七誌◆7SHIicilOU氏の作品です。
鐘、と言っても電子音の鐘だけど
まぁその鐘が鳴って現在時刻2時半
短縮授業の本日の学校の最終下校時刻を回った
いかにハルヒが喜々として自分の夢の中の武勇伝を語ってようと
いかに長門がまだ読書の途中でいつもの閉じる音がなかろうと
いかにこなたとかがみと俺が格闘ゲームの対戦途中であろうと
それでも学校に所属する一高校生である俺達はこれがなったら帰らなくてはならない
ハルヒもその程度には学生としての自覚があるようで
長門もその程度には高校生としての自覚があるようで
こなたもその程度には未成年としての自覚があるようで
各々、それぞれが、帰り支度を始める
ゲームの電源を切って片付けて
本を閉じて本棚にしまい
喋ることを止めてパソコンの電源を落とし
将棋の板と駒をしまい、コンロの火を落とし、食器を片付ける
まったく、まったく、まったく
「常々思ってることだが、部室は生活的過ぎる」
皆々帰路に着き、俺もその流れに乗り帰る
どこに? 本来は自宅なのだろうが
今日は週末でしかも早く終わったのだ、せっかくだからと
とある家のとある部屋にお邪魔中
「へぇ~、いいな私ももう少し遅く生まれれば混ざれたのかな?」
俺の学校の話を熱心に聞き、そして感慨深そうにそう呟くのは部屋の主
「それは勘弁して欲しいかもな、もっと疲れる」
「ちょっとキョン君! それどういう意味よ!」
そういう所が、あいつらに非常に馴染みそうだからとは言わない
肩を揺さぶってる手が首に回されかねないからな
「まったくもう、キョン君って時々意地悪になるよね?」
学校でのあなたの妹さんに比べるとましなほうだ
「ん? かがみのことかな? それともつかさ?」
「前者、かがみの奴時々SOS団の連中にばらそうとするんだよ」
現在、俺とまつりさんがこうやってあったりしてるのを知ってるのは
同じ家に住んでる姉妹である、つかさとかがみあとはいのりさんだけだ
「べつにいいじゃない、公然とあってデートできるわよ?」
まつりさんはそういって俺に腕を絡ませてくる
身長はかがみやつかさと対して変わらず俺よりも幾分か低いのだが
しかし他の部分はしっかり成長しているようで、俺は非常に気まずい
「あ、ちょっと、あたって―」
俺の台詞を遮ってまつりさんは
「あててんのよ」
いやらしい(この場合はそういう意味でなく)笑みを浮かべて
その台詞が言いたかったのかと思うぐらいの淀みの無さでお決まりの台詞をはくまつりさん
俺はここでどうするか、どういった反応をするか
返すか、受け流すかという辺りだろうか
まぁなんかしらを返すのが得策だろう、まつりさん相手に受け流すと
下手をすると理不尽な怒りをぶつけられかねないからな
そうと決めると俺は、身体を翻し片腕を引っ張って抱きすくめる
「えっ、きゃっ」
腕のなかにすっぽりと収まるまつりさん
驚いて上目遣いに俺を見上げる彼女を見て俺はいやらしい(この場合も前述の通りであり)笑みを浮かべ
「まつり…」
耳元に顔を寄せて囁いてみた
ボッと顔が一瞬で耳まで紅く染まり、ドンと突き飛ばされた
「ちょっ! ちょっとちょっと」
うん、言葉になってない
まつりさんは囁かれた方の耳を押さえてなにやらよくわからないことを言い続けてる
それを尻餅をついたままの体制でしばらく眺めてる俺
段々と落ち着きを取り戻し、まつりさんは
「やっぱりキョン君はトップクラスに意地悪だよ…」
不貞腐れたように言い捨てた
「好きな子に悪戯しちゃう心理はいくつになっても存在するんだよ」
まさにそれこそが真理、なんて言葉遊びをかましてから
体制を直して座りなおす
「もう、キョン君にごはん作ってあげないから」
おおう…、そう反撃されるとは思わなかった 嘘だけど
俺はスススッとそっぽ向くまつりさんに近づいて、肩を抱く
「じゃあ代わりにいただきます」
そういって、あわてるまつりさんにさらに近づく
「はいはいはい、一人暮らしじゃないんだからまわりのことも考えていちゃつきましょうね~」
噂の意地悪かがみんの登場だった
一瞬で俺とまつりさんは姿勢を正して距離をとる
お互い視線は向こうの壁を彷徨ってる
「…いやぁ、帰ってたのかかがみ」
「熱中しすぎよあんたたち、ちゃんと聞こえるようにただいまって言ったんだけどね」
全然聞こえなかった……
「私だからよかったもののお父さんやお母さんだったらどうすんのよ」
声がかなり聞こえてたわよ、そう付け加えてあきれたように仁王立ちするかがみ
あぁと非常に気まずいぞ、時が凍っておる
「こんな状況をハルヒが知ったらどうなるかしらね~」
「頼む、黙っててくれ」
「こんど二人ともなんか奢りなさい」
ビシッと指を交互に指して憮然とした表情で部屋を去るかがみ
「……」
「…」
「……」
「あ~ぁ、キョン君いまのでかなり変態あつかいね」
まてまてまて、なんでそうなる?
「いまの見られてたんじゃ、キョン君が私に無理やり襲い掛かったみたいよ?」
うぐっ、反論できん
「まぁそれに関しては私がかがみに誤解といておいてあげるから…」
「…わかりました、まつりさんにも奢らせていただきます」
ふふんとさっきまでの殊勝な態度は消えて笑顔を振りまくまつりさん
誰が意地悪で、誰がそうじゃないのか…
はぁ、とりあえず今月の財布はずいぶんと早期に空になりそうだ
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最終更新:2008年02月11日 20:02