書き手バトルロワイアル3rd(2ndが実は3rdだったらしいから、本当は4th?)は、予約制が採用されていないロワだ。
トリップをつける必要もない。
結果、ほとんどの作品は『
名無し書き手』によるものだ。
そんな書き手ロワ3rdにたった一人、コテハンと呼べなくもないものを持っている存在がいる。
『ここまでのまとめ』―――最初期には
参加者名簿、外見設定一覧、現在地まとめを作成し、
wikiの充実に伴い名簿と外見設定の一覧はなくなったものの、現在も時折キャラ達の現在地まとめを投下している人物だ。
そんな『ここまでのまとめ』の人は今、したらば管理人であるしたらばさんが用意した、
ミニチュア日本が見渡せる部屋(ロワ会場外)に住んでいる。
◇ ◇ ◇
書き手バトルロワイアル3rd番外編
書き手ロワ3rdの人々 ~第壱話 まとめの人のある朝の風景~
◇ ◇ ◇
Pi、Pi、Pi、PiPiPiPiPiPi……
カーテンの隙間から朝日の差し込む部屋で目覚まし時計が鳴り響く。
「ふぁ……」
目を覚ましたまとめの人がベットの上で起き上がる。
思い切り伸びをしてから目覚まし時計を止めると、すぐさま立ち上がり一気にカーテンを開け、眼下に広がるミニチュア日本を眺める。
これが、まとめの人が毎朝いちばん最初にすることだ。
しばらくミニチュア日本を眺めた後、まとめの人は部屋を出る。
まず洗面所で顔を洗い、トイレに行ってから部屋に戻って着替えを済ませ、愛用のパソコンを立ち上げる。
そしてパソコンが起動するまでの間に、棚の上に置かれた水槽の中で泳ぐ電気ウナギに餌をやる。
この電気ウナギは、一人暮らしになってしまうまとめの人への、したらばさんからのプレゼントだ。
何故、電気ウナギなのか。まさか感電つながりなのか――もらったばかりの頃には気になっていたが、
まとめの人はもう気にするのをやめてしまっていた。
理由はどうあれ、まとめの人にとってこの電気ウナギは、今では大事な家族の一員。
『かんでんくん』という名前もつけた。念のために断わっておくと、『くん』までが名前だ。
かんでんくんへの餌やりを終えると、まとめの人は椅子に座ってメールをチェックする。
To:まとめくん
From:ウィキ
こんにちは。元気にしてるか?
俺も元気にwikiの管理人をやってるよ。
今度また遊びに行く。かんでんくんにもよろしくな!
To:まとめくん
From:現在地MAP作成人
こんにちは。お久しぶりだね。現在地MAP作成人だ。
この間のメール、読んだよ。
そこは、管理しているのはしたらばさんで、住んでいるのは君だ。
だから私が口出しするのはお門違いかもしれないが……その家の愛称を『大阪県』にするというのは
考え直した方が良いように思う。
新着メールのチェックを終えたまとめの人は、朝食の準備のために席を立つ。
SSが投下されていないかの確認は食事の後だ。
台所に向かい、コーヒーメーカーをセットして食パンを2枚、トーストへ入れる。
そして、スクランブルエッグを作るために冷蔵庫から卵を取りだしたその瞬間、まとめの人の動きが止まる。
「あれ? そういえば……」
慌てて冷蔵庫の扉を閉めて、そこに磁石で貼り付けてあるカレンダーを確認する。
5月16日のところに『新規参加者締切』の文字。
「日付変更と同時に参加者締切……とうとう、書き手ロワ3rdの参加者決定したのかぁ」
感慨深げにそう呟くと、まとめの人はスクランブルエッグ作りに取りかかった。
――――――第壱話・了。第弐話へつづく?
最終更新:2009年05月19日 18:15