第16話 最終決戦

アフリカ地方、ここは大自然に恵まれ、地域に住む人々が自然と野生動物と共存して生きていた。
しかし、ここだけは違った。
ゾウ、トラ、ライオン、キリン・・・野生の生き物の死体がアフリカの大地にあった。その死体には切り刻まれており、肉と内臓が飛び出ている。しかし、野生動物の死体は数体しかなかった。大地を埋めているのは別の生き物の死体、そう人の死体だった。人に死体は原形をとどめていないほど切り刻まれたあとがあった。死体の数は数百にのぼった。死体は若い男性、女性。族長というべき老人、そして15歳にもなっていない小さい子の死体。
死体の大地に1人の人物が立っていた。そう、世界を虐殺の恐怖に叩き落した狂戦士である。
狂戦士は体中に血がべっとりとついていた。それでも狂戦士は死体の大地の光景に笑みを浮かべている。右手に血塗られた刀、左手に持っている赤い塊(人の死体から取り出されたものといっておこう)を口に運びずっと突っ立ている姿は誰が見てもこの惨劇を作り上げた者とわかるだろう。
狂戦士が食事をしていると、彼は急に何かを感じその感じがした方向を見た。その方向はかつて自ら滅亡させたフランスだった。
すると狂戦士は急にニヤリと笑った。左手に持っていたものを地面に叩き付け、刀を手に持ったまま腕を広げた。その瞬間、狂戦士は霞になった。
狂戦士が霞になる瞬間、殺戮を楽しむ笑顔を出して・・・


ラック「さすがFBI。点検を難なく通り過ぎられたな」

ラックたちが『デット・クロス』を破壊するために必要なレイピアを見つけ出すことが重要だとわかって2日が経った。日がてっぺんを目指して昇っている昼前、彼らは今フランスに来ていた。正彦とゲッシュはラックの言葉を聞き、少し得意げになった。
なぜフランスに来ているかは2日前、レイピアは必要だとわかった直後にさかのぼる・・・


ミルの家で彼らが重要な手がかりを見つけた。その瞬間、ラックは出る準備を進め津ために外に出て、バクスは持ってきていた資料の紙数十枚を出し、急いで目を通し始めた。見るは急に台所に行き、何かゴソゴソと行動している。
この行動に正彦とゲッシュは疑問に思った。

正彦「おい・・急にどうした?」
バクス「違う。違う。これじゃない・・」

バクスは自らの世界に入り込み、正彦の質問を聞いていない。すると、月収がミルから借りたメガホンをバクスの耳元に構え、こう叫んだ。

ゲッシュ「ねぇ!?お前ら何調べているの!?」

さすがのバクスもこの大声にびっくりし、質問を答えざるをえなくなった。

バクス「ぅぅ・・耳鳴りが・・・ヴァンサーの日記に書かれていたレイピアを探しているんだ」
正彦「お前らの家にないのか?」
バクス「あったらここで苦労していない。今調べているのは今までのブレイス邸の場所だ。特にヴァンサー時代のときの。何故ならそこにレイピアがあるかもしれないから」
ゲッシュ「なるほど・・。で、見つかったわけ?」
バクス「残念ながら・・・・・・!! これだ!!」

バクスは急に大声を出し、資料を乱暴に見るの机に叩きつけ、バクスも外に出た。代わりにラックが家に入ってきた。そして正彦とゲッシュに話しかけた。

ラック「正彦、ゲッシュ。出る準備をしろ。目的地は決まった」
正彦「わかった。そのヴァンサー時代のブレイス邸どこだ?」
ラック「フランス。場所はかなり海沿いだ。今バクスが移動するあの魔法の準備をしている」
ゲッシュ「あれか・・あの魔法、僕気分悪くなるんだよね・・」
正彦「つべこべ言うな。わかった、準備を急ぐ」

