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谷口の考察

俺は今二人の男と机を並べ昼飯を供にしている。何が悲しくて野郎となんざ一緒に飯食わなきゃなんねんだか

「どうしたの谷口? 珍しく難しい顔して」

こいつは国木田。俺のクラスメイトであり一年の頃からつるんでるダチで、なんというか毒にも薬にもならんような奴だ。

ちなみに谷口ってのは俺の事だ。
超絶美少年谷口といえば知らない奴はいないってぐらいの有名人だぜ?

「何でもねーよ。ちょっと考え事をしてただけだ」

俺は言葉に含みを持たせて答える。かっこいい男ってのは謎が多いもんだからな

「なんだ谷口、お前でも悩んだりするのか。 どうせ女関連だろうがな」

……畜生俺の偉大な考えが読めない愚か者め、台なしじゃねえか。
こいつはキョン。国木田と同じく一年の頃からの仲だがこいつは中々のくせ者だ。
別にイケメンってわけでも性格が無茶苦茶いいってわけでもないのに何故か女が寄ってくる。
まず涼宮だ。こいつはとんでもないワガママ女で中学の頃は俺も苦労したもんだが驚くべき事にキョンは涼宮を落としやがった。
よくわからんが一年のゴールデンウィーク明けにキョンが涼宮に話しかけて何かいったのが原因らしい。
羨まし……いやいやいや俺は何を言ってるんだ? あの涼宮の暴挙を受けなくなったんだからここは喜ぶべきところだろうが俺よ
それで涼宮はキョンを巻き込んでSOS団なんてものを作っちまいやがった。
しかもSOS団には俺的美的ランキングAマイナーの長門有希と我が校のマドンナ朝比奈みくるさんがいると来たもんだ。
最近人数が増えて同学年の泉こなた、柊かがみとその双子の妹つかさ、物知りな高良みゆきが入ったらしい。
ハーレムにも程があるってんだろ! やってらんねえよちきしょう……
更にこいつは泉達を通じて一年の小早川ゆたかや岩崎みなみその他とも交流があるっていうしよ……。
それに俺の見立てでは泉達四人は少なからずキョンに好意を持ってやがる。
……くそう。俺が神なら絶対こいつに天罰下してやるのに
ちっ、こんな事言っててもしょうがねえ。とにかくキョンが何でもてるのか徹底検証だ。






所変わってここは土曜日の北口駅前。いつも涼宮率いるへんてこ集団が集合場所としている場所だ。

「ねえ谷口? 僕はこんな事はやめといた方がいいと思うよ」

「うるせえ、俺はあいつの秘密を探らなくっちゃ気がすまねえんだよ」

国木田が反対してきた。つーかなんでこいつも付いてきてるんだよ

「秘密? 秘密って何の?」

「あいつがあんなに女にモテるなんておかしいだろ? 絶対何か秘密があるに決まってる」

「キョンにはそんなものないだろうから諦めた方がいいと思うよ?」

「いーやある! 無いわけが無いだろう。じゃなきゃあいつが何であんなにモテるのか説明がつかねえ」

「まぁ谷口の場合体感した方が分かりやすいかも知れないね。とにかく僕も付き合うよ、面白そうだし」

ちっ、付いてこなくていいっての
まぁいい今はとにかくキョンの調査だ。
どうやらもうキョン以外の連中はそろっているらしい。さっきから涼宮がえらい形相をしてどこかを睨んでいる。
っと、キョンが来たな。丁度涼宮が睨んでた方向だ。
キョンは遅れてきた事に詫びを入れたようだがそれに対して涼宮が怒鳴り散らしている。

「おい国木田」

あの光景に少し思うところがあった俺は国木田に話しかけてみた。

「なに?」

「お前アレ見てどう思う?」

「仲がいいね」

「やっぱそう見えるか」

だよなぁ……。やっぱイチャついてるよなぁ、何でキョンばっかり……
おっと沈んでてもしょうがねえ、どうやら涼宮達は移動するらしいな。
俺は国木田に「行くぞ」と声をかけ連中の後を追っていった。



そしてここは駅の近くの喫茶店前だ。奴らはいつもここで打ち合わせをしてるらしい。
前にキョンから聞いた話によるとここでチーム分けをしてそれから不思議探索とやらへ向かうそうだ。
おっ? 出てきた出てきた。

