孔明の策を成就させ、WIKI管理人にしっぺ返しを食らわせる為だけに今まで戦ってきた。
決意は、あの時から何ら変わっていない。
地図氏は人を利用するのは好きだけど、利用されるのは負けるのと同じくらい嫌いだから。
未だにWIKI管理人に対する敵意という薪はくべられ続け、殺意の炎は燃え続けている。
ロリスキーさんを殺すのもその為の手段の一貫に過ぎない……はずだった。
「……こなた……私を、殺す……の?」
「…………ぁぅ」
詰まるのは、一瞬だけ。
言葉にされたのはやっぱり少し堪えたけど。
決意は、少しも揺るがない。
……違う、か。
私は、愛し方を覚えていない。
人を愛する心は全部半身であるドSに委ねてしまったから。
それでも、あの時感じた喪失の痛みは本当だったから。
今からするのは、ただの私闘。私の、私による、私の為のバトルロワイヤル。
真の対主催としてでなく、地球破壊爆弾として、私が、私の意志で
クールなロリスキーを殺す。
「ああ、殺すとも、ヒューマン。ううん、ロリスキーさん」
今度こそ彼女の眼を見据えて、答える。
突き付けるは剣と槍。
右手にはレヴァンテインを。左手には、激戦を。
空回りさせられてばっかりだったとはいえ、
コロンビーヌとの戦いの熱は未だ冷めていない。
先程まで床を穿ち、柱を寸断し、リノリウムの壁を溶解せしめたように、少女を殺せばそれで終わり。
「それがこなたの望み?」
簡素なベッドから身を起こし、問いかけてくるロリスキーさん。
その声が僅かに恐怖で震えていることに気付くも、悲しいとは思わない。
むしろ、歓喜すら湧いてくる。恐怖という感情を与え、彼女を揺れ動かしたのは他ならぬ私なんだって。
「わたしは、ロリスキーさんが好き。笑っている顔も、泣いている顔も、怒っている顔も、
泣いている顔も、呆れている顔も、泣いている顔も、困ってる顔も、えちい顔も、泣いている顔も好き」
「なんかやけに一種類に偏ってる気がするけど、いいわ。聞かないであげる」
思いっきりびんたして、両目におっきな涙の粒を溜めているロリスキーを思い描き、思わずうっとりしてしまう。
いい、それいい、すごくいい!と。
そんなこなた顔特有のだら~っとした笑みに言いようのない悪寒を感じたのか、ロリスキーさんはびくんと一度大きく震える。
その小動物のように怯えた様子もまたいいなあって心の底から思ってしまう。
でも、その思いも地図氏としての愛の半分で。
こな×かが効果付きのロリスキーさんの愛の量の3分の1にしか満たなくて。
私は隣に並んでくれるという貴方を同じくらい愛せない自分が許せない。
ううん、違う。違う違う違う違う違う!
本当に許せないことは別にある。
いつまで隠している気だ、
地球破壊爆弾No.V-7!
「あのね、ロリスキーさん。さっきは愛を受け止めきれないなんて言ったけど、手段がまるでないわけじゃないんだよ?
私の愛がロリスキーさんの愛に追いつける方法がさ~。
実はね、すんごくすんごく簡単なことなんだ~。
私がね、いかにあの地図氏でも、所詮はオリジナルの半分に過ぎないよね。
そしてなりきっているキャラはどれも地図氏に負けず劣らずの濃い面子ぞろい。
ねえ。私がさ、真の対主催っていう独自の立場を捨て、なりきりをたった一人のキャラに集中させれば
真の対主催っていう独自の立場を捨てて、なりきりをたった一人のキャラだけに集中すればどうなると思う?
