かがみ
マンガに出てくる悪役が言ってた
「おまえは今まで食ったパンの枚数を覚えているのか?」と
言われてみればそうだなあって思う
今までに食べたパン
今までに見たテレビ
今までに読んだラノベ
今までに仲良くなった、友達
その瞬間瞬間は、確かに覚えてないと思う
ただ何となく、そうなったんだと
いつのまにか、なってしまったんだと
そう思う
そんなものじゃない?
つかさ
あの日から、シャミちゃんは全然しゃべってくれない
でも、ぐっちーとはよくおしゃべりするようになった
ぐっちーは口は悪いけど、面白い
いつも妹扱いするけど、いつも自転車の後ろに乗せてくれる
昨日は学校の裏山にある公園に連れてってくれた
おとといは一緒に焼き芋を食べた
今週の土曜日には、映画館にいく予定
頭の上から、むくむくとなにかが湧いてくる
まだまだわたしは、夢見がち
だからこんなことを考えるんだと思うの
こんな時間が、ずっとずっと続けばいいなあって
みゆき
あの夜、確かに私は負けました
じゃあ誰が勝ったのでしょう?
もちろん、誰も
だってそうでしょう?
あれは、私の一人相撲
誰もステージには上がっていなかったのですから
だからまだ、本当の勝敗は決まっていない
だから、私は再び試合を申し込もうと思います
今度は間違いなく、
一瞬も目を逸らさずに、
彼に
キョン
盆にあげるだけじゃ足らない気がした
だからこないだも、かなたさんに花をあげてきた
こう何度も足を運ばれても、かなたさんも迷惑かもな
だが、これ以外にゃ思いつかないんだよ
こなたと一緒に出かける理由がな
こんなんだから俺もいまだに一歩踏み出せないし、
こなたも踏み出せないんだろうな
しっかりせねば
何のためにかなたさんに会ったのか、わからない
何のためにこなたと出会ったのか、わからない
せめてその意味だけでも、見出したいもんだ
かがみ
文化祭が終わると、一気に空気が冷え込んだ
人の熱気ってやっぱりあるんだろうなあと、何となく思う
クラスは音もなく忍び寄ってきた中間テストに、おそれおののいている
ま、私もだけどね
ふとこなたを見ると、いつも通りそわそわしている
おーおー、早く愛しのキョンくんに会いたいってわけね
や、別に嫌味じゃない。そんなのあるわけない
先にツバつけたの、こなただしね
・・・・・・嫌味じゃないったら嫌味じゃないのだ
こなたったら情けないわよねえ、二次元オンリー超オタク少女なのに
って、つかさに声をかけようとした
つかさも、そわそわしていた
・・・ね、ねえみゆき、
みゆきも、そわそわしていた
・・・・・・ちょっとまて!私だけか何もないのは!?
つかさ
その日は朝は晴れてて、あとから雨が降ってきた
だから、傘を忘れた
・・・ほんとだよ?
別に、計算とかそんなんじゃないんだからね?
