◆ ◆ ◆
一騒動を終え、静かでエロティックな雰囲気を取り戻したホテルのVIPルーム。
ついさっきまで、孔明と
バトルマスターの二人が
愛の巣としていた大きな回転ベッド。
今、その中央には真っ赤に茹で上げられた蟹……座氏が横たえられていた。
泡を吹きながら泡の中へと沈んでいった彼女は、二人によって水揚げ……でなく、助け出され、
とりあえず最低限の水気だけは切られて寝かせられている。
未だ全裸。しかし、その点は身体の上にシーツがかけられているので問題はない。
ちなみに、蟹の兵隊達はベッドの脇で幾何学模様の陣形を組んで、静かに彼女が起き上がるのを待っている。
そして、そこよりも少し離れた位置。
全チャンネルAVしか映さないテレビの前で、バトルマスターと孔明の二人は何かを言い争っていた。
あ、そう。彼ら二人はもう服を着なおしています。妄想の中のビジュアルを書き換えるように。
「……――では、『コレ』をお願いします。ご主人様」
「本当に私が『コレ』を……なのか?」
凛とし、いつもの調子を取り戻し始めている孔明。
そして、それとは対照的に強い困惑の表情を浮かべているバトルマスター。
「脱衣場に衣服が残されていなかったこと。そして、廊下に残っていた濡れた足跡……。
これらから、彼女がなんらかのトラブルに巻き込まれていた。誰かに襲われたのかも知れない。
――それは、解りますよね?」
孔明の言葉に、バトルマスターはうむと頷く。それは彼にとっても推測できたものだったからだ。
そして、ならば自分が偵察に行くというのに、目の前の少女は頑としてその仕事を譲らないのであった。
「確かに万全であればご主人様の方が安全です。しかし、今はそうではありません……。
まだ、動くだけでも辛いでしょう?」
だから自重する様にと、孔明はバトルマスターに重ねてお願いをした。
だが理由はそれだけではない。むしろこちらの方が重要。それは――、
「起きた時に……知っている人がいた方が、彼女も安心するでしょう?」
言いながら、孔明は回転ベッドの方へと視線を向ける。
釣られて同じ様に視線を向けたバトルマスターの目には、未だ気を失ったままの
蟹座氏の姿が映っていた。
出会いは少々アレであったが、同じギャルゲロワ出身の書き手。
そして、ししょーと呼び慕う彼女を放ってこの場を離れることができるかというと……。
「うむ、分かった。彼女のことは私に任せてくれ。だがな、君も――」
「――ご心配無用ですよ、ご主人様♪」
バトルマスターが振り向いた時には、孔明は姿はもう外へ通じるドアを先へと半ば消えていた。
そして、最後に♪だけを残すと次の瞬間には去りきっている。
――数時間前にここにいたのは、気絶した男とそれを介抱する幼女。
そして、今ここにいるのは、気絶した少女とそれを介抱する男。
蒼い顔で気を失っている蟹座氏。彼女を見つめるバトルマスターの手には――『ブルマ』があった。
◆ ◆ ◆
――女の子の身体は冷えに弱いんです。だから『コレ』を♪
そう言われて、バトルマスターの手に渡されたのが『ブルマ』……を含む、体操着セットであった。
出所は、廊下の端にあった妖しげな自販機――つまりはコスプレグッズだ。
裸でここまで来た蟹座氏に服を着せなければならないのは、彼も十分に理解している。
そして、この中で手に入る衣服の中で最もましなものがこの体操着セット+上下の下着であることも。
他にはあったのは、ペラペラの安っぽいナース服やチャイナドレス。バニースーツだったと言うのだから仕方ない。
だがしかし――。
「なんで、私が着せなくちゃあならないんだ……孔明」
その理由も一応説明されている。孔明曰く、「私は身体が小さいので……」だということだ。
確かに、蟹座氏が同世代の女性の平均をやや下回る程度の体躯だとしても、
それよりもなお小さく小学生低学年並の短躯である孔明に取って、彼女の着せ替えは大仕事といえるだろう。
そういう意味では、細身でも鍛え上げられたバトルマスターがその仕事をこなすのは最適だと言える。
「いやでも、まずい……でしょ、コレは……」
そう。問題は倫理的な部分にある。
これを介護や医療措置、または緊急措置と捉えても、バトルマスターは健全な男の子。
リアル女の子で着せ替えごっこだなんて……そんな、もうたまら……いやいや、Hなのはいけないと思います。
「……でも」
バトルマスターはブルマを己に託した時の孔明の表情を思い出す。
あの顔には一切の邪まなものや不安がなかった。つまりは、信頼されているということである。
信頼――男が一度背負ったならば、決して地に落としてはいけないものの一つだ。
ならば、やはり――!