うん、今かがみんが思った通り。半分の地図氏じゃ、丸ごとな彼らには勝てない。
つまり、こなたにだってやろうと思えばなりきれる。
そしたらさ。私はもう地図氏の半分じゃなくて、地球破壊爆弾No.V-7っていう一人のオリジナルキャラクター。
地図氏としての50%の愛じゃなくて、地球破壊爆弾No.V-7としての100%の愛を与えてあげられる」
きっとそれは、最良の選択。
地図氏であることに拘らなければ、主催者を目的ごと打破する必要はなくて。
その手段であるロワの加速――人殺しもしないでいい。
二人で生きて脱出すれば、文句なしのハッピーエンド。
「でも、でもね。私は、地図氏であることを捨てられないんだあ。
好きな人より、自分のことを優先しちゃうなんて最悪だよねえ」
「…………」
ロリスキーさんが下を向いて押し黙る。
当たり前だ。自分でも思うもん。私どれだけ自己中なんだよ、って。
ねえ、ウッカリデス。知らなかったと思うけど、私は羨ましかったんだよ?
キャラに取り込まれないで、そのまんまの自分でかがみんを100%愛することができたウッカリデスがさ。
同時に妬ましくもあったけどね。あははははは。
そうだね。どうせだから全部暴露しちゃおう。この醜い想いさえも。
「そしてね。地図氏はこうも考えるんだ。私以外の誰かが、貴女の心を動かす事をどんな形でも許しはしないって。
私が先に死んじゃっても、他の誰かと幸せになって欲しいなんて思えない」
だから、殺す。
死んだ人間は誰にも振り向かせられないから。
殺して、灰にする。
死に顔さえも私だけのもの。
私より、先に死んで。
おいてくことより、おいてかれることの方が怖いから。
「だったらこの気持ちは愛なんかじゃない。ただの独占欲。ただの、わがまま」
さあ言おう、別れの言葉を。終わらせよう、泡沫の夢を。
「クールなロリスキーさん。私はあなたを愛してなんかいなかった。愛したことなんて、一度も無かった」
彼女の肩がわなわなと震えだす。
ほおら、これで破局。
今まで散々好きだの、隣に居て欲しいだの言って、最後の最後で自分から潰すなんて、やっぱり私は、とんだドSだ。
泣いているロリスキーさんの顔が脳裏に浮かぶ。
なんでか、さっきと違って全然楽しくなかった。
迷いを絶ち切れたからだろうと強引に納得する。
でも、やっぱり、その泣き顔を見たくないなあって、思ったのに。
「こ、な……た」
ロリスキーさんは、私が踏み込み切る前に顔を上げちゃって、その顔にはやっぱり、どこか悲しげな、
「愛なら、もらったわよ。沢山、たくさん」
笑顔が、え?
「愛なら、もらったわよ。沢山、たくさん」
ベットから降り、地に足を下ろし、ロリスキーはそこで気付く。
裸だ。すっぽんぽんだ。申し訳程度に大事な部分が隠されているのが逆にエロ度をアップしている。
わわわっと顔を赤くし手をぶんぶん振りまわすも、全身を隠せるわけでもなく。
後ろ向いたりくるくる回ったりするも、遂に諦め、やけくそ気味に前を向く。
「かがみん?」
「決めた」
爆弾は、わけがわからないといった表情のまま止まっていた。
まだ、少し距離があった。なら、私から、歩み寄る。
ドSで、変態で、えちくて、でもたまにドMな彼女の隣に立とうと決めたのは、他ならぬ自分なのだから。
「私は、あんたに絶対殺されてなんかやんない。ううん、他の誰にも殺されてなんかやんない」
更に、一歩。
けれど、二人の距離は縮まらない。
来ないで、とおびえる赤子のように爆弾が後ずさったから。
構わない。こなたが一歩下がるなら、私が二歩進めばいい。
「だって、そしたらこなた、これからもずっと一人になっちゃう」
人にも、時にも奪われたくないから、愛することができないと嘆く少女は、大切な人を己が手で殺していくのだ。
ロリスキーの頬を涙が伝う。
何度も何度も一人ぼっちの小さな背中が浮かんでは消えていく。
誰よりも激しく人を愛するのに、その
愛ゆえに地図氏は独りぼっちだ。
永遠に孤独。愛を知っているからこその悲劇。
人一倍寂しがりやで、愛を求めているはずなのに。
「そんなの、そんなのって、悲しすぎるよ」
約束、したのだ。
これからは、いつも隣同士でいようって。
手を繋いでてさ、ずっと仲良く喧嘩しあおうって。
だったら、これも喧嘩だ。
「置いてかないで。置いて行かさないで。あなたの居場所は、ここなんだから!」
「でも、わたしの愛は、ドSが持って行っちゃったから」
あんたがわかってくれるまで、絶対に引いてなんかやんない!
