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キョンは指圧もできるようです

小泉の人氏の作品です


「あの、キョンさん」
休み時間、教室に備え付けの貧弱なヒーターの前でぬくぬくと体を暖める俺に声がかかった。
「ちょっと時間をいただきたいのですが…」
その声の主は朝比奈さんとタメを張る巨乳を持つ、泉曰く萌の塊こと高良みゆきさんだった。
「?…別にいいですが」
微妙に敬語が混じるのはやはりそういう雰囲気を持つ人だからだ。
まあそれは置いておくとして。
「良ければ、ですが先程泉さんにマッサージしていましたよね?それで…その、」
もじもじとこんな程度の頼み事にさえ遠慮がちになるみゆきさん。
恐らくマッサージを所望しているのだろうが、そんな程度の頼みごとなら谷口以外なら断りませんよ。
「マッサージですか?」
「あ、はい…///」
うぅむ…顔をほんのり紅色に染めるみゆきさん。成る程、萌える。
そしてその水を玉と弾くであろう肌に触れられるとは恐悦至極。
ヒーターの横の席を少し借り、そこにみゆきさんを座らせて手首を回しながら聞いた。
「えーと、肩でいいですか?」
「肩以外もできるのですか?」
…それは俺をなめているのだろうか?…いや、舐められたいとは思うが。
「実は私冷え性でして。手と足が冷えて困ってまして…」
「大丈夫ですよ。では脚を借りますね」
ヒーターの前から退くのは少し勿体ないが御身に触れられる数少ないチャンス。
俺はその席の隣に腰を下ろし、黒いストッキングに包まれたみゆきさんの御美脚を自分の膝に置いた。

「冷え症もやっぱり血行が悪いからなんですよね」
脚をまず全体的(しかし太ももは除く。理性が持たないからな)にもみほぐしにかかる。
まず冷えた筋肉辺りを解さないとな。
「一応ストッキングは穿いてるんですが…」
「こんな薄いものじゃ効果はたかが知れてますよ。
……じゃ、少し痛いかもしれませんが我慢してくださいね」
ある程度温まった足を膝に再び置き、足の裏を両手で挟む。
片手で固定し、もう片方を指圧でよく見る形(親指だけ立てる奴)にして踵に当てる。
そこから爪先までぐぐっ、と押し付け、伸ばすようにする。
「んっ……大丈夫です」
「じゃあパッとやらせてもらいますね」
抵抗感はあるがそれを少し強引に無視して数回連続して行った。
真っ白に血の通ってなかった足裏は今はピンクに染まり、確かに血が通っていた。
「あ、左足と比べて暖かいです」
勿論ですとも。
ただしこれだけだと少し痛い思いをしただけだ。なのでやはりここは気持ちよくもなってもらえば最上だ。
俺は少し持ち方を変え、足の指を軽く持った。
「少しくすぐったいですよ」
そして俺は一本一本親指から引っ張り上げていく。
更に俺は引っ張り上げた指を手首のスナップを利かせて横に振る。
「あっ……」
これが意外と気持ちよく、指先まで解きほぐせる。くるくると回してみたり。

さて、全ての指を終えたら次は手のひらでいう人差し指~小指の付け根を揉む。
どうにもマッサージと言う奴は肉が薄い部分はどうやっても気持ちよくするのは難しいのだ。
その分、肉付きのいい(脂肪に非ず)部位は揉みほぐすだけでも気持ちがよい。
指の腹を最大限に利用して右足を終える。
「どうでした?」
「……左と全然違います////」
足の裏をなめてはいけない。ばっちいからでは無く、指圧師曰く(確か)第二の心臓と言われるほど血流に関係するのだ。
その証拠にみゆきさんの顔は赤く火照っておられるだろう?
右足で思い通りの結果を得られたことに満足した俺は続いて左足へと取りかかった。



足裏マッサージを終えたみゆきさんは非常に顔を火照らせていた。
「終わりです」
「フゥ……あ、ありがとう……ございます…ハァ…/////」
むしろ効きすぎたか?と思えるほどである。
ほんのり額に汗まで浮いている。
「意外と足裏マッサージって痛く無いのですね///」
「まあ我流ですし、ツボを圧す訳でも無いですからね。じゃあこの辺…」
と、そこで気づいた。手のひらがまだやっていない。
軽く足裏の恩恵を受けてはいるだろうがやはり直接では無いので効き目もそれ程では無いだろう。
時計を見る。あと三分。
…これでは今からじゃ間に合わないな。
「あの…どうしました?」
仕方がないか…苦肉の策だが。
「失礼します」
「えっ!?//////」
俺はギュッとみゆきさんの両手を自分の両手で包み込んだ。
「あ、あの……?///」
やはり少し冷たい。一度引き受けたなら最後まで完璧にせねば。
「間に合わせですがこれで手もあったまります」
そのまま握っていたがどうにも効果が薄い。
「みゆきさん、こんなに冷たいとつらかったでしょうね」
「ええ、…でも慣れてますから」
「…あ、でも手の冷たい人は心が温かいって言いますよね。だとすればだいぶみゆきさんはいいひとですよ」
「……え///」
おや?なんか心なし暖まってきたか?
そしてギリギリまで暖め、最後にある物を渡すために席に戻った。

「みゆきさん」
俺はみゆきさんの手にある物を入れた。
「ちっちゃい…カイロですね?」
「爪先用です。あまり暖かくは無いかもしれませんが有る無しでは大分違います」
「…ありがとうございます////」
と、丁度そこでチャイムが鳴った。
みゆきさんの血色の良い顔を確認すると俺は席に戻り、次の授業の教科書を机に広げた。


余談ではあるが凍えそうな泉を見るに見かねた俺はコートを貸してやった。
「キョンキョンの匂いがするー…」
などとまず一言目がそんなセリフを発した泉に
「泉、口を開けてみろ」
「?」
あんぐりと口を開けた泉の後ろに回り込み耳の下を押した。
「痛っががががががっ!!!!!??????」
口を閉じようとすると痛くなる。結構本気で痛いから友達を無くす恐れがあるのでオススメはしない。
「痛がががががが…………!!!!!!!」
ぶんぶんとその短い腕を振り回すが所詮は非力なもんだ。
そして涙目になった所で解放したんだがコートのボタンを閉めてその中に閉じこもっちまった。
まぁそれだけなんだが次の時間の膝掛けを失ってしまってどうしようか、と言う話だ。
どっとはらい。





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最終更新:2008年01月02日 22:34
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