ピピピピピピピ
カチッ
いつも規則正しく朝の時間を告げる目覚ましを止めた。
カーテンの向こう側はまだ白み始めたばかり。
なぜこんな時間に私が起きるのか?
それは妹を起こす為だ。
妹は目覚ましが鳴れば無意識に止め、声をかけると無意識に返答して眠るという性質があるため、間違いなく私が起こすのだ。
なのに彼氏に昼食を作ると約束をしているらしい。せめて自分で起きれるようになってからそういう約束をしてほしいわね。
私はまず自分の目を覚ます為に顔を洗う事にした。
途中、洗面所に向かう間に母親にあった。「おはよう」「おはよー」
さて、顔を洗って髪を梳いていつもの髪型にしたら妹を起こす。
「つかさー?もう朝よ?」
「うん……大丈夫」
こういった返事は絶対に大丈夫では無いのだ。
「古泉君のお弁当作るんでしょ?」
私がそう言うとさっきまでのうたた寝していた顔が嘘のようにパッチリと目を開けた。
布団をガバッと除けて急いで枕元の時計に手を伸ばす。
「あわ……」
みるみるうちに顔が青ざめた。
「お、お姉ちゃん!?ギリギリだよ!?」
「私はちゃんと今起こしたわよ?」
「それじゃ間に合わないって私言っ………て無い!夢の中だ!」
どたどたと慌ただしく台所へと駆けていく妹。
あんなに慌てて転ばないかしら?
ガシャーン!!!
「痛ぁーい!!!!」
ほらね。
台所で「ふぇ…もう駄目…」だの「昨日仕込み忘れた!?」だの聞こえる中私はあらかじめ用意されていた朝食に手をつける。
テレビを点けると丁度朝の占いがやっていた。
『恋愛運ナンバー1の蟹座のあなた。今日決めた事が今後の事を大きく左右します。気になるあの人には慎重に!』
「ふーん……」
別に占いを信じてる訳じゃないけど、弱気な人の背中を押したり、なんとなくいい気分になると言った点では占いも良いものだとは思う。
つまり、今日みたいな結果なら少しは気になる人と距離が縮まればそれで良し、といったものね。
朝食をキチンと平らげて、制服に着替える。
その間も台所からは「あわっ!」とか「もう間に合わないよ!!」とか聞こえていた。
冬も間近に迫りつつある朝。
コートを羽織る程寒くは無いけれど、制服姿ではちと肌寒い。私はいつも通りの朝を迎える。
「おっはよー」
「…おはよう。こなちゃん、みゆきさん」
「お早うございます」
「おはよう」
いつもの場所で待ち合わせたかのように同じ時間に出会う4人。
今日も同じく。
私はかがみんとつかさの間に入ってからっ風をさり気なくガードしながら学校へ向かった。
「ところでサ、なんでつかさは落ち込んでるのかな?」
「あぁ、つかさは昨日古泉君にお弁当作るって約束したけど結局間に合わせみたいになっちゃってみたいでね」
「うぅ…」
「つかささん、お弁当は見た目でも味でもなくて心遣いですよ。そんな気を落とさないで」
さすがみゆきさん。
素でそんな風な言葉がスラスラ出てくるなんて…。
にしてもお弁当かぁ…。
「ヤレヤレ…つかさだけ、彼氏とラブラブ。私じゃ望むべくもないね」
「こなた…そういうのは努力した人間だけが言える事よ?」
「失礼な!!このスマートボディを保つのにどんな努力を」
「してないでしょ」
その通りだけどさ。
そんな何の役にも立たないような会話をしているうちに学校へ着いた。
「おっはよーキョンキョン。エクゾダスするかい?」
「おう、おはよ………待て。エクゾダスって何だ?」
朝特有のHR前のざわざわとした騒がしさの中、俺の前の席の奴が登校した。
「そんな事を可愛い乙女の口から言わせようなんて……キョンキョンの変態!!」
「……」
悪いが朝からこの妙なテンションについていけるほど俺のキャパシティは無い。
よってスルーだ。
「……可愛い乙女の口から」
「二度も言うな。あとな、俺は突っ込まないぞ」
「キョンキョン…私がキョンキョンに"突っ込んで欲しい"なんて思ってるだなんて…それはセクハラだよ!!!」
あぁもうコイツは……。
別にこの掛け合いは楽しいが俺は疲れるんだ。後にしてくれ。
そう言おうと口を開きかけたら丁度先生が入ってきた。
こなたもおとなしく席に座る。
やれやれ。
黒井先生が教壇の上に立ち、予定を淡々と読み上げていく。
そして最後に、
「今週、文化祭やからて気を抜くなや?授業サボったりしたら文化祭中ずっと反省文書かせたるからな」
と言って授業へと向かった。
もう、文化祭か…。
俺のクラスは白雪姫。
王子が俺で、
「なんだか浮かない顔だねぇ?」
この前の席の奴が姫。
あぁ……俺か泉、どちらか風邪でも引けばいいのだが。神様お願いします。
…この際恥を捨ててハルヒにでも頼んで見るべきだろうか。
最終更新:2007年11月18日 10:02