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たかる人、たかられる人

◆4pvEs7ZFxY氏の作品です。


「相変わらず暇だな」
「暇ですね」
 俺と古泉は、チェスをしながら話していた。
 古泉はいつもほとんどの勝負に負けている。カードゲームにしろ、ボードゲームにしろ、
トランプゲームにしろ、こいつはアリンコ並みの弱さだ。
「スピードにも飽きてきたからな。何か別の奴でもやるか?」
「では、ババヌキを」
 何人でやってもお前が負けるから却下。
「五目並べを」
 お前、五目並べ俺に負けた回数くらい覚えておけ。却下。
「遊○戯○王カードでデュエル」
 俺はデッキを持っていないから却下。
「デュエルマスターズカードで」
 同じくデッキを持っていないから却下。
「ポケ○ンカー」
 カード系は却下だ!
「ならポーカーを」
 二人でポーカーやってもつまらん事この上ない。却下だ。
「挑戦者(チャレンジャー)なら、そこにいるじゃないですか」
 と言って古泉が指を向けたのはドアの側にいる泉、高良、日下部の三人だった。
「ポーカーだっけ? 高レートだよね?」
 泉は賭け金を気にしているようだ。
「ポーカーのルールは知っているのですが、やったことは無いので楽しみです」
 高良さんはやるのを楽しみにしているようだ。
「面白いことやるんだったら教えてくれよな」
 日下部は何をするかを知らないようだ。
「では、アンティは1000円でよろしいですね? では、はじめましょう」
 結局、5人でポーカーをすることになった。
 俺に配られた五枚のカードはそれぞれスペードの3と5、クローバーの5と10、ハートの4だった。
俺はハートの4とクローバーの10を捨てた
 泉は不機嫌そうな顔をしている。カードが悪かったようで、カード全てを交換した。
 高良さんは余裕の笑みがこぼれている。1枚も捨てなかったから、すでにいい役ができているのだろう。
おそらく、フルハウスもしくはフラッシュ以上といったところか。
 日下部はわけがわからんといった感じで悩んだ後、「面倒くさい」と言ってカードを全て交換した。
こいつはハルヒや谷口とは別タイプのアホだ。
 古泉はいつものデフォルト笑顔で2枚捨てた。こいつの考えなんか全くわからん。

 ところで、ポーカーフェイスと言う言葉をご存知だろうか。ポーカーフェイスとは、要約すると[無表情]といった感じで、
感情を顔に出さないことである。ポーカーをする時、持ち札の良し悪しを相手に知られないように表情を変えないようにすることから
ポーカーフェイスと呼ばれるようになったのだ。
 しかし、古泉と俺以外の3人はそれができていない。が、そんなことは問題にもなりゃしない。自分自身のせいなのだからな。

 さて、話を戻そう。アンティ――掛け金のことだ――は1000円だから、勝てば5000円ゲットできる。負けても1000円減るだけ。
これは結構効率のいいギャンブルなのだが、これをなめてかかっていると負けていることに気づかないから気をつけなければならない。
上乗せもできるらしいが、俺はしなかった。しかも、誰も上乗せしなかった。そりゃ、そうだろうな。
 これは余談だが、カード交換をした後だけでなく、カード交換をする前も金を賭けるか賭けないか決めることができるらしい。
高良さんが言っているのだから間違いないだろう。と言うより、古泉が知らなかっただけだろう。こういうときは役立たずなんだよな、こいつ。
 さて、交換して俺の手元に来たカードはダイヤの5とクローバーの7。5のスリーカードになる。泉や日下部のカードでは、
せいぜいツーペアが精一杯だろう。高良さんと古泉が問題だ。だが、もしかしたら高良さんはポーカーフェイスのことを逆手にとって
ああやってニコニコしているだけかもしれない。古泉は、大きい手を狙おうとしてノーペアになるといったところだろう。