谷口「誰に言ってんだ、ちいらぎ」
つかさ「べ、別に誰でもないよ?ひとりごと・・・」
谷口「電波入ると好みわかれるぞ」
つかさ「それ、こなちゃんも言ってた」
谷口「ほぅ、奴とは気が合うかもしれんな」
つかさ「だ、だめだよ!」
谷口「ああん?何が」
つかさ「あ、や。・・・何となく」
谷口「さよか。・・・ほれ、もちっと中に入らんと濡れるぞ」
距離が、10センチだけ近くなった
つかさ「あのね、ぐっちー」
谷口「なんだ」
つかさ「・・・ううん、なんでもない!」
ずっと、雨降ってるといいなあなんて、
言えっこないよ
みゆき
戦力の差は歴然です
だから、私は手加減しました
6枚落ちの将棋で勝負です
古泉「あ、あの、高良さん?」
みゆき「何かご不満がおありですか?」
私はとびっきりの笑顔で微笑んであげました
古泉「不満とかではなくてですね・・・これじゃあ勝負になr」
みゆき「ええもちろん。私もがんばりますよ?」
彼はひきつった笑顔を返しました
私も、柔らかい笑顔を返しました
どこまでも楽しんでやるって、決めました
どこもまでも楽しませるって、決めました
古泉「で、では」
みゆき「はい」
『よろしくお願いします』
キョン
長門がただひたすらに本を読み続けるのは、今に始まったことじゃない
だが、今日は少しばかり様子が違っていた
ページが進んでいない
分厚い洋書のちょうど中央が天井を向いたまま、1ミクロンも動かない
キョン「長門」
普段なら、しばらくたつと自動人形のように振り向くはずだった
だが、いつまでたっても、振り向かなかった
長い長い長い沈黙の後、搾り出すように長門は口を開いた
長門「なに」
キョン「・・・なんだ、また何かハルヒがおっ始めようとしてるのか?」
長門「違う」
キョン「じゃどうした。読書に飽きて、物思いにでもふけってたか?」
長門「情報連結が解除される」
長門が俺を見る
俺も長門を見る
キョン「・・・・・・何のだ?」
長門「こことは違う、異相空間」
長門、毎度のこととは思うが、もう少し噛み砕いてくれないか?
長門「現在、この教育施設を中心とする地域の約半数の人間は、異相空間のもの」
長門「原因不明・計測不能だが、少なくとも4ヶ月前から異相空間との連結は始まった」
長門「それが、解除される。本来形の空間に、回帰する」
いまいちよくわからんが・・・
キョン「いったい誰なんだ、その異相空間の人間とやらは」
長門の顔が曇った
それは冬の日の窓みたいに、ゆっくりと、わずかばかり曇るだけのものではあったが
俺はその窓の曇りに、「いいから言え」と書いてやる
長門は将棋台を見つめる
いや、ピンク髪の指し手を見つめていた
そして次に、部室の入り口を凝視する
こなた「キョンキョーン、遊びに来たヨー」
俺は入り口を振り返った
みくる
あの・・・・・・出番、ください・・・・・・
かがみ
毎週土曜日はぎょぴの観覧会
だけどそいつは最近、前日から来たり、前々日から来たりする
ハルヒ「いいじゃない。餌をあげるのは、何も土曜日だけってわけじゃないでしょ」
いや、土曜だけなはずないし
毎日餌あげてるから私
もちろんハルヒは私の言葉なんてどこ吹く風、
小学生みたいにぎょぴを見てはしゃぐ
困ったもんだね、このコは・・・
ハルヒ「あのさ」
かがみ「なに?」
ハルヒ「これから毎日来るわよ」
かがみ「・・・なんでよ」
ハルヒ「なんとなくよ」
ハルヒは餌を放る
ハルヒ「・・・・・・なんとなく、もったいない気がするだけ」
つかさ
今日もぐっちーに送ってもらった
ちょっと勇気を出して、「あがっていきなよ」って言ったけど・・・
先に家に来てたハルちゃんを見つけたとたん、ぐっちーは逃げ出した
谷口「俺はあいつが超のつくくらい苦手なんだよ」
ハルちゃん、そんなに怖い人じゃないのになあ・・・
谷口「じゃあな」
自転車をまたぐ後ろ姿を見たとき、
わたしはなぜだか、ものすごく不安になった
つかさ「ぐっちー!!」
だから、叫んだんだと思う
つかさ「明日も、会えるよね?」
谷口「学校で会うだろ」
なんてことない声で、ぐっちーはさよならをした
だけどわたしは、なぜだがいつまでも不安だった
みゆき
長門さんが話し始めてから、SOS団のみなさんの空気が変わりました
いつかの、石のような顔で見つめる彼
