柚月真琴には隠してきた秘密があった。
幼い頃より霊が見え、対話が出来ること。
それが原因で辛い過去を持つ彼女は、他人に知られないように細心の注意を払っていた。
……はずだった。
「幽霊、見えてますよね」
放課後の教室、振り向いた先に女生徒が一人。
真っ直ぐな瞳で見つめてくる彼女に、真琴は視線を逸らして答える。
「いやぁ……どうだろうな……ははっ」
季節外れの新入部員としてオカルト研究会に関わることで真琴の生活は大きく変わっていく。
おかしな先輩に、おかしな後輩。
活動内容はオカルト談議や、調査と称して夜の校舎に忍び込むこと。
流されるまま七不思議調査に付き合っていくうちに、
真琴は、校内に潜む不穏な影に気付く。