「なんかよく分からんがキョンの奴妙に疲れた顔してないか? それに女どもも変なふいんきだぜ」

「雰囲気だよ谷口」

「う、うるせえわざとだよわざと」

どうやらキョンは古泉とかいうイケメン野郎と同じチームらしい。それで女子連中は不機嫌になったってわけか
……忌々しい野郎だ。そんなことで嫉妬をかうなんざあのイケメンもたまったもんじゃねえだろうなぁ

「キョンたち、これからバラバラになるみたいだけど僕たちは誰について行くんだい?」

「とりあえずキョン以外だな。男二人を尾行するなんざ俺はごめんだ」

「グループ分けはキョンは二人組みで、涼宮さんとあのちいさな娘、それからピンク髪の眼鏡の人の三人。それと残りの四人みたいだね」

「残りの四人てーと柊姉妹に朝比奈さん、長門有希だな。よし決まりだ」

「どれにするの?」

「もちろん朝比奈さんがいるグループに決まってんじゃねえか。そうでなくても涼宮を尾けるなんて嫌だからな」

俺がそう言うと国木田はため息をつきながら

「谷口もなんだかんだ言って素直じゃないよね」

なんて言いだしやがった。失礼な奴だ、俺ほど純粋で穢れの無い高校生なんていやしないってのによ



てなわけで俺たちは花の女子高生四人組を追跡してるんだが……

「ねえ谷口? 僕さっきからなんだか悪寒がするんだけど……」

「奇遇だな、俺も感じるぜ。しかも少しづつ強烈になってきてやがる」

「もう帰らない? このままいくと取り返しの付かない事になる気がするんだ」

国木田がいつもののらりくらりとした笑顔を微妙に強張らせながら言う。だが俺にも譲れんことがあるのさ。

「い、いーや帰れん! 少なくともキョンの奴が他の連中をどう思ってるか確かめるまでは帰れん!」

俺がそういった途端変な感覚が突如消滅していた。

「あ、あれ? やな感じが消えやがった。なんだってんだ一体?」

「本当だね。でも今のでなんとなく分かったよ、さっきの感覚の主が」

「あん? 何でだ?」

「感覚が消える直前に谷口が言った言葉から推測しただけだよ」

「つまりどういうことだ?」

「だからこういうことだよ。谷口はキョンの好きな人が誰か判るまでは帰らないっていったでしょ? つまり……」

そこまで言ったところで国木田が急に口ごもりはじめた。まるでさっきと同じ感覚を受けているみたいな顔をしている。

「おい国木田、どうしたんだ?」

「どうやらこれ以上は言わない方がいいみたいだね、後は自分で考えてよ谷口」

相変わらずよく分からん奴だぜ
まあいいか、とにかく四人を追跡しなきゃな……ってあれ? あいつらの進んでる方向にいるのって……

「あれ? あれはキョンと古泉君……だっけ? の二人だね」

国木田も気付いたらしいな。
そうだ、あのうだつのあがらない顔といけ好かないイケメンは確かにその二人だ。
てか何でここに?

「ねえ、あれ涼宮さん達じゃない?」

国木田がキョンたちのいる方とは別の方角を指差して言っている。
そっちを見てみると確かにあの迷惑極まりない女と、その隣を歩く青髪のちびっ子、それとその二人の後ろを金魚の糞みたいについていく眼鏡っ娘がいた。

「だな。だが何であいつらまでいやがるんだ?」

「多分僕たちと同じじゃないかな」

「俺達と同じ?」

「つまり彼女たちも気になってるんだよ、キョンは誰が好きなのかってね」

そういうことか。……畜生、話はわかったが納得いかねえ
俺なんて……俺なんてよぉ、毎日必死こいてモテる努力してんだよ
なのになんだってんだよ、キョンばっかりよお……あいつはいつも無気力っぽいし別になんかしてるわけじゃねえじゃねえか……
もし神様ってのがいるんならこんな不公平なことやめてくれよちきしょう……

「まあまあ谷口落ち着いて。そうだ、どこか食べに行かない? 今日は僕がおごるよ?」

「くっ……すまん、国木田」

「そんなこといいっこなしだよ谷口。一応僕たちは友達だからね、さすがに放って置けないだけだよ」

国木田はそういって俺に笑いかける。

「さあ早く行こうよ。じゃないと僕の気が変わっちゃうかも知れないよ?」

「そりゃねーだろ~。んじゃあ行くとするか、今日は食うぞ~」

「はいはい、まったく現金だね」

「おうともさ、俺は現金が好きなんだ」

そんな会話をしつつ、俺達は街の雑踏の中に消えていった……

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最終更新:2007年11月18日 09:41
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