こなたさんを、じっと見つめるキョンさん
ただひたすらに、動かない長門さん
一体、どういうことなのか
6枚落ち将棋に夢中だった私も
今来たばかりのこなたさんも、
長門さんの言っている意味が、よくわかりませんでした
長門「異相空間に存在しているはずの当該個体は、正確に計測できるだけでも4つ」
長門「泉こなた、高良みゆき、柊かがみ、柊つかさ」
長門「情報連結の解除と同時に、彼女らも異相空間に回帰する」
よくわからないなりにも、
それでも感じたことはあります
これ以上、聞きたくない
私はこなたさんの腕を掴むと、部室を急ぎ足で退室しました
キョン
もちろん、俺にだってわからなかったさ
ただ、長門の言葉は、聞き取りようによってはこうも聞こえる
お前たちは邪魔者だ、今すぐ出て行け
高良が怒って帰ったのも、無理はないと思う
キョン「あのなあ長門、あんな風に言わなくても、」
長門「本当のこと」
どこまでも清浄な瞳が、俺を見つめる
・・・そうだ、こいつはいつも、わけのわからないことを言う
でも、間違ったことは一回も言ってない
古泉「今回は、僕も積極的に参加させてもらいますよ」
古泉も身を乗り出す
いつになく、真面目な顔で
まあお前はいつまででもニヤケてればいいんだけどな、
・・・ま、好きにするがいいさ
みくる
あの・・・・・・出番・・・・・・
かがみ
キョンくんに呼ばれたのは、私を入れて4人だった
こなたとみゆきと、それからつかさ
なんてことない、いつもの4人組だ
まあ最近は、いつもってわけじゃないけどね?
・・・・・・嫌味じゃないったら
呼ばれるような用事は、なかったと思う
でも、なんとなく嫌な感じがした
それはみゆきが不機嫌だとか、こなたの口数が少ないとか、
そういう端々からつかみとったものだろう
何かあったのか
私のあずかり知らないところで、4人にまつわる何があったというんだろう
事情はまったくわからなかった
だから、キョンくんが開口一番言った言葉の意味も
本当に、意味不明だった
つかさ
部屋にはキョンくんだけじゃなくて、古泉くんと、長門さんもいた
みんな集まって、何の話だろ
・・・って、え?
今、キョンくん何て言ったの?
キョン「もうお前らとは、会えないかもしれない」
つかさ「キョンくん、転校しちゃうの?」
キョン「いや、そうじゃない」
キョンくんは、口をムズムズさせている
まるで、言いたいのに口が邪魔をしているような、そんな顔だった
キョン「お前らと、俺たちだ」
最初に思い出したのは、この前の数学のテストだった
全然意味がわかんない
次に思い出したのは、小学校のときの親友だった
どうしようもなくケンカ別れしてしまった、あの娘
でも、きっと
キョンくんの言ってることは、そのどれでも、ない
みゆき
キョンさんの困惑顔に業を煮やしたのか、
それでは僕が説明しましょうと、彼が言いました
古泉「まず一つ目。あなたがたの制服と長門さんの制服は、どう見ても違うデザインですよね?」
古泉「ふたつ目。ここにわが校1年生の全体写真があります。この中に、あなたがたはいますか?」
古泉「三つ目。これが一番わかりやすいかもしれません」
彼は、私たちひとりひとりに目を合わせながら、言いました
古泉「あなたがたは、どうやって僕たちと仲良くなったのですか?」
記憶力には自信のある方でした
何かにつけて調べ物をしますから、自然と身についたものだと思います
でも、
いくら記憶をたぐり寄せても、
いくら頭の検索ボタンを押し続けても、
彼に答えることは、できませんでした
キョン
部屋は、不気味なくらいの沈黙に支配された
そのくせ全員の頭の上には、飽和しきった言葉が浮かんでいる
みんな、言い出したくて、言い出せない
なんとかしたくて、なんともならない
最初に動いたのはこなただった
古泉に、飛びかかった
古泉はそれを甘んじて受け止め、こなたの平手も何度となくひるがえった
もちろん俺は止めたさ
でも、ある意味手遅れだった
古泉の顔は腫れまくっていたし、
こなたはこなたで、ぐしゃぐしゃの顔だった
ぐずぐずと、こなたは声にならない声をあげる
もう嫌だと、
もう大切な人がいなくなるのは嫌だと、
俺はどうすればよかったのか
あなたにならわかりますかね、かなたさん?
