はる☆すたMTG
3-240氏
「さて、説明してもらおうかしらキョン?」
うだるような暑さだってのに背筋だけ寒いってのは実に気分が悪いよな
事実俺も気分が悪い。
助けを求めるが、朝比奈さんはオロオロとしてらっしゃるばかりで、
まぁそこが今俺が置かれている中の唯一の癒しでもあるわけで、
古泉は相変わらず人畜無害な笑みを浮かべてやがる、あぁ忌々しい、
長門に目で助けを求めるが、氷点下まで冷えきった目をこっちによこす。 OK、現実逃避を兼ねて振り返ってみよう
ことの始まりは三時間前に遡る。
朝起きたときから俺は浮き足だって堪らなかった。
普段感謝しないようなお天道様に感謝し、別に普段と変わらない朝飯がやけに美味く感じたり、
やかましく俺の眠りを妨げる妹にすら古泉顔負けの笑顔をくれてやるようなこともした。
そんなことにはちょっとした理由がある。
今日はMTGの第十版の発売日なのだ。
MTGってのが分からない奴の為に軽く説明しておくと……っとコレはもう他の人が説明してたな。
代わりに十版というのについて説明しよう。
MTGには初心者向けに第~版という基本セットというカードセットが存在する。それには過去の名カードの再録がされたり、ちょっとした玉手箱なわけだ。
ってなわけで俺はずっとこの日のために虎の子を蓄えていた。
意気揚々と1box買いをして店を出たとき、俺は悪夢に出くわしたわけだ。
「ちょっとキョン!!あんた自分がどこから出てきたかわかってるわけ!?」
ええい怒鳴るな忌々しい。大概のカードショップってのはおっきいお友達向けの商品――つまりはフィギュアとかその類を扱ってるわけで、
無論表にはそんなポスターがわんさかと貼ってあるわけで、こんなところから出てくるところを団長様に見つかるってのは正に最悪な訳だ。
済まん、古泉。バイトが入りそうだ。
軽く意識が遠のきかけてきた俺の脇からちっこい頭が顔を出した。
「まぁまぁハルにゃんや、ちょっと許してやってよ」
「ってこなたじゃ無いの。アンタがいるのはまぁ納得できるけど…‥‥」
「別にキョンはフィギュアにもエロゲーにも手を出してないから安心してよ」
「ならどういうことよ」
「とりあえず部室に行かない?」とこなた
こうして話は今に戻る
というわけで俺は自分の趣味を暴露したわけだ。
数少ない幸運と言えば古泉もプレイヤーだったり、こなたがうまくフォローしてくれたことだ。
一通りの説明を古泉から受けると目の前の団長様は目を輝かせてやがる。
やばい、何か出る。
「ならこなた達と対戦しましょうよ」
・・・・・・勘弁してくれ。
「それは良いアイデアですね」と古泉。全文撤回、やっぱりお前はバイト地獄に堕ちやがれ。
肝心のこなたを見れば俺の心配もなんのその、1カートン(10box)をせっせとあけてやがる。
朝比奈さんは面白そうですねーというのが表情をみて分かるし、長門も何となく楽しそうだと思っているようだった。
やれやれ
「わかったよ」
かくして、こなたチームvsSOS団の対戦が始まった。
いつものSOS団式にクジ引きを行った結果の対戦カードは↓みたいな感じだ
古泉 対 白石
みくる 対 つかさ
長門 対 みゆき
ハルヒ 対 かがみ
俺 対 こなた
対戦が決まったのは良いとして、一つ疑問が残った。対戦形式とデッキはどうするかってことだ。
ここの対戦形式ってのは重要で、MTGには様々なルールが存在する。
一般的にはスタン(スタンダート)って呼ばれる形式が流行ってるんだが、残念ながら俺はカジュアル専門。
スタンダートってのは最も新しい2エキスパンション+最新の~版のカードからデッキを組むルール。
カジュアルってのは好きなカードを使ういわゆるカードゲーム式の組み方な。
一瞬シールド戦も思いついたが、いかんせん金がかかりすぎる。
シールド戦ってのは必要最低限の土地だけ用意して、その場でパックを開けて組むっつうルールだ。
あれやこれやと俺とこなたと古泉で相談した結果、ルールはカジュアルに決定した。
次なる問題はデッキだ。金のかけ方が2桁ほど異なるこなたは別として、俺にはサブデッキなんて存在しない。
早速問題にぶち当たったと頭を抱えた俺に古泉が助け船を出した。
「知り合いに元プレイヤーがいるので僕がデッキを何種類か用意しましょうか?」
頼む、古泉。さっきは地獄に堕ちろと思ってすまなかったな。
結局、俺とこなた、それに知り合いがやってたからそれを貰ってくると言った高良さん以外のデッキは古泉とこなたに任せることになった。
後は人数だが、たまたま近くを通りかかった白石を無理矢理引き込んで問題は解消。
古泉とこなたがデッキを持ってくる間、俺は他のメンバーにルールの軽い説明と、ちょっとしたアドバイスなんかをしてるうちに時間はやってきた。
対戦が始まる
本場式にやろうよーと言い出したこなたの意見を採用し、コイントスで先手後手を決めることになった。
「なら僕は表で」と古泉。「なら僕は裏で」と白石。
結果は言わずもかな。裏だ。ホントこういうの弱いな、お前。
先手をとった白石はたどたどしい手つきで森をセット。とりあえず場に出したのは《ラノワールのエルフ》。
コイツはタップするだけで緑が出るっていう初心者から上級者までお世話になるクリーチャーだ。
白石のデッキはこなたのものであるとこらへんから考えると大型ののクリーチャーで押し切るストンピィあたりか?