「私は……いや、俺は――やるぞ!」
手の中のブルマをギュっと握ると、バトルマスターは自身を蟹座氏を正対させる。
己の邪念と闘うのもまた勝負。ならば、バトルマスターとして、男として!
――挑む!
◆ ◆ ◆
バトルマスターの眼前に広がる、あまりにも険しいその道行。
前人未到の女体の神秘――それに立ち向かうは闘争制覇者としての矜持。
男の人生は何もかもが闘争。
ならば、バトルというのならば――それは全てバトルマスターの領域だった。
彼はいつも通りにそれへと臨む。
精神を静かに研ぎ澄まし、魂を熱く燃焼させ、筋肉に一糸乱れぬ統制を命じ、両の眼で勝利への道を見る。
打倒すべきは蟹座氏? ――ノゥ! 打倒すべきは、己の中の邪念。
勝利条件はそれを打倒し、孔明より預けられた任務を完遂すること!
バトルマスターは自身の頭の中で、闘争開始の鐘を鳴らす――、
「……さぁ、いくぞ。蟹座氏」
――とりあえずは、ショーツからのスタートとなった。
◆ ◆ ◆
綿素材100%。ポップにデザインされた蟹がバックプリントされた、女児ショーツ。
煽情的なデザインの、薄い生地で作られた際どいショーツも自販機の中には多々存在したが、
身体の保温を目的とする現状。このカニパンを選択したことは、ベストであったと評価できるだろう。
しかし……、こんなものが自販機の中にあると言うことは……ロリコンも世に少なくはないと言うことだろうか?
――ともかくとして、蟹座氏に挑むバトルマスターはそれを片手に彼女へと迫る。
女児ショーツを握り締め、気絶した少女の足元に座るバトルマスター……すごいビジュアルである。
しかしながら、彼にも言い訳めいた理由があった。
今回、孔明より彼に与えられたミッション。
その完遂に必要な手順は――『ジュニアブラ』『女児ショーツ』『ブルマ』『体操着』――の4つ。
その内、後者2つは上着であるため自然後回しとなる。して、残された選択肢は『上』か『下』かの2つ。
バトルマスターは最初、上から行こうと思った……が、難易度の高さにそれを一旦諦めた。
後ろにホックの無いジュニアブラを装着させるには、全体を一度頭から通す必要がある。
更に、ストラップを両腕から肩へと通さなければならない――と、手順が多い。
位置とストラップの長さの調整も……と考えると、飛躍的に難易度は上昇してゆく。
そして何より、否応が無しに見えてしまう。
作業を行うにあたり、シーツを剥がさなければならないのは勿論であるし、
手順の都合上、目を瞑って……というのは難しい。
男が押したくなる赤いボタン――それに対するにはまだ覚悟が足りぬと、バトルマスターは一旦そこから引いた。
で、初手として残されたのは『下』の方――カニパンである。
こちらは爪先から足を通せば、後は道なりにずり上げてゆくだけ……と手順は至極単純。
その危うさでは遥かに上半身を凌駕するものの、目を瞑っていれば問題ないだろうと彼は判断した。
真円のベッドの上。元より2人用。さらに『運動』をすることを前提として作られたそのリングは広い。
そして、横たえられた蟹座氏が小柄なのでより広く感じることができる。
少女の足元よりベッドの端にまであるスペース。
そこに座すると、バトルマスターは改めて蟹座氏へと挑みかかった。
◆ ◆ ◆
「……――ぬぅっ!」
