11月。秋も深まり、いよいよ冬の足音も聞こえる今日この頃。
俺は今朝も、いつもの様に、妹のフライングボディーアタックによって目を覚ました。
布団の温もりに後ろ髪を引かれてしまうのは、顔を洗い、歯を磨き、制服に着替え、朝飯を食い、今日も足しげく通う学校が憂鬱だからだ。
だからといって学校生活が孤独というわけではない。学校にはハルヒを始め、長門や泉、柊姉妹に朝比奈さん、高良さんetcがいる。
まあ、それの一部が憂鬱の種だったりするわけだが…。
俺は冷たい風を感じながら、自転車を漕ぎだした。
教室に着くと突然ハルヒが俺を呼びだした。っても俺の席はハルヒの前だが。
「キョン、遅いわよ!」
「まだSHRまで10分もあるぞ」
「このバカキョン!そんなことはどうでもいいのよ!私より遅いと遅いのよ!」
やれやれ…。
こいつのやかましさと俺の気苦労はどうしてこう比例するのかね…。
「で?何だ?また何かイベントでも見つけたか?」
「違うわよ。ハロウィンは終わったし、クリスマスもまだだしね。
最近SOS団市内探索をしてないでしょ?こういうイベントがない月にやらなくちゃ、する機会がないじゃない」
そういや、久しくしてないな。よくよく考えると泉達がSOS団に入ってからは1度もしてない。その時、ハルヒはそれが満足だったのだろう。
「今回は泉達もか?」
「当たり前じゃない。市内探索はSOS団の義務だからね」
「いつ義務になったんだ」
「最初からよ。とにかく今度の土曜日にいつもの駅前に集合よ」
今日は火曜日だから…4日後か。珍しく言うのが早い。
「放課後に部室で改めてミーティングするからキョン、全員来るよう言っといて」
「また俺か!?」
「そうよ、つべこべ言わずにちゃんと伝えなさないよ!」
「分かったよ」
その時、ちょうど鐘が鳴り、担任の黒井先生がやってきた。「ほな、席つけー。出席取るでー」
ハルヒは上機嫌だった。