七誌◆7SHIicilOU氏の作品です。
我がSOS団の部室はやけに本棚が多い
まぁ元が文芸部室であることを考えれば別段おかしくは無いのだが
そういった方向で見るとこんどはコンロだの鍋だの冷蔵庫だのがおかしな存在となる
しかし存在そのものがずばりおかしいこのSOS団
これ以上のおかしさを探そうとするのはただの揚げ足取りであろうて
で、その本棚であるのだが
最近はなぜか長門の以外の本、しかも小説ですらないものが結構な量立ち並んでおる
漫画と呼ばれる文でなく、絵を中心としたそれらは非常に場所をとる
同じ内容を完全に文章におきなおしたらずいぶんとすっきりするであろうことは間違いない
といっても、俺もその漫画をたまに借りてる側の人間
手持ち無沙汰のときは結構ありがたくもあるので
持ってくる人間に今更撤去作業を行えというつもりはない
「ながもーん、あれとって~」
でその本人、まぁ他にも居るのだがこいつが一番の原因だ
こなたは机にのべーと張り付いて長門に漫画を取らせてる
「…これ?」
「ちがーう、そっちのー」
「…これ?」
「んー、もちょいこっちー」
俺は鞄から雑誌を取り出してこなたの頭を軽くはたく
「なんだよキョンキョン~」
「コソアド語で喋らず、題名を言え馬鹿」
横着にも程があるというものだ
大体本を読んでる長門の邪魔をしてる時点で俺としてはもう一発お見舞いしてもいい
しかし長門はあまり気にしてないようでようやくこなたが所望していた漫画を三冊そこにおく
…三冊というと結構少ないな、いつもなら常に五冊は手元において
読んだのを本棚に戻してもう一冊取り出すってのをやってる癖にどうしたんだろうか
「ん、これ三冊で完結なんだよね」
「なるほど、回答を感謝する」
確かにそれではいつものように重ねはられまいて
うん、常々その本の山を同時には読めないんだからどうにかしろと言ってきてた俺にしては
今日は静かにすごせそうだ、同じ言葉を繰り返すのは言うのも面倒だ
「ん~そういやさぁ、このキャラってハルにゃんに少しだけ似てるかも」
「そういえばといわれて、俺はこの漫画を読んだことは無い」
作者名は聞いたことある、幽遊白書は読んでいたし
最近は休載がやけに多いあれだろ?
いまの連載してる奴に興味はないからどうでもいいがな
…レベルE、上から五番目か?
「どの辺が似てるんだよ?」
「どの辺と言われても…、漠然と感じただけだし」
「キャラの名前は?」
「馬鹿王子」
この瞬間俺はピンと来たね
なるほど、これは内容があたまに入っていなくとも
ハルヒさえ知っていればこの共通点に気付くはずさ
「なに?」
「馬鹿王子とハルヒ、その共通点はなこなた」
俺は一旦間をおいてもったいぶる様に言葉をとめる
視界の端で長門が少しだけ慌てた表情を見せた気がする
「二人とも無能なのに人の上に立ってるということだ! 馬鹿なのに王子、ハルヒなのに団長」
素晴らしいぞ俺、名前を聞いた瞬間にビビッと来たぜ
今日の俺の頭は回りが速い
…こなたの顔が強張る、そういえばさっきの長門の表情はなんの意味が
その回転の速い頭で考える、結果俺はすばやくその場から立ち退き振り返る
すると俺が居た場所にドロップキックをハルヒがかましていた
当然俺は居ないのだからそのままハルヒは直進してしまい
さっきまで俺とくだらない議論をしていたこなたに思いっきりヒットした
「ぬわー!」
ドンガラガッシャン
こなたの悲痛の叫びと、それでも勢いを殺しきれないハルヒが
パイプ椅子を複数犠牲にして転がるように吹き飛んだ
長門は俺をなにか言いたそうな面持ちでじっと見つめていた
しかし後の祭り、後悔先に立たず
数十秒の時間を要して立ち上がったハルヒとこなた
ハルヒは元よりこなたまでもが俺に殺気のようなものを向けている
「いや、すまんかった、この通りだ」
俺は素で命の危機を察知して、平謝りに徹したが
『問答無用!』
その後、ハルヒの命令により
レベルEなるマンガ本のみ撤去された
さもありなん、サムハンキンポー
最終更新:2008年02月23日 08:36