「よし、じゃあいったん話の整理をしようか」
俺が3人に問いかける。
なぜ俺が仕切る羽目になっているのか、正直分からない。だが、こういうのも気分は悪くないもんだな。おっと、こんなことを考えてる余裕はない。
「まず、かがみの話だと昨日の夜、つかさは確実に自分の部屋にいた。これは間違いないな?」
「ええ。あれはそうね…10時頃だったかしら」
「なるほど。それが家族が見たつかさの最後ってわけだな」
「見た、というか聞いたのは最後ね……あ、違うわ。最後につかさを見たのはまつり姉さんよ」
「まつり…ああ、かがみ達のお姉さんか」
「あれは…夜中の1時頃って言ってたかしら。まつり姉さんがトイレに行こうとした時にすれ違ったんだって」
「その時のつかさの様子は?」
「えーと…パジャマじゃなくて普段着って言ってたわね。まつり姉さんはちょっと変には思ったようだけど、あまり気にかけなかったみたい」
「ふむ…それじゃ、この1時頃のつかさが最後の『目撃』ってことか…つかさにしては夜中に普段着って珍しいねえ」
…泉、お前がそれを物語るってのはどういうことだ。
「そして、かがみさんが今朝、つかささんの部屋を覗いた時には既にいなくなっていたという訳ですね?」
「そうなるわね。今日、つかさの部屋を覗いたのは10時ぐらいだったかしら…」
「となると、つかさは夜中の1時から今朝の10時までの間に失踪した、って訳か…」
俺は独り言のようにつぶやいた。
「まあ…そうなるわね」
「かがみ、つかさの部屋の様子はどうなんだ?」
「部屋の様子…割といって普通だけど…何なら見る?」
何か手がかりがあるかもしれない。そう思ったので、泉達は部屋に入ることになった。
…何故『泉達』かって?答えは簡単だ。いくら何でも男の俺が女の子の部屋を物色するわけにはいかないからな。
それに俺にはやることがある。更なる考察とSOS団への伝達だ。
というわけで俺はまずは古泉に電話をかけることにした。
最終更新:2008年01月03日 08:39