さて、後手の古泉、フェアリーの集会所を出してターン終了。
この土地はクリーチャーにもなってくれる上にマナまで出してくれるっていう便利な奴だ。
俺も古泉とはやり合ったことはないが、あいつの性格を考えればパーミッションの可能性が濃厚だな。デッキの説明は追ってやる。
白石のターン、ずっと俺のターン!!…すまん冗談だ。さらに森をセット。《灰色熊》を召喚。コイツは2/2のクリーチャーで何の能力もない。
初心者にはもってこいのクリーチャーだな。ちなみに説明書でよく《ショック》、今なら《火葬》の餌食になる可哀想な奴でもある。
さらにエルフでアタック。コイツのパワーは1だから古泉のライフは残り19。
古泉のターン。島を場に出してターン終了。
返しの白石のターン。森をさらにセット。3枚タップ+ラノワルで出た4マナを使って《貪欲なるベイロス》を召喚。
コイツは4/4な上にビーストを生け贄にすると4点ライフ回復とコストパフォーマンスがブッ壊れている奴だ。コイツを出されると流石にやばい。
しかし古泉は始終いつものスマイルを浮かべてやがる。やっぱりなと俺は次の言葉を聞いて確信した。
「すみませんね、《目くらまし》です」
目くらましってのは相手に追加コストを払わせるタイプの打ち消し呪文。残念ながら追加コストが払えない白石のベイロスは打ち消された。
うーん、上手い。先ほど俺が言ったパーミッションと言うデッキはデッキの大半を打ち消し呪文とドロー(カードを引く)呪文で構成したデッキだ。
このタイプのデッキを扱うのは相当なポーカーフェイスと先読みと知識が必要なんだが、確かに古泉にぴったりなデッキだ。
「まずいなー」と白石。なんだか窓の外を必死に気にしてるようなんだが……、誰か居るのか?
とりあえず熊でアタックしてターン終了。古泉残りライフ17。
さて、古泉のターン。と言いたいが、この手のデッキだと島出すだけなんだよな。
白石のターン。森をセット、手札が寂しいことに成ってることに気付き森x4で《調和》をプレイ。
コイツは緑なのに3ドローっていうカードだ。ちなみにイラストがひろゆきに似てる。
興味のある奴は(http://ww2.wizards.com/gatherer/CardDetails.aspx??set=Planar%20Chaos&name=Harmonize&ver=1)を見てくれ。
「《対抗呪文》です」
鬼畜だな、古泉。情け容赦なく調和は打ち消される。「負けたらあきら様に殺される」と訳の分からないこと呟きつつ熊とエルフで殴って白石のターン終了。
「すみませんがエンドに対応して《渦巻く知識》を使わせてもらいますよ」
コイツは3枚引いて2枚手札からデッキの上に戻すってカード。ちなみに相当強力なドローだからこれから青始めようって人は持っておくと良い。
古泉残り14。
さて、古泉のターン。
「島2枚タップして集会場をクリーチャー化します」コレで一時的に集会場は2/1で飛行を持ったクリーチャーと化したわけだ。
飛行ってのは飛行を持たないクリーチャーにはブロックされないって言う能力な。
「集会場でアタックしてターン終了です」白石残り18。
さて、白石の方を見てみればなんだか顔が青ざめてやがる。確かに手札がほとんど無い上、相手が相手だから仕方ないがちょっとおかしくないか?