「違う!」
「違わない!」
「違う!」
「違わない!」
二歩進む、三歩下がられる。
三歩進む、四歩下がられる。
互いに互いの意見を否定し合ってばかりで、心の距離も体の距離も一向に縮まらないままだ。
ええい、このわからず屋め!イライラしてきた。
なんであんた普段いい加減なのに変なところで頑固なのよ!
「だあかあらあ、そこがおかしいって言ってんのよ!」
私はこなたみたいに地図は作れない。絵も描けない。ロゴも、ダイヤグラムだって用意できない。
考察だって穴だらけ。『なりきり』がなんのことかもわからない。けど、それでも、これだけはわかる。
「私が好きなのは、私が隣に居て欲しいのは、会ったこともない地図氏なんて人じゃない!
地球破壊爆弾で、アーカードで、長門有希で、泉こなたで、レヴィで、キングゲイナーで、
あとついでにもう一つを含有したあんた、今の地球破壊爆弾No.V-7なんだから!
どれが欠けてもあんたじゃないの!こなたになる?大きなお世話よ!
ドSに持ってかれた?余分なものもいらないわよ!」
これ以上怖くても、これ以上優しくても、それは私の好きなあんたじゃないから。
「駄目だよ、かがみん。その理屈は私だって考えたよ。
でも、こなたになり切れない私じゃ、かがみんを泉こなたの50%しか愛せないのには変わりがない」
元が何であろうと、告白してきたのはあんたの意思、受け取ったのは私の意思。
こな×かがが基盤、それがどうしたっての。
結局人が如何に行動するかは、最後には自分で決めるもので。
私達があとあとどう思おうとも、絶対に私達という存在からはみ出しても、波状してもいないのだ。
爆弾は爆弾、私は私。それだけはず~っと変わらない。
それでも、それでも納得できないというのなら。
「他の6っつで補いなさいよ!あんたハーフどころかセブンスじゃない!
泉こなたの50%しか柊かがみを愛せない?
なら後50ね。漫画ロワじゃ旦那かがみと殺し愛して気に入ったから30%追加!」
「ご、誤字は
お姉さまの専売だよ、かがみん?」
さっそく突っ込まれる。うぐ。そりゃまあ、自分でも無理やりだと思うけど、いいのよこれで。
反逆よ、反逆!質量保存の法則なんてくそくらえ!……え?違う?いいのよ、もう!
このまま最後まで勢いで押し切ってやるんだから!
「知るか!次は長門有希?情報統合思念体ね。あたし達書き手はいっつも情報爆発起こしていそうだからいい研究対象ね。
まあ、あの子は本体から分離したっていうし、まけにまけて10%よ!」
「い、いやあ、いくらなんでも私達閉鎖空間なんて作れないんだけどねえ」
「うっさい!レヴィ?うわ、やば、どうしよ!?あ、でも気まぐれ起こす時もあるし。よし、5%ね!」
「あ、あのね、かがみん?」
「何よ!?今からすんごく難しいところなのよ!?」
「え、えっと、そろそろその変にしとかないと原作ファンが怒るかなあっと」
「無視よ、無視!ロワなんだし、心情変化の一つや二つう!さあって、残るは地球破壊爆弾にキングゲイナー?
む、無機物っていくらなんでも節操無さ過ぎよ!ええい、自棄よ自棄!アニミズムばんざーーい!二つ合わせて4,9%!!」
「さ、さすがにもうこじつけとしか……」
「アニミズムを舐めないで!これでも神社の娘なのよ、かがみんは!」
尚、アニミズムとは生物・無機物を問わないすべてのものの中に、霊魂もしくは霊が宿っているという宗教敵考え方である。
八百万の神々っていうんだし、爆弾やロボットにでも問題なし!
