――――時は平成の世。
 明治維新以降、日本は近代化の一途をたどっている。
 新しいものが雪崩のように押し寄せ、街はネオンサインや街灯の明かりで溢れかえっている。
 一方で、古い因習は次々に葬られ、闇は次第に居場所を失っていく。
 妖怪、幽霊――古くから「噂」として語られ続ける闇の住人も、また然り。


 では、闇は完全に駆逐されてしまったのか?
 ……いや、そうではない。


 あなたは、覚えがないだろうか?
 道を歩いている時、誰かがついてくるような気がする。振り向いても、誰もいない。
 深夜に鳴り響くインターフォン。玄関に出ても、誰もいない。
 箪笥の陰に、見覚えのない影。覗き込んでも、誰もいない。

 誰もいない。     誰もいない。

     誰もいない。         誰もいない。

  誰もいない。        誰もいない。

         誰かいる。


 非日常は、すぐ側に潜んでいる。我々の日常を、陰から狙っている。


 しかし、目を背けないでほしい。逃げずに、立ち向かってほしい。
 心に光ある限り、きっと彼女らは手を差し伸べる。闇に立ち向かう、一筋の光。

 そう、彼女らの名は――――


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最終更新:2007年04月10日 12:31