参加者(ID)
XrK9o2d5O氏
fRU3NS+60氏
6Js4JSCS0氏
Kvj3uHQr0氏
※誰がどの部分を書いたかについては詳記していません。
「口の中が甘ったるい…」
とある理由により先ほど俺は糖分を過剰に摂取してしまった。
砂糖の何倍だかの甘さを誇るサッカリンでも入っているのではないか?と思わせる甘さが口の中で猛威を奮う。
ずっとこの甘さに浸っている訳にもいかないので俺は珈琲を購入することに決めた。
さて、どれを頼むかな……
1.甘さに甘さをぶつける甘ったるい珈琲をあえての選択だ!
2.微糖ミルク抜き。ほんのり甘くビター…うん、悪くない。
3.ブレンド、無糖ブラック。地獄を思わせる熱さと苦さ。甘さを完全排除すべし。
・・・・・・
2.微糖ミルク抜き。ほんのり甘くビター…うん、悪くない。
俺はいくつか浮かんだ選択肢から、もっとも無難と思われるものを選んだ
奇をてらったところで、最終的に自分自身に跳ね返ってくるだけだ
自ら進んで痛い目を見るのは阿呆のすることで、俺はそれではない
喉に暖かい液体が通る感覚に浸り、目を細める
ふぅ、と息を吐くといつもより息が白く漂っている
廊下の窓から身を乗り出してボケッとしていると後ろからトンと肩を叩かれた
1.こなたが新作ゲームを持って
2.ハルヒが変なチラシを握り締めながら
3.みなみとゆたかが紙袋を持って
・・・・・・
1.こなたが新作ゲームを持って
「やほーキョンキョン」
俺の肩を叩いていたのは、ともすれば電車に子供料金で乗れるのではないかと思える同級生。
そして俺と同じSOS団のメンバーでもある少女、泉こなただった
まさかこんなところで会うとはな
「いやー予約してたゲーム買って、帰ろうとしてた時にキョンキョンを見かけてね」
と言ってこなたは買ったばかりのゲームが入っているらしい袋を俺に見せるように持ち上げた。
一体どんなゲームを買ったのか気になるところではあるが
何やら聞いてしまうと後戻りできなくなる気がしてならん
しかし俺は不覚にも袋を凝視してしまっていたようで、
それに気付いたらしいこなたは袋の中に手を突っ込み、その中身を俺に見せてきた。
1.超大作RPG
2.ファンタジー系のアドベンチャー
3.学園物の恋愛シュミレーション
・・・・・・
3.学園物の恋愛シュミレーション
「これっ!」
勢いよく紙袋からこなたがとりだしたのは
はたして、学園物の恋愛シミュレーションだった
最近こなたが校内で雑誌を広げて欲しい欲しいとつぶやいていたのを俺は知っている
だからこれがそれなのだろうとあたりをつけ、質問してみると
「ピンポーン!大正解!興味ない振りしてても私を見ててくれるんだね~、キョンキョン愛してる!」
こういうことをサラッと言うのは美徳か否か
欲しいものを手に入れた子供よろしくはしゃぐこなたを眺めつつ、愚考しているのだが
さてさてそれよりもだ、ここは自販機等も置いてあるエリアで当然休み時間の人口密度も高い
その場でそのような物品をひけらかすのを許していいのか?断じて否だ
俺はコスプレをさせられた朝比奈さんや高良を見て和みはするものの
そこまで堕ちるつもりは毛頭ない
「とりあえずそれをしまえ」
案ずるより生むが安し、何よりも行動である
どうにかして話を別の方向に持ってきたいんだが…
1.単刀直入に自分の願いを告げる
2.自販機で奢ってやることにして、意識を逸らす
3.敵前逃亡
・・・・・・
3.敵前逃亡
「あ、杉田智和」
俺の目の前に立つこなたの遙か後ろを適当に指差し、適当に知っている有名人を挙げてみた。
無論こんなのは小学生が「あ、UFO!」などと空を指差してるのと変わらないので引っかかる奴など
「えぇっ!?どこ!?ねぇねぇホントに!?」
ここにいた。
まるで初めてオオクワガタを見つけた若かりし俺のように目を輝かせ俺の指差した方向へ振り向くこなた。
良心がほんの少し痛むのを感じたが俺は構わず身を翻す。
何故か?お前がもし北高生ならわかるだろう。
消して少なくない人ごみ。
騒ぐこなた。
そこにいる俺。
……あぁ、これだけならいいさ。だがこれに一つ条件を加えるならそれはH2O+Mgよりも激しい反応が起こる。
曰く、人ごみに涼宮ハルヒが居た場合。
「……」
無言で俺は廊下を戻る。背後では未だにこなたが何やら騒いでいた。
今なら、…今、ハルヒが気づいてなければ俺は安全な日常に戻れるんだっ…!