「さあ、これで残り1%よ!正体不明の最後の変身。つまり無限の可能性が宿っているのよ。0,1%なんて余裕でクリアー!
50+30+10+5+4,9+0,1=100%!!これで文句ないわよね!?」
内心文句ありすぎよ、とセルフ突っ込みしまくりだ。ほんとはすんごくびくびくしてる。
もっと上手な伝え方があったんじゃないかって。
爆弾は100%って数字を聞いてから、口を馬鹿みたいにポカーーーんと開けたまま(〓ω〓.)。
あ……。
「無茶苦茶だよ、かがみん」
爆弾は、笑っていた。さっきまでとは違う。いつもの彼女のゆる~い笑みで。
ずいぶん久しぶりにこなたスマイルを見た気がする。昼間にはさんざん見たはずなのに。
嬉しいって気持ちが溢れて止まらなくて、私の口も自然と笑みを浮かべていた。
「無茶を通して道理を蹴っ飛ばすのがあんた達アニロワ勢でしょうが!」
ついでにそんなフレーズも口から飛び出していたり。
あれ、私アニロワのことさっきまで覚えていたっけ?
ってかこれ2のセリフよね?普通ここは1stのセリフを言うところなんだけどなあ。
ま、いっか。それじゃあ一番大切なことからやり直そう。
「独占したいならさ。こなたのことしか見えないくらい、私に愛させてよ。
こなたのことしか見えないくらい、私を愛してよ」
自分で言ってて恥ずかしいけど、考えたらいつも歩み寄ってきてくれたのは、こなたの方からだったから。
今度は、私の番。
「一緒に、生きよう、地球破壊爆弾。好きです。ずっと隣りにいてください――」
そう、仲直りの握手から。
手を差し出す。
二人の距離は、30センチ。
右手が延ばされる。いつでも準備はできている。つかんでくれとばかりに。
それは、なんて、甘美な、堕落のススメ。
地図氏と称された一人の人間の全ての意地を捨ててでも、掴む価値があり得る右手。
「あ、う、ああ……」
いいのではないか。
何となくだがわかる、自分は本物の地図氏じゃないって。
なら、地球破壊爆弾と名づけられたキャラが、地図氏と称された人間の誇りの為に幸せを犠牲にする必要はないのではないか。
「う、あ、うう……」
書き手としての誇りを埋め、WIKI管理人に『勝利』するのではなく、無難なハッピーエンドを掴み取っても良いのではないか?
爆弾は、その誘惑に逆らえなかった。
ぶちり、ぶちりと、自らを束縛する誇りという糸を引きちぎっていくかのように、のろのろと手を伸ばす。
あと
29㎝――ぶつり。
「かが、みん……」
24㎝――ぶちり。
「こなた……」
19㎝――ぶつり、ぶつり。
「もう、死んだりしない?」
14cm――ぶちりぶちり。
「うん。こなたも、約束して」
9㎝――ぶつり、ぶつり、ぶつり!
「私を置いて一人で死なないって」
4cm――ぶちりぶちりぶちりぶちり!
「大丈夫、私は絶対死んだりしな」
-1cm――トスッ
届いた。
クールなロリスキーの背に生えた触手が、爆弾の心の臓へと。
「え?」
それは、どちらの悲鳴だったか。
ずるりと、急所を砕かれた地球破壊爆弾が地へと崩れ落ちる。
伸ばした手は、繋がれることもなく、むなしく空を切る。
「ちょ、ちょっと、何よ、これ!?あたし、こんなの、こんなの知らない!」
トストス、トストス。
BGMは困惑したロリスキーの悲鳴。
触手は数を増やし軽快なリズムを立て続ける。
「やめて、やめてよ!止まってよ、ねえ!」
トストス、トストス、トストス、トストス、トストス、トストス。
止まらない、止まらない、止まってくれない。
願っても、自分で掴んで止めようとしても無駄だった。
触手は執拗に、執拗に、何度も何度も爆弾の体を貫いていく。
クールなロリスキーの不運は3っつ。
一つは今の自分がどういった身体かを理解していなかったことだ。
スーパーかがみんお記憶は確かに受け継いでいる。
けど、それはスーパーかがみんの全てを知っているということではない。
例えば、そう。
全てのスーパーかがみんが内包している柊かがみ因子が、参加者への残留思念の追加同様更新されていたとしたら?
