アットウィキロゴ

~if~

七誌◆7SHIicilOU氏の作品です。


「スリーカードです」
「残念、フルハウスだ」

いつもの笑みを浮かべて
珍しい自分の勝利を感じたのだろうか、自信ありげに言う古泉に
俺はあくまでも淡々と答える、ノーレートのときに馬鹿勝ちするのはもはや当たり前になってる

「また負けてしまいましたか…、強いですね」
「ポーカーは運だ」

肩を竦める古泉にあしらいながら、高良の入れてくれたお茶を啜る
朝比奈さんが卒業してからはもっぱらお茶汲みは彼女の仕事だ
…それは服装に関しても同じで、そのサイズは小さいくせにバストだけやけに大きい衣装を
高良はほぼ毎日着こなしている
つまるところ、高良は朝比奈さんと同じだけのバストを保有してるわけで
ふむ、俺に眼鏡属性があったら一瞬でお陀仏だったぜ

「キョンさんはお茶もう一杯いかがですか?」
「貰うよ、ありがとうみゆきさん」

俺は中身の減った専用湯飲みにすばやく反応した高良に答える
あぁついでに、口語で高良と呼ぶと怒るから呼ぶときはみゆきさんと言う様にしてる
なんかしらの指摘をいただく前に、釈明めいたことを言わせてもらった

「あぁみゆき、私もついでに貰えるかしら」

俺と高良のやりとりに気が付いたかがみが長門に借りた本から顔をあげて言う
ラノベだろうとなんだろうと、ふだん文章に触れてるからだろうか
かがみは意外と長門に借りた本をきっちり読んでいるようだ
俺が借りると一冊に一ヶ月近くかかるので、あまり借りることは無い
まぁだから読むのが早くならないという見解もあるのだろうが、それには触れない

「はい、わかりました」
「ありがと」

短いやりとり、個々人々で好き勝手なことをしてるだけの集団
まるでゲーム機を持って一緒に居るだけの最近の小学生を思い起こすが
だが俺達はそれをそっけないやりとりだとか、寂しいだとかは思わない
自分の世界に篭らずに、他の連中を常に意識においてるから
いやむしろ、おく必要も無くある物だからかも知れんが
少なくとも俺達の三年間という時間がそこに密接な場所にあるのは誰の目にも明らかだった
高良はメイド服のスカートを揺らしながら食器棚から各人の専用湯飲みをとりだす
考えてみれば食器棚がある時点で普通の学校の一室ではないのだが、それはおいといて

我々SOS団にはお茶を飲む際に使用される湯飲みは完全に専用制で
それぞれに個性があり、一目でわかるようになってる
それは俺達のような慣れとは関係なしに、一人一人とある程度面識があれば
なんとなくでも想像が付くほどに湯飲みには違いがある
いまは別にそれぞれの違いをあげるつもりはないが、キャラ物はつかさであるのは疑いようが無い
ちなみにこなたの使用してるカップ(これは流石に湯のみとはいえない)も言ってしまえばキャラ物だが
エロゲのキャラのカップを同一視するほど俺もその存在を身近に置いていない



まぁ、そんな感じで
俺達初期SOS団5人分にこなたとかがみとつかさと高良の4個
そして後の一つが―

「ごめーん! 生徒会会議が長引いちゃって~!」

――こいつだ
俺やハルヒやかがみのクラスメートで
クラス委員長、しかも現在は生徒会役員も兼ねてやっているという
極めて働き者のSOS団には非常に珍しい人材なのだが、まぁ性格に多少難ありといった所はさもありなん

「あ…涼子、お前が会議なのはみんな知ってるから遅れるのはいいが、もう少し静かに入室してくれ」
「あっ、キョン君今日掃除だったのにサボったでしょ? 明日はちゃんとやってね」

この野郎、聞く耳持たないってのをそのまま体現してやがる…
まぁいいさ、下手に突っ込んで逆ギレをされても困る
小粋な笑顔を振りまく可憐な少女の癖に沸点はかなり低いのだ、この朝倉涼子という人物は
実際殺されかけてるからな俺は、一年の時にさ

…どうした、笑えよ



「ポーカー? 私も混ぜてよ」
「お前が入るとゲームバランスが著しく傾くんだ」

制限があるとはいえ、長門とやってるのと変わらないんだからな
しかもお前の場合はあえてその能力を恣意的に使用するから困る

「じゃあ七並べ」
「べつにいいが…、お前のやりかたねちっこいんだよな」

こいつは一度同じマークのカードの六と八をとめて
俺達が3パスで死ぬのをまってから一人勝ちするのだ
ゲームとかなら俺だってやるが、対人戦で平然とこれをやるのはこいつ以外知らない
SOS団の面子をもってしてもこいつ一人なのだから、まったく嫌らしさが知れるというものだ
周りの非難など知らんとばかりだ、それなのに憎めないのだから本当に参る
俺なんか腹に消えない傷をこいつの所為でこさえたと言うのにな

「かがみもやるか?」
「ん~私はいいわ、もう少しで章が終わるからそれから参加する」

つまるところ俺と古泉だけでこの小悪魔に抵抗しなくてはならんらしい
高良を引き込むか? いや彼女もどちらかといえば平然とカードを止めるタイプだ
下手をすると二人そろってワンペアのはずが、ファイブカードを打ち砕くような結果になる
しかも俺達はファイブカードですらなく、ブタだ、ただのワンペアにも劣る
だがしかし朝倉はジョーカーのような奴で、誰が来てもワンペアには最低なるからな
ならば高良を引き込むのは地雷だ

「まぁ精々ブラフを切って貼って逃げ切るか?」
「ノーレートですから気張らずに行きましょう」

ため息をついて呟く俺と、にやけ面でカードを配る古泉
朝倉は(あぁ、朝倉に関しても名前で呼ばないと怒られるんだよ)そんな俺達には見向きもせず

「あ、みゆきさん私にもお茶ください」
「はいはい」

余裕で高良にお茶を頼んでいた
ちくしょうめ、こうなったら男の意地だ
はったり一つで今までの異能力者たちの間を潜り抜けてきた俺のブラフを全力展開だぜ



その後、なぜか"なぜか"朝倉の所に7が四つとも行き
古泉がサクッとやられて、俺もその数分後にパタッとやられた
七並べじゃなくてダウトにしようぜ…






作品の感想はこちらにどうぞ

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年02月18日 22:36
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。