空腹

53-408
ID:QLdccUIuO 氏

夏休みも半ばを過ぎ、そろそろ宿題の心配をしなくてはならなくなった頃、
俺達「涼宮ハルヒとその愉快な御一行」は毎日のように遊んでいた。
一体、いつ勉強してるんだ?
「あんなの一週間あれば十分じゃない、溜めるほうが悪いのよ!」
確かに正論かもしれんが……
「良い事であるとは思いませんか?」
古泉、顔を近付けるな。暑いんだよ、夏場に。
「現に、僕たちは夏休みを楽しめています。あなたもそう思うでしょう?」
確かに、今年もまた朝比奈さんの水着姿も見れたし、長門と一緒に図書館に行ったし……
「閉鎖空間の発生もありませんし、夏休みが無限ループしてもいません。無事、楽しい夏休みを過ごすことが出来て、僕も安心してるんです」
だからこそ、心配なんだ。また何か起こるんじゃないかって……
「その時はその時です。今は限りある時間を思う存分楽しみましょう」
俺達の目の前ではハルヒ以下略の面々が釣竿を持って釣り堀を睨んでいる。30分程経ったが、ニジマスはニ尾しか釣れていない。
「あーもう!これじゃあお昼ご飯食べられないじゃない!」
そう、コイツは「ニジマスの塩焼きを御馳走する」と言って、俺達を連れてきたのだ。
「お腹、すきましたぁ……」
「……徐々に」
もういいだろ。さ、早く帰ろうぜ。
「まっまだよ!絶対五人分用意するんだから……」
ぐぅぅぅ……
どうやらコイツも限界らしい。
「つ……っっっ!」
もはや声にもなっていない。こうして、私の大切な団長様は、顔を真っ赤にして退却命令を下したのだった。

このように、楽しい夏休みを過ごしていた訳だが、この時の俺達は昔のえらーい人が残していた言葉をすっかり忘れていた。
『二度ある事は三度ある』と。
家に帰った俺は宿題をする事もなく、ベットに寝転び漫画雑誌を開いた。
「キョンくん、なによんでるの~?」
我が妹よ、お前はこれを知らない方がいい。
これはな、一部の人が読むようなモノであって、お前が読むようなモノではないんだ。
「こぉ、ん、ぷぅ、てぇ、い、くぅ?」
ああ、そうだ。
あの団長様がいらないからって寄越したんだよ。
「う~ん。よくわかんな~い!」

賢明な読者の諸君であれば、すぐに分かるだろう。
登場人物が揃っていない事に。
これから俺に降りかかる出来事も。
そういえばまだだったな、
…異世界人が
ジーッ(=ω=.)


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最終更新:2007年10月04日 23:28
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