そしてそのことに当の本人が気付いていなかったとしたら?
本人の知らないことは、記憶には残り得ない!
故に、ロリスキーは知らなかった。
アニ2かがみん因子の一部として、誰よりも
『自分が死なないと思っている奴を殺したがる』一人の狂人の記憶が混ざっていたことに。
アニ2本編において、柊かがみがその記憶に振り回され、
彼女が依存していた男を死に追いやってしまったという悲劇を。
「う、嘘?なんで、なんで私がこなたを?こ、こんなの変よ、変。ありえない、ありえない、ありえない
私はただ、こなたを犯したかっただけ……あれ?嘘、嫌だ、助けてよ、アルベルト。あれ、あれれ?
で、まさかあんたは自分が死なないなんて思ってるんじゃないわよね?いま闘争の真っ最中なんだから。
何これ、何これ、頭が痛い!あ、あああああああああああああああああああああ!!」
次々と不可思議な言葉を発しながらロリスキーが強烈な頭痛に耐えきれず、地面を転げまわる。
これが二つ目。
今の彼女の錯乱は『なりきり』システムと現ロリスキーボディの圧倒的な相性の悪さに起因する。
書き手としての思考制限を目的とした本ロワのなりきりは、
ボディの方を基盤としメンタルをキャラクター側に引きずっていく特色を持っている。
Q 今のロリスキーのなりきり対象は?
A 柊かがみ
そう、この『柊かがみ』が曲者なのだ。
カオスロワ、アニロワ2、漫画ロワ、ニコロワ、番外書き手ロワ2。
最後の一つは厳密には違うので取り除くとして、残り4っつのかがみんを思い浮かべて欲しい。
3っつでも2つでも構わない。
さて、皆さん。果たしてこの『柊かがみ』というキャラクターが、基は同一人物だったなんて思えるであろうか?
確かに基盤は一緒だ。カオスかがみんを抜いて外見も衣装の差こそあれ等しい。
では、肝心のメンタルは?なりきり時の最重要ポイントである性格は?
驚くほどにバラバラである。
しかも、このロワのなりきりはキャラの性格の全体像というよりも、もっとも目立った状態を模する傾向にある。
極端な精神状態の方が、考察妨害には向いているからである。
具体例を挙げれば
暴走、不死身の、ラッド化、レズなレイプ魔。
とこうなる。
そんな『柊かがみ』を対象になりきりシステムが発動すれば?
