七誌◆7SHIicilOU氏の作品です。
空耳、というと
聞こえてないのに聞こえる幻聴というような意味合いがあるのだが
今日のSOS団でその言葉を使うと違う意味に取られる
では一体どんな意味になるのかというと…、説明に困るが
近い言葉は聞き間違いだろうか
外国の音楽の歌詞を無理やり日本語にしてしまう事だ
でなぜいきなりこんな事を言うのかと思えば、理由はある
「へぇ…色々あんのねぇ」
ハルヒが今机に肘をかけながら弄ってるパソコンで
更にいうなればそのパソコンの両脇のスピーカーから流れてる曲だ
この場で聞く限り普通の音楽なのだが
ハルヒの見ている画面の向こうには珍妙なキャラが動き回り
変な歌詞が流れてることだろう
まったく、こなたも変なもんを教えやがって
俺はハルヒの後ろで一緒にみてるこなたを睨む
こなたは俺の視線に気が付いて、無垢な笑みで手を振って答える
あいつ、純粋に現状を楽しんでる
「はぁ」
ため息をついて俺もこなたの方に歩き
窓に背を向けてパソコンの画面を見てみる
ハルヒはそれに気付いて一回再生中だったそれを停止させて最初から再生させた
マーシェリーマーシェリーうるさい曲だ、同じのばかり繰り返してまるで『運命』みたいだ
あれも確か曲を脳に浮かべる能力が足りなくて同じ節ばかり繰り返す単調な曲だった
と、記号で書かれたキャラが画面内を文字通り動き回ってる
「…日本くらいある餃子をつくる材料ってどれくらい必要かしらね?」
ハルヒがぽつりと、空耳歌詞をながめて言葉を落とす
…おいおい、作り出すとか言わないでくれよ頼むから
「んなわけないでしょ、ちょっとした興味よ興味」
お前のそのちょっとした興味でいままで俺達がどんな目にあったか逐一言ってやろうか?
その度に長門に助けてもらったりだ
「…どうした長門、お前も興味あるのか?」
長門に見たら目があった、本から顔を上げてこちらをじっと見てる長門に
俺が声をかけると長門は本をしまってゆっくりとした足取りでこっちにやってきた
よかった長門がなにかに興味をもったのを発見できて
感情はいくら読みやすくなっても、積極的からはやはり程遠いからな
俺とこなたはちょいと長門に場所を譲り
ハルヒはもう一度最初からそのよくわからんものを流す
…えぇい、気が付くと頭の中で流れてて、気が付くと口ずさんでそうだぜ
俺は長門の様子を眺めながら、無理やり違う歌を頭の中で反芻して
どうにか耳に付かないように苦労していたが、途中であきらめた
これを言うのも何度目かわからないが、人間諦めが肝心だよな
「……わかった」
長門は最後までその映像を瞬き一つせずに見つめた後
小さくそういってテテテと自分の椅子に戻り
自分の多分授業用のノートを取り出した
「…ペン貸して」
「あいよぅながもん」
こなたから黒の細いマッキーを借りた、何をする気だろうか
もしかしてノートにマジックでさっきの絵を描いてそれが動き出すなんてことは無いよな?
長門だったらやらないだろうが、不可能でもないだろうから不安だ
キューとマジック特有の音を立てて、硬いノートの表紙に書かれたのは
俺の想像通りさっきのよくわからん猫とかの絵だった
俺の想像とは違って動きはしなかったが、非常に上手くかけていた
そう、"上手く"描けていた
つまりそれはそのまま同じものではなかったということ
長門なら完璧に同じものをかけるだろうに、ノートに描かれていたのは
さっきの記号の絵ではなく、普通の線で描かれた絵だった
そっくりだけど、少し違う絵
非常に上手くてきれいだけど、そのままじゃない
やっぱり変わったんだな、長門もさ
「上手くかけてるよ、長門」
「…そう」
「へぇ、有希って絵の才能もあるのね~さすが万能少女ね」
長門はそれには答えなかったが心なし楽しそうに嬉しそうにしてるように見えた
次の日、俺のノートの表紙全てに色々な絵が描かれていた
確かに学校に置きっぱなしでわあるが
全てにこんな事をするような暇人はいないだろうし
少ししかみなかったが長門のあの絵と同じなのは理解できた
好きなものを見つけるのはいいことだが……
さて、今日はノート提出があるんだよな
最終更新:2008年02月23日 08:54