ショーツを脇に置き、くっついていた足を少し開こうと足裏に触れたバトルマスターが声を漏らす。
自身の、踏み固められ幾度もの蹴りで煉瓦の様な硬さを得た足裏とは全く異なる感触に驚きを禁じえない。
赤子とまではいかなくとも、家猫の足裏に相当する弾力のある柔らかさ……。
「(…………平常心だ)」
眠ったままの蟹座氏からの初撃を受け止め、バトルマスターは次順へと手を進める。
両手でそれぞれに蟹座氏の足を持ち上げ、それをゆっくりと開いて――……。
「~~~~~~~~~っっっっっ!!!!」
足を開く。それがこんなにも心揺さぶるのかと、バトルマスターは衝撃を受け眩暈を覚える。
ほんの僅かでしかないのに、その先にある股を開かせる行為を想像して彼は大きく身震いしてしまい、
衣擦れの音を立て、微妙にそのシルエットを変化させるシーツに心を囚われかける。
「(…………落ち着け。平常心……明鏡止水だ)」
そこに獅子が牙を剥く姿を幻視したバトルマスターは、手を離し正座の姿勢で気が落ち着くのを待つ。
すでに額の上に汗が浮かび、緊張に身体は引き絞られ筋がキリキリと音を立てている。
静かな闘争ではあったが、そのプレッシャーは彼が体験したどの戦いにも劣らないものだった。
「…………………………!」
とりあえずは……と、作業を進めるために太腿の中ほどまでシーツを捲り上げたところで再び彼は固まる。
未だシーツが覆い隠す部分は、蟹座氏が先刻まではいていたプリーツスカートよりもまだ多い。
だが、その下が裸であるという事実。そして、これが衣服でないということがバトルマスターの心を攻める。
「(……平常心。平常心。平常心。平常心。平常心)」
シーツの端の暗がり。そこへの抗いがたい好奇心を押し殺し、バトルマスターは闘争を続行する。
両足にショーツの穴を通し――……、
「(……! ヤバイッ! ヤバイです――ッ!)」
――パンツをはかせる。その行為はあまりにも恐るべきものだった。
脱がせるよりも遥かに背徳的な後ろめたさ、そしてその影に潜む淫猥な誘惑がバトルマスターを襲う。
何時の間にかに垂れていた汗が、ポタリとベッドの上に落ちた。
退くか? と、脳内の何者かが問う。しかし、彼の名はバトルマスター。闘争から臆して逃げるなどという選択肢は無い。
「(押し通す――――ッ!)」
固く目を瞑り、無心でバトルマスターは蟹座氏の足にショーツを遡らせてゆく。
細い足首から柔らかいふくらはぎを経て、膝裏という中間ポイントを越えたところでまたビクリと身体が震えた。
「――ぅく! う、うぅ……………………、うぐぅ……」
細身の太腿から得られる想像以上の感触。しっとりと掌に張り付く柔らかいそれに、固めた心が解され始める。
思わず手を引きたくなる所――だが、寸でのところでそれは押し留めることができた。
もう視界は完全に暗闇の中で、すべては手探りの状態……、一度手を放せばもう一度同じ場所に戻せる保証は無い。
下手をすればとんでもない『事故』が起きる可能性もある。さりとて、目を開けるわけにもいかない。
「(――続行っ! ――続行だっ!)」
気を奮いなおし、バトルマスターは再び太腿の上に掌を滑らせ始める。
自分のとは比べ物にならない肌理細やかさ。そして、その肌を通じてくる体温の誘惑を振り切り、手を押し進める。