かがみ
どいつもこいつも、と思う
どいつもこいつも筋金入りだ
筋金入りの、悲劇の主人公だ
私は覚えてる
あいつと出会った日のことじゃない
そんなの覚えてる人なんて、めったにいない
私が今も覚えているのは、あいつと過ごした日々だ
毎週土曜日にぎょぴに餌をあげた、あの日々だ
だから、
ぐずぐずのこなたに、悔しさで一杯のみゆきに、今にも泣きそうなつかさに、
根性なしのキョンくんに、無理矢理笑おうとしてる古泉くんに、ついでに、何もいわない有希にも、
全員にゲンコツを食らわせてやった
泣くのはまだ早いし、諦めるのはまだまだ先、ゴールなんか全然見えてない
あの夏の日と同じように、
私にできることは、ただバカみたいに走ることだけだと思った
つかさ
ぐっちーに会えない
それを想像しただけで、わたしは泣きそうになった
お姉ちゃんは、泣きそうなわたしをぐーでぶった
ぶってくれた
それは、とっても痛かった
だけど、とってもあったかかった
あきらめるなって言ってくれてるみたいだった
まだ何もおわってないって、
今から始めるんだって、
そう言ってくれてるみたいだった
だからはわたしは、泣きそうな気持ちを押し込んだ
ありがとう、お姉ちゃん
でも、もうちょっと手加減しても、いいんじゃないかな?
みゆき
かがみさんは長門さんに詰め寄りました
何か方法はないのかと、
どうすれば解決するのかと
私は自分が恥ずかしくなりました
あの日だって、私は何も出来ずに、情けなくて泣くことしかできなかった
今だってそう、
ただ、自分の情けなさに失望しているだけ
なんにも成長していない
これじゃあ、彼にどんな顔をすればいいのかわかりません
・・・だめだ、みゆき!
少なくとも、笑顔を見せよう
気力で勝負だ
きっと、何かがかわるかもしれない
かがみさんが、それを教えてくれました
でも、やっぱりちょっと、手加減してほしかったですね・・・
キョン
かがみの問いに、長門が口を開く
長門「できなくはない」
かがみ「どうすればいいの?」
長門「しかし確証はもてない」
かがみ「いいから。教えて」
最近、やたらこいつとハルヒは絡んでるみたいだが・・・
変な影響受けたんじゃないだろうな?
そのアクティブさは、奴に通じるものがあるぞ
長門「連結解除が開始される前に、こちら側から物理的に再連結する」
かがみは、ハア?といった顔だ
かくいう俺もそうだがな
かがみ「わかりやすく言うと?」
長門は、しばしかがみを見つめ、
静かにかがみの手をとった
長門「手を、つなぐ」
あ、そうそう、結構痛かったからな、かがみ?
かがみ
なるだけ大勢で手を繋いで遊んでいれば、私たちが分かれることはない
有希はそう言いたいらしい
それなんてお遊戯?
なんて、私は思わない
そうすることで解決するんなら、何でもやってやる
連結解除ってのが始まるのは、あと1時間後
私はハルヒに電話をかける
つかさは谷口くんを呼び出す
メンツはそれだけしか集まらなかったが、有希は十分だと言った
部屋では狭いでので、キョンくんちの庭へ出る
さて、準備は万端
あとは役者が揃うのを待つだけ、ね
つかさぐっちーもハルちゃんも、ちゃんと遅れずに来てくれた
ぐっちーはハルちゃんを見て早く帰りたそうだったけど
わたしは全力で、ぐっちーを掴んだ
今日だけは、わがままを聞いてほしい
お姉ちゃんが仕切りだすから、
すぐにハルちゃんがつっかかる
キョンくんがやれやれとなだめ、代わりに仕切ってくれた
仕切ったのはいいけど、
みんなただ手をつないだまま、黙ってるだけだ
誰も何も言わない
・・・っていうか、言えないよ・・・
すごい微妙な空気のなか、
ゆきちゃんが歌を唄おうと助け舟を出してくれた
・・・中島みゆきは唄えないよ?