そして充分な距離を取ると走り出した。
(今度は話につきあってやるからな…!)
ハルヒとの長いつきあいで磨かれた危険信号に従い廊下を駆ける。
しかし、
ペタペタペタペタ
(誰かがついてきてる…?)
某村の神様のような足音をたててついてくる足音を確認するべく、俺は振り返った。
するとそこには
1.「なんで逃げるのサ?」…こなたが居た。その後ろには近づくハルヒの姿まで。
2.「やあやあキョン君っ!なにこそこそしてるのかなっ!?」鶴屋さんっ?!ってああこなたが俺が居ないことに気づきやがった!!
3.「なにしてるんだってヴァ?」誰も居なかった。うん。……俺は無視して走り出した。
・・・・・・
1.「なんで逃げるのサ?」…こなたが居た。その後ろには近づくハルヒの姿まで。
振り返り美人、なんてものがあるが
今の俺の現状はそれに比較してどうであろうか
答えるまでも無い、ひどい頭痛を感じつつ前に視線をもどす
一瞬の確認で目に映ったのは、リーチに似合わぬ速度で追いかけてくるこなたと
さらにその後ろから迫る狂気ことハルヒ
最悪の事態ってのは嫌がる人間の下に喜んで現れてるものだ
校内でトップクラスの短距離走のタイムを持つ二名に運動不足の男子高生が敵うはずも無く
「ちょーとキョン、話があるんだけど」
「なんで逃げるのサ?」
まったく息の上がってない様子の二人に早々に襟首を掴みあげられた
どうにかして逃亡しなくてはいけないんだが
残念なことに俺にはこういうときのマニュアルは搭載されてないのだ
顔を見合わせて笑みを濃くする怪力二人組みに引きずられつつ
俺はたまたま目があった知り合いに救援を頼むことに
1.このさい誰でもいい、谷口助けろ、むしろ身代わりになれ
2.古泉よ、いつもの回りくどい台詞でどうにか俺を弁護してくれ
3.鶴屋さんあなただったらこの場をどうにかできませんか?
・・・・・・
1.このさい誰でもいい、谷口助けろ、むしろ身代わりになれ
「おい谷口助けろ」
昼食を食い終え腹ごなしにそこらを歩き回っていたらしい谷口を捕まえ
俺は誠心誠意心を込めて頼み込んだ。
「ああ? 何だってんだよ一体」
詳しい事を説明している暇は無い
俺は谷口をハルヒたちのほうに突き飛ばし、今度は後ろを見ないようにして全力で走り出した。
さらば谷口、安らかに眠れ……
後ろからアホウドリが縊れ死んだような聞くに堪えない音が響いたような気もするが恐らくは幻聴だろう。
ふう……ここまでくれば大丈夫だろう。
その後俺は走りに走った挙句、先ほどまでいた場所とは校舎をはさんで反対側に当たる場所まで来ていた
これでしばらくの間、せめて昼休み中は大丈夫だろうと思っていたのだが
しかしながら天は俺を見放したか、すぐ目の前にある曲がり角の方に何やら影が差しているのが見て取れる
まさか、もうあいつらが来ちまったのだろうか。恐怖に体が強張る
影はこちらへ近づいてきており、その影の正体は……
1.ま、まずい! やはりあの二人だ
2.た、谷口……何でお前が……?
3.あれ、鶴屋さん? 奇遇ですね
・・・・・・
3.あれ、鶴屋さん? 奇遇ですね
「おんや? キョン君なにやってんだい?」
今の俺の心境とはまったく正反対の、とびきりハッピーな笑顔を振りまき
鶴屋さんが俺の目の前で立ち止まった。
普段ならチャームポイントである八重歯が可愛く見えるのだが、
今日はそれが小悪魔的な、イタズラ心満載といった印象を受ける。
「鶴屋さん、奇遇ですね」
「そんなことより、さっきハルにゃんとこなちゃんが……」
なるほど、血眼になって探していたというわけですね。
しかしこなたはいいが、ハルヒは一体俺に何の用があるというんだ?
