――時は近未来。といっても、街並みは今の世とほとんど変わらない。街には巨大な鏡のようなビルが所狭しと立ち並び、人々は蟻が地を這うようにせわしなく往来を行きかう。アニメ版GTO後期オープニングよろしく、車もしばらく空を走ることもなさそう。
大きな相違点を挙げるとすれば、それは「メダロットの」存在だ。
「メダロット」。それは、人工知能である「六角貨幣石(メダル)」を搭載した、全く新しいロボットである。ティンペットと呼ばれる基本フレームに様々なパーツを組み合わせることによって、無限の可能性を秘めている。
巷では、この「メダロット」同士を戦わせるロボットバトル、通称「ロボトル」が老若男女問わず流行している。今やメダロットは、人間のよきパートナーとして、携帯電話のような必需品と化したのだ。
そんなメダロットを研究する場所、「メダロット
研究所」の一室にて。
「ふんふんふふふ~ん♪ ゴミを畑に捨てるやつは誰だ、誰だ、誰だー♪」
ご機嫌な調子で歌を歌いながら、ネットサーフィンをする眼鏡っ娘がいた。肩まである橙色の髪を持ち、右端の髪をスマイリーマークのボンボリで留めている。彼女の名は「愛媛 蜜柑(えひめ みかん)」。メダロット研究所所長のひとり娘にして、近所の高校に通う生徒だったりする。
「実はオラだー♪ なにぃ、お前は生き別れた息子の友達の叔父の知り合いの娘~♪ ――あべしッッ!!!」
蜜柑は、突如奇声を上げる。一体、なにが起こったのか? 理由は簡単。クソつまらないホームページを見たため、精神的ダメージを受けたから。どれくらいつまらないかは、読者の想像に任せよう。ちなみに、想像して気分が悪くなったからと言って、当方では一切責任を負いません(何故最後の一文だけ敬語?)
それはともかくとして、クソなホームページは蜜柑の怒りを買った。眼鏡をキラーンと光らせると、蜜柑は不気味な笑いを浮かべる。
「くふふふ…………――荒らすか」
蜜柑は
掲示板に「ああああああ」という件名の記事を100個くらい立て、チャットに入室して他人をけなしまくった。
最終更新:2007年11月04日 22:53