「やあ待ってたよ、キョンキョン」
「よお。泉、リベンジしに来たぜ。」
一週間前のSOS団による不思議探索。もはや決まり事のような俺のおごりの喫茶店
でいつものようにくじ引きをしていた。
「この組み合わせね。」
最悪だ。やり直しを要求したいぜ。
何だってたまの休日をコイツと過ごさにゃならんのだ。
「さて今日はどうします?」
顔を近づけるな、気色悪い。お前と街を歩いたって面白くもなんともない、
かといってハルヒのように不思議を探し歩く気もない。
「ゲーセンでも行くか」
格ゲーでもやりたい気分だ。
集合時間までの暇つぶしにとフラッと立ち寄ったゲーセンで俺は泉こなたと知り合った。
「この前は負けちまったけど今日は勝たせてもらうぜ。」
「そう簡単には負けてやらないよ。」
うちの妹とそう変わらないような容姿の泉こなたに先週、俺は
ぼろ負けした。小学生に負けたのかと落ち込んだもんだが、
どうやら向こうは俺のことを知っているらしい。
「SOS団は有名だからね。」
聞けば同じ高校の同級生。でもって俺は団長、涼宮ハルヒの下僕キョン
としてそれなりに有名とのこと。
なんてこった、知らない間にそんなことになっていたのか。
「そういえば今日SOS団の活動はどしたの?」
不思議探索か?そんな事しなくても最近は放っておいても不思議が勝手に
やって来るんだぜ?ハルヒよ。
「今日は団長様の都合で中止だってよ。」
でなけりゃ今頃、死刑決定になってるところだ。
「ふーん。あ、そうだ。今日はも一人ゲストを呼んであるんだよ。」
ゲスト?俺の知ってる奴か?
「遅いわよ、こなた。私、もうキャラ選んでずっと待ってる・・・って
キョン君!?」
「柊・・。」
クラスメイトの柊かがみ。さすがに同じクラスの顔と名前ぐらいは俺でも分かる。
この二人、仲良かったのか。
「ちょちょっと、こなた!何でキョン君が・・!?」
「んー最近、友達になったんだよ。」
「悪いな。何か邪魔しちゃったみたいで。」
「そんなことない!全然ない!邪魔なんかじゃないよ!」
にしても柊、学校の時と印象が違うな。こんなキャラだったか?
「かがみとキョンキョン、同じくらいの強さだと思ってね。
勝った方に私への挑戦権を与えよう。」
生意気な、チビッコのくせに。
「よろしくな、柊。」
「あ、あのかがみでいいよ。他のクラスに双子の妹いるし。」
「そうか。よろしくな、かがみ。」
「はははいっ!」
しかし、やるからには負けん。俺のキャラは・・。
「「Piririri」」
俺の携帯。このタイミングで電話をかけてくるのは・・やはりお前か、
涼宮ハルヒ。
「キョン?今から駅前に集合よ!15分以内!」
集合って・・今日は中止じゃなかったのか?
「ブツブツ言わない!遅れたら死刑だから!」
「団長さん?」
「ああ、いまから集合だって。悪いけど今日は帰るわ。
勝負はまた今度な。」
「そか、残念だね。んじゃね、キョンキョン。」
「・・・またね、キョン君。」
ああ、ちなみにお二人さん。俺の名前はキョンじゃない。
いまさらいいけどな。
「ホントに残念だねぇ、かがみん。」
「私はっ・・別に・・・。」
「分かりやすいなー、かがみんは。」
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