53-144氏の作品
グロ、ヤンデレが含まれ過ぎているので嫌いな方、それとキャラが著しく崩壊しているので、ハルヒ、かがみ好きは絶対に見ない方が良いと思われます。
水の滴る音が聞こえた。
とても良い響きでとても恍惚な気分にさせてくれる。
その水はあたしの腕を伝いゆっくりと地面へと落ちていく。
生暖かい感触が残り、私の気分をより一層に高めてくれた。
「ハ、ハルヒ……」
なんでそんな怯えた目で私を見るの?
ようやく二人きりになれたのに、なんであなたはそんなに怖がっているの?
ああ、そうね。まだ目が覚めていないんだわ。だったら早く目を覚まさせて上げないとね。
「や……めろ……」
あたしの腕の中にある金属バットを大きく振りかぶり
グシャリと肉の潰れる音が耳の中に入ってきた。
腕に伝わってくる何とも言えない感触と飛び散る水の音がとても心地よい。
さあ、これで目が覚めたわよね
キョン
あたしは廊下を走っていた。もちろん一刻でも早くキョンに会う為だ。
放課後になってからあの馬鹿教師の岡部に呼び出されて二時間もキョンと離れ離れになっちゃった。
これは由々しき事態だわ。愛する二人は一秒だって離れちゃいけないんだから。
キョンだってきっと寂しがっているに違いない。だから彼の待つ文芸室まで一直線に走った。
「みんな居る!?」
思い切り文芸室のドアを開けて中に入る。
そこにはいつもの様に微笑を浮かべながら机の上でボードゲームをしている古泉くん。
部屋の隅で静かに本を読んでいる有希。あたしが部活中には絶対に着るように言い付けておいたメイド服を着ながらお茶を淹れているみくるちゃんが居た。
でも、いつもは古泉くんと一緒にゲームをやっているキョンの姿が見当たらない。
「キョンは来てないの?」
おかしいわね。教室を出る時は確かに文芸室に行くって言っていた筈なのに。
その疑問に古泉くんが少し歯切れの悪い物言いで答えてくれた。
「彼なら用事があるから先に帰るとの伝言を預かっていますよ」
キョンがあたしを置いて一人で帰った……?
そんな、愛するあたしを置いて一人で帰るなんて……ああ、そうだわ。
あたしの居ないSOS団に居ても詰まらないだけだものね。だから先に帰ったんだわ。
キョンったらあんまり我慢強くないんだから。
その日はもう解散するように告げてあたしも家へと戻った。
だってキョンが居ないSOS団なんて居ても意味が無いものね。
次の日。
早めに学校に来てキョンが来るのを今か今かと待ち受けていた。
一分一秒でも早く会いたい。そんな気持ちばかりが強くなる。キョンもきっと同じ気持ちで居てくれているわ。
だって昨日の放課後からずっと会っていないものね。
席に座りながら窓の外を眺めているとキョンが歩いてきたのが見えた。
同じクラスの柊かがみを連れながら。
あれ? なんであの女がキョンと一緒に登校してきているのかしら?
しかも仲よさそうに腕まで組んでいるなんて……
おかしいわ、おかしい。
何が起こっているのかしら? なんでキョンがあの女と一緒にいるの?
ああ、そうだわ。あの泥棒猫がキョンを誑かしたのね。
許し難い事ね。私の、私だけのキョンを奪おうとするなんて。
だからあの躾のなっていない猫は死刑にしないといけないわね。
その日の放課後。
柊かがみの靴箱に放課後に屋上まで来て欲しいと書いた置手紙を忍ばせておいた。もちろん名前はキョンにしておいてね。
馬鹿な猫はまんまと引っ掛かって来る筈だわ。
「キョンくんいる?」
ほーら、やっぱりやって来た。
丁度あたしの姿は影になって見えない所に居るからね。
気付かれないようにゆっくりと柊かがみの後ろに立つ。そして、前の野球大会の時に野球部から貰った金属バットを大きく振りかぶる。
「だれか居る――」
手に肉を叩き潰した時のような感触が伝わってきた。
ああ、なんて気持ちい感覚なのかしら。これは病みつきになりそうだわ。
「す、すずみや……さ……」
何かを言おうとしたみたいだけど、関係ない。
あたしのキョンを奪おうとした罰よ。一生後悔しなさい。
ああ、でももう死ぬから後悔する暇すらないわね。
何度も何度もバットを振り下ろす。
その度になんともいえない快感が身体中を駆け巡っていった。
気が付けばあたしの前には肉の塊に変わった柊かがみが横たわっていた。
四肢は曲がってはいけない方向に捻れ、顔の形は原型が残らないぐらい潰れている。
「あは……あははははははは」
だけどなんでかしら、その姿を見ると笑いが込み上げて来る。
信じられないくらい気持ちの良い一時だったわ。
そうだ、この醜い姿をキョンにも見せてあげよう。そうすれば、キョンも目を覚ますわ。
ずっと、ずーっと私を見てくれるようになるわね。
だから、待っていてね。
キョン
「涼宮
貞ハルヒの恍惚」
END
最終更新:2007年10月07日 11:08