岩崎みなみの想い人 3

こなた「フッフッフ……我ら貧乳党は巨乳党に宣戦布告する事をここに表明します」
長門「します」
かがみ「長門さんまで……」
ハァ、とため息をつくかがみさん。だけどその表情は――あくまでも楽しげだ。親が小さな子どもに付き合う時の、そんな表情。何故だか私も
みなみ「フフッ」
笑ってしまう。ほんの些細な日常の一コマに
――一時間前――
私達は水着専門店に来ていた。この前の団長、もといハルヒ先輩の指示に従って。水着を買う為に
ハルヒ「今年は何色の水着にしようかしら……」
かがみ「去年は赤だったし今年は青でいってみようかな」
……正直に言って先輩達に嫉妬してしまう。
スタイルがこうまで違うと選べる水着だって限られてしまう。
そして自然に泉先輩、ゆたか、長門先輩、つかさ先輩、私とあまり胸の大きくないグループ。
それ以外の――凉宮先輩、かがみ先輩、みゆきさんの胸の大きいグループに分かれてしまった
こなた「ぐぅぅ……貧乳には明日が無いのか……?」
つかさ「同じ姉妹なのに何であんな違うんだろ……」
長門「……」ペタペタ
自分の胸を再確認するのはやめてください長門先輩。
こちらも悲しくなってきますし何より共感しまくりです
その時――
みなみ「ヒャッ!」
こなた「うーん、B……かな?」
ふいに泉先輩が後ろから手を回し胸を揉んできた。……あの、あまり長く揉まないでください……

こなた「ふむ」ペタペタ
こなた「私よりあるな……」
そういうと泉先輩は長門先輩の方を向き
こなた「ながもん、やっぱり貧乳党は私達とゆーちゃんの三人らしい」
長門「把握した」
なにやら打ち合わせをしだした。というより、いつからゆたかも貧乳党なるものに属したのだろうか
というより三人だけとはつかさ先輩は含まれてないのか。つまり貧乳、普通、巨乳の三つに分かれてしまったという事か
……普通では無いのだけど……
つかさ「ねぇねぇみなみちゃん、こっちのやつとこっち。どっちが良いかな?」
みなみ「ええと……」
そういうとつかさ先輩は緑と白で彩られたワンピースと、白の水玉模様で彩られた水色セパレートをかざしてきた
どちらかというとワンピースが似合うと思いますよ
つかさ「じゃあこっちにしよ!みなみちゃんはどれにする?」
みなみ「私は……」
あの時買った本の内容を思い出す、確か……胸を上手く隠すような水着があったはず
みなみ「タンキニのストラップレス、です」
つかさ「ストラップレスは上からの波とかに弱いよ?」
こなた「ポロリもあるよ☆」
い、いつ背後に回ったんですか?!
こなた「それはおいといて」
こなた「おーい、かがみんとハルニャン、みゆきさん」
『おいといて』というジェスチャーをした泉先輩は何故か全員を集め始めた。……一体何をするのだろうか。だけど――あまり良い予感がしないのは確かだ
かがみ「何よこなた。アンタ水着決めたの?」
ハルヒ「スクール水着はやめなさいよ。本当に小学生って思われるから」
凉宮先輩……泉先輩を子ども扱いしすぎですよ……ちょっと泉先輩ひきつりましたね
こなた「フッフッフ……我ら貧乳党は巨乳党に宣戦布告する事をここに表明します」
長門&ゆたか「します」
ハルヒ「ちょっとゆたかちゃん!?」
かがみ「長門さんまで……」
二人とも泉先輩をスルーしないでくださいよ……あぁ、ゆたかもそんな胸張らないで
こなた「手始めにみゆきさんの乳頂きます!」
言うが早く泉先輩はみゆきさんの胸をわしづかみにし――揉み始めた、何というか……これはさすがにみゆきさんも怒って良いと思いますよ
みゆき「ちょっと、あまり……んっ……」
こなた「いやぁ、デかいですなぁ。何かマシュマロって表現がピッタリだよ」
泉先輩……セクハラですよ、完全に。目が据わってますし……かがみ先輩、止めた方が良いですか?あっ、グーはさすがに痛いかと……
ゴツッ!
かがみ「いい加減にしなさい」
こなた「うぇぇぇん!かがみがぶった~、ながもんナデナデしてぇ!」
長門「……」ナデナデ
じ、自業自得ですよ……少し可哀想だけど。――ゆたかどうしたの?
ゆたか「う、うん、えっとね……えっと……みなみちゃんナデナデして!」
ゴハッ!と思わず咳こんでしまった……泉先輩がまだ長門先輩に頭を撫でられながらニヤニヤしてる……全くこの人は……
あのね、ゆたか。あまりそういう事は人前でしたら駄目なんだよ?だからね、そんな上目づかいで見ないで……
……ナデナデ…
ゆたか「えへへ、みなみちゃんありがとう!」
は、恥ずかしい……結局してしまった……
こなた「よくやったゆーちゃん!それを使えば人生はハーレムだ!」
かがみ「アンタはロクな事教えんな」
泉先輩には失礼ですがごもっともです。ゆたかも、将来こうなるのかなと思うと複雑な気分になってしまう。だけど、こうやってみんなと過ごしている――こんな些細な日常に

みなみ「フフッ」
笑いも漏れる
ハルヒ「ほら、バカ言ってないで水着買うわよ。タイム・イズ・マネー。時間は待っててくれないんだから!」
こなた「う、そうだった……」
そういって泉先輩は水着を選び始めた……私もそろそろ会計をしないと。青と白で彩られた水着、あの人の目に、止まればいいな……大切な想い人へ

だけど少し――あの夢が引きずって――嫌な予感も拭えない。今はそれだけが、気がかりだ
ゆたか「みなみちゃんどうしたの?」
ううん、何でもないよ。ゆたか。そうだ、この後何をするか聞いていないかな?
ゆたか「ううん、何も聞いてないよ」
みなみ「そう……」
ハルヒ「この後ね……何しようかしら」
こなた「男子読んでカラオケ行こうよ!」
カラオケか……あまり人前では歌いたくはないけど……
ハルヒ「キョン?いまからカラオケ行くから店の前に来なさい!以上。え、谷口?うーん、まぁ仕方ないわね、良いわよ」
みゆき「あら?谷口さんも来るんですか?」
つかさ「じゃあ私古泉君呼ぶね」
この人達ってお互いにまさか付き合っているんじゃ……
こなた「残念ながらみゆきさんは谷口君とつかさは古泉君と付き合ってるよ」
こなた「余り物同士仲良くしようか………フッフッフ…………」
お、お断りさせてもらいます!
という事は彼氏がいないのは私とゆたかと、凉宮先輩、長門先輩、かがみ先輩……か。
長門先輩はよく分からないけど
つかさ「古泉君大丈夫だって」
ハルヒ「しまった……カップルがいるんだった……」
みなみ「キョン先輩は誰とも付き合ってないんですか?」
軽い気持で聞いたつもりだったのに――
かがみ&ハルヒ&こなた「付き合ってないわよ!」
物凄い勢いで否定された。それで安心した。あの人に彼女がいなくて良かった、と
だけど――



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最終更新:2008年01月02日 21:16
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