どうしたんやキョン、ぼぉっとして?もしかしてウチの美貌に見とれてたんか?」
俺は少しイタズラっぽく返した。
キョン「ななこさんがキレイだったから思わず見とれていたんです。」
黒井「年上をおちょくるもんやないで!////」
先生は紅くしながらも笑っていた。
カランコロン♪
店員「ありがとうございました。」
俺達は店を出て夕日が差し込む通りを歩いていた。
黒井「やっぱりカップルとかが多いなあ。」
キョン「・・・ななこさん、手つなぎましょうか?」
黒井「せ、せやな。」
キョンは黒井先生の手を取ってキュッと握った。
黒井「なんかこうしとったらホンマのカップルみたいやなぁ。」
キョン「・・・はい。////ちょっとそこの公園で休憩しましょう。何か飲み物を買ってきます。」
タタタタッ・・・
黒井「ふぅ~(こんなにドキドキしたのっていつ以来かな・・・まだドキドキしてる・・・)」
黒井先生の心の中では『好き』と『自分の教え子』という2つのコトバが揺れ動いている。
黒井先生がベンチに座りながら悩んでいると、頬に冷たい何かが当たった。
黒井「ひぁっ!?何や!?」
キョン「俺ですよ。お茶とコーヒー、どちらがいいですか?」
黒井「あぁ、びっくりした。じゃあコーヒーで。」
キョンは黒井先生にコーヒーを渡すと横に座った。
空は夕日もほとんど落ちて、公園では電灯が周りを照らしている。
黒井先生はキョンに胸中を打ち明けようか迷っていた。すると、それより先にキョンが口を開いた
キョン「ななこさん、いや、先生。」
黒井「!!な、何や?」
キョン「俺、先生にずっと言わなきゃって思ってたんです。」
キョン「俺、先生の事が好きです。今日もずっとそのことを考えてました。
確かに俺と先生は教師と生徒で、その・・・ダメなことかもしれません。俺はそのことでずっと悩んでました。でも、ずっと言わずに後悔するよりも」
そこまで言った瞬間、黒井先生が俺にキスをしてきた。
黒井「んっ・・・ウチもずっとそのことで考えてて、あと一歩が踏み出されへんかった・・・でも、キョンが言ってくれてようやく決心できた。
ウチもキョンが好きや!ずっと一緒にいてほしい!」
キョン「じゃあ一つワガママ言ってもいいですか?」
黒井「何や?」
キョン「その・・キスしてもいいですか?さっきの突然だったから////」
黒井「えぇよ。でも、優しくしてや////」
キョン「はい・・・」
これからどんな逆風が吹いたとしても2人で手をつないで歩いて行きましょう。
あのデートの日の2人のように・・・
fin
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最終更新:2007年09月10日 22:36