お姉ちゃん、心配してたな…。私、なんて悪い子なんだろう…ハルちゃんだけじゃなく、キョン君に古泉君、もんちゃんにみくちゃん、こなちゃん、ゆきちゃん……そしてお姉ちゃんにまで…みんなに迷惑をかけている…。
私、いらない子なのかなぁ…みんな、私のことをいらないって思ってるのかなぁ…。
そう思うと、また涙が出てくる。もういっぱい泣いたはずなのに。枯れない。止まらない。
今お姉ちゃんがいなくて良かった。
ご飯を食べにさっき出ていったばっかりだし、まだ戻らないだろうな。
そう安心するとまた涙が出る。
なんで私ってこんなに泣き虫なんだろう…。そう思ってまた涙。
涙が涙を呼ぶ自分の悲しさに押しつぶされそうになる。
そうやって水の幕が絶えず作られる私の目に何かが入った。
テーブルに置かれた1冊の本。お姉ちゃんが忘れていったのかな。私が読みそうにないような、少々ぶ厚めの文庫本だった。
寂しさからか、それとももっと別の力によってか、私はその本を手に取った。
その瞬間
私の心の中で
何かが弾けた
それは黒く丸く小さな点だったけど
あっと言う間に私の心を染めあげた
悪イノハ…私ナノ…?
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最終更新:2007年12月30日 00:51