3秒後、俺は白石の気持ちを理解した。詳しいことは聞かないでくれ。俺が消される。
森をセット&エルフと熊で殴ってターン終了。古泉残り11。ちょっと不味いな、古泉。
「エンドに対応して《蓄積された知識》を使います」
コイツは最初は1ドローなんだが、墓地に同じカードが貯まるにつれてドローが多くなっていくっていうカードだ。コレも良いカードだから覚えておくと良い。
「平地セット。島2枚をタップして《等時の王笏》をセット。《オアリムの詠唱》を刻印します」
等時の王笏ってのは場に出たとき、2マナ以下のソーサリーを「刻印」することが出来るカード。要は2マナ払ってタップするだけで刻印した呪文が何回でも使えるカードって訳だ。
さて、白石のターンだが、《オアリムの詠唱》+王笏の恐ろしさってのを改めて俺は実感した。
「すみませんが、王笏を起動して詠唱を使います」
オアリムの詠唱の効果ってのは「プレイヤー1人を対象とする。このターン、そのプレイヤーは呪文をプレイできない。
キッカー・コストが支払われていた場合、このターン、クリーチャーは攻撃に参加できない。
要は相手の公道を完全にシャットアウトする呪文だ。コイツを何回も回されるとマジで泣きたくなる。哀れ、白石。
流石に自分の先の展開を悟ったのか「投了です」と白石。お前は頑張った、何の未練もなくあの世に行ってこい。
トボトボと白石がドアから出た後、「何で負けたんだこのアホがッ!!」とか「調子に乗ってるんじゃないわよッ!!!」とかいろいろ聞こえたがアーアー聞こえなーい。
さて、第二戦目だ
朝比奈さん対柊(妹)だな。
ある意味一番の好カードなんだが……試合になるんかな。
コイントスの結果、朝比奈さんの先手が決定した。
たどたどしい手つきで平地を出す朝比奈さん、ちょっとした絵になるなコレは。
「すみませんが、少し目線を外してください」
ええい、耳元で囁くな気色悪い。で、何だよと聞こうとした矢先意味を理解する。
古泉が親指でクイッと指した先に居たのはいかにも不機嫌な団長様の面だった。
おk把握した。流石に今日のお前には恩があるからバイトは増やさせないさ。
結果的にどうなるかはわからないけどな。
さて、柊(妹)のターン。こっちも平地を出して…‥。次に俺は柊(妹)が出したカードに愕然とした。
正直俺はこなたの財力を舐めていた。柊(妹)が出したカードは《今田の猟犬、勇丸》。
コイツはたった白1マナのくせに先ほど出てきた灰色熊と全く同じ能力を持つっていう化け物だ。
そのかわりに伝説っていう欠点があるんだがな。伝説ってのは同じカードが出せなく能力。
つまりは二枚目の勇丸の心配はしなくて良いってことだ。
ふぇぇとおろおろする朝比奈さん。うーん可愛らしい。平地をセットしてタップ。
「えーっと《レイモス教の副長》を召喚します」
コイツはいわゆるリクルート能力、つまり仲間のレベルを呼ぶことが出来るクリーチャーだ。
特にコイツは厄介で…‥これは後の楽しみにとっておこう。
返しの柊(妹)のターン。
「平地をだして、2枚タップ《白騎士》召喚だよ~」
柊(妹)のデッキはウィニーらしいな。小型のクリーチャーで押し切るタイプのデッキだ。ファイル共有とは関係ないぞ。
「あとは勇丸で攻撃っと」朝比奈さんのライフ残り18。
「平地をセットして……3マナタップ。《果敢な先兵》を召喚です」
古泉の奴、意外にエグいデッキを渡したな。コイツはブロックないし攻撃したときにバトルしたクリーチャーを破壊する能力を持っている。
つまり一回ぽっきりの無敵のブロッカーって訳だ。しかもコイツは有るカードと組み合わせると無限に復活する。遊戯王とは関係ないからな。
あとは副長でアタックして朝比奈さんのターン終了。柊(妹)のライフ残り18。
柊(妹)はさらに平地をセット。2マナタップして《十字軍》をセット。・・・・・・こんなのまで入れてるのかよ、こなた。
コイツは全ての白のクリーチャーを強化するエンチャント。つまり今の柊(妹)の場の勇丸は3/3に、白騎士も3/3になったわけだ。
「さらに《サバンナ・ライオン》を召喚して全軍で攻撃だよ」先兵で勇丸をブロックしても朝比奈さんのライフ残り15。正直無理じゃね?