ま、何にせよ俺の頭を痛めること間違いなしといった無理難題を言ってきたりと、
俺の平穏な生活を脅かす内容以外の何者でもないだろうがな。
目の前に居る鶴屋さんに聞いても分からないだろうが、
ここは一つ、あなたの意見でも聞いてみましょうか。
「きっとハルにゃんはキョン君に愛の告h……」
「じゃ、俺はこれで」
こういうときに取る行動は、またしても逃亡だ。
だが物事から逃げてばかりではいけないのかもしれないな。
「あぁ、キョン君待つっさー」
そんなことだから俺を追う者が一人増え、俺はこの学校内で
三人の追跡者に追いかけられるという結果になってしまった。
いや、谷口も俺に恨みを持ち、追って来ているかもしれない。
だが、俺もただ逃げてばかりではない。
この少ない頭で必死に隠れるところを考えているわけだ。
ここは一つ……
1.職員室が安全かもな
2.あえて文芸部室へ逃げ込むか
3.このままずっと学校内を歩き回るほうがいいのかも
・・・・・・
2.あえて文芸部室へ逃げ込むか
ここは逆に考えて文芸部室だ。
灯台下暗しってやつだ。その方が見つかりにくい。
そう思い俺は急いで部室に向かった。
「おや、何をしているのですか?」
…嫌なときに古泉に会った。どうしてこうもどうでもいいときに出てくるんだこいつは。
「そういえば、さっき涼宮さんと泉さんが探していましたよ」
マジか。急いで逃げねば。
だが、コイツにしゃべられると厄介だ。なら…
「古泉、ハルヒたちに会ったら俺が職員室の方に逃げたと言っておいてくれ」
「いいですけど、なぜそんなことを?」
「後で話す。頼んだぞ!」
そういって俺は古泉から逃げ出した。
しばらくしてSOS団の部室の前に着いた。このあたりにハルヒらしき声はしない。
そしてドアを開けると…
1.朝比奈さんと長門がいた
2.かがみとつかさがいた
3.みなみとゆたかがいた
4.中に誰もいませんよ
・・・・・・
3.みなみとゆたかがいた
「…先輩、どうしたんですか?」
「なにかあったんですか?」
不思議そうな、そして心配そうな視線を俺に向けてくるのは
あまり顔が広いわけじゃない俺の数少ない後輩で、しかも知り合いの中で少数派に属する
一般的な常識人に分類される少女達だ
「ちょっと…、追われててな……」
耳元で聞こえる鼓動は、短距離スプリントの証としてドクドクと速いテンポでなっている
深呼吸をして、息を整えつつ質問に答えると
「…えっと、涼宮先輩ですか?」
「もしかしてこなたお姉ちゃん!?」
「双方大当たりだ」
商品はポケットに入ってる飴玉二つだな
額の汗をぬぐいつつパイプ椅子に座り全身の乳酸を取り払う作業に移る
疲れた俺の様子は、二人の後輩に何か手助けをしようという気にさせるほどであったらしく
「…お茶入れますね」
「肩揉んであげるね、お兄ちゃん」
追っ手がここに来るまでの短時間、俺は至福の時を過ごすことが出来た
トントン
1.喜緑さんが一体どうしてなんでここにきたんですか?
2.あきらか、仕事は今日休みなのか?
・・・・・・
2.あきらか、仕事は今日休みなのか?