だが、登山がそうであるのと同様に、先へ進めば進むほど危険は増し、その恐怖も増してゆく。
太腿の半ばを越え、ここからは被せられたシーツの下に手を潜らせるという位置で、また手が止まった。
「…………………………………………ゴクリ」
必要以上に柔らかく拵えられたベッドに、ここから先――つまり少女の臀部は半ばまで沈んでいる。
そこにショーツを通し一つの仕事を完遂するには必然、そこを持ち上げる必要があった。
ハタキ一本で東方不敗に挑みかかるぐらいに勇気を必要とされる場面。……だが、バトルマスターは臆せず進んだ。
「――っぐぅ! ――――――――ぉおおっ!!!」
獣の唸り声の様なものが、バトルマスターの噛み締めた口より漏れる。
親指だけをショーツの端に残し、4本×2の指で挑んだそこの感触は一言で現すならば――ふにゅり。
今までのどこよりも柔らかいその感触にバトルマスターの全身が総毛立つ。
「っはぁ! はぁ……はぁ……、はぁ…………はぁ…………!」
指がどこまでも沈んでゆく――そんな錯覚をバトルマスターは覚える。
このまま持ち上げようとすれば、指が少女の身体を貫通してしまうのではないかと、有り得ない事を考えてしまう。
汗ばんだ掌の中で、まるで海月の様に捉えどころの無い蟹座氏のお尻に、バトルマスターは一時我を忘れてしまった。
バトルマスターの繰る計8本の指が蠢き、蟹座氏の臀部と激しい闘争を繰り広げる――。
◆ ◆ ◆
気味の悪いくすぐったさに、途切れていた蟹座氏の意識が半ば程まで戻ってきた。
「(――知らない、天井だ)」
まだ呆けている彼女が最初に思ったのは、そんな定番通りの感想。
そして、意識はすぐに自分を起こした不可解な感触の方へと移って行く。
「(……お尻の下に何か、……いる?)」
蟹の兵士達だろうか? と、蟹座氏は一瞬思う。
ジョジョに出てくるしげちーのハーヴェストみたく、寝ている自分を彼らが運ぼうとしているのではないかと。
だがそれにしては奇妙だ。それに、そう言えばどうして寝ていたのか?
そんなことを考えながら視線を自身の下半身の方へと移動させると――……。
「……――し、ししょー?」
そこには、全身汗だくで顔を真っ赤にし、股の間に割り込んではぁはぁ言いながら一心不乱にお尻を揉む男がいた。
勿論、これは彼女から見た場合であり、彼自身は崇高な仕事を成さんと闘争しているだけなのだが、
しかしどう見てもこの男――バトルマスターは客観的には変態以外の何者でもなかった。
◆ ◆ ◆
「……そろそろ、戻りましょうか?」
キャッスル・満漢全席の前に広がる謎の水溜りの端に立っていた幼女が、そう一人ごちる。
今回のドッキリの仕掛け人であり、先ほど偵察に出てくると部屋を飛び出した、したらば孔明だ。
「今頃は、相当な事になっているでしょう……し♪」
ニヤリと歪むその顔に普段のあどけなさは全く無く、老獪な翁をイメージさせる。
そう。全てはこの孔明の策であったのだ。
「ご主人様と私。……そんな、おいしいポジションを、師匠と弟子なんかに乗っ取られては敵いません」
ならば、あの二人の関係を壊してやろう――それが孔明の考えであった。
気絶した蟹座氏がほどなく起き上がることも知っていたし、それが『悪戯』をしている最中になるだろうと計算もしている。
そして、パンツをはかせようとしていた……そんな『ありえない』理由が目覚めた彼女に通用するはずもない。