どんなに性格が違えど、元キャラは完全に同一の『柊かがみ』。
なりきりシステムは存在意義に従い忠実にロリスキーを『柊かがみ』に近づけようと働く。
初めはそれでなんら問題なかった。
あくまでも漫画ロワ2の書き手である彼女の身体は漫画ロワ仕様だったからだ。
何故か不死者ではあったが、一応漫画ロワの激戦使用時とイメージが重なったため、大したブレは発生しなかった。
漫画ロワのかがみんが暴走事故後は一番原作順守の性格だったことと、
事故の原因の一つであったアーカードの両方と友好関係を結べたことも、彼女の性格の安定していた要因である。
しかし、その安定が崩れる予想外の事態が発生した。
スーパーかがみんとの融合である。
この結果クールなロリスキーは漫画だけではなく、カオス、アニ2、ニコと他のかがみんの性格にも引きずられだしたのだ。
それが爆弾の死なない発言によるラッド因子の暴走により、一気に表面化。
別キャラと呼ばれるほど様々な違いがあるとはいえ、なりきりシステムからすれば全てが同じ『柊かがみ』。
全く別ベクトルに心を弄られ続けたことにより、なりきりが最も進行していたロリスキーは影響をもろに受け、
極度の錯乱状態へと陥ってしまったのである。
参加者でない故になりきりの制限下に入っていなかったスーパーかがみんが、
この問題を見落としていたのは仕方のないことだった。
それでも、それでもである。
所詮ラッド化は一発ネタに過ぎず。
所持していた激戦の力により、心臓を貫かれた爆弾も数秒後に完全復活。
無事だった彼女に悟らされるなり、肉体言語で語られるなり、パヤパヤするなりされれば、
ロリスキーも真相に辿り着き、事件は一見落着するはずだったのだ。
落ち着いて常に心を強く持っていれば、全くの無害なのだから。
ところが、三つ目の不幸がここでロリスキーを襲う。
「ば、化け物?不死身?ドラゴン?わからない、わからない、わからない!私はいったい何なのよお!」
アイデンティティの崩壊の危機を前に、自問自答を繰り返すロリスキー。
その問いに本来ならあり得ない、あってはならない答えが返ってきてしまったのである。
――決まっている。他人にも自分にも不幸をばら撒く疫病神さ。最悪の、な。
「イヤアアアアアアアアアアア!!」
初めに思い出したのは白い仮面の男――GR版最速の人。
少なからず思うところがあった彼は。
何がきっかけで死んだ?誰を守ろうとして死んだ?
「違う、違う、違うぅぅぅぅぅぅう!!」
頭を抱え壊れた悲鳴を上げるロリスキー。
同時に赤いスタンドが顕現。回りに炎を撒き散らし、彼女を中心に焼け野原を形成する。
次に思い浮かんだのは黒い仮面の男――
忘却のウッカリデス。
いつも私のフォローをしてくれたいた彼を。
殺した人物に利用されたのは?都合よく頼ろうとしたのは誰?
「嘘、嘘、嘘、嘘よ!私は、私は!」
最後に現れたのは幾つもの姿を持つ少女――地球破壊爆弾No.V-7。
私がずっと一緒にいると約束した彼女は。
誰が死で修羅へと堕ちた?誰の手で直接――
殺された?
「疫病神?みんなを、不幸にする?三人が死んだのは、全部全部私のせい?」
ぎゃりぎゃりと、ぎゃりぎゃりと、なりきりが強い一つの感情に引きずられ固定されていく。
崩れ落ちる天井をロリスキーは避けもしない。
ぐしゃり。
ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり。
――みんなが協力できるように頑張った私が間違ってたっていうの?
アレな展開のせいで口げんかが始まって、その口げんかが原因でカッとなって殺されたニコかがみのやるせなさが。
ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり。
ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり、ぐしゃり。
――考える事をやめてしまえばいい。考える事をやめて、殺戮の快楽に身を任せてしまえばいい。
信頼できる大切な人を己が手で殺した事実を受け入れられず、自我を殺し感情を麻痺させたアニ2かがみの諦観が。
じゅるり。
じゅるり、じゅるり、じゅるり。
──だから……私はもう誰にも近づいてはならない……誰も近づけちゃいけない……!!
──私に誰かが近づいたら…………きっとその人も……また……また……!
殺し合いに放り込まれ、吸血鬼と出会い、誰かを殺す力を振るい、遂に化け物と呼ばれた己への漫画かがみの恐怖が。
歪に捻じれて『絶望』の名のもとに混じり合う。
その心の変化に合わせるかのように、再生に合わせて外見すらも変わっていく。
――それらの事に対する報いとして、私はもはや人の姿ですらなくなってしまったのだろうか。
死んでは生き返らされ、死んでは生き返らされ、何度も何度も生き地獄を味わい、堕落したテラカオス4期かがみの悪夢へと。
収束する、収束する、収束する!