しかしお前がノックなんていう殊勝なことをするとはな
明日は雪か何かが降るんじゃないか?初雪だ初雪
「キョン、ちょっとこっち来い」
ドアノブに手を掛けたままだったあきらは俺の台詞を聞くと
ドスのきいた低いトーンの声で俺にそういってきた、流石にテレビに出てるだけあって
声の切り替えが上手く、声優って奴をやってみればいいんじゃないかとも思ったが
俺のその適当な対応に苛立ったあきらは俺につかつかと歩み寄ってきて
こなたやゆたかやhyde並みの低身長だとは思えない貫禄で俺にヘッドロックをかけてきた
確かに威圧感はあるものの、ハルヒとだてに三年間すごしてない俺には効かなかった
だが、椅子に座ってる俺の頭はいい具合にあきらの攻撃範囲に入ってるようで
こなたほどではないがそれなりに強い力で頭を締め上げられた
…今思ったが、あきらのキャラって他の奴とかぶってる上に押し負けてる気がする
「いま、失礼なこと考えたろ?」
さて、悶絶するほどではないが、諦観したられるほど力が弱くもないし我慢強く無い俺は
どうやってここから抜け出すか考えることにする
ってか、さっきから逃げることばかり考えてるな俺は情けないったらないぜ
1.飴をやろう
2.こちらも技をかけ返すとのはどうか
3.おろおろしてる二名の常識的後輩に助力を仰ぐか
・・・・・・
2.こちらも技をかけ返すのはどうか
あきらのヘッドロックを食らってるとき、俺はどうやって返そうか考えていた。
相手も女の子だ、強くやり返すと非道扱いされるが、女の子に負けたとあっちゃ男の名が廃る。
だとすると、急所を突いて怯ませるのがいいだろう。
つまり…ここっ…!
ひじの部分…叩くと腕がしびれるところだ。俗にファニーボーンと呼ばれてるらしい。
指を曲げ、第二関節の部分でファニーボーンを強く叩くと案の定あきらは腕を放し俺から退いた。
「何すんだよっ!てめぇ!」
「当然の処置だ」
「……」
あきらは何かを考えて立ち止まっていると、とぼとぼと歩きながらドアの方へ向かっていった
「今日はこれで勘弁してやるよ」
……めだか師匠?
何はともあれ無事に過ごした。
二人は大丈夫ですか、と駆け寄ってきたが俺は大丈夫だ。心配は要らない
俺は再び席に着き、辺りを見回し、こういった
「暇だなあ…そうだ。
1.ゆたか、囲碁をしないか?
2.みなみ、将棋をしないか?
3.2人とも、人生ゲームをしないか?
・・・・・・
1.ゆたか、囲碁をしないか?
「え? 囲碁ですか?」
ああ。ルールは知ってるか?
「い、いえ。ヒカノレの碁という漫画で読んだだけなので…ルールは全く…」
そういえば、ゆたかはこなたと一緒に住んでいるんだっけ。そのテのも読むんだろうな。
「まぁ、ルールならやりながら教えるよ。ハンデとして弱いほうが先に3つ置いていいって事にしよう」
「え? つまり、先に3つ置いていいって事ですか?」
「そういうこと」
「は、はい。じゃあ先に置かせてもらいます…」
ゆたかは頭にハテナを出しながらも置いていく
10分程して決着がついた。結果は僅差で俺の勝ちだった。
「や、やっぱりおにいちゃんは強いね」
「むしろ、ここまで僅差に持ち込めたお前のほうがすごいと思うぞ」
「そ、そんな…」
俺がそうほめるとゆたかは顔が紅潮していた。俺、なんか変な事言ったか?
そしていきなりドアが開いて…
1.よりによってこなたがきやがった。
2.谷口が来た。最悪のタイミング…
3.ひよりが入ってきた。何をしに来たんだ?
・・・・・・
1.よりによってこなたがきやがった
「見~つ~け~た~よ~」
こなたがゴゴゴゴゴという効果音とともに俺に近づいてくる。
ゆたかは少し青ざめている。みなみも動けないようだ。
と、ここで俺はある事に気づく。
「ハルヒはいないのか?」
「うん。二手に分かれて探してたんだ。私が先だったみたいだね」
それを聞いて俺は安心した。ハルヒがいないなら大丈夫だな。
俺はみなみの淹れたお茶を飲んだ。少し冷たくなっているからちょうどいい熱さだ。
「で、何の用だ」
「お!? 潔くあきらめたね。んじゃ、私の話に付き合ってもらうよ!」
こなたがさっきのゲームについて話し始めた。
しっかし、以上に長いな、こいつの話は。
ものすごい暇だったから、ゆたかと囲碁をやりながら聞いてやった。
たまにこなたが「ちゃんと聞いてる?」と聞いてくるので、そのたびに俺は相槌を打っている。
しかし、ゆたかの成長ぶりに驚いた。ものの一局でここまで上達するとはな。
教室に戻ると、ハルヒと谷口が俺の方を鷹のような目で睨んできた。無言なので余計に怖い。
谷口はいいから後でハルヒになんか奢ってやるとしよう。