少なくともセクハラ……、最悪に考えれば乱暴……。バトルマスターの行動はそう誤解される。
ならば、最終的には『バトルマスター&蟹座氏』+『孔明』ではなく、『バトルマスター&孔明』+『蟹座氏』と落ち着くに違いない。
「くっくっく……、これなにもかも人の心流し動かす策士の業なり」
ヒーロー&ヒロイン+ネタキャラ。
その内の、ネタキャラに落ちる等とは真っ平御免。私こそが、ヒロインの座を得る……と、孔明は暗く笑う。
◆ ◆ ◆
その一撃を避けられたのは、幾千もの死闘を経て身につけた経験あってのことだったろう。
鋭敏に殺気を感じ取ったバトルマスターは、無意識の内にベッドを蹴って飛んでいた。
次の瞬間には天井に立っており、そしてもう次の瞬間には猫の様に床の上へと降り立っていた。
「――蟹座氏っ! 気が付いたのか!?」
直前までバトルマスターが蹲っていた場所に、鉈が喰いこんでいる。
その取っ手を握っているのは、彼が気付かぬ間に意識を取り戻していた蟹座氏である。
いつの間に鉈を? その疑問は、ベッドの脇から鞄を抱えて登ってきている蟹の兵隊達が解消してくれた。
「き、ききっ、君は誤解を――~~~~っっっっ!!!」
これも築き上げた経験のなせる業であろう。
何時の間にかに投げつけられていた鉈を、バトルマスターは直撃の間際で受け止めることができていた。
全くのノーモーション。そして、殺気以外は飛んでくる鉈すらも認識できていなかった。
「は、は、は、話を聞いてくれ……蟹座氏。これは誤解フラグだっ! 勘違いなんだ!」
血塗れの鉈を手に、バトルマスターは蟹座氏へと説得を試みる。が、その成果は芳しくない。
蟹座氏は彼を無視して、蟹の兵隊達が持ってきたブラジャーとブルマと体操着を着込んでいる。
それは、孔明が用意したものだが、どうやら蟹座氏は自分の蟹達が持ってきてくれたのだと勘違いしているらしい。
ともかくとして、これは最後の機会でもあった。
のそりのそりと着替えている間だけが、蟹座氏に言葉をぶつける最後のチャンス。
蟹座氏が着替えを終えれば――……、
「私は君が風邪を引かない様にと、……君を温めてあげようと、ね?
だから、その、やましいところなんてコレっぽちもなく――そう、断じてやましい所はなく!
本当に、これは……君の、ためを思って…………あの、蟹座氏? 聞いてる……?」
――チャンスタイム終了。
半身を向けていた蟹座氏がゆらりとバトルマスターに相対する。
それだけで彼の全身に戦慄が走った。
知っているどのマーダーよりも、どんなヤンデレキャラよりも激しい気配を持つ蟹座氏に彼は慄く。
◆ ◆ ◆
「そうやって……、あのロリっ子もかどわかしたんですか……?」
ドン――と、殺気が音を立てて吹き出され、それはこの部屋を吹き飛ばすのではないかと彼に思わせた。
室内に満ちた赤黒い殺気の奔流。
それが、まるで蟹の足となって自身を包む様をバトルマスターは覚える。
「……答えろ。――バトルマスター」
瞬間、バトルマスターの目の前が殺気に塗りつぶされた。
それが描き出すのは、どこまでも荒涼とした無限の大地。そして、そこに墓標の様に立ち並ぶ大量の蟹脚。
――アンリミテッド・カニアシ・ワークス(無限の蟹脚)。
その幻想の中で、蟹の脚がバトルマスターを刺す! ――刺す! ――刺す!
