14話 止める戦争と解読

ラック「何!?狂戦士は誰かが退散させた!?」

取引から翌日、ラック一行はシンガポールの都会のレストランで遅い昼食をとっていた。ラックはレストランの外にある公衆電話である人物と話していた。
ラックの驚きの声は店で腹ごしらえをしていたバクス、正彦、ゲッシュ達や店にいた人たちにも丸々聞こえていた。

バクス「・・あの・・馬鹿兄貴・・」

バクスは食べ終えた皿を塔の如くそびえ立たせながら兄の悪口を言っていた。正彦とゲッシュはそれぞれは互いの悪口は言えないなと思った。
正彦は食べ終えてタバコを吸っていると、ラックが戻ってきた。

ラック「ふぅ~~~~~~・・・」
ゲッシュ「うわ、すごい溜息・・何かあったの?」
ラック「アメリカで狂戦士が虐殺をしているって新聞で書かれただろ。それで狂戦士を討伐しに行こうとしてアメリカのハンターのダイルスにアメリカの状況を聞こうとしたんだが、ダイルスの話じゃもう狂戦士は誰かに退散されたらしい・・」
バクス「待って。誰か?狂戦士を退散したのは数十名のハンターではなく1人で?」
正彦「あの狂戦士を1人で・・・」
ラック「ああ。聞いた話じゃ白いマントを着た老人が退散させたとか」
ゲッシュ「ガンダルフみたい」
バクス「・・アイディアス・・まさか、そんな・・」

バクスの顔は徐々に驚きに満ちてきた。その顔を見て正彦が質問をする。

正彦「誰だよ?アイディアスって?」
バクス「・・・もう何千年も生きてるリッチ(不老不死の魔術師のこと)で、最強の魔術師であり、この世界でたった1人の魔法使い。でもアイディアスはそんな簡単に人前には姿を現せないのに・・」
ラック「何にせよ、アメリカ滅亡はなくなった。今は『デット・クロス』の破壊する方法を考えないと」
ゲッシュ「ただ壊せばいいんじゃないの?」

ゲッシュの疑問にラックは何処から出したのか『デット・クロス』が入っていると思われる黒い箱を取り出した。そして箱を開けた。
中に入っていたのは透明な十字架だった。まるでクリスタルで造っていると思うほど透明で、日が当たると虹色の光を出して輝いている。クリスタルには紐がつけられていて、その紐にもパールやサファイヤ、ルビーなどの宝石と思われる装飾品がつけられている。透明な十字架、虹色に光り、高価な装飾がつけられ、見た限りでは豪華の極みを思われるが、だんだん見慣れると十字架から発せられると思われる魔力で気分が悪くなっていく。
そして、ラックはポケットから短剣を出し、思いっきり短剣を『デット・クロス』に突き刺した!
短剣が何かに防がれる音がしたと思うと、短剣は折れていた。十字架はかすり傷一つ付いていない。

正彦「なっ・・・」
ラック「昨日の夜、俺とバクスはできる限りの武器と魔術でこの十字架を壊そうとした。だが見ての通り、かすり傷つかない」
バクス「レイピア、剣、銃、ファイヤーボール、サンダーランス。これでもかとやっても成果は無い」
ゲッシュ「じゃあ・・どう壊せばいいんだよ。お前らから聞いた話じゃこの十字架は狂戦士の心臓のようなものであり、これを壊すということは狂戦士の心臓を壊すのと一緒なんだろ?」
ラック「そう。だから困っているんだ。この十字架を破壊しなきゃ狂戦士は死なない、死者は増える、世界は破滅の道を歩いていくだろうな」
ゲッシュ「・・なぁ、ヴァンサーの日記には何も書いてないのか?」

バクスは首を無念そうに縦に振る。

正彦「くそ・・・これじゃあ・・」
ラック「俺はこの日記を信じてもう少し読んでみる。何か手がかりを探すために」

4人は焦っていた。こうしている間にも世界が滅亡の一途をたどっていると思うと、焦りが大きくなっていた。


ラックたちが焦り始めた頃、狂戦士は何も見えない、ただ土があるだけの陸に上がった。アイディアスから受けた傷はもう完治していた。
彼が上がった陸はアフリカ大陸だった。
狂戦士はニヤリと笑い刀を振り回して走り出した。全ては虐殺のために・・

続く


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最終更新:2007年12月31日 17:41