「コール」
 俺はそういった。おそらく、勝てる! その自身があるからこそ賭ける。他の4人もコールをした。さて、どうだろう。
「俺は5のスリーカードだ」
「僕はAとKのツーペアです。」
「私はジョーカー入りのAスリーカードです」
「私は2のワンペアだよ」
「私はノーペアだぜ。降りりゃあよかったかなあ…」
 全員が自分の役を言いながらカードを出した。日下部よ、降りても掛け金は戻ってこないぞ。
「と言うことは、私がトップですね」
 と行って高良が掛け金に手を伸ばす。だが、俺は日下部の持っていたカードを見て、伸びている手を止めた。
「待って下さい」
 それぞれのトランプは、俺がスペードの5と3、ダイヤの5、クローバーの5と7。古泉はスペードのAと4、ダイヤのAとK、クローバーのK。
泉がスペードのKと2、ダイヤの9と2、ハートのQ。高良がクローバーのA、8。ハートのA、3、ジョーカー
そして、当の日下部はダイヤの3、6、8、J、Q。うっかり見落とすところだった。
「日下部の役はフラッシュ。この中だと一番上の役だ」
「本当ですね。よく見るとフラッシュですね」
 高良さん。あなた、本当はこれがフラッシュなのを知っての狼藉ですか?
「な、なんだ?どういうことになってるんだ?」
「ようするに、お前の勝ちって事だよ」
「マジか! いよっしゃぁー!」
「再戦しますか?」
 古泉が再戦を持ちかける。
「してもいいぞ」
「します」
「するよ」
「するぜ!」
 満場一致で再戦することになった。


 2戦目。俺に配られたカードは、スペードの3、ダイヤの3と8、クローバーの7、ハートの7だった。
 さて、俺には2つの選択肢しかない。1つは9もしくは3を捨てストレート狙い。2つ目は全部捨てて神に任せる。
前者だとできる確率はかなり低いが勝てば上がれる可能性大。だが、フラッシュには勝てないから引いたとて負けるかもしれない。
だからと言って後者を選んだところで、勝つ見込みがあるとは思えない。ならば、少しでも勝つ可能性のあるほうに転べばいい。
 当然、俺はダイヤの8を捨てた。その後、俺が引いたカードはダイヤの7だった。……勝てるかもしれない。

「1000円上乗せするぜ!」
 日下部がそう言ってしまったせいで、俺らも1000円上乗せしなければいけなくなった。面倒くさい。
「んじゃ、みんなコールだな? ほら、カードを出そうぜ!」
 そういってカードを出した
「俺はストレートだ3が二つと7が3つのフルハウスだ」
「僕は、4のスリーカードです」
「私はJのワンペアです…」
「私はいいから、ちびっ子から出していいぜ」
「いやいやみさきちからでいいよ」
 譲り合う二人。何がしたいのやら。つーかとっととしてくれ
「いい加減にしろ。さっさと出せ」
「いいぜ。ただし、驚くなよ。くらえ! フラッシュ!」
 と言って出てきたのはハートの10、J、Q、K、A。ロイヤルストレートフラッシュじゃねーか。
 …こいつ、本当にポーカーのルール知らないのか? ……言ったら俺が損するから黙っておこう。
「日下部さん、それはロイヤルストレートフラッシュと言って2番目に強い役なんですよ」
 高良さんがフォローをいれる。しかし、高良さん、俺の気持ちというのも考えてほしいものです。……俺が言えたことじゃないけどな。
 しかし、2番目に強い役というのが気になる。ロイヤルストレートフラッシュが最も強いはずだが。
「ククク……キョンキョンも甘いね。私の役はファイブカードだよ。8が4枚とジョーカー1枚」
「ファイブカードは、フォーカードとワイルドカード……トランプでいうジョーカーが含まれているとき、最も強い役になります」
 そんな役の存在を俺は知らない。初めて聞いた。
「ククク……倍プッシュだ。4000円で再戦……っ!」
 そうして第三回戦に移った。


 三回戦以降は、大きな役はそんなにでなくなっていた。スリーカード以上の役が出たのは十一回戦のストレートフラッシュだけだった。
 そして、二十回戦が終わったところで賭けポーカーが終了した。
 泉が3回も「倍プッシュだ……」といったため掛け金は1万6千円となってしまった。
 結果は、俺が+1万2千円。泉が+3万円。高良が+8千円。日下部が+7万4千円。そして、古泉は-12万8千円。しかし、よくそんなにも金があるな。
「ありがとねー。少し今月が楽になった気がするよ。じゃーねー」
 泉はそう言うと部室から出て行った。
「いやあ、いい臨時収入だぜ。じゃーなー」
 日下部もそれにつられて出て行く。
「それでは、私もこれで……ありがとうございました」
 そう言って高良も出て行った。
「……なあ古泉、これでよかったのか?」
「ええ、大丈夫です。バイトのお金はたくさんありますから。おっと、バイトの時間なので失礼します」
 そういって古泉も部室から出て行った。
 明日もたかろうか……
 そういうことを考える心が俺の中にもあった。
 ちなみに、賭けを無しにしたときの古泉は連戦連勝だったのは秘密。





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最終更新:2007年12月03日 09:19
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