こなた「頬を撫でる冷たい風」
キョン「遠くなった青空」
こなた「高くなった雲」
キョン「爽やかな金木犀の香り」
こなた「土手を行き交う赤トンボ」
キョン「秋だな」
こなた「秋だねぇ」
キョン「秋といえば」
こなた「秋といえば?」
キョン「メシが美味くなる季節だな」
こなた「栗に柿に松茸に秋刀魚etc…ああ考えるだけでお腹空いてきたヨ」
キョン「松茸は数えるくらいしか食べたことないな」
こなた「私も。香り松茸味シメジって言うしネ」
キョン「キノコっていえば、この季節は毒キノコの中毒事案が多いよな」
こなた「ねえねえキョンキョン、このキノコって食べたら背が高くなるかな?
某配管工のオヤジみたいに」
キョン「それはベニテングタケっていう幻覚作用がある毒キノコだ」
こなた「塩に漬けて食用にする地方もある」
キョン「素人が手を出すなって」
こなた「私もキョンキョンくらい背が欲しい!背が伸びたい!」
キョン「ベニテングタケ食べても背は伸びんわ!」
こなた「ぶー。じゃあこれで我慢するよ」
キョン「なんだこれは。緑色のベニテングタケ?」
こなた「食べると私が一人増えるかな?」
キョン「マリオから離れようか」
ハルヒ「…という訳で古泉君にキノコ狩りのできる山をチャーターしてもらったわ」
キョン「どういう訳だ。俺の週末が…」
こなた「ネトゲのイベントが…」
ハルヒ「うっさいわね。家でグダグダするより秋の山を堪能するほうが有意義だと思わない?」
みくる「いやあ、空気がおいしいですね」
みゆき「森林浴もいいものですね」
こなた「あ、栗とザクロがなってるヨ」
キョン「あけびもあるな。少しいただいておくか。どれどれ…」
長門「…(モグモグモグ)」
キョン「…早ッ!長門、もう喰ってるし!」
こなた「ながもん、いつ採ったのさ?」
古泉「楽しんで頂いているようで何よりですね」
つかさ「ねえねえお姉ちゃん、このキノコなんだろうね?」
かがみ「これはシメジじゃない?」
つかさ「へえ、天然のはスーパーで売ってるものより大きいんだね」
みくる「あっ!あそこにあんなに大きい松茸がありますよ!」
みゆき「これは…松茸によく似た、バカマツタケと言われる種類ですね。
食感が普通の松茸より少々劣るらしいですが、それほど差はないみたいです」
キョン「二人ともよく知ってるな」
かがみ「いや、まあ、そんなこと…ねえ?」
みゆき「偶々ですよ、偶々」
かがみ「(本当は図鑑とか見て下調べしてたんだけどね!)」
ハルヒ「ちょっと、あそこのあたしみたいに真っ白で可憐なキノコは?」
キョン「…突っ込まんぞ」
長門「あれは(モグモグモグ)ドクツルタケという(モグモグモグ)猛毒のキノコ(モグモグモグ)
摂取したら(モグモグモグ)死亡する可能性が(モグモグモグ)とても高い(モグモグモグ)
採取するのは(ゴックン)ふぅ…推奨しない」
こなた「ながもん、食べ終えてから話そうヨ」
キョン「ぷっ、くくく…なるほど、ハルヒらしいキノコだな」
ハルヒ「うーうるさいうるさいうるさい!」
かがみ「キャラが違うわよー」
キョン「ところで朝比奈さん」
みくる「はい、何ですか?」
キョン「オーバーオールという服装はいいのですが、そのタヌキ耳の付いた帽子と尻尾は…」
みくる「あ、あの…これは…」
ハルヒ「ああ、あたしが着せたのよ。よく似合ってるでしょ?尻尾マリオのコスプレ」
キョン「こんな時までお前は…。というか、なにゆえにマリオ?」
ハルヒ「だってキノコって言ったらマリオじゃない」
キョン「泉だけじゃなくお前もか」
みくる「動きやすくていいですよ、これ。付け髭はちょっと恥ずかしいですけど…」
キョン「こいつの言うことに全部付き合う必要はありませんよ」
長門「…」
こなた「ながもん、そんなとこに屈みこんでどうしたの?」
ポフポフポフポフポフポフ
長門「ユニーク」
みゆき「ああ、それはホコリタケですね。衝撃を受けると胞子をまく面白いキノコです」
長門「…」
ポフポフポフポフポフポフ
長門「ユニーク」
キョン「そうか」
こなた「不覚にも萌えた」
ハルヒ「ええ、あたしも」