そして……。
全てが灰色に染まる地の果ての世界に木炭のようなものがある。
それは僅かにうごめいたかと思うと、ゆっくりと起き上がってゆく。
立ち上がると同時に体にへばり付いていた炭は全て零れ落ちた。
木炭の中から、まるでサナギが蝶々へとなるように、あるいは不死鳥の誕生のように、新生した柊かがみが現れた。
周りを見渡すと赤く燃え続ける世界。
心臓を砕かれ、煉獄の炎にくべられては不死王とて生きていまい。
つまり……地球破壊爆弾は…………確実に、自分が…………
再び吐き気が襲うが巨竜と化した口から出てくるのは炎だけ。
惰性で吐き出すと、なぜだかクスクスと笑いがこみ上げてくる。
止まらない。
──三人とも死んじゃったのに、私だけ生きてる……フフ
何処へ向かうでも無く、地上を目指して飛翔する。
もう自分がどうでも良くなり始めた。
――この姿なら、誰も近寄ってこない。
――近寄ってきたら、暴れて怖がらせれば、逃げてくれる。
――それでも、逃げずに立ち向かってくるのなら、
――きっと、その人が、私を殺してくれる。
今ここに一匹のドラゴンが生み出された。
炎を従え、八の尾をくねらせ、刃の翼をはためかせるその姿は、一種の芸術性すらも感じられる。
ただ、眼帯を嵌めた瞳から絶え間無く流れる涙が、やけに不釣合いだった。
【E-8/病院地下/夜中】
【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、覚醒・復活、自閉、絶望、諦観、恐怖、ドラゴン化
【装備】:なし
【道具】:なし
【思考】:私なんて、いなくなれば、いい。
基本:自閉
0:私は、疫病神……。
1:誰も近づけたくない。
2:近づいてきたら脅す。(無意識ですが本気で攻撃します)
3:殺してもらえるなら、それもいい。
※容姿は柊かがみ@らき☆すたの髪の色をしたドラゴンです。
ヴァルセーレの剣の刃でできた羽を3対六翼持っています。
尻尾はマリンデビモンの触手が変化して8つです。
※何故か不死身です。
※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
柊かがみがその時点で使ったことのあるあらゆる力、アイテムを使用できます。
ロリスキーの絶望に呼応し、やばい時のかがみの記憶に引きずられ暴走中です。
※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。
※地球破壊爆弾No.V-7を殺したと思っています。
※いつ目覚め、どこから(コロンビーヌと地球破壊爆弾の)話を聞いていたかは後続の書き手にお任せします。
そしてクールなロリスキーだったものが去った後に、一人の男の声が木魂する。
「またか、また、かがみんを、奪うのか」
拳握りしめ、牙をむき出しにしているのは、アーカードに変身した地球破壊爆弾だ。
その手に握られた激戦が、彼が生き延びた要因であることは言うまでもない。
「仮面ライダー、書き手ええええええええええええええええええええええ!!」
爆弾は一瞬だが感じたのだ、あの男の魂を。
ロリスキー復活に際し使われたライダー書き手の腕。
恐らくあの腕を媒介に死に際のあの男の怨念が、ロリスキーに何らかの形でフィードバックしたのだ。
腕一本分な上、本編でも物議をかました設定だ。もはや残留思念さえ残っていまい。
それでも、自身の死を認められなかった彼は、恐らく直前に食った『柊かがみ』に不幸の責任を求めたのだろう。
真相は誰にもわからない。
けれども、地球破壊爆弾の胸には、今ただ一つの真の願いの炎が灯っていた。
「認めよう。貴様の言う通りだ、人形。こんな、独りよがりの結末など、私は認めない!!」
地球破壊爆弾。彼がこれからどう動き、そのことがどう物語に影響するのか。
それもまた、誰にもわからない。
【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)、ダメージは完全回復、アーカードの姿、強い決意
【装備】:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)
【思考】:かがみん……。
0:ロリスキーい!!
1:???
※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1~6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
※クーガーの早口台詞が言えます!
※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
【スーパーキョンタイム】
地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
【地図氏の地図】
参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。
最終更新:2008年06月09日 14:08