さて、愛しのマイエンジェル朝比奈さんのターン。
さらに平地・・・・・・おいお前もか、古泉。朝比奈さんがセットしたのは「平地」では無かった。
《ガイア揺籃の地》、場にいる自分のクリーチャーの数だけ緑マナを出す化物カードだ。
今朝比奈さんの場に居るのは副長だけだがな。さらに4マナタップして副長の能力を起動、朝比奈さんが出したカードは《果敢な勇士リン・シヴィー》。
レベル独自のリクルート能力に加え、墓地からレベルをデッキに戻すという効果を持ったレベルデッキの切り札だ。
コイツ+先兵ってのはかなり厄介な守りなんだが、さてどうなるかなっと。
そのまま朝比奈さんはターン終了。
まぁ相手の白騎士を考えれば妥当な選択だな。
奴には先制攻撃の能力がある。 先制攻撃は読んで字のごとく先制攻撃な能力で、要は一方的に殴られる能力だ。
さて、柊(妹)のターン。
平地をセットして3枚タップ、《栄光の頌歌》。コイツは前に出てきた十字軍とほぼ同じ効果だが、自分のみ効果がある。つまり白騎士は4/4、ライオンは4/3って訳だ。
追加で《アイケイシアの投槍兵》を召喚&全軍攻撃。対する朝比奈さんはライオンを先兵でブロック。
朝比奈さんの残りライフ11。
場をじっくりと見てみれば互いの手札はもう0近く、場を見ればほとんど消耗戦。正直俺にも先はわからん。
返しで朝比奈さんのターン。
土地を出さずに土地3枚をタップして《レイモス教の兵長》2枚目の副長を召喚。さらにガイアをタップ。
クリーチャーは兵長+副長x2+リンシヴィーだから 4マナ。 「これが切り札ですよぅ《革命家、チョーマノ》を場に出します」
コイツには一切のダメージを無効にする能力がある。つまりは騎士を止めることが出来るようになるってわけだ。 さらに副長でアタック。
柊(妹)のライフ残り15。 柊(妹)のターン。
「私も切り札をだすよー。《セラの報復者》召喚。」
コイツは4ターン目から召喚できるっていう特殊なクリーチャーなんだが、2マナにして3/3(まぁ今は強化されて5/5だが)+飛行+警戒(攻撃に参加してもタップしない)という破格の能力をもってやがる。
そして白騎士と投槍兵でアタック。対して朝比奈さんはチョーマノで騎士を、兵長で投槍兵をブロック。さらに柊(妹)は投槍兵をタップして能力を起動して一点朝比奈さんにダメージを飛ばす。
結果的に言えば朝比奈さんの残りライフ10。
朝比奈さんのターン。
平地3枚をタップし副長の能力を起動して《長弓兵》を場に出す。さらにガイアをタップ。
クリーチャーは5体だから5マナ。 リンシヴィーをタップして《レイモス教の空の元帥》を場に出す。
元帥は3/3のクリーチャーで飛行持ちだ。長弓は先制攻撃+飛行をブロックできる。
さらに副長でアタック……正直朝比奈さん、あなたこのゲームをやりこんでますねッ!