そして、正彦とゲッシュも外に出た。ラックはミルがいる方向を見る。ミルはまだ台所でゴソゴソ動いている。ラックは見るに向かって話しかける。

ラック「じゃあな、ミル。何か急だったけど久しぶりに来てお前が元気な姿見れてよかったよ。じゃ・・・」
ミル「待って!」

ラックが玄関から外に出ようとしたまさにそのとき、見るが大声でラックの動きを止めた。ラックが振り返ると、見るの両手には弁当箱を持っていた。

ミル「急いで作ったからサンドイッチしかないけど、バクス魔術使ったらお腹すくでしょ?そのため」
ラック「・・・ヒソヒソ作らなくても」
ミル「この弁当箱、お気に入りだからちゃんと生きて持って帰って持って来てよ?」
ラック「・・・バクスにそう伝えとく」

ラックは左手に弁当箱を持ち、外に出た。
ラックが車に乗った瞬間、車は消えた。最後の目的地であるフランスに向かって・・・


それから2日後、彼らはフランスに来ていた。
前回やって来たフランスには破壊された町と大量の死体しかなかったが、今回はもう一つ追加されていた。
死体処理とフランスに来る人たちを点検する数千人はいるの軍人たちであった。
彼らは来た当時は軍人たちの点検につき合わされ、1日を点検で費やしたが、正彦とゲッシュがFBIからのフランスのこの事態を収拾するために来た増援と言い、何とか点検を済ました(ラックとバクスはFBI見習いと言う大嘘をついた)。

そして現在、昼過ぎになりラックは車を運転し、目的地までの地図を見ながら運転をしている。3人はミルが作った弁当を食べ、その後仮眠をとっている。ラックは運転をしていて目的地につくのは夜だと予想をした。

夜になった。
目的地がもうすぐ着くとラックが3人に言うと、3人は目を覚ました。すると、ラックは何かを思い出したかと一瞬でわかる大声を出した。おかげで3人は完全に目を覚ました。

ラック「いかん!!『24』のシーズンⅥ、ポスティに録画しとけって言うの忘れた!ポスティちゃんと録画しているかなぁ~?」
バクス「・・ポスティに『24』録画しとけって言っといたよ」
ラック「ナイス♪ジャック・バウアーがあの後どうなるか気になって気になって・・」
正彦「・・・緊張感ないな。お前ら」
ゲッシュ「なぁ・・前方に見える建物がそうか?」

ゲッシュの言葉によって皆が気づいた。そう、すべての決着が着くヴァンサー時代のブレイス邸。それが今ラックたちの目の前にある。
ブレイス邸にはヴァンサーが住んで以来、誰も済んでいないとすぐわかるほど古ぼけていた。2階建ての家で、煙突がある。
だが、そのブレイス邸の目の前に彼らが今最も会いたくない奴がいた。

狂戦士

4人すべてが一致した。そこに赤い塊を口に運び、誰かを持っている狂戦士がいた。
物語の最後には必ず戦いがあるものだ。そして、今ここでも物語の最後を飾る戦いが始まる。
ラックが狂戦士を見つけると、運転を止め、自分の席に置いてあった剣と銃を持ち、狂戦士めがけて走る。

ゲッシュ「バクス!正彦!俺とラックが時間を稼ぐ。その間にレイピアを見つけて『デット・クロス』を破壊しろ!」

ゲッシュがそう言うと、ゲッシュはダガーとピストルを持ち、ラックと後を追う。
それを見たバクスは首に『デット・クロス』をかけ、正彦と共に武器を持ち車から出る。そして、急いでブレイス邸に向かう。

狂戦士がそれを見ると、刀を振り回し、バクスと正彦を追いかけようとした。
すると、刀と刀が交わる音がしたかと思うと、ラックの剣とゲッシュのダガーが狂戦士の追撃を阻止した。

ラック&ゲッシュ「お前の相手は俺たちだ!」

今、最後の戦いが始まった・・・

続く


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最終更新:2007年12月31日 17:39