みゆき
もちろん地上の星なんて唄いません
私が知っているのは、もっと簡単で、みなさんも必ず知っている曲
誰でも一度は、いつかどこかで聞いたことのある曲
そう、今みたいな夕暮れ時なら、きっと誰でも
私はあらかじめみなさんに曲名を言い、
せーの、で唄い始めました
うーさーぎこーいし かーのーやーまー
こーぶーなーつーりし かーのーかーわー
ゆーめーは いーまーも めーぐーりーてー
わーすーれーがーたき ふーるーさーとー
キョン
どんな歌を唄わせれるか心配だったが
ま、杞憂におわってよかったぜ
調子に乗ってみんな3番まで唄っちまったからな
これなら俺だって唄える
こなただって唄えた
小さな小さな手を、必死に握り締めながら
もう何も、その手から逃したくないんだろう
俺も力いっぱい、握った
もちろん、握りつぶさない程度にな
みんな不安だったんだと思う
今この瞬間にも、つないでいる手が、離れてしまうんじゃないかと
一緒に唄うその声が、途切れてしまうんじゃないかと
だから、みんな唄い続けたんだ
目を閉じて、
声が嗄れるまで
かがみ
みんな、目を閉じて唄ってた
っていうか、私も目閉じてたから、ほんとのとこはわかんないけど・・・
一番初めに脱落したのは、つかさだったと思う
ちょっと大声過ぎたしね、しょうがないよ
つかさの脱落が導火線になって、次々と声が止んでいった
目を開けたくなかった
そこには、いつもの4人だけしかいないのかもしれない
もしかしたら、誰もいないのかもしれない
怖かった
ただ走るだけだなんてかっこつけた自分が恥ずかしい
全然目を開けれない
本当に、本当に怖かった
だから、
いつもは聞きたくないあいつの声を聞けたとき、
ちょっとだけ涙が出そうになった
ハルヒ「いつまで目え閉じてるのよ」
ハルヒがつまらなさそうに言った
ハルヒ「何よこれ、全然面白くないじゃない!」
ハルヒがわめきちらす
それを確かめるように、みんな聞き耳を立て、ハルヒの暴れる姿を見つめる
それから自分の手を見つめ、
自分の手が握っている手を見つめ、
自分が握っている相手を見つめる
みんな、そこにいた
最初に動いたのは、やっぱりこなただった
キョンくんに必死に抱きつき、あーあーと泣き始めた
つかさも谷口くんに抱きついた
ぐっちーぐっちーぐっちーと、ただそれだけを繰り返してた
・・・谷口くん、そろそろ気づいてあげなよ?
みゆきはただのひとこともしゃべらなかったと思う
それとも、声が小さかったのかな?
古泉くんの胸を、何度も何度も叩いていた
古泉くんには、みゆきの声が聞こえたのかもしれない
さて、私はというと
男っ気のない連中同士で騒いでたわよ
ハルヒはわけわかんない顔してるし、有希は最初っから騒ぐ気なんてないみたいだったけどね
だから、私が3人分騒いでやった
ええ、ええ、楽しかったし、嬉しかったわ
ほんとよ?
ハルヒ「だから何なのよ!そのアホ顔は!」
かがみ「いいからいいから、あんたもちょっとは騒ぎなさいって!」
ふと思いついて、ハルヒに聞いてみる
かがみ「ねえ、私と最初に会ったときのこと、覚えてる?」
ハルヒ「何よいきなり」
かがみ「私じゃなくてもいい、こなたやみゆきや、つかさと初めてあったときのこと、覚えてる?」
ハルヒはしばらく考えて、
ハルヒ「こないだ読んだマンガの悪役が言ってたんだけどね」
その一言で、私はひらめいた
ほんとに、後にも先にも、私とコイツの息があったのはこの時くらいのものだと思う
ハルヒは得意げに、
私はにやりとして、
こう言った
『おまえは今まで食ったパンの枚数を覚えているのか?』
終わり
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