柊(妹)の残りライフ12。 そしてターン終了。形勢は五分五分ってところだな。
柊(妹)のターン。
《陽光尾の鷹》を召喚し、報復者と騎士でアタック。だが報復者は長弓に、騎士はチョーマノに攻撃を阻まれる。そのままターン終了。
さらに朝比奈さん、土地を1枚セットして3枚タップ。リンシヴィーをタップして《果敢な隼》を場に出す。さらに副長x2+元帥で攻撃。
柊(妹)報復者で副長をブロックする。 柊(妹)の残りライフ5。
こりゃぁ勝負は見えたな。 柊(妹)は3体で攻撃する物の、朝比奈さんは鷹のみ攻撃を通す。残りライフ7。
最後の朝比奈さんのターン。全てのクリーチャーでアタック。
柊(妹)の残りライフ0。 なんと朝比奈さんの勝ちだった。恐ろしいこともあるもんだな
22の続き、
頭が回ってないからおかしいのは堪忍、長門のしゃべり方難しいなww さて第三戦目、長門対高良さん。
ぽわわんとしてる高良さんが、長門の相手になるのかと正直疑問だったんだが、杞憂だということがすぐに判明した。
コイントスの結果先手を取った高良さんは普段とは違っていて、なんて言えば良いんだろうな、オーラ的な物が見えるような気がした。
なんでもこなたの話だと「みゆきさんは時々熱中するとあーなるんだよ~」とのこと。こりゃあ良い勝負が見れそうだ。
視点を対戦に戻そう。先手沼をセットした高良さん。
「沼をタップして《暗黒の儀式》。さらに出た3マナで《ネクロポーテンス》をセット。ターン終了です」
ちょwwwネクロッスかwww。ネクロってのはライフをドローに変えるエンチャントなんだが、扱いが異常に難しいカードだ。まさかこんなところで見れるとは思わなかった。
対して長門、「沼、ターン終了」全くデッキが読めん。
「ネクロに7点払って7枚除外。さらに沼セットして1枚タップ。《象牙の塔》セット。さらに沼タップして《暗黒の儀式》、《ファイレクシアの抹殺者》を召喚しますターン終了です」
高良さんの残ライフ13。
象牙の塔ってのは毎ターン開始時に手札の枚数-4だけ回復するアーティファクト。ネクロとのコンボは極悪と言っても良い。
抹殺者は3マナにして5/5、トランプル。
デメリットとしてはダメージが与えられる度に場のカードを犠牲にしなきゃいけないことだ。
返しの長門のターン。「Bazaar of Baghdadセット。タップして2ドロー、3枚捨てる。ターン終了」
Bazaar of Baghdadってのは土地なのにタップするだけで2ドローってカードだ。 その代わり3枚捨てなきゃ行けないってのが辛いところだけどな。
126の続き
高良さん、アップキープ開始時に手札7枚だから3点回復。残ライフ16。
「ネクロに3点払って3枚除外。沼をセットして2枚タップ「Hymn to Tourach」です。」
Hymn to Tourachはたった2マナなのに相手の手札を2枚捨てさせるっていう極悪カード。
これで長門の手札は2枚。
「さらに1マナタップして《強迫》。手札の《動く死体》を捨ててください。さらに抹殺者でアタック」長門の残ライフ15、高良さんの残ライフ13。
返しの長門のターン。
「島、沼タップして《吸血の教示者》。ターン終了」吸血の教示者はライフ2点を犠牲にして好きなカードをサーチするカードだ。
アップキープ開始時に手札7枚だから3点回復。残ライフ16。
「ネクロに5点払って5枚除外。《陰謀団の貴重品室》をセットして沼3枚タップ。貴重品室の能力+沼の1マナで4マナ。
《ネビニラルの円盤》をセットします。さらに抹殺者でアタック」
貴重品室の能力ってのは自分の沼の数だけ黒マナがでるっつう能力。起動に2マナかかるのが欠点だけどな。
長門の残ライフ8、高良さんの残ライフ11。 対して長門、手札が一枚しか無い。そのままターン終了。
高良さんのターン。手札10枚だから6点回復。残ライフ17。
「《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》をセット。沼2枚タップして貴重品室の能力で5マナ、さらにアーボーグと沼1枚タップして7マナ。
X=5で《生命吸収》を使用します。さらに抹殺者でアタック」長門残ライフ0。
高良さん、貴方エグ過ぎです。
ここで一つ解説すると、アーボーグの能力は「全ての土地は「沼」でもある」という能力。つまり貴重品室の能力とベストマッチってわけだ。
対戦終了後、俺は長門の手札をのぞいてみた、ちょっとした好奇心って奴だ。
そこで握られてたのが「沼」だったりしたら俺は安心できたんだが、実際はそうじゃなかった。 長門の手札に握られていたのは「ネクロマンシー」。
墓地には《世界喰らいのドラゴン》も《ラクァタス大使》も落ちてたからあのターンで長門の勝ちなハズだ。
「おい長門、どうしてあのとき勝とうとしなかったんだ?」
「もしここで私が勝てば涼宮ハルヒは自らの出番が無くなったことで不機嫌になり確実に閉鎖空間を展開する。ならばここは負けた方がいいと判断した」
なるほどな、確かに一理あると納得する一方、納得できない自分がいる。
何となくの話だが、長門は俺の対戦を見たいんじゃないかと思う。
あの氷点下よりは少し暖まった目の中にそんな意志が少しだけ見えた気がしたからだ。俺の自意識過剰か?