避けることすら思いつかない。そんな、無限の凶器の群れにバトルマスターは滅多刺しにされる……。
そんな光景をバトルマスターは、蟹座氏の殺気に幻視した。
視界を現実に戻せば、目の前に現れるのは再びあのVIPルーム。そして、蟹座氏。
まさに射殺すと形容すべき彼女の視線に、バトルマスターは無意識に後ずさる……。
そんなバトルマスターをじわりじわりと取り囲むのは、部屋全体に配置されたバッド・カニパニー。
時に最後の蟹隊。または絶対赤蟹チルドレンと呼ばれる異世界の戦士達が彼を追い詰めてゆく。
◆ ◆ ◆
バトルマスターは今、最大の危機に直面している。
起き上がることはできたと言っても、所詮はそれだけでコンディションは最適からは程遠い。
胸の傷も、腕の傷もまだ塞がったに過ぎず、内蔵のダメージはパワーと敏捷性を大幅に奪っている。
そして、目の前に立つ蟹座氏。それと、彼女が率いる蟹の兵隊達。
ぶつけてくる気配だけで100回は殺されそうな存在感。
いかに戦闘に精通したバトルマスターと言えど、善戦すら期待できそうもない……。
そこで問題だ! この危機的状況で、どうやってバトルマスター氏を生存させる?
3択――1つだけ選びなさい。
答え(1) ハンサムのバトルマスターは突如反撃のアイデアがひらめく。
答え(2) 仲間がきて助けてくれる。
答え(3) 助からない。現実は非常である……。
――サードマンは、『3』の答えを回避することができるのか? それは次の書き手のみが知る。
【午後】【G-4/ホテル『キャッスル・満漢全席』-VIPルーム】
【バトルマスター@ギャルゲロワ】
【状態】:胸に抉り傷(回復中)、両腕に削り傷(処方済)、内臓の一部に破損(回復中)、尻に猛烈な痛み
【装備】:蟹座氏の鉈
【道具】:支給品一式、コイン、名簿、永遠神剣「冥加」、不明支給品×2
【思考】:
基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う
0:答え(1)を選びたいが……
1:蟹座氏とはできるだけ穏便に済まし、仲間としたい
2:そういえば、放送はどうだったんだろう?
3:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す
※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。
※自身の精神が、キャラの影響を受けていることに気付きました。
※【闘争制覇者-Battle Master】
発動させることで、決して『バトル』に負けない固有結界を張ることができます。
※
管理人・したらば孔明と『強く結ばれました』
【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:蟹見沢症候群発症、へこみLv5、顎部に痒み、『蟹座じゃないもん』覚醒
【装備】:体操着(ブルマ)、バットカニパニー
【道具】:支給品一式、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ
【思考】:
基本:どうしようか……?
0:蟹見沢症候群発症中!
1:目の前の変態を殺す
2:『あいつ』に逢ったら殺す
3:ギャルゲロワの仲間とは会いたくなかった……けど
4:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵
5:子供の面倒はきちんとみます
※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。
※『バッド・カニパニー』が召喚されました。
蟹座氏のいうことを聞く、千余りの蟹の古参兵達です。幾何学模様を描く隊列は美しいです。強さは蟹です。
【午後】【G-4/ホテル『キャッスル・満漢全席』-1Fロビー】
【管理人・したらば孔明@アニロワ2nd】
【状態】:健康、衣服に若干の血痕
【装備】:スタンガン@アニロワ1st
【道具】:支給品一式×2、ゲイボルグ@アニロワ2nd、オールオーバー@ライダーロワ、大鉈(破損)@ギャルゲロワ、
携帯電話@現実、首輪(
まとめキング)、閃光弾、不明支給品×1
【思考】:
基本:脱出に向けて行動する(基本的に恋姫†無双の孔明を演じる)
0:そろそろご主人様の元に戻ろう
1:ご主人様と対主催をがんばりたいです♪
2:あの蟹は邪魔っけだ!
3:危険人物は徹底排除☆
※容姿や言動は様々な作品の孔明のMIXですが、基本は恋姫†無双の孔明の姿と言動です。
※頭脳はジャアントロボの孔明。力は水滸伝の孔明。(……他にもあるかもしれません)
※【メタモルフォーゼ】
容姿を恋姫†無双の孔明から、ガチムチな孔明へと変化させることができます。
但し、効果は1時間前後。また使用後2時間は、激しい疲労感と眠気に襲われます。
※バトルマスターと『強く結ばれました』
最終更